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綺麗なお花を咲かすには、

全体公開 2 2959文字
2023-09-01 12:16:56

生徒会長とアンドロイドのお話です。

Posted by @ohmish_h

「本当にうるせぇよな、偉そうに」
「なにが『規律を乱すやつは〜』だよな、たかが生徒会長だろ?」




生徒会の仕事を終えて寮に戻る道すがら、聞こえてきた自分の悪口。寮に戻るにはその声の主たちがいるこの教室の前を通るのが一番早い。のだが、万が一彼らが教室から出てくるところに鉢合わせたらと考えるとかなり面倒だ。

気にしているわけではない。逆の立場なら同じようにぼやきたくもなる。ただ、私は生徒会長だ。学園の秩序を保つためには厳しいことを言わねばならぬのは至極当然のこと。ぼやかれようと罵られようと、秩序を乱す者には指導をしていく必要がある。それが正義だ。

だから気にはしていない。誰がなんと言おうと。気にしてはいない。


気にしてなどいない。





下品な笑い声の聞こえる教室に背を向け、寮に戻るための迂回路を進もうとした時だった。

コツン、と首元に何かが当たる。

効果音としては「コツン」で間違いないのだが、当たった本人としては「グサッ」という衝撃の方が正しく感じる。痛い。




「あーー!ゴメンゴメン!思った以上に飛距離伸びちゃった!!!」


足元に転がる「グサッ」の正体を拾い上げ、予想通りの犯人の方へ向き直す。



「廊下で紙飛行機を飛ばすのは校則違反だぞ」
「生徒に当てなければOK?」
「当てても当てなくても違反だバカ」
「そうだよね〜危ないもんね〜教えてくれてありがとう」


気をつけなきゃ〜なんて気の抜けるような返事をしているコイツを見ていたらすこし安心している自分に気がついた。いや、あまりの馬鹿さ加減に脱力してしまった、と言った方がいいのか?

それとも「ありがとう」という言葉に、自分のしていることは間違っていないと言われた気がしたからなのか。




「では、気をつけて帰れ。紙飛行機はもう飛ばすなよ」
「ねえ!ツンパフェちゃん、」

このまま別れようと思ったのになぜか遮るように呼び止められた。なんなんだ一体。あと略すな。ツンデレパフェでもない。

「ボクはね、研究所で『心の研究』のために『人間らしさ』をテーマにして作られてるんだけどさ」

唐突すぎる。なんなんだ一体。

「人間そっくりに作ってもらって、心の動きとかよく分かるように出来てるんだけど、案外人間とこの世界の生き物も、心の動きは似たような感じなんだなーって気付いたりしてて。だからなんとなく、そうなのかな?って思ったりとか」
「なんだ?何が言いたい」
「うーん………………なんで悲しいのにいつも通りにしようとしてるの?」
…………どういう意味だ?」
「え、ツンデレパフェちゃん、いま悲しい気持ちなのに無理してるでしょ?」

心拍数が上がるのがわかる。
こいつは、なんで。

「何を言っているか分からないのだが」
「ツンデレパフェちゃん、いつも通りにしようとしてる顔してる。辛いのに、悲しいのに」
ふっ。急にどうした、わたしはなにも」
「何があったのかは知らないけどでも悲しい気持ちなのは伝わっちゃうよ」
「うるさい」

分かったように話すな。わたしの気持ちはわたしだけのものなのに。悲しくなんか、辛くなんか、

「うるさいうるさいうるさい!悲しくなんかない!何を言われたって!自分が正しいと思う道を進むことを辛いことだなんて思ってない!痛くも痒くもないんだから!!」

怒鳴りながら言い切った後顔を上げると、人間らしさを追求されたと宣うわりには、暴言を吐かれても怒ることも無くこのアンドロイドは「よかった、そうやって泣けば良いんだよ〜」とヘラヘラ笑った。

「え?」
そして言われて気付く。自分の目から大粒の涙がこぼれ落ちていることに。

「泣くのはいいことなんだよ。お花だって、たまには雨が降った方が綺麗に咲いたりするじゃない?」

このアンドロイドが喋れば喋るほどなんだか涙が止まらなくなる。
そう、ずっと私は悲しかった。悪口を言われれば傷付くし、正直に言えば良い人だと思われたい。それでも私は生徒会長としての責務を全うしなければならない、そのジレンマで心はずっとぐちゃぐちゃだった。
それを、一生懸命「気付かないように」してきたのに。

涙を流し続ける私の横で、声をかけるわけでもなく、廊下の壁によりかかって「一応同級生」は紙飛行機を折っている。どこから折り紙出したんだ。あと飛ばすのは校則違反だと言ってるだろう。折るな。


「はぁどっかのうるさい誰かさんのせいで、なんだかスッキリした。帰るぞ。その飛行機飛ばすなよ。校則違反だからな」
「スッキリしたの?なら良かった!じゃあ寮までボクと競走ね。紙飛行機とボクとツンパフェちゃん、誰が1番かなー!!よーいどん!!!」

びゅっと腕を振るとものすごいスピードで紙飛行機が飛んでいく。どういう仕組みなの?!アンドロイドが投げたから?いやでもそうはならないでしょ。

そうこうしているうちにアンドロイドは紙飛行機を追うように走り出した。

「待て!!廊下を走るなバカ!!紙飛行機も飛ばすな!!あとツンパフェって言うな!!!」

私は走らない。校則違反だからな。早歩きで奴を追う。
校則違反を叱ってはいるものの、なんだか清々しい気持ちだった。

迂回した寮までの道は、いつもより短く感じた。










いやいやいやいやいや、きついきついきつい。
あんないきなりびーびー泣いたとか恥ずかしすぎる。無理。どうしようどうしよう!!

机に顔を伏せながら昨日の出来事を思い出していた。脳内で再生される度にぐわーっと体温が上がる。顔が沸騰しそう。
あんなに泣いて、子どもみたいに。

こんな状況の私を見て周りが若干ざわついているのも恥ずかしい。なんかもう全部恥ずかしい。


「ツンパフェちゃんおはよう」

そして追い打ちをかけるように紙飛行機ロボが話しかけてきた。より一層上がる体温、そして心拍数。たすけて。

「なんだ?昨日のことを笑いに来たのか」
「昨日のこと?なにが?」
「なにがって………あ」

脳内の思い出再生が一時停止。そうだ。相手はこの同級生アンドロイドではないか!!!!

「お前!覚えていないな?!」
「うん、だからいまなんの話してるのかなって」
「そうだよな!!分からないよな?!」
「うん、分からない、ツンパフェちゃんのテンションがすごいことしか分からない」
「そうかそうか!!うん!!なによりだ!!」


昨日の出来事を覚えている者はもうこの世界に私しかいない!よかった!

椅子から勢いよく立ち上がり「さあ授業の準備だ!今日も一日有意義に過ごさねば!」と気合を入れる。後ろでなにか呟く声が聞こえたけど、たぶんそれは気のせいだ。



「うん、今日も綺麗なお花が咲いてるねぇ」





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わたしの大好きなアルファ×アンリカ。アルアン。ロボパフェ。🤖🍨。
文が拙くて上手く情景を書き込めませんでした。わたしの脳内をそのまま読んでくれた人の脳内にドンとぶち込みたい。漫画とかに誰かしてくれませんか……

会長やアルファくんの口調、解釈違いありましたら本当にごめんなさい。


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