@lmyonsanl
――会長宅にて。
「なぁ、君。あれはどこにやったかね? 今晩の食事会でつけようと思ってたんだが」
「ネクタイかしら? そう言ってたから棚の上に置いておいたけど」
「ああなんだ。そうだったのか。ありがとう」
「どういたしまして。それより“あれ”とか言わずにちゃんと名前を言いなさいな。老人みたいで嫌だわ」
「はは、すまんな! まぁ俺ももう老人といってもおかしくない年なんだから、許してくれ」
「……嫌よ」
「そう拗ねるな。まだまだ現役ではいるつもりだ。安心したまえ」
「ええ……、そうね。会長としてしっかり働いてもらいますからね」
「もちろん。俺は与えられた役目に誇りを持っているからな」
「貴方の自信に満ちたその性格、本当羨ましいわ」
「褒めているんだよな?」
「違うと言ったって信じないくせに」
「わかっているじゃないか」
「何年一緒にいると思ってるの。――さ、支度するんでしょ? そろそろ着替えないと遅刻しちゃうわよ」