@sorato0501
俺は敗北を認めたくなかった
決して敗北を経験したことが無いわけではない
そして、俺は強くない
圧倒的な力と数の差を前にしては手も足も出なかった
負けて当然だった
それでも俺は敗北を認めたくない
まだ意識はある
まだ、立てる…立て……
___俺が護らなくちゃ、
そう思った矢先に鳩尾に鈍痛が走った
「まだ立つのか、いい加減諦めろ」
奴は俺が立つことを許さなかった
蹲る俺の髪を強引に掴み、ボロボロの俺を軽く嘲笑した後に横腹に一発
血を吐く俺を無視して更にもう一発
髪を離したと思った頃にはもう既に俺は地を転がっていた
痛みが全身を駆け巡り、麻痺する
俯せの俺に奴の姿は見えなかったが、嘲笑する奴の笑みが嫌でも伝わってきた
………
それでも俺は諦めきれなかった
微かに残る気力と、護るという使命感だけが俺を突き動かした
___俺が護らなきゃ、誰が護るんだ…、俺が助けなきゃ、誰が助けるんだ…、
終に俺は立ち上がった、しかし束の間、再び俺の腹に衝撃が走った
「が、ぁ…?!」
蹴られた勢いで軽く宙に浮いた俺はそのまま近くの壁に激突した
噎せ返る俺を奴が待つはずもなく、疾く重い連打が俺を待っていた
咄嗟の防御も虚しく、壁のせいで逃げることもできず、ただ奴の打撃を喰らうことしかできなかった
___まずい、もう、立てねぇ……
一度通り越したはずの限界が再度やってきた
足元が覚束無い、意識もどこにあるかわからなくなってきた
「もう、終わりだな」
ギリギリの俺を待っていたのは鳩尾の鈍い痛みだった
奴の膝蹴りをモロに受け、吐血し、そのまま膝から崩れ落ちることしかできなかった
………
いい加減、俺の身体は動く気配を見せなかった
もうこのまま、暗闇に引き摺り込まれるしかないのか…?
「…ふん」
奴の足音が遠ざかる
「……待、て…」
絞り出した声も、伸ばそうとした手も、奴に届くはずもなかった
………
___やめろ…、それ以上**に近づくな……
………
___お願いだ、動いてくれよ、俺の身体……
………
動け、
動け、
__俺が、
俺が護るんだよ…!!!
…俺の奥底に眠る何かが、俺を突き動かした