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('A`)花夢のようです(前)

全体公開 オリジナル 2 4226文字
2014-06-06 23:43:40

第4回 フリーワンライ参加作  企画アカウント様(https://twitter.com/freedom_1write)
お題:紫陽花、夢占い、海、初めての、時計塔 
ジャンル:オリジナル(ブーン系)

Posted by @huyutoya

ブーン系とは?
→AA(顔文字)を使用した形式の読み物
→AAそのものは共通して使われるが、作品ごとに個別の性格や設定を持つ(参考例:手塚治虫作品)



 海が広がっている。
 奇妙に曇った灰色の空と、濁った海。


ξ ⊿ )ξ  ( ω  )


 知らない男女が海の中に立っている。
 顔は見えない。


ξ ⊿ )ξ「    」


 けれども彼女達は何かを伝えようとし。


(  ω )「    」


 いつもいつも、聞こえないで終わる。

 咲き誇る花。
 鮮やかな赤。くすんだ青。
 紫陽花。
 海に咲いた花弁が、二人の足元から散るように、湧き上がるように、広がっていく。


 それはまるで、自分を呑み込もうとしているようだった。



('A`)花夢のようです



 じりじりと日が照る。
 梅雨の合間の見事な晴れの日だった。


(;'A`)「あっちぃ……


 海の見える道を歩きながら、ドクオは呟いた。
 ああ全く、何でこんな所まで来てしまったのか。最悪の気分だ。


  ◇
  十


('A`)「ん?」

('A`)「……『占い、承ります』、って字ィちっちゃ!」

('A`)「何だよこの看板……案内する気あんのかよ」


  ◇
  十  ....( 'A`)


  ◇
  十   ('A`)ピタ


  ◇
  十  ('A` )....


('A`)「……『時計塔の二階』」

('A`)「これかよ。マジかよ」


 どうやら目的の場所は、この看板の先のようだった。





('A`)「……お邪魔しますよーっと」

('A`)「あー涼しい」

川('A`)「……誰もいねえのかな」

川 ゚('A`)「まあこの時計塔も看板も、随分寂れてるしな……

川 ゚ -゚)('A`)

川 ゚ -゚) .....( 'A`)

川 ゚ -゚)   ('A` )

川 ゚ -゚)ノシ ('A` )


川 ゚ -゚) Σ('A`;)「うおおおおおお!?」


 女が背後に立っていた。
 長い黒髪を背中で遊ばせている。


川 ゚ -゚)「いらっしゃい」

(;'A`)「い、いつからそこに」

川 ゚ -゚)「お前が階段を上ってきた時から」

(;'A`)「声かけてくれよ!」

川 ゚ -゚)「気付かない方がどうかと思うが」

(;'A`)「そ、それは、確かに……

川 ゚ -゚)「まあ気配は殺していたけどな」

('A`)「確信犯じゃねえか!!」

川 ゚ -゚)「さて、お茶でも淹れよう」

('A`)「おい待て」

川 ゚ -゚)「話をしに来たんだろう?」

('A`)「……

川 ゚ -゚)「私はコーヒー党だ。構わないな」

('A`)「言いながら既に用意してんじゃねえか……

川 ゚ -゚)「とりあえず気が散るから座れ」

('A`)「……ハイ」



 この酷く強引でマイペースな女は、例の分かりにくい看板を書いた主だった。
 コーヒーの香りが漂う。香りは悪くないが、正直美味くない。


川 ゚ -゚)「それで、何を占って欲しいんだ?」

('A`)「……

川 ゚ -゚)「流石にテレパシーは持ってないから喋れ」

('A`)「いや……何か、本当にあると思わなくて」


 ネットの噂を頼りにやって来て、すっかり道が分からなくなって、最悪の気分だった。
 そしてここに至ってこの強引な女のペースに完全に飲まれていたが、我に返ると。


川 ゚ -゚)「ま、分かりにくい場所だからな」

('A`)「おまけに看板の文字は小さいし」

川 ゚ -゚)「そうか? お前の目が悪いだけじゃないか?」

('A`)「あれは誰がどう見ても小せえよ」

川 ゚ -゚)「そうか。明日あたりもっと大きく書き直そう」


 で、と女は頬杖をついた。


川 ゚ -゚)「占って欲しいことを、話せ」

('A`)「……夢、の話で、いいんだよな」

川 ゚ -゚)「ああ。夢以外でも占いはするが、聞きたいのは夢占いか」

('A`)「ああ」


 コーヒーを一口。やはりマズい。


('A`)「三日に一回くらい、いつも同じ夢を見る」


 そしてドクオは、ついに本題を切り出した。






川 ゚ -゚)「ふむ」


 海と、知らない男女と、紫陽花。
 話してみれば案外短いそれを聞いて、女が返したのはその一言だった。


('A`)「……

川 ゚ -゚)

('A`)「で、あの、占いは」

川 ゚ -゚)「ん? ああ。今日は暑いからどうしようかと考えていた」

('A`)「おい」


 所詮噂は噂、ただの変人の話が膨れ上がっただけか。
 今すぐ帰ろう、そして忘れよう、とドクオが決意しかけたその時、女は立ち上がった。


川 ゚ -゚)「お前、名前は」

('A`)「え、あー、鬱田ドクオ……

川 ゚ -゚)「分かった。私は素直クール。クーと呼べ」

('A`)「お、おう」


 女は本棚から一冊の本を取り出す。


川 ゚ -゚)「今日は特別だ。始めるぞ」

('A`)「何をだよ」

川 ゚ -゚)「無論、占いだとも。さあ、お前もこっちに来て立て」

('A`)「な、何なんだよ」

川 ゚ -゚)「ドクオ、お前の聞いた噂では、私は何と呼ばれていた?」


 唐突な展開と問いに一瞬声が詰まる。
 だが、その呼び名は脳裏にすぐ浮かんでいた。


('A`)「『時計塔の占い師』」

川 ゚ -゚)「そう。もう一つ二つ、なかったか?」

('A`)「……『時計塔の気狂い魔女』」

川 ゚ -゚)「気狂いとは、また余計な称号がついたものだ。まあいいさ。
     ――その所以を、見せてやろうじゃないか」

('A`)「……

川 ゚ -゚)「ほら、こっちへ来い。知りたいだろう?」


 ドクオは立ち上がる。
 未だコーヒーの香りがけぶる中、部屋の中央へ進む。
 時計塔の気狂い魔女――クーは、本を開く。
 クーの手の上で、その本は勝手にページをめくり始めた。
 唖然とそれを見つめていると、にやりと魔女は笑う。


川 ゚ -゚)「――さあ、お前の夢を解き明かそう」


 今になって、時計の音が大きく大きく響き始める。
 ぶわりと、目の前を白いページが埋めた。





('A`)「っ……


 ドクオが目を開けると、そこは海だった。


(;'A`)「え」

川 ゚ -゚)「やはり涼しいな。正解だった」

(;'A`)「え、何、ど、どういう、え?」


 まさに、いつも夢で見ている風景だ。
 曇り空に海、海から溢れる花弁。ただ、男女の姿は見当たらない。
 混乱と同時に、不安が一気に沸き起こる。
 こわい。
 おそろしい。
 分からない、何故急にこんな、いいや、いつも不安だった? 怖かった?


川 ゚ -゚)「さあ。行け」

('A`)「ど、どこへ」

川 ゚ -゚)σ「目の前だよ。お前の夢の源」

(;'A`)そ「……この海に入れって!? 無茶言えよ!」

川 ゚ -゚)「何故だ?」

('A`)「何故、って……


 何故、だろうか。
 答えられなかった。


('A`)「だって、こんな妙な海……

川 ゚ -゚)「その妙な海が、何だって?」

('A`)「……こわい」

川 ゚ -゚)「……そうか」


 そうだ、こわい。
 酷く恐ろしい。何故だろう、いつもはここまで怖くはないのに。


川 ゚ -゚)「えい」

('A`)「は?」


 どん、と背中を押された。


(;ノ'A`)ノ「だあああああああ!?」


 呆気なくドクオの身体はバランスを崩し、海に向かって突っ込んだ。


(;'A`)「ててててめえ、何しやがっ」


 ごぽり。
 海が沸く。


('A`)「…………


 赤い花弁が浮かび上がる。
 青い花弁が浮かび上がる。


('A`)「あ、うわ」


 ぶわり。
 まとわり、ついて、いく。


(;'A`)「あ、あ、」

川 ゚ -゚)

(;'A`)「あ、い、いやだ、た、助け」

川 ゚ -゚)


 クーは何もせず、その光景を眺めている。
 おかしい、こんなのおかしい、ああそうだ最初から間違ってた、あんな噂を信じたばっかりに、こんな目に合っている。
 もしかしたらこの女が全部、全部、


( A )「っう、あああああ!」


 波が、うねったその時。


ξ゚⊿゚)ξつ( A )


 少女の手が、ドクオを掴んだ。


('A`)「……え?」

('A`)⊂( ^ω^)

('A`)「え?」


 反対側の手を、少年が掴んで海から引きずり出す。


('A`)「え……?」

川 ゚ -゚)「ふん。やはりな」

('A`)「お、お前、ら、何で」


ξ゚⊿゚)ξつ('A`)⊂(^ω^ )


 両脇から手を繋がれて、急速に落ち着いていくのを感じた。
 あの感覚は恐怖と不安だったのだと、ドクオは理解した。



(続く)
(続いた→後編



元は2ちゃんねるVIP発祥のSS
現在はVIPおよび、したらば掲示板を中心に作品が公開されている

興味のある方は「ブーン系」「ブーン系 まとめ」などで検索を
参考
http://www43.atwiki.jp/boonkei/pages/37.html


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