@shikishaa
・暗闇の中、リリウムと同様に「ヴァンプは不死を失った」のナレーションが流れる。中央にシルベチカを配置し、薬を飲む場面。シルベチカ以外の全員が捌け、リコリスが舞台袖から入場。ぼんやりと佇むシルベチカ。「シルベチカ?シルベチカ?」と何度も呼びかけるリコリス。
「あれ?リコリスここは…」混乱しているシルベチカ。チェリーとリリーがシルベチカを見つけて駆け寄ってくる。なぜ自分がここにいるのかわからないシルベチカ。繭期の症状ではないかとチェリーに一蹴される。
シルベチカ「私は塔の上から身を投げて死んだはず」
チェリー「でもあんた生きてるじゃない」
シルベチカ「本当だ、生きてる」
ピーアニー入場。チェリーはピーアニーのことを気に入っているのか駆け寄り、抱きしめてよしよしする。
シルベチカ「ピーアニー、久しぶり」
シルベチカの「久しぶり」という言葉に戸惑うチェリーとリリー。「大丈夫?さっき薬の時間に会ったじゃない」と怪訝な表情。シルベチカは二人の反応に戸惑うが、「なんだか眠くなっちゃった」とそれ以上踏み込まない。会話の途中に眠くなるなんて、と呆れるチェリー。
ピアニーは本題へ移り、竜胆と紫蘭がクランの新入りを紹介するために皆を呼んでいると告げる。
・クランに新しい仲間が来たと竜胆と紫蘭に集められる一同。新入りはマリーゴールド。自己紹介をしろと言われ「それはあなたにとっての当たり前であり私にとっての当たり前じゃない。あたしにとっての当たり前は…みんな大嫌い」と拒絶し、去る。
・ローズがマリーゴールドはダンピールだ、ダンピールと一緒なんて絶対に嫌だ身の毛がよだつと喚く。動揺を隠せないチェリー。「そうよね、あたしもよだつわ、身の毛!」
カトレアが急に退屈だと言い出し、ローズとナスターシャムを連れて退場。
・マーガレットは新入りなんてどうでもいい、だって自分はプリンセスだから!と言ってじいやを探し始める。じいやもばあやも見つからず、相手にされなくなり今夜はダンスパーティだと言い出す。かぼちゃの馬車はどこーーー!!と叫びながらミモザらを連れて去る。
・マーガレットに突き飛ばされて倒れていたリリーがチェリーらに助け起こされる。その様子を遠くからじっと見つめているスノウはリリーと目が合うと立ち去る。「スノウは寂しそうに私を見て来る。寂しくて何かを諦めたような目」
・スノウと入れ替わりにキャメリアが登場。「やあ、シルベチカ」と声をかけるとシルベチカはキャメリアに抱き着く。いちゃいちゃするなとチェリーに怒られ、キャメリアとチェリーは口論に。リリーに「本当に仲が良いのね」といわれ「仲良くなんかない!」とハモる。「もう行こう」とシルベチカの手を取り連れて行こうとするキャメリア。そこに貧血のファルスが乱入。リリーに助け起こされ、口説き始める。壁ドンを繰り返して迫るが、チェリーに蹴りを入れられる。騒ぎを聞きつけた紫蘭がやってきてここは女子寮だから帰れとファルスを追い返す。(その際ファルスを追い掛けて自身も退場)キャメリアはシルベチカの手を取り、バカが移るから行こうといって連れていく。
残されたリリーとチェリー。キャメリアとシルベチカの二人は付き合っているのではないかとクラン中で噂になっていることをチェリーに吹き込むリリー。チェリーは「私には関係ない」とつっばねるが、動揺を隠せない。リリーは「素直じゃないね。落ち込むなって~!」とチェリーを明るく励ます。
**********暗転、場面転換***********
・シルベチカのナレーションで繭期とクランの説明。
・リコリスとシルベチカが二人きり。夜中にどうしたの、とシルベチカに尋ねるリコリス。シルベチカはなんだか眠れないのだと言い、不安を口にする。一年前にクランに来たはずなのにずっと昔のように思うこと。昔のことを思い出せないこと。思い出そうとすると、誰かに思い出すなと言われているような気がすること。嵐の夜に塔から落ちて死ぬ夢を見ること。リコリスはその夢は繭期がシルベチカに見せる予知夢ではないかと伝える。繭期の症状で感覚が鋭利になる「イレギュラー」という能力。いくつか例を挙げ、その中で「たとえば手に触れた相手の死が見えたり」とシルベチカの手を取る。
シルベチカの夢は「繭期があなたに見せる未来の出来事」なのだと。
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・マリーゴールドをファルスの前に強引に連れてくる竜胆と紫蘭。「このクランの正式な仲間になる儀式」としてマリーゴールドを噛みイニシアチブを握るファルス。「ここにいる限り君の幸せは僕が叶えてあげる」と自身のイニシアチブによって足元に跪いているマリーゴールドを見下ろしながらつぶやく。
**************場面転換***************
・話があるとシルベチカを呼び出すチェリー。キャメリアのことについて聴きたいと告げる。「あたしたちはクランに来る前から一緒の幼馴染で親友よね」と前置きし、シルベチカとキャメリアは付き合っているのかと聞く。親友として二人を応援したいからと伝えるチェリーにきょとんとするシルベチカ「そんなのあるわけないじゃない。キャメリアのことなんてなんとも思っていないわ。キャメリアのことを好きなのはチェリーあなたでしょ?」。シルベチカに戸惑うチェリー。キャメリアのことを好きになるわけない、あなた(チェリー)の方が大切だと断言するシルベチカ。戸惑うチェリー。
リコリスが登場し、「調べたいことがあるから手伝って欲しい」とシルベチカを呼び出し連れて行く。残されたチェリーは「どうなってんのよ…」とつぶやく。
**********暗転、場面転換*****************
・リコリスとシルベチカ。「調べたいことって何?」「調べたいこと…?ああ、あれは嘘よ」「嘘?」リコリスはシルベチカを連れだすために嘘をついていた。チェリーはキャメリアが好きだから困る。だからシルベチカにはチェリーと話して欲しくないのだという。戸惑うシルベチカに「あなたに言ってもわからないわ」「キャメリアはあたしのものよ」と突き放す。
*************暗転、場面転換******************
・マーガレット親衛隊の一人、ピーアニーが竜胆と紫蘭によって、適合試験体としてお館様元へ連れてこられる。ピーアニーは秘められた可能性を持つ適合者であり、ウルとなる可能性があるのだという。抵抗するピーアニーは現れたファルスに助けて欲しいと縋る。竜胆がファルスをお館様と呼ぶ。なぜファルスがお館様なのか、お館様は血盟議会のお偉いのはず。戸惑うピーアニーに「ぼくは長い時を生きている」と何百年も前、クラン創設の頃から生きていることを示唆するファルス。「あなたはまさかTRUMP」とつぶやくピーアニー。「TRUMP?僕が?まさか!クラウスなんかと一緒にするな!僕はTRUE OF VAMPなんかじゃない、FALSEだ」激高するファルスに竜胆は「それでもあなたは私たちにとってはTRUMPです」と告げる。「ピーアニーにスティグマを刻むのです」と紫蘭はファルスへ剣を差し出す。
・「僕が絶対に君を死なせやしない」とピーアニーを刺すファルス。倒れたピーアニーに「立ち上がるんだ。僕が間違いじゃないと証明しろ。不老不死を見せてくれ」と呼びかけるがピーアニーは死んでしまう。「やっぱりウルにはなりえなかったか」と落胆するファルス。紫蘭もまた「不老不死はこの空の星を手に入れることのように無理なのかもしれん」と落ち込む。紫蘭の言葉を聴き、ファルスは空の星へゆっくりと手を伸ばす。
・星には手は届かず、崩れ落ちるファルス。紫蘭と竜胆がその背に覆いかぶさるように慰める。
ファルス「すまない、竜胆。紫蘭。だが僕はいつか手に入れてみせる。永遠の繭期を」
・物音がして飛んでいく竜胆。ピーアニーが殺される様子をスノウは目撃していた。イニシアチブでスノウを呼び寄せるファルス。
スノウ「どうしてあなたがイニシアチブを」
ファルスはクランの仲間全員のイニシアチブを握っていることを明かす。「みんな僕の虜だ」
ファルスはイニシアチブでスノウがこの場で見聞きした記憶を消す。目が覚めたスノウは自分がなぜここにいるのかわからず、竜胆に部屋へ帰るよう促され立ち去ろうとする。去り際に振り返り、ぽつりと「TRUMP…」と呟くスノウ。
紫蘭(竜胆?)「今なんて…」
スノウ「あれ?私どうしちゃったんだろう…おかしいな、疲れてるみたい」
スノウは立ち去ったが、「お館様のイニシアチブが弱まっている」と竜胆と紫蘭は動揺する。ファルスは「そうかスノウ、君は僕になり始めているのか」と喜んでいるようだった。
********場面転換***********
・ピーアニーが死んだことがクラン中に広まる。血まみれのピーアニーを竜胆と紫蘭が埋めるところを目撃した少女がおり、ピーアニーはきっと殺されたのだと噂に。ここにいたら私たちも殺されてしまう、そんなの絶対に嫌! 不安がクランに広まり、ファルスはピーアニーに関する記憶を全員から消す。
「嫌なことは全て忘れるんだ。悪夢なんていらない。ここには幸せな夢だけあればいい。ここは僕たちのユートピアだ」
「「「ピーアニーって誰? そんな子このクランにはいないわ」」」
ファルスは記憶を操作した後、泣いていた。
*********場面転換**********
・泣いているリコリスを見つけるシルベチカ。
リコリス「ピーアニーが死んじゃったの」
シルベチカ「ピーアニーって誰?そんな子このクランにはいないわ」
リコリス「みんなピーアニーを忘れてしまってる。誰かがイニシアチブを掌握しているのよ」
シルベチカ「誰が?」
リコリス「わからない…。ここは箱庭。でも安心して、あなたが忘れても私は覚えてる。だって私たちは二人で一人なんだから」
シルベチカ「なんだか眠くなっちゃったからもう行くね」
立ち去るシルベチカ。入れ替わるようにキャメリアがやって来てリコリスに話しかける。誰かと話していたのかと聞かれ、否定するリコリス。キャメリアに抱き着き、抱きしめて欲しいと懇願する。リコリスを抱きしめるキャメリア。
リコリス「離さないで、ずっとそばにいて。あたしはあなたがそばにいてくれればそれで良い」
キャメリア「離れたりしないよ。ずっと一緒にいよう。おじいちゃんになっても、死が二人を分かつまで」
リコリス「ねえ…二人が一緒にいられなくなっても、約束して欲しいことがあるの」
キャメリア「なんだい?シルベチカ」
リコリスにシルベチカの声が重なり「私を「「忘れないで」」
暗転、終