@1sky1destiny
■こちらのフリーワンライ企画【http://privatter.net/p/271257】への参加です。
■修正なしバージョンはこちら【http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4053945】
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お題:七夕
ジャンル:オリジナル
よそのこお借りしてますが、親御さんの許可をいただいてます。
注意事項:BL
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負 ファイッ
■お借りしました!
寿くん
太陽君
正志さん
■うちの子
香月【http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=35876865】
弓月【http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=35349190】
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青山邸の庭にも笹はある。そのことを知っている太陽が、香月に譲って欲しいと頼みに来た。
「笹?」
「うん、一本譲ってもらえないかと思って」
「いいよ。そうか、七夕だね。寿君、庭木用ののこぎりある?」
「ございますが、香月様、ぼくがお切りいたします」
「いいのいいの、ありがとう。すぐ返すね」
そう言って、青山邸の執事兼庭師の寿から折りたたみののこぎりを借りる。
「さようでございますか、かしこまりました。では、その間におふたりにお茶をご用意いたしますね」
寿が道具箱をしまい、邸内に戻る。香月は広い庭の笹が生えている場所に太陽と向かう。
「願い事するの?」
太陽が選んだ笹の根元に香月がのこぎりを入れながら問う。
「笹に下げるのは願い事を書いた短冊だもん」
「他に飾り付けは?」
「したいな。帰りに折り紙買ってこようかな」
笹を切って、香月は立ち上がりながら太陽に提案する。
「折り紙じゃないけど、兄さんが綺麗な懐紙を色々残してるから、それ使っていいよ」
「え、でも、大事なものなんじゃ」
遠慮する太陽に、香月が切ったばかりの笹を差し出して言う。
「使われないままより、使ったほうが兄さんもきっと喜ぶから。短冊にも使えると思う。はい、笹」
広間の大きなテーブルに、切った笹と、兄の残した懐紙と、ハサミやセロハンテープなどの文房具を揃えた。
「『母さんがもっと帰ってきますように』」
「そんなに忙しいの?」
短冊のように切りそろえた懐紙に、太陽が願い事を書き付けている。
「すごく楽しそうだからいいんだけどね。でも、身体は大事にしてほしいな」
「それも書いたら?」
「そうだね! 香月さんは書かないの?」
香月は先程から、寿が用意してくれたお茶とお茶うけを楽しんでいるだけだ。
「だって、太陽君のお家の笹でしょ?」
「もともとは香月さんちのだよ。はい」
太陽にサインペンを差し出され、なんとなく受け取ってしまったが。
「………」
「どうしたの?」
「あんまり思いつかないんだ」
「願い事、ないの?」
「うーん、パッと思いつかないだけかもしれないけど」
「弓月やルリちゃんのことは?」
「ああ、そう言われてみれば結構あるかも」
「俺はたくさんあるよ。父さんのこともだし、香月さんのことも」
「僕?」
「香月さんが健康で、その……ずっとそばに居てくれますようにって」
太陽が短冊へと目線をそらし、紅潮した顔を見られないように机に近づけて短冊を書く。
「それはね、わざわざ願い事をする必要はないと思うよ」
「なんで?」
太陽が再び顔を上げ、香月の顔を見る。眼鏡の奥の目は細められ、微笑んでいる。
「お願いしなくたって、僕がそばにいたいからいさせてもらいます」
「へへ、嬉しいな」
照れながらも笑顔で喜ぶ太陽の顔を見て、香月も願い事をひとつ思いついた。
「じゃあ、僕は――」
そういって、香月は短冊にサインペンを走らせる。
◆赤城邸
「おっ、七夕かァ」
正志が我が家の庭先に見慣れない笹が立てかけてあるのに気がついて近づいた。同伴の弓月もそれに続く。
「どれどれ、『太陽君の願い事が叶いますように』? これは香月くんか?」
「『香月さんがずっとそばに居てくれますように』とかなんじゃこりゃ。リア充満喫してるなあ、あいつら」
「よし、俺も書こう」
正志は腕まくりをして、余ったらしい真っ白な短冊を手に取る。
「正志はそういうの好きだよな。でも、父親の字だってバレんじゃね?」
「じゃあ弓月が書いてくれよ」
「いいけど。なんて書けばいい?」
弓月は胸ポケットに挿した三色ボールペンを取り出し、正志から短冊を受け取る。
「『家族が健康でありますように』」
「うわー、父親っぽい」
などと茶々を入れながらも、弓月は言われたとおりに短冊に正志の願い事を書く。
「それと」
「まだあんの?」
しまいかけたボールペンをもう一度握る。
「『正志が仕事してくれますように』だろ?」
「俺の願い事かよ!」
「しょっちゅう言われてるからなァ」
「当たり前だろ。仕事してくんなきゃポイントなくなって、それでお前、消滅したりしたら」
「弓月を一人にはしないさ」
「……わかってんならいい」