@shalnadia
*憑の魔王の世界だ。
*憑の魔王は留守のようだ。
*猫たちが寄ってきた。
*川がある。青い鳥が流れている。
*畑がいくつかと家がある。
*高さ2m、幅1mはあろうかという扉だ。カギはかかっていないようだ。
*本棚がある。
*本棚には手書きのメモ、聖界で作られたであろう本、聖界以外で作られたであろう本がある。
*日記らしきものを見つけた。読んでみる?
*かなりの量だ。飛ばし飛ばし読んでみよう。
・くしゃくしゃの羊皮紙たち
もじ れんしゅう
*かろうじて聖界の文字とわかるものが大量に書き綴られている。
*次第に上手になっていっているのがわかる。
・日記らしきもの
せいかいにはにっきというぶんかがあるらしいのでまねしてみる
にっきとはあったことをしるしておくものらしい
*しばらくは日記というよりメモ書きが続いている。
*どんどん字がうまくなり、語彙も増えていっている。
今日は勇者が来た。実物を見たのは初めてだ。
殺し損ねて逃げられてしまったのが残念だ。
今日は先日の勇者がまた来た。また殺しあった。
今回はなんとか勝てたが、また逃がしてしまった。
もう来ないでほしい。
今日は先日の勇者がまた来た。また殺しあった。
なんとか手足をもぎとってやったが、こちらの身体も壊されてしまった。
しばらくは眠ることになりそうだ。
聖界の物語によれば、勇者は民家や魔王の世界に侵入して盗みや日記を読むなどしてもいいらしい。
また、何故かその日記は口語調であることが多いようだ。
とりあえず、明日からはその文化に従っておこうと思う。
暦と時を測るものがほしい。しかし、この世界の暦がどうなっているかは我にもわからぬ。
時間を測るにしても、基準をいつにすればいいかもわからぬ。困ったものじゃ。
01/01/01
聖界は今日が一年の始まりの日らしい。
とりあえず、今日が我の世界の一年の始まりの日ということにする。
08/01/01
久々に例の勇者が来た。もぎとってやったはずの四肢がまたあった。
どうしたのか問うと、我に勝つために他の魔王から奪ってきたのだという。
なぜそこまで我に拘るのか、全くわからない…。
08/02/01
いつからか、例の勇者が来ることを楽しみにしている我がいる。
最近では殺し合いというよりスポーツのようになってきている。
もう無理に戦う必要はないのでは?その一言が、どうしても言えない。
16/06/01
ようやく、言えた。かの者もそれを受け入れてくれた。
だが、既にかの者は勇者と呼ぶには余りにも穢れすぎていたらしい。
かの者が断罪の天使なるものに処されたと聞いたのは、
*あとは涙の跡で読めない…
・別の日記らしきもの
01/03/02
今日はいい拾い物をした。傷だらけながらも美しい少女だ。
女神、と口にしたから、勇者か魔王なのだと思う。
だとすれば、我の取り分が多くなりそうじゃ。しばらく看病するとしよう。
02/03/02
一晩で骨が見えるほどの傷を負ったものが傷跡なく癒えるものだろうか?
他の勇者や魔王を知らぬゆえ、これが普通かわからぬのが難点じゃ。
しかし話しかけても目線もくれぬし、返事もくれぬ。食事もとらぬ。
03/03/02
昨日の少女、今日も返事がないし、食事も取ってくれぬ。
04/03/02
先日の少女。明らかに衰弱しているが、食事どころか水を飲む気配もない。
なので、取り憑いて動かしてやろうとしたが、ものすごく抵抗されてしまった。
心を無くしたわけではなく、消極的に死を迎えようとしているのじゃろうか?
だがそうはいかぬ。絶対に死なせてなるものか。こんな気持ちは初めてじゃ。
05/03/02
昨日はあんなに抵抗したのに、今日は一切反応してくれなくなった。
取り憑いても、食事をしても、無反応。なぜか悲しくなった。
心を自ら殺したのであろうか?ならば、我が有効活用してやろう。
そう、これは下心などない、肉体の最適化なだけなのじゃからな!
06/03/02
朝目が覚めると枕元に青い宝石が落ちていた。
かの者が以前、勇者は瞳と同じ色の宝石を勇者の証として与えられると言っていた。
ならば、そういうことなのだろう。
しかしこの身体はいいものだ。とても軽い。
07/03/02
身体が火照って仕方がない。こうして日記をつけるのもつらいほどだ。
胸が苦しいし、股がむずむずして仕方がない。
風邪というものだろうか。
14/03/02
かの勇者に瓜二つの者が訪ねてきた。
だがその勇者は知らないし、自分は勇者でも魔王でもない、という。
何故かわからぬが、その者には何でも話したくなってしまった。
また、来てくれるといいが。
01/04/02
いよいよ身体の火照りで動けないぐらいになっていたところに、かの者がまた来てくれた。
そして、火照りの正体と解消方法を身体に教え込まれてしまった。すごかったv
*日記とは名ばかりのノロケ話や官能小説めいた文章が続いている…
*二人の仲は急速に良くなっていき、肉体関係を持ったことはわかった。
01/03/02
今の身体になって1年が過ぎた。未だ、この勇者は目覚める気配がない。
しかし、成長もしておらぬが劣化もしておらぬのは、勇者だからなのじゃろうか?
04/04/02
久々に勇者の身体に憑かぬ一日を過ごした。
おかしい、以前と明らかに我の魔力の質が変わっている。
ゆえに、我の身体の構成も変わってしまっている。
ゲル状の身体も便利そうではあるが、ヒトの姿になる練習は続けなければ。
*しばらく特に興味を引く記述はない。
*勇者と話し合ったり他の魔王と取引して身体の意識を戻そうとしたとか、その程度だ。
31/12/04
今年は多くの者と知り合えた。協力的なもの、敵対的なもの、それぞれだ。
来年こそは、この身体の意識が戻りますように。
…邪神殿に祈ればよいのかの?それとも聖界の女神にじゃろうか。
01/01/05
一体何が決め手だったのか?
奇跡、などという言葉を信じてはいないが、今だけはそう言うしかない。
おはよう、勇者の少女。目覚めてくれて、ありがとう。
*! 魔王の気配を感じる。
*これ以上とどまるのは危険なようだ。
*あなたは早々に逃げ出した…