秋のヌーフェス4作品目です。
本編みっぴきで、ドラルクさんがシンヨコに来てから同居人達が健康的に、ジョンがおデブになっちゃう理由のお話。
しかも、秋だから仕方ないヌ。
@kw42431393
「さて、今日のお買い得品は…と。」
「ヌー、ヌー。ヌヌ!ヌヌ!」
夏が終わって、涼しくなって…日が暮れるのが早くなって。
ヌンの大好きなドラルク様と、お外に出られる時間も長くなるヌ。
ドラルク様と一緒に、安くて新鮮な食材をスーパーに買いに行くのも楽しみの一つだヌ。
ドラルク城にいる時は、田舎だったヌからね。買い出しに出るのも遠かったヌし、吸血鬼向けに深夜までやってるお店もなかったから、ヌンの目利きをする出番も少なかったヌけど…ここに来てからはヌンの本領発揮ヌよ。
「ヌヌイ、ヌヌイ。」
「これこれ、甘いものばかりじゃないか。また、太ってしまうよ?」
ヌ゛…それを言われると辛いヌね。このままでは、ドラルク様の頭に乗せて貰えなくなるヌもの。
そ、それに秋だから仕方ないヌ。ヌンが悪いんじゃなくて、美味しいものがいっぱい手に入る、シンヨコの街と秋が悪いんだヌ。
「でも、いいよ。旬のものだし、いい色をしているね。毎日、色々バランスよく食べようね。」
そう言って、優しい貴方はヌンが渡した物を買い物籠に入れてくれる。
嬉しいヌ。籠に入れた果物を見る。
これが、明日からドラルク様の手で、宝石みたいなスイーツになって出て来るんだヌ。
「リンゴに栗、ブドウ、柿。ちゃんと、旬のお野菜とお魚も食べようね。」
そう言って、籠の中にはキノコやサツマイモ、カブも入れていく。ヌンは、お野菜も嫌いじゃないヌよ。
ドラルク様が作ったものなら、何でも美味しいヌもの。でも、やっぱり…甘いものの誘惑には耐えられないヌ。
「秋だからサンマも入れたいけど、高いよねぇ。イワシを煮付けようかな…5歳児はカルシウムが必要だもの。イライラして、すぐ殺されてはたまらない。」
「ヌフフ…。」
基本的にはドラルク様が揶揄うからヌけど。まぁ、いいヌね。
「あ、ヌーくん。こんばんは。飴あげるわ、はい。」
「ヌーイ!」
そして、レジに並ぶと隣のおばさんが、ヌンに飴玉をくれる。これもいつもの光景だヌ。
「これこれ、ダイエット中でしょ。しょうがないなぁ。」
何よりヌンが、このシンヨコに来てから太っちゃったのは、ヌンがドラルク様の次に可愛いからヌよ!
「ただいま~、ロナルドくん。今からご飯にするよ。」
「お~、出来たら呼んでくれや。」
そう言って、ロナルドくんはパソコンにまた向き直っちゃたヌ。ロナ戦の締め切り近いのかヌ。
「毎日、コツコツしないからだぞ。若造。」
「うるせーな、分かってんだよ。何か毎日が早くってさ、おかしいな。この前、脱稿したばかりな気がすんだ。」
そうヌね。昼の子にとって、秋からどんどん一日終わるのが早い気がするヌよね。ヌン達は夜行性だから、逆に夏の方がそうなるヌよ。
「こんばんは、ドラルク。今夜も監視に来たぞ。」
「いらっしゃい、ヒナイチくん。」
「ちゃんと、玄関から入れって言ってるだろ。変わらない奴だな。」
パカッと音を立てて、床下の扉が開く。ヒナイチくんが、パトロールを終えてここに来る時間。
やっと、ヌン達が揃う時間。
「お茶を淹れるよ、お嬢さん。ロナルドくんはどうする?」
「お~、ついでに頼むわ。」
そう言って、ドラルク様がキッチンに消える。これから、おやつ棚からクッキーを出してくれるヌね。
「あ、ドラルク。今日、私クッキーは…い、いいかな。」
「え?どっか具合でも悪いの?」
「ヌイヌーヌ?」
明日は台風が来るのかヌ?お菓子を全部食べられちゃうのは辛いヌけど、やっぱり一緒に食べるのが楽しいヌよ。
「あぁ…その。半田にな。太ってきたって、言われてしまったんだ。」
「半田くんときたら…だから、イケメンなのにモテないんだぞ。それに見る目ないねぇ」
うん、彼もデリカシーないヌからね。太ってきてはないヌよ。むしろ…
「ヌシヌシ。」
だから、ヌンは頭を撫でてあげるヌ。ヒナイチくん、それはね。太ったんじゃないヌよ。
「フフ、ジョン。慰めてくれるのか。ありがとうな。」
「慰め…とは違うよ。ヒナイチくんもたまには鏡を見なさいよ。これを見ても分からないかね。」
そう言って、貴方はヒナイチくんにスマホを見せる。映っているのは、出会ったばかりのヌン達の写メ。
「やっぱり、太ったかな。」
「違うよ。君だけでなく、ロナルドくんも見てご覧?」
出会ったばかりの二人は、鍛えているけど妙に全体的に細かったヌね。
今はどうヌ?ロナルドくんはしっかりしたバランスの取れた筋肉に、ヒナイチくん大事な部分は筋肉がついたまま、女性らしいラインに変わってるんだヌ。気づいていなかったヌね?
「私がここに来るまでの二人は、外食に頼っていたから栄養が偏っていたんだよね。ほら、二人共顔の色艶だって良くないよ?」
「言われてみれば…そうかな。」
「そう、だから。今夜もお食べ。二人共、体が資本でしょ?ちゃんと栄養管理はしてあるから。」
「…いつもすまないな。じゃあ、これからもご馳走してくれ!」
「承りましたよ、お嬢さん。」
ヌン、そう言って貰えるのがドラルク様が一番嬉しい事ヌよね。
「あの若造にもそれを言って土下座して貰いたいねぇ。私がいなければ、今頃ギトギトの揚げ物ばかり食べて、不健康極まりないヨレヨレに…。」
「あぁ、そうかよ!ありがとうよ、っと!!」
「ブエェ!!どう致しまして!!」
いつの間にか来ていたロナルドくんに、跳び蹴りをされて、いつも通り貴方は塵にされちゃったヌ。
「じゃあ、ジョン。一緒におやつを食べような。」
「ヌン!」
ヒナイチくんの肩に乗って、おやつ棚から出されたクッキーを覗き込む。
これもヌン達の楽しみな時間。
「あっ、ちゃんと分けなさいよ。あと、ジョンは10枚までだからね。」
ドラルク様の言葉にドキッとするヌ。
ドラルク様がシンヨコに来て、ロナルドくん達は(精神年齢は置いといて)肉体的に健康になって、大人になっていくのに、ヌンは不健康になっていくヌ。
「ヌッヌ、ヌヌヌヌイヌ。」
「仕方ないって…煽てたって駄目だよ。もう、悪いマジロめ。」
だって、シンヨコに来てからのドラルク様の料理も、ますます美味しくなっていくのも悪いんだヌ。
ヌンが太っちゃうのも、仕方ないヌ…よね?