@raixxx_3am
「どうだった、さっきんとこ」
「んー」
軽い伸びをしながら、傍の相手は答える。
「オール電化だよね?」
どことなく渋るような様子で、忍は続ける。
「でもさ、火ってきれいじゃん」
「はぁ、」
首を傾げるこちらを前に、告げられる言葉はこうだ。
「ひとりでうち帰ってさ、お茶でも入れよって火、つけんじゃん。そゆ時の火ってきれいだなって」
青白い炎に照らされたその姿を思い浮かべて見た途端、沸き立つ感情なんてひとつしかなくって。
「しの、」
「でもさぁ」
打ち消すように明るく笑いながら、忍は答える。
「そういうの、もう無くなんだよね」
これからはもう、ふたりの家になるのだから。
一抹の寂しさ灯す青い火を消せるようにと家路を急ぐ