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No10 福山先輩と「私」 プロフィール

全体公開 ダンゲロスSSShプロフィール 2577文字
2023-06-06 13:05:54

プロローグ〔 https://privatter.net/p/10106210〕

Posted by @DSSShuffle

「私」は大学生である、名前はもう無い。
いや、無いと言えばいささかに語弊があり、どこぞの猫とは違い見当もついているのだ。
すなわち私の同室に君臨する福山先輩に封印されてしまったからである。

時に、この紹介文を閲読いただく諸姉諸兄よ。
このキャラクタープロフィールの主体は福山先輩であり「私」ではないのだが、わたくしめの駄文をもってご容赦いただきたい。福山先輩はめんどうくさがり屋さんなのだ。

福山先輩の性別は女性である。
これは本人はおろか私も確認を取った。四方四仏に誓ってそうである。
なお、先輩は宗教にはこだわりはないようで正月三ヶ日は初詣にも行く。

福山先輩の年齢は「00」歳である。
なおこれはゼロ歳というわけでなく、二桁表記では間に合わないためであるという。
なら三桁で間に合わせよは無粋なツッコミである。つまりは乙女心を理解せよ。

福山先輩は仙女である。
なお、ここでいう仙女とは女性の仙人という意味合いは含まれるはもちろん、シャルル・ペローの童話などにしばしば姿を現す善き女魔法使いのことも指す。断じて魔女にあらず。

なので福山先輩はこと人助けに関しては何でもできるといってよいだろう。
舞踏会に行けずに泣いている小娘になんかの靴を与えることは造作もないし、死の呪いを百年の眠りに弱めるくらいのこともがんばればできるのだという。

ただし、金はない。福山先輩の魔法は自分の身を守ることと悪人をこらしめる以外は世のため人のために使わなくてはいけない。そう厳しく自分のことを律しているためだという。
よって「大いに尊敬したまえ」とは福山先輩の談であったか。

なので金がなくて困っている。
別に本人としては誰ぞからもらった金をその都度吐き出そうという心持ちはないようだが、貯金通帳は年中寒々しい。なので同居する「私」はいつもたかられる。

「悪銭身につかずは元より、良銭すら身につかずとは因果なものだね、うえーん」
時に、うえーんとは迂遠なようで直截な物言いでありますな。などと私は思った、言わなかったが。

仙女であるがため、食費はその辺の草と石でも食っていれば事足りるのだが、現代社会で暮らしていくにはそれなりにまとまった数の偉人が必要になってくるのだ。

ここ数十年ばかり岩倉卿以外とPurpleな女官以外と会っていないというのは本人の虚勢であろう。そう言ってふんぞり返る福山先輩に対し、無位官位であることにコンプレックスがあるのか、実は貴人に憧れているのかと尋ねると。
「そそそそそ、そそんなこここと、ななない、いであるのかかか、知ら????」
とのことだった。

最近は開き直ったのか渋沢翁なり津田女史なり北里博士なりが何十人と押しかけてきてもWelcomeだそうである。
いつでも宮中晩餐会に呼ばれてもいいように一張羅を隠し持っているというのも公然の秘密だ。ただし本人はずぼらなので普段は上下ともに青いジャージを合わせている。

その上から薔薇の刺繍が施された豪奢な打掛を、着付けのわからない西欧人のガウンのごとく羽織っている。
本人の色素が薄いのでけだるげな調子と合わせ、なんか似合ってしまうのが業腹である。

ちなみに福山先輩は副業で天使と大学生をやっているそうなので、きんきらりんのエフェクトがいつもかかっている上、常に30センチ以上は浮いている。
つまりは合算して福山先輩の身長は180cm以上である。
必然「私」は頭一つ分見上げられる形になるがこれも通行料と思って目をつむっている。

よって天使でもある福山先輩はわけまえと称して地元のワイナリーや日本酒の酒蔵には出入り自由である。常にタダ酒を喰らうので一説に福山先輩の主食は酒なのだという。
先輩が出入りした蔵は不思議と繁盛するとかでWIN-WINの関係であるのがせめてもの救いと言えるだろう。

福山先輩の一人称は「私」と同じく私である、二人称は貴様である。
誰に彼にも彼女にも偉そうな口ぶりで接するが、意外と小心者であるという。

ここまで書いておいてなんだが、福山先輩の正体は謎である。
よもやここまでくれば下の名前もまた「先輩」ではないのかと私はある時疑ったのだが、いざ単刀直入に聞いてみたところ本人の口からは否定された。

代わりに本名は「福山ジュリエット」だとあっさり教えてくれた。もっともったいぶるのかと思いきや意外とあっさりである。ただしフルネームはもっともっと長いとのことであった。
なお、ジュリエット先輩にとってのロミオは誰ですか? と聞いたところ「名前ってなに? バラと呼んでいる花を別の名前にしてみても美しい香りはそのままだよ」と返された。

少なくとも薔薇の花は大好きであるらしい。

なお、福山先輩は私が生み出した想像上の友人(英語で言うところのImaginary Friend)であることだけは断じてあり得ない。
これは私の隣室の住人であり、私の想像上の友人を自認して日本政府にも認められている「永遠小路すあま(女性・設定年齢「私」と同じ)」さんが太鼓判を押しているので150%間違いなかろう。

というか、もし福山先輩が私の想像上の友人であった暁には、私は永遠小路さんに全殺しにされた上で半殺しにされるであろう。

そんなこんなで福山先輩は我が学び舎には建学以来居座っており、私の下宿先にはひもすがら無為に過ごしている。無為徒食であることが彼女のIdentityな節もあるのだろう。

ゆえに叉古市で開かれた催しに参加したのもたまたま永遠小路さんも連れ立っての三人旅のさなか、通りすがりで知った程度のよすがに過ぎぬ。
けれどもそんな縁に従ってしまうのもまた福山先輩が福山先輩たるゆえんであるのだろう。

要するに、福山先輩は洒落と伊達と酔狂に生きている限りは無敵の存在である。
しかし、コイバナには弱い。
私が誰かに愛の告白をされようでもするのなら、その辺の金属バットで脳天をぶん殴りでもすれば撲殺できるくらいにはあわあわてんやわんやで弱体化するとは本人の言である。

一応触れておくと福山先輩は大まじめに冗談を言うスタンスだが、嘘は吐けない。
それにならって私もまた、好き好んで虚言を吐く輩ではないと念を押させていただこう。


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