@NAO31682
#SUHO
今日も彼はやってきた
時刻は18:30
辺りをキョロキョロ見渡して
カウンター近くの席に座る
そしてカバンを開き…
あーあー今日もカバンの中身がぐちゃぐちゃ
本にノートに筆箱に
タブレットと…そうそうメガネケースもお忘れなく
今日もやってきたお坊っちゃま
キムジュンミョンさん
「あ、坊ちゃまきた?今日も何か探してるの?」
『そうみたい今日は…』
あった!って小声で言って
嬉しそうにカバンから取り出したのは
腕時計
腕時計は腕につけましょ?ジュンミョンさん
私は貴方を知ってます
貴方は私を知りません
必ず定時にやってくる貴方に
私は恋に落ちたようです
見た目とは裏腹に
図書館司書になって数年
私は図書館に勤めていた
ここ最近18:30になるとやってくる彼
席に着くと必ずごそごそ探し物
どうやら鞄の中がごちゃごちゃしているらしく
毎日探し物から始まるの
一緒に働いてるセフナが隣で彼を見て笑ってた
見た目は清潔なお坊ちゃんなのにねって
たしかにいいスーツも着てるし
靴もいいものを履いていた
ある日書棚の整理をしていると…
「すみません。オリバー・ウィリアムソンの
市場と企業組織ってどこにありますか?」
『経済書は…この棚の…ん?』
ふと彼の手元を見ると
『それです。』
「へ?」
『それ…今手に持ってるやつ…』
「あ!これっ!あ、間違えましたミルトン・フリードマンでした…」
『資本主義と自由…ですか?』
「そ、そうです。それです。あははは…」
真っ白な肌がピンクに染まり
なんだかとても可愛くて笑ってしまった
『こちらです。』
「すみません。ありがとう…」
彼は私から本を受け取りそそくさと席に戻っていった
落ち着いた人かと思ってたけど…案外おっちょこちょいなんだな
それから彼は1か月
毎日18:30になるとやってくる
そしてごちゃごちゃの鞄をあさって
閉館の時間まで難しそうな本を並べて勉強をしていた
集中すると口が尖るのは彼の癖のようだ
「ここ最近毎日来てるね。よくあんな難しい本読んでて飽きないよなぁ。」
『そりゃ勉強しに来てるんだもん。』
「僕にはむりー。」
『まぁセフナには無理だね。』
「あとヌナもね。」
『へ?』
「あの人来るとずーっと目で追ってる。好きなの?」
『ばっ!バカ!そんな事ない!』
「へぇ…怪しいけど?」
『そんな…知らない人だし…』
「知ってるじゃん。名前も。」
彼と初めて話した日
そうミルトン・フリードマンの本を探していたあの日
彼はその本を借りて行った
貸し出しのカードには彼の名前
キム ジュンミョン
そう登録されていた
しかしある日を境に彼が来なくなった
お仕事忙しいのかな
いつもの18:30になっても
彼は現れなくなった
ちょっと
ほんのちょっとだけ
寂しかった
彼が来なくなって2週間が経った頃
時刻は19:00を過ぎた金曜日の夜
休日前の図書館は少し空いていた
カウンターで事務作業していた私は
ガタンという音で顔を上げた
『あ…』
キム ジュンミョンさんがやってきた
でもなんだか様子がおかしい
顔をしかめ書棚に手をついたり
机にぶつかりながら歩いていた
どうしたのかな
やっとの思いで席に着いた彼は
いつものように鞄をがさがさと漁りはじめた
少し違うのは鞄と顔の距離
ほぼ鞄に頭を入れて何かを探していた
仕事にとりかかり私はあることに気が付いた
そういえば…
ふと顔をあげると机に彼の姿はなく
私はあるものを持って彼を探した
経済書のコーナーで
彼は本にものすごく近づいて何かを探していた
『あの…』
「うわっ!!び、びっくりした…」
『あ、すみません。』
「こちらこそ…えっと…」
『あ、あのこのメガネ…』
「え…」
彼の手にメガネを乗せると顔を近づけて確認する
「あ…これ…」
手渡した黒縁メガネをかけると
嬉しそうに目を輝かせて
“僕のだ…”
そうつぶやいた
『やっぱり…忘れ物で届いてました。
もしかして。って思って持ってきました。』
「あ、ここにあったんですね。よかった…探していたんです。」
『よかったです。それでは…』
「あ、あの…名前 さん…」
『どうして私の名前を…?』
「あ、名札で…」
『あ、そっか…名札…で、何かお探し物ですか?』
「いや…そうじゃないんですけど…
僕会社の昇進試験のためにここにずっと通ってたんです
その昇進試験の結果が今日出て…」
『あ、昇進試験だったんですね。』
「い、いきなりこんな話されてもってかんじですよね。すみません。」
『いや、そんな事ないですよ?』
「今日その昇進試験の結果が出て、無事に受かりまして…
それで…もうここには通わなくてよくなったんです。」
『それはそれは、おめでとうございます。』
「あ、ありがとうございます。
それで今日…伝えたい事があってここに来ました。
でも…昨日で2週間経っちゃったんでコンタクトは切れちゃうし、メガネはなくすし…」
『律儀に2week守ってるんですね。』
「え…あ、まぁ…説明書にはそう書いてあったので…」
『あはは、確かに書いてありますね。』
「あ、あの…僕キム ジュンミョンと申します。」
『はい、知ってます。』
「え?」
『毎日18:30に来てましたもんね。』
「…あ…はい。僕の事知っててくれたんですか?」
『はい。毎日時間通りにやってきて
いっつも何かを探してました。』
「あぁ…鞄の中が汚くて…」
『あなたが来ない間少し寂しかったです。』
「え…」
『またお会いできてよかったです。』
「あの…」
彼の眼鏡の奥の目が真剣な目をしたから
私の心臓はドクドクと心拍数が上がった
「僕と…どこか出かけませんか?」
『え?』
「あぁ…ずっと名前 さんの事が気になってて…
僕とその…デートしてくれませんか。」
にこっとさわやかな笑顔がこちらに向いた
少し驚いたけど
私は戸惑うことなく“はい”と返事をする
すると彼は小さくガッツポーズをして
“やった…やった…”
と言っていた
かわいいなぁ
「あ…でもどこに行きましょうか…いきなり映画とかそういうのも…」
『じゃぁ…』
「どこか行きたいところがありますか?」
『まずは…コンタクトを買いに行きましょうか。』
私がそういうと彼は恥ずかしそうに笑って
そうしましょうか
そう言ってにっこりと笑って頬をピンク色に染めた
----------あとがき----------
最近空港写真で上がるスホさんの
超近視画像がかわいくてかわいくて
初めてスホさんを書いてみました
スホさんって可愛いですよね。ふふふ
ということで初すーちゃんでしたっ!
おーしまいっ!
とっぴんぱらりんのぷー
しーゆー
SHIN