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@Lto_knyu
楽奏論破企画
『The end of future plan』
これまでのあらすじ
普段は歌のお仕事をしている日向・狛枝・最原・王馬の元になぜかエレクトーンが届いたよ! (普段字書きでもなんでもない人間が書いてるので、この文章はただの曲のための前置きだと思ってくれよな!あと書いてる人のエレクトーンの知識は8年前で止まってるから、間違っててもそこはフィーリングで許してくれよな!)
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「うわ、結構おっきいね。これ全部練習室の方に入れるの?」
「ひとまずは、だな。でもちょっと増築必要かもな」
届いたのは4台のエレクトーン。型は8年ほど前のものではあるものの、システムも音色もしっかりとした一級品だ。以前の所有者が使わなくなったものを、一気に引き取ったらしい。なかなかの重量があるそれらを、日向と狛枝は室内へと運んでいく。
「エレクトーンの記録媒体ってフロッピーだったっけ」
「お前はいつの時代の話をしてるんだ。今のやつはUSBとかフラッシュとか、普通に使えるぞ」
「へえ」
ピアノよりは一段当たりの鍵盤数は少ないものの、ずらっとならんだ二段の鍵盤と音色操作のボタンは好奇心をそそる。練習しなければなかなか使いにくいかもしれないが、ベース用のペダル鍵盤と、全身で音を操るためのフットペダル。最新型でないとはいえ、この頃からディスプレイもタッチパネル式のようだ。
これだけの機器が、4台も。それをただ単に歌唱の音取り用、ただのメトロノーム、ただのリズム出力にしてしまうのはもったいないと、日向は思う。
「はあ、重かった」
「お疲れだ」
「引き取ってみたはいいものの、このままだと宝の持ち腐れでしょ。どうせなら本来の使い方もしてみたくない?」
「それに賛成だ」
すべて運び終えるとどうやら狛枝も同じことを考えていたらしく、そのうちの一台の電源を入れてみる。ディスプレイに商品名が表示されたのち、音色操作の画面に切り替わる。日向は適当に感覚で触ってみて、鍵盤にそっと指を乗せる。響く音色は、元から自然に混ぜてセットされたストリングス。音階は、C。
「そこで真ん中のドを選んじゃうのが、日向クンらしいね」
「どういう意味だよ」
多くの人が最初に覚えるその音を、音色を変えながら何度か鳴らしてみる。ピアノ、トランペット、サックス、ベース。フルート、バイオリン、クラリネット、コントラバス。同じ場所を押しているのに、耳に入る音がこんなにも違うのが面白い。上下段の鍵盤だけでなく、ペダル鍵盤も足で押してみると、同様に音色を変えながら響きが伝わった。
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「と、いうわけで、だ。そのまま楽器としてもちゃんと使いたいんだが、お前らどのくらい弾けるんだ?」
日向が集めたのは狛枝と、それに最原と王馬。一人一台一パート、4人ならアンサンブルができるのだが、それにはパート分けと、そのための技量を知る必要がある。そして可能ならば、普段の歌唱なら絶対にやらないパートをやってみたい。
「僕は、少し、人から教わった程度だよ。楽譜は読めなくはない、かな」
「オレは実は生まれた瞬間からピアノを弾きまくっていて、とある有名なピアニストの愛弟子なんだ。っていうのは嘘で本当は、オレの右手中指は仕事で失敗してから不随なんだよね。だからピアノ……鍵盤楽器なんて弾けるわけはなくて……それなのに、ぐすっ、オレに弾かせようとするなんてひどいよおおおおおおおおおおおお!」
「王馬くん、君は以前練習室のピアノで遊んで、それなりに弾いていたじゃないか」
「あれ、最原ちゃんに聞かれてたとはね」
最原は少し弾ける。王馬はそこそこ弾ける。
「ボクはまあ、人並みだよ」
「俺も人並みかな」
狛枝と日向は人並み。4人ともペダル鍵盤は使えそうにない。
「狛枝がメインで俺がセカンドで、王馬がピアノで最原がベースかな」
4人のアンサンブルならたいていピアノパートが一番難しい。単純に同時に鳴らす音数が多いのと、常にコード意識が必要かつ、鍵盤楽器を鍵盤楽器で表現するためだ。そこを王馬が担当するのはこの4人ならば必然。エレクトーンで弾くならば一番旋律として簡単にできるのはベースだ。もちろん曲やアレンジによって難易度はいかようにでも上げ下げできるのだが、ルート音さえ抑えていれば、パートとしての役割は果たせる。ただ、それゆえミスは他のパートよりも許されない。慎重で真面目な最原は適任だし、最原は音域と声質ゆえ歌唱ではルート音を担当することは少ない。普段できないことをやるという意味でもぴったりだろう。残りはメインとセカンドだが、たまには狛枝が引っ張っていく役目でもいいだろう。
「ドラムはどうすんの?」
「音源組めばエレクトーンから流せるみたいだね」
「そんなこともできるんだ……あ、こっちはなんだろう」
未知のモノへの興味。今までになかった可能性への期待。白と黒の連続に指をすべらせて、生み出す音は、ただの未来の計画だったものの終わり。
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狛枝 凪斗
メインかあ……。普段とは違う役回りで、ちょっとドキドキしちゃうね。装飾音が多めのサックスの音。うん、悪くないね。フットペダルでスイングかけたいな。このあたりでボクがハモりになった状態でちょうど日向クンが出てきて、そのあと掛け合いのような感じになるのかな?うわ、なんかこの感じ、一筋縄じゃいかないところがほんと日向クンみたいだ。っていうとなんだか似たようなこと向こうも考えてそう。ピアノソロになるとさすがに出番じゃないのはちょっと寂しいけど……。え、これ弾くの?ああ、王馬クンのパートからもらう感じになるのか。それでサックスソロ……次は日向クンに渡せばいいんだね。で、サビに戻ると。それからイントロの再現部に日向クンとボクと積む感じでいいみたいだ。
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日向 創
最初は簡単な和音からのスタートだな。っていっても一筋縄じゃいかない響きで、本当なら狛枝が好きそうな感じだな……。っと、通常のBメロにあたるところは俺がメインに回っていいんだな。そのあとはまた脇役に徹すると。なかなか面白い感じで対立するんだな。ついでに、ここは両手になるんだよな……。うわ、最原ここ大丈夫か?きつそうなら全部四分にしても成り立つは成り立つかもな。そのあとちょうど最原とタイミングが合ってくるんだな。繋ぎやって、また和音系か。お、王馬ちょっと大変か?まあなんやかんや弾きそうだしなんとかなるだろ。そのあと狛枝のソロで……。って俺もソロあるのかよ。でもそこからサビに戻って……。イントロに戻ってコーダか?下から積み上げて終わるんだな。
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王馬 小吉
イントロはセブンスばっかで……。リズムは最原ちゃんと合わせめで。なるほど、つまらなくないじゃん。進むと最原ちゃん結構動くんだ。反対にオレは押さえる感じになって、今度はぶつけた5度で攻めんのか。普通の和音のが少ないから楽しくなりそうだねー!あーでも、上二人の掛け合いもいいね。噛み合ったと思ったら噛み合わなくなって、逃げる感じがさ。って、オレそのあとピアノソロあるんだ。ピアノの最大の見せ場!って感じだよね。基本的に伴奏に徹するからねー。あ、どうせならちょっと遊んで、楽譜にないこともしてやろーっと。は?繋ぎのとここれ弾きにくすぎるやつじゃん。でも次の狛枝ちゃんもこの流れになるならまあいいや。なるほど、ソロが連続するんだねー。最原ちゃんはソロはないけど、反対に音が抜けるところもないのか。狛枝ちゃんと日向ちゃんのソロの間はオレはおとなしくしてなきゃね。次は戻るだけだけど、最後に全体の和音が変わっていくのはアンサンブルって感じ。やっぱりアンサンブルはアンサンブルらしいことをしなきゃね!
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最原 終一
……。ベースが一番簡単だとか言ってたくせに……全然そんなことないじゃないか!正直、僕なんかに弾けるのか……。最初は王馬くんと合わせる感じで……あ、だけど王馬くんの方が僕のパートよりものすごく複雑だな……当たり前か。ここがサビでいいのかな?ここに来ると僕のパート、ずっと8分音符になって……。きつい。あっ、でもここの終盤はちょっと落ち着いてきて……日向くんと合わせる感じになるのかな。ベースでもこうやって絡んでいくんだね……。ちょっと意外だ。えっと……ここは王馬くんのパートがメインになるのかな。うん、これだけ休符があると、絶対遊王馬くんは遊びだすだろうな……。次は、上の二人のソロか。僕は……リズムはおとなしいけど、なんとなく今までと使ってる音が違う感じがするな。そのあとは……あ、これはさっきも出てきた。サビ……みたいなところだよね。そのあとはまた王馬くんと合わせてるから……あ、イントロと同じか。最後はみんなが伸ばしてる間にちょっとだけ僕は動くんだね。これもベースらしさなのかな。