@omniaemerald
企画概要→http://privatter.net/p/271257
【第4回フリーワンライ】本日のお題
☆紫陽花
夢占い
☆海
★初めての
☆時計塔
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SAOキリアスぽいけどキリトしか出てないSS
「ファーストデートはどこへ行こう?」
written by 山口せりな@omniaemerald
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俺は自室のパソコンの前でひとり唸っていた。
目の前に備え付けられたモニターにはネットで調べた画像がいろいろ映し出されている。
ここ数日の俺の悩み事。それは明日奈とのはじめてのデートの場所選びだ。
現実世界に帰還してそろそろ半年が経つ。今は明日奈と再会した時に交わした「いろいろな事をする」という約束をひとつずつ叶えていく段階。
その中の一つが《デート》。恋人同士という立場ではあるがまだ現実世界でのデートは経験したことはない。入院中の明日奈を見舞った際に二人で軽い散歩に出かけたり、昼休みのランチタイムや放課後など二人だけというシチュレーションは何度もあったが明確に《デート》と呼べるような事はまだなのだ。
そして、せっかくの初めてのデートなのだから彼女の記憶に残るようなことがしたい。
そこまで考えていざ誘おうとして俺は壁にぶち当たったのだ。下手なMobとかのバトルよりも難度の高いクエスト。それは――「デートプランの作成」。
やはり、最初くらいは男が考えるものだろう。
モニターに向き直った俺は山のように開いたウィンドゥを改めて見直していった。
まず目に入ったのは植物園の画像。小道の両脇に咲き乱れる紫陽花の写真だ。ピンク色から紫、青色など微妙に違う色を付けている小さな四角い花びら。この色は土壌の成分で決まると聞いた。そういえばいつか読んだ話に土の中に死体を埋めた男がいて、翌年そこだけ違う色の紫陽花が――って明日奈はこの手の話は苦手だったはずだ。せっかくのデートで怖がらせてどうする。
植物園のページを閉じて次の画面に目を移す。空と海の鮮やかな青のコントラストが気になった。海辺でのんびりと過ごすのもいいな…と思ってからふとそれなら水着がいいな、と思う。梅雨入りを控えたこの時期は水着を着るにはまだ寒く、そもそも海開きはもっと先だ。これは数か月後のお楽しみ扱いにして次を捜すことにする。
今度は白い建物の写真を目に留める。かつて西洋建築をまねてつくられたという時計塔。これなら明日奈も気に入ってくれるだろう…がいかんせん場所が少々遠い。行けなくはないがこれだと日帰りにするには厳しいか(もちろん泊まりなど彼女の両親に許してもらえる気がしない)。
それからも何枚もの写真を見るがどうも気に入らず、俺は途中中断を決意してモニターの電源を切り、ベットに倒れ込んだ。
そもそも、デートなんて経験した事ない俺がプランを考えるなんて無理があったのだ。長いこと他人と距離を取り、家族すら遠ざけた俺なんかが――
その時、ふと昔の思い出がよみがえった。
「やだ!のりたくない!」
目に涙を溜めて力いっぱい叫ぶのは5、6歳くらいの少女。
「困ったわね…。和人は透明な方がいいの?」
「うん!なんか楽しそうじゃん」
少女の向かいで困った表情を浮かべる女性とその横ではしゃぐ年上の少年。
――そう、昔の…子供の頃の俺。
あれは何歳の頃だろう。確かスグが小学校に上がって間もないころだったか。オヤジと母さん、スグの4人で観覧車に乗ろうとした時の話だ。その観覧車には4つだけ透明なゴンドラがあるということで両親は俺とスグにどちらに乗るか聞いてきた。俺は即座に透明な方がいいと主張したのだが足元まで透明だと知ったスグが乗るのを怖がってしまったのだ。
結局スグの意見が通り、俺たち家族は普通のゴンドラに乗った。スグはすぐに機嫌を直したのだが逆に我慢させられた俺は外もろくに見ずにふてくされていた覚えがある。そんな俺にオヤジは「和人、今度お父さんと一緒に来よう。二人だけであれに乗ろうな」と言い、それでやっと俺は機嫌を直した。
あれはどこだったか。確か――
〈未完成〉