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Diamond.1-2

全体公開 1 1189文字
2016-01-29 22:49:17

あなたは魅力に満ちている

Posted by @na75go

 オレンジと黄色のカーリングリボンを操って、重ねてくるりとカールしたリボンも鮮やかな花束が用意され、ジョセフは驚きに目をぱちくりと瞬かせた。
透明とマリンブルーのセロファンが包み込んだ白いカスミソウとラナンキュラス。重なる花びらは華やかなのに白で統一されたそれは不思議と清楚で可憐で、華美ではないそれを受け取ると面映い思い出ジョセフはシーザーを見た。
「なに、どうしたのよ
頼んだ記憶の無い花束を手渡されて、ジョセフは尋ねる。
指先でつついたはなびらがたおやかでやわらかく、すぐに指を離して首をかしげた。
シーザーは特に何を言うでもなく、口元にやわらかく笑みを浮かべてジョセフを見ていた。
フと目に付いたカレンダーには小さくまるがつけられていて、何かの記念日だろうかと思うも特に思い当たるものは無い。
「何でもない。なんとなくお前にやろうと思っただけだ。」
とろりと甘い目元に乗った笑みにじんわりと顔が熱を持ったことを知って、ジョセフは熱を逃がすように頭を振った。
廃棄の近いわけでも無かろうに丁寧に包まれた花に感謝しつつ、ジョセフは「これなんて花?」と携帯を取り出しながら聞くが、「秘密だ」と返された穏やかな声に口を尖らせる。
「前に教えたとおり、2,3日に一回少し茎を切って新しい水に入れれば長持ちする。」
大事にしてくれよと続けるシーザーは本当にそれ以上ジョセフに情報を渡すつもりは無いらしく、にっこりと笑みを貼り付けて話を終わりにしてしまった。
結局母親たるリサリサと夕食の約束をしていたジョセフはシーザーに背を押されて店を出て、納得できないままに帰宅したのだった。



 帰宅したジョセフの抱えた花束にリサリサは目を見開いた。
表情の崩れない彼女にしては珍しいその顔にジョセフがシーザーとのやり取りを語れば、今度は楽しげに目元を和らげる。
「そうだったわね、そういえば貴方が私に花を買ってきてからもう1年になるのね。」
懐かしいと言いながらラナンキュラスを一輪手に取ると「この子だけ、部屋に貰うわ。」と言い残して花瓶を取りに行ってしまう。
その姿を見て、ようやくジョセフもシーザーの手で包まれた一輪の花を去年の今日の日、リサリサに贈ったのだと思い出す。
リサリサが持っていったあの花が、去年と同じ花であったことも思い出す。
「なあ、リサリサ!それってなんて花?」
「聞いて来なかったのですか?」
「聞いたけど教えてくれなかったんだよ。」
むすくれた様子の息子に彼女が思わずクスリと笑いをこぼす。
「ラナンキュラスという花よ。ちゃんと手入れなさい。」
活けたら食事にしましょうとキッチンへ向かう背を尻目にジョセフは携帯にラナンキュラスと打ち込んだ。
見つけた花言葉にへたりこんだジョセフの耳が赤かったことは、ざっくりと活けられたラナンキュラスの花だけが知っていた。


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