@noromahiko
【1】
アーチャー(以下ア):よく来たな、凛。君もよっぽどの物好きとみえる。
凛:ちょっと!開口一番それ?!このわたしが直々に来たんだから、
もちろんエスコートしてくれるんでしょうね?
ア:やれやれ。君こそいきなりそれか。
それでは?お手をどうぞ、お嬢様。
凛:んな……っ!そこまでやれとは言ってないじゃない……。
もう、行くわよアーチャー!ついて来なさい!
ア:おい待て!先に行くやつがあるか……まったく。
【2】
ア:この丘はオレの世界。
他人のために戦い続け辿りついた場所。
死んだ後にも人々を救えるのなら、それは願ってもない事だと、愚かにも考えた。
くだらない理想の果てに辿りついた絶望の場所。
凛:理想に裏切られ続け、最後に唯一信じた願いにさえ裏切られた。
ばかじゃないの?
多くのものを犠牲にして成し得た奇跡があったのなら、
それが束になっても負けないくらい幸せにならないと嘘じゃない。
報われない人生も、かつての人生を呪うことも無かったのに。ほんと頭にくる!
ア:そう怒るなよ、凛。
凛:これが怒らずにいられるかっての!
こんな殺風景な世界壊してやりたいくらいよ!
ア:まったく……。物騒だな、君は。
このまま留まっていても此処には何も無い。先に進むといい。
【3】
凛:ここって……、うちの魔術工房じゃない。
ア:此処は、君が私を召喚しようとした場所だな?
凛:もぉ~~、その話はいいでしょ!
ア:そう、遠坂家の魔術工房といえば、「来る者は拒み、入った者は逃がさない」。
まったく、君の在り方がにじみ出てるな。
凛:なによそれ、嫌味?
ア:そう聞こえてしまったなら謝ろう、マスター。
凛:まったく、可愛げのない!
凛:本当はセイバーを喚び出そうとしたんだけど、
結局喚び出せたのはアーチャー。アンタだったのよねえ。
ア:悪かったな、セイバーでなくて。
凛:別にいいわ。最強のサーヴァントを引き当てた事に変わりはなかったしね♪
ア:君ほどの魔術師が喚び出したんだ。最強でないわけがなかろう。
凛:なによぉ!褒めても何にも出ないわよ?
ア:真実を言っただけなんだがなあ。まあいい、次に行くとしよう。
【4】
ア:凛、少々おてんばが過ぎるんじゃないか?
部屋の中がメチャクチャだぞ。
凛:なぁ~に知らばっくれてるのよ!
アンタが見当違いの場所に出てきたせいでしょ!
ア:まったく、誰の不手際のせいだか……。
凛:何か言った?!!
ああもう、こんな散らかった所を展示するなんて……。
ちょっとアーチャー!偉そうに座ってないでココ片付けておきないさよね!
ア:人使いの荒いマスターだ。……フッ。
ああ、其処にいる君は好きに座るといい。
私の片付けの邪魔にならない範囲で頼むよ?
【5】
凛:ここは聖杯戦争の戦いの記録。
わたしたちが身を投じた戦いの日々ね。
ア:君がおかしな甘さを見せない限り、この戦争で我々は最強かと思っていたんだがな。
凛:しょうがないじゃない!
慎二やキャスターたちの様な非道なやり方は見過ごせない。
それが、どれだけ魔術師らしい効率的な方法だったとしてもね。
ア:ま、君のそういうところは嫌いじゃないが。
さて、私の武勇をしっかりと振り返ってもらおうか。
【6】
ア:ローアイアス、かつてトロイア戦争で大英雄の投擲を防いだ盾だ。
凛:アンタ……こんな隠し玉を持っていたなんて……。
ア:それでも、ランサーのゲイボルグを完全に防ぐことは出来なかった。
私が持ちうる限りでは最強の守りだったんだがな。
凛:ランサーの必殺の一撃を不完全ながら防いだんだから十分じゃない。
教会吹き飛ばしておいて何言ってんのよ!
【7】
凛:これが、わたしと契約したセイバーの姿。
魔力量がケタ違いね。すごいプレッシャーだわ。
ア:君と契約したからこその、最強の英霊の姿だな。
凛:なによアーチャー。アンタ妬いてるの?
ア:純粋に褒めているんだよ。
このセイバーの力となると、さすがの私も勝算を出すのは難しい。
凛:あら、素直じゃない~。
ア:自分の力量を見誤ったりしないさ。
それでも、タダで負けてやる気はないがね。
いざとなれば、不完全ではあるが聖剣を複製することもできる。
一矢報いるくらいは出来るだろう。
凛:ほんと、アンタそういうヤツよね。
ア:勝ちに貪欲と言ってほしいな。
凛:ハーイハイ!行きましょ、負けず嫌いさん。
【8】
凛:アーチャーの宝具である固有結界、アンミリテッドブレイドワークス。
英霊エミヤの心象風景を具現化し、現実を侵食する大禁呪。
ア:オレが、……衛宮士郎がいずれ辿りつく場所だ。
正義の味方に憧れて歪んだ理想を目指す衛宮士郎は、此処で死ぬべきだった。
自らの手で衛宮士郎を殺す。
それだけが守護者に成り果てたオレの、唯一の願望だった。
凛:けどアンタは士郎を殺さなかったじゃない。
ア:なに。……ただあの男が、自分とは違った行き先に辿りつくのではないかと、
ありもしない希望を抱いてしまったのさ。
まったく、酷い話だ。古い鏡を見せられたんだから。
凛:ほんっと似た者同士よねえ。
ア:あんな男と一緒にされるのは気に食わんがな。
まあいい。せっかくの機会だ。
このオレの本気の姿、しかとその目に焼き付けるといい。
【9】
凛:ここは……。
ア:私の聖杯戦争の終着点だ。
凛:アンタ、何も言わないで行っちゃおうとするんだもの。
文句の一つも言ってやんなきゃ気がすまないってのに。
ア:そう言ってくれるな。私の戦いはもう終わったんだ。
最後にひとつばかり、寄り道をしてしまったがな。
凛:……ねえ、アーチャー。アンタまだ後悔してるの?
ア:まぬけ面のあの男がこの後どうなっていくのか、
……いや、心配はないか。
凛、君がついていてくれるのだろう?
凛:もちろんよ。アンタみたいに捻くれたやつになっちゃ困るものね。
ア:ああ、よろしく頼むよマスター。
しっかり私を見張ってやってくれ。
【10】
凛:すごい原画の数!
ア:今回の展示に合わせ、特別に閲覧が許可されたものばかりだ。
この一枚一枚が我々の世界を創りあげていく。
凛:一枚一枚しっかり目に焼き付けないとね。
ア:さて、Fate/stay night[Unlimited Blade Works]展、如何だっただろうか。
オレの物語はこれで終わり。ナビゲート役もここまでのようだ。
凛:ちょっとアーチャー!肝心なところ忘れてるわよ!
この先にはグッズコーナーもあるんだから。よかったら見て行ってよね。
掘り出し物がたくさんあるわよ~!私も行かなくちゃ!
ア:やれやれ。少しは落ち着け、凛。会場を走るんじゃない!
……まったく。という訳でオレたちはそろそろ行くことにしよう。
また何処か別の場所で会えることを願っている。
凛:じゃあまたね。気をつけて帰ってね。
【シークレット】
ア:よくぞ真実に辿りついた。
こんなお遊びに付き合うとは、君も、よっぽどの物好きと見える。
まっ、それだけ探究心があるということかな。
その探究心をもって隅から隅までイベントを楽しんでいってくれ。