@tobizero
tobizeroは祝福の風花と水晶の欠片から創られた騎士の人形。創作者は氷雪の魔女。延命には主と決めた人の歌声が必要です。 #魔女の創作人形 http://shindanmaker.com/413671
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こんこん、とリズムよく魔女の指が机上を叩く。
その合図に、騎士の人形は彼女の指先を――その先に書かれた文字の羅列を見つめた。
早く主を決めなくていいの?
見慣れた一文に、私は溜め息をつく。
「私の主は貴女だけです」
そう言えば、彼女は困ったようにぎこちない笑みを浮かべて、首を傾けた。どうして、とその視線は訴えていた。
「私を創ったのが貴女だからです。それ以上も以下もない」
氷雪の魔女と謳われた彼女。そんな彼女に創られた私は、彼女をただ一人の主と決めて、今日まで騎士として彼女の傍にあり続けた。
――それも、もうすぐ終わってしまうかもしれないのだけれど。
魔女はペンを滑らせて、さらさらと新たな一文を記入していく。
私ではあなたを助けることはできないの。
書き終えて、こんこん、と魔女は机上を叩いた。
「存じております」
人形の命は儚い。人のように永く生きるとはできず、創られてから数年でその命は果てる。
しかし、延命する方法がないわけではないのだ。
――私の延命には、私が主と定めた人の歌声が必要だった。
私がただ主と定めた人は、目の前にいる氷雪の魔女。
しかし彼女には声が無かった。私が生まれるよりずっと昔に、どこかに声を忘れてしまったのだという。
「貴女を最後まで御守りすることは叶わないかもしれない。けれど、貴女以外を主とすることも、私はしたくないのです」
きっぱりと言い切れば、やはり彼女は困ったように笑うだけだった。