レグミコ成立翌日のお話。
@82sousaku
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レグと恋人になった翌日。せっかくの休みだしと担当医であり、友人でもあるヘレンに街へと呼び出される。これは元々予定されていたわけでもなく、昨晩レグと一緒に医務室へ行ったことから決まった予定である。大体の目的はレグとのことを根掘り葉掘り聞くつもりなのだろうと察した。別にそれは構わないけれど。何より彼女がとても楽しそうだ。
どこの店に入ろうかと悩んでいたところ、『スイーツ食べ放題』の看板が見えてそこをそわそわと気にするヘレンにくすりと笑う。
「あそこにします? 日頃からお世話になっていますし、せっかくだから奢りますよ」
「え、奢りですか? じゃあ遠慮なく食べちゃお」
悩みもせずにすぐ頷くところにまたくすりと笑った。
入ったところは都合が良いことに個室であった。
色んなスイーツを堪能したヘレンはにっこりと笑う。
「そういえば、叶って良かったですね」
「えっ、何が」
「え、レグさんとのことですけど」
はて。あれ?
首を傾げる。
「え、もしかして私ってわかりやすかったです?」
「少なくともあたしにはもろバレでしたよ」
「うそ」
「ほんとです」
ぶわ、と顔が赤くなるのがわかる。
両手で頬を覆ってヘレンを見た。相変わらずにこにことしている。
それはどちらかというといつもの私のポジションなのだけれど。いや、この子にはそうでもないか。
「実際のところいつから好きなんです?」
「えぇ……っと……、実は自覚したのが昨日だったのですけれど」
「はい?」
「本気で言ってます?」みたいな顔をされた。本気で言っています。
「逆にヘレンさんはいつ……と思ったけれど、あまりレグくんと会ったことはないから……ああ……」
じゃあ、つまりこの前会った時にはそう思われていた、と。頭を抱えた。
「そうですね。この前会った時にはミコトさんの片想いだかなんだか知らないけど、そうなんだろうなぁとは思ってましたよ」
「はずかしい……」
「それはそれは。良いことで」
コーヒーを口に運びながらそれはもう楽しいと言った声色で言われる。
じと、とちょっと睨むようになってしまったかもしれない。すました顔で躱された。
でも実際いつからなのだろう。自覚したのはつい昨日のことなので多分考えてもわからない。多分。
言ってしまえば「いつの間にか」というのが正しいのだろうか。だってそもそも自覚をしていなかったくらいだし。
敢えて言うなら、他の相手よりは多少照れが強かった……とは思うけれど、家族以外に距離が近い相手がヤコウやロンロンであるから比較としてもいまいちアテにならない。片や弟分。片や身体的には同性である人。
つまりレグは距離の近さを受け入れた『異性として見ている人』だった、か。
「ミコトさーん。帰ってきてくださーい?」
「あっ、はい。すみません」
「まあ、百面相楽しいからいいんですけど」
「そんなことしてました!?」
「さて、どうでしょう?」
あ、これ遊ばれてるなと思う。別にいいのだけれど。
頬をむにむにと触って表情確認……が出来るわけでもないけれど、ああ、ちょっと緩んでいるのだけはわかる。むに。
目の前の彼女の方がより一層緩んでいるのがちょっとだけ憎たらしい。
「あ。てことは手合わせ減らしたりとか」
「しませんよ?」
「ですよね。まあ、頻繁にやるわけじゃないからいいですけど」
「あら、ありがたい」
「訓練って大事ですから。死なないためのものだもの」
「ふふ。その通り」
さすが。この子はよくわかっているなぁと微笑んだ。
色んな意味で。
「ところで、ヘレンさん」
「はぁい?」
「出来ればレグくんの治療もしてあげてくださいね」
「来たらしますよ。全然。ミコトさんがいいなら」
「? ヘレンさんだと安心出来るので」
「あー……、はい。まあ、そうですね」
やれやれみたいな顔をされた。解せない。
「まあ、この辺は追々ですね」
「あ、もしかして嫉妬がどうとかの話をしています?」
「してますね」
「してましたかぁ」
でも別に。やっぱり答えは同じ。
「ヘレンさんだと安心出来るので。で間違ってないですよ。だって、そんなに興味ないでしょう?」
「まあ、確かにそういう意味での興味はないですね」
「だから安心。ふふ」
「じゃあ、まあ来たら治療します」
「はぁい、よろしくお願いします」
やれやれと言わんばかりの顔をされているがあえてスルー。自分が頼んだ紅茶を堪能しながら、次の話題へと移る。その後はまたヘレンがスイーツを足したりなどして楽しく過ごした。本当に遠慮がない。そんなところも嫌いではないけれど。
「じゃ、また何かあったら言ってくださいね」
「はい。何もなくても言いますけれど」
「それも勿論受け付けます。私はあなたの友人で担当医なので。では、また。今日はありがとうございましたー」
「はい。ではまた」
手を振りながら去っていくヘレンを見送る。
色々と自覚したばかりで少し慣れないけれど、これは悪くない。むしろいい気分、と帰路についた。
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