@Suireey
フリエマでワンライ初挑戦!
お題:決意
最後駆け足になってしまって書きたいとこまで書けなかったので、
完成版もご用意→http://wardeat.blog.shinobi.jp/Entry/318/
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チョコレートの魅力にとりつかれた女子の末路は決まっている。あの魅惑の食べ物は、大昔アステカの大地で発見されてから今日自動販売機で売られるまでの長い長い歳月の間、数えきれない程の女子を誑かしてきた。あの魔法のような甘さと蕩ける口溶けで魅了し、夢見心地の幸福を味あわせたかと思うと、時間差の体重計で現実を突きつけてくるのだ。恐ろしいやつめ。
その反面、チョコレートが救った女子の数もまた数えきれない。めそめそ泣いて、イライラ喚いて、同しようもない女の子たちが行き着くのがすなわちこの物質。あれは薬だ。未来の見えない迷える子羊たちを幸せに浸す甘いおクスリ。失恋した女の子が縋りつく、現実復帰への甘い救命ロープ。生クリームの乗ったチョコレートケーキ。これに命を救われた女の子の(もちろん男子も)数をいちいち数えてはいられない。
俺が言いたいのは、今この時点で俺の心はもうどうしようもなくイライラしていて、チョコレートがなきゃやってられない状態だが、しかし今週はこれ以上チョコレートを摂取すると、栄養過多で非常に危険な状態になると脳が警告してくるからだ。
チョコレート。
俺は固く握りしめていた手のひらを恐る恐るこじ開けて、きつく握りしめられていた小さな鍵を見つめた。机の引き出しの鍵だ。この鍵を使って開くことができる引き出し中には、チョコレートバーという名の黄金の山が眠っている。
「エマぁ」
腑抜けた声が突然殴りかかってきて、俺は首をすくめて声のする方を見た。声をかけると同時に俺の肩を乱暴に掴んだのはフリッカロッタ、俺が家を空けているうちに勝手に部屋に上がり込み、勝手に冷蔵庫を物色していた空き巣野郎だ。
いちいち触るな、と怒りもあらわに上げた悲鳴をこの男はあっさりと無視して、掴んだ肩を引き寄せると、子供を足の上に載せるペンギンのように、俺の背中越し、忌々しいほど上から俺を見下ろした。
「何見てんの」
「別に!」
「なんかイライラしてる?」
「してない」
悪い上司にイジメられたんなら、俺がぶっ殺してきてやろうか? と、俺の両方の頬を両手で摘んでいじりながら、物騒な発言を平気で飛ばすフリッカロッタ。離せよ! 俺はお前のおもちゃじゃないんだぞ! と叫んだが、頬を摘まれてたせいでまともな声にならなかった。クソ! イライラが加速する。こんなお戯れ、この男にとっちゃたいして意味もないことなのに。
「もう離して!」
「エマちゃんご機嫌斜め〜」
「クソ!!!うざいからやめろ!!!」
漸く彼の手から逃れた俺は、勢い余ってよろめいて、前にあったソファーに倒れ込みそうになって、俺はヤバイと思って、目をつぶろうとして、ところがそれを、フリッカの腕がまたあっさりと止めた。大丈夫か、も、エマはドジだな、も、何もない。あっさり、もう至極あっさりだ。よろめいた俺の腕を引っ張って、そのまま座り込んだと思ったら俺を向き合うように膝に乗せる、フリッカロッタは俺をぬいぐるみだと思ってやがるのだ。好きなようにいじれるぬいぐるみ。俺は赤面した顔をただただ覆って、その手さえフリッカに降ろされて、もう泣きたくなりながら目の前の男を睨んだ。
「なんで睨んでる、助けてやっただろ」
うるっせえバカ、イラつくんだよキサマはいちいち。心底不思議そうな顔のフリッカを睨んで、俺は心の中で悪態をつく。わかってる、こいつは俺の、お、乙女心なんて、ああクソ、そうさこいつは乙女心なんて一切分かってないけど、そこがムカつくけど、でも、なんだかんだイイヤツなんだ。俺の扱いなんか雑で、うざいし、適当だけど、でも、きちんと助けてくれるヤツ。涙を飲んで顔を上げれば、フリッカは不思議そうな顔から心配そうな顔になっていて、恐る恐る俺の顔を覗きこんでいる。バカだなあ、なんでそんな顔してんだよ。
「なんで顔赤いんだ?病気?」
うるせえバカ!!絶対こいつなんにも分かってない!!後でどれだけ後悔したって、チョコレートバーやけ食いしてやる!!!!
お題:決意