六花と多喜。冬月家。霧凍と冬月一族の顔合わせ振り返り。
@lianmiso
霧すら凍る時期に冬月霧凍は冬月風花に連れてこられた。
『ごめん、人作っちゃった♡』
風花、雪宗、雪花、そして自分と誰かの細胞から作られたという霧凍に最初は戸惑いを覚えたものだった。あの雪宗でさえも姉の所業に引いていた。雪花だけは『お兄ちゃんかしら?それとも弟?どっちでもいい?私、弟欲しかったから弟に決定ねぇ!』と大騒ぎして何処かに消え、霧凍を見た瞬間雪宗は倒れた。霧凍は雪宗を連れて病院に行き、必然的に風花と2人になる。
『風花ちゃん、一体なんで。』
黒井兄弟の失敗以来人を作らないと雨辻冰叉目に約束されていたではないか。
『深海の研究施設にいたのよぉ。3ヶ月?いや時間をゆっくりにしていたからもっと長くか。機械に意識コピーする研究をしていたんだけどさぁバイオハザードが起きちゃって、ひとりぼっちは寂しいじゃない。』
悪気なくヘラヘラと笑う風花に六花の息が詰まる。研究所で置き去りにされた寂しさは今でも目の前を暗くさせる。
『失敗もあったけど、補助脳使ったらうまくいったの。』
『理央ちゃんが知ったらどうなるのやら。』
補助脳の使用は現在法律違反の上、理央はいい印象を持っていない。遠縁に当たる人間は補助脳にコピーされた人格に乗っ取られて悪行の限りを尽くした。補助脳が規制される一因でもあった。
『でも、私悪くないよぉ?研究所は手伝いに呼ばれただけ。あの補助脳は柳くんから渡されたものだからねぇ?』
悪気のない風花の言葉に六花はどう答えたか思い出せない。霧凍がせめてこっちに関わらぬようにしていたが、運命が許してくれなかった。
「最初の話だよ。最初がいけなかったの。」
「そうだったのか。」
六花の向かいに座るのは多喜だ。ちょうど昼にしようとした時にコーヒーショップに突然呼び出された。
「別に六花さんだけが悪いってことはないと思うけど。ショックだよね。風花さんが顔合わせる事前に話すべきだったよ。」
「それから霧凍くんとどう接したらわからなくなったわけ。仲良くしたいんだけどね。最初にそんな対応取った姉なんて嫌だよねぇ。」
「あー………悪いんだけど、それだけが原因って訳じゃ………」
最初から視線は多喜に向かず、後ろの席のイチャつく恋人たちを凝視し、旨そうに六花はコーヒーを啜る。それだけでなくたまにホストクラブに行っては貢ぐのが原因でないのか。
どうしたものやら。
多喜は頭を悩ませるのだった。