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KNIGHTS DIARY

全体公開 幻水 12 2793文字
2023-07-16 17:43:57

六騎士。日記形式のギャグ。

○月△日 晴れ クリス・ライトフェロー

早朝、湖畔のレストランで朝食中、ゴードン殿に声をかけられる。
なにやら次回の演劇でロミオ役を演じられるらしく、その相手役を依頼された。
もちろん、丁重にお断りしたが、ひどく落ち込んだ様子で、申し訳なく思った……
しかし、演劇だけはやはり勘弁して欲しい。

夕刻、牧場にて再びゴードン殿に声をかけられる。
どうやら私の演技力と演劇への苦手意識を知らなかったらしく、重々しく謝罪され、今度は「お詫びにこのあと食事でもいかがですか」と誘われた。
今日はリリィとの先約がある。申し訳ないが、丁重にお断りした。
またしても、ひどく落ち込んでしまったようだった。

深夜、船室の自室前にて、またしてもゴードン殿と鉢合わせる。
両手いっぱいの薔薇の花束を手にして「夜の散歩を」と誘われたが、これもお断りした。
ゴードン殿はやはり落ち込まれた顔で、「花はあなたの手で捨てて欲しい」と言い残して去って行った。
あんなに落ち込まれるのなら、少しくらいお付き合いするべきだっただろうか……
それにしても、彼は花束を持ったまま散歩をしたかったのだろうか?
夜中に花束を持って散歩をするというのも不思議な話だと思うのだが、どうなのだろう。
イクセではそういう習わしがあるのだろうか? 明日、パーシヴァルに聞いてみようと思う。
とりあえず、花はルイスに活けてもらうことにしよう。


○月○日 晴天 クリス・ライトフェロー

早朝、船から城への地下通路にてゴードン殿と遭遇。
「朝のカフェを一緒に」と誘われるが、訓練のためお断りした。
もうかれこれ五日間、彼からの誘いが続いている。
色々と気を遣ってくれるのはありがたいのだが、正直困っている。
手渡された花や装飾品の置き場所もそろそろ限界だ。
参った。なんとかならないものか……


○月□日 くもり ボルス・レッドラム

昼過ぎ、クリス様より使いを頼まれる。
非番続きで退屈だった上に、クリス様直々のご命令とあれば、嬉しくないはずがない。
時期からして、評議会への定期連絡文書の配達だと思っていたのだが、内容はこの城の道具屋での買い出しだった。
使いの理由を尋ねると、あの道具屋の店主がクリス様にストーカーまがいの行動を続けており、顔を出しにくいからだという。
ここの道具屋といえば、イクセでいきなりクリス様をくどきにかかったあの男だ。
まだ諦めていなかったのか。まったくけしからん!

その後、指示通りに道具屋で身代わり地蔵と毒消しを購入。
ついでに眉の手入れをしていた道具屋を怒鳴りつけておいた。
これで少しは静かになるだろう。

品を届ける前に交易所に立ち寄り、一番良質のワインを購入。クリス様にお渡しした。
クリス様は少し驚かれた様子だが、俺へのねぎらいの言葉と共に受け取ってくれた。
心労も耐えない中、部下への気遣いも忘れないとは、さすがクリス様だ。さすが我らが騎士団長。騎士の鏡だ。
今日は枕を高くして眠れそうだ。意地でもパーシヴァルからベッドを勝ち取ろうと思う。

よし、軽く飲みに行くか。


○月×日 晴天 ロラン・レザウルス

正午過ぎ、クリス様と昼食を共にする。表情が芳しくなく、きょろきょろと周囲を見回し、落ち着きがない。
ボルス殿に聞くと、なにやら城の道具屋の執拗な誘いに頭を悩ませているらしい。
「誘いを一度でも引き受ければ収まるのだろうか」とつぶやいていたが、即却下した。
ゼクセンを代表する者として民と交流を深めることは良いが、ここではあらぬ噂も立ちやすい。
中でもあの探偵少年と壁新聞の影響力は思いのほか強く、浸透も早い。
疑われるような行動は極力控えるべきだ。それは身をもって確信する。

クリス様の疲労の色は深く、痛々しいものがある。
少しでも気休めになればと思い、深夜の湖畔散策を勧めた。
あの場所ならば人目にもつきにくく、道具屋の視線も及ばないことだろう。
これで、少しは安息を得られるのではないだろうか。

それにしても、あの壁新聞の低俗な内容は、許しがたいものがある。
本日も数名の女性からネイ殿との関係を問われ、余計な気力を浪費した。
このままでは城主殿への進言も辞さない。
なぜ、もっと実りのある話題を取り上げないのだろうか。
理解に苦しむ。


○月▽日 晴天 レオ・ガラン

昼食時、レストランでクリス様を見かける。
なんだかよくわからないが、とてもお疲れのようだったので、デザートのあげアイスをひとつさしあげた。
あれは意外に美味いので、クリス様も元気になるに違いない。

夕食のおかしのいえは美味かったがサイズがやや小さかった。
次は2つ注文するとしよう。

今日の食事
朝食
白飯(3杯)、ぬかみそ漬け、ひらき、すまし汁、あんにんどうふ(2杯)

昼食
野菜あんかけそば(2人前)、鳥しゃぶサラダ、あげアイス(3個)

夕食
マヨハヤシ(3人前)、サラダづくし、おかしのいえ


○月▲日 晴れ パーシヴァル・フロイライン

ここ数日の道具屋の件で溜まったストレス解消になればと思い、クリス様を遠乗りにお連れすることにした。
城内で後ろから声をかけたところ、道具屋と勘違いされた上、思い切り怯えられた。
「反射的につい」と弁解されたが、さすがにショックだった。
更に「同じ村の出身だし、きっと空気が似ているんだ」と付け足されたが、まったくフォローになっていない。
さすがクリス様だ。

ちなみに、あの道具屋は俺が村を出てから移住してきた人間なので、面識はない。
同じ空気があるとも思えない。
むしろ、どちらかといえばサロメ殿の方が似たものを持っているような気がする。
一緒にされるのはさすがに堪えるものがある。

遠乗りは心地良かったらしく、城に戻る頃には幾分表情も和らいでいたが、それでもまだ挙動不審気味になっているようだ。早いところ、解決すると良いのだが。

だからといって、間違われるのはやはりショックだな。
……どうやら、思いのほか落ち込んでいるらしい。
これはボルスの奢りで飲むしかない。
ボルスで憂さを晴らすしかない。
よし、ボルスを探してこよう。


○月◎日 快晴 サロメ・ハラス

連日に渡るクリス様の苦痛の元凶の排斥にようやくとりかかる。
正攻法ではあるが、確実な手段を選択。
結果は成功。
これで、クリス様も安心して城内を歩き回れることだろう。

尚、道具屋の怪我が完治するまでの代理は、城主殿との相談により城内の有能者より抜擢の予定。
期間は二週間余り、作戦への支障は皆無。
予定通り、三日後より進軍の準備を開始とのこと。

以上。


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