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天高くマジロ肥ゆる秋

全体公開 ジョンのお話 26 2654文字
2023-10-16 09:58:23

秋のヌーフェス4作品目です。
本編みっぴきで、ドラルクさんがシンヨコに来てから同居人達が健康的に、ジョンがおデブになっちゃう理由のお話。
しかも、秋だから仕方ないヌ。

Posted by @kw42431393

 「さて、今日のお買い得品はと。」
 「ヌー、ヌー。ヌヌ!ヌヌ!」
 
 夏が終わって、涼しくなって日が暮れるのが早くなって。
 ヌンの大好きなドラルク様と、お外に出られる時間も長くなるヌ。
 ドラルク様と一緒に、安くて新鮮な食材をスーパーに買いに行くのも楽しみの一つだヌ。
 ドラルク城にいる時は、田舎だったヌからね。買い出しに出るのも遠かったヌし、吸血鬼向けに深夜までやってるお店もなかったから、ヌンの目利きをする出番も少なかったヌけどここに来てからはヌンの本領発揮ヌよ。
 「ヌヌイ、ヌヌイ。」
 「これこれ、甘いものばかりじゃないか。また、太ってしまうよ?」
 ヌ゛それを言われると辛いヌね。このままでは、ドラルク様の頭に乗せて貰えなくなるヌもの。
 そ、それに秋だから仕方ないヌ。ヌンが悪いんじゃなくて、美味しいものがいっぱい手に入る、シンヨコの街と秋が悪いんだヌ。
 「でも、いいよ。旬のものだし、いい色をしているね。毎日、色々バランスよく食べようね。」
 そう言って、優しい貴方はヌンが渡した物を買い物籠に入れてくれる。
 嬉しいヌ。籠に入れた果物を見る。
これが、明日からドラルク様の手で、宝石みたいなスイーツになって出て来るんだヌ。
 「リンゴに栗、ブドウ、柿。ちゃんと、旬のお野菜とお魚も食べようね。」
 そう言って、籠の中にはキノコやサツマイモ、カブも入れていく。ヌンは、お野菜も嫌いじゃないヌよ。
ドラルク様が作ったものなら、何でも美味しいヌもの。でも、やっぱり甘いものの誘惑には耐えられないヌ。
 「秋だからサンマも入れたいけど、高いよねぇ。イワシを煮付けようかな5歳児はカルシウムが必要だもの。イライラして、すぐ殺されてはたまらない。」
 「ヌフフ。」
基本的にはドラルク様が揶揄うからヌけど。まぁ、いいヌね。
 「あ、ヌーくん。こんばんは。飴あげるわ、はい。」
 「ヌーイ!」
 そして、レジに並ぶと隣のおばさんが、ヌンに飴玉をくれる。これもいつもの光景だヌ。
 「これこれ、ダイエット中でしょ。しょうがないなぁ。」

 何よりヌンが、このシンヨコに来てから太っちゃったのは、ヌンがドラルク様の次に可愛いからヌよ!
  



 「ただいま~、ロナルドくん。今からご飯にするよ。」
 「お~、出来たら呼んでくれや。」
 そう言って、ロナルドくんはパソコンにまた向き直っちゃたヌ。ロナ戦の締め切り近いのかヌ。
 「毎日、コツコツしないからだぞ。若造。」
 「うるせーな、分かってんだよ。何か毎日が早くってさ、おかしいな。この前、脱稿したばかりな気がすんだ。」
 そうヌね。昼の子にとって、秋からどんどん一日終わるのが早い気がするヌよね。ヌン達は夜行性だから、逆に夏の方がそうなるヌよ。

 「こんばんは、ドラルク。今夜も監視に来たぞ。」
 「いらっしゃい、ヒナイチくん。」
 「ちゃんと、玄関から入れって言ってるだろ。変わらない奴だな。」
 パカッと音を立てて、床下の扉が開く。ヒナイチくんが、パトロールを終えてここに来る時間。
 やっと、ヌン達が揃う時間。

 「お茶を淹れるよ、お嬢さん。ロナルドくんはどうする?」
 「お~、ついでに頼むわ。」
 そう言って、ドラルク様がキッチンに消える。これから、おやつ棚からクッキーを出してくれるヌね。
 「あ、ドラルク。今日、私クッキーはい、いいかな。」
 「え?どっか具合でも悪いの?」
 「ヌイヌーヌ?」
 明日は台風が来るのかヌ?お菓子を全部食べられちゃうのは辛いヌけど、やっぱり一緒に食べるのが楽しいヌよ。
 「あぁその。半田にな。太ってきたって、言われてしまったんだ。」
 「半田くんときたらだから、イケメンなのにモテないんだぞ。それに見る目ないねぇ」
 うん、彼もデリカシーないヌからね。太ってきてはないヌよ。むしろ
 「ヌシヌシ。」
 だから、ヌンは頭を撫でてあげるヌ。ヒナイチくん、それはね。太ったんじゃないヌよ。
 「フフ、ジョン。慰めてくれるのか。ありがとうな。」
 「慰めとは違うよ。ヒナイチくんもたまには鏡を見なさいよ。これを見ても分からないかね。」
 そう言って、貴方はヒナイチくんにスマホを見せる。映っているのは、出会ったばかりのヌン達の写メ。
 「やっぱり、太ったかな。」
 「違うよ。君だけでなく、ロナルドくんも見てご覧?」
 出会ったばかりの二人は、鍛えているけど妙に全体的に細かったヌね。
 今はどうヌ?ロナルドくんはしっかりしたバランスの取れた筋肉に、ヒナイチくん大事な部分は筋肉がついたまま、女性らしいラインに変わってるんだヌ。気づいていなかったヌね?
 「私がここに来るまでの二人は、外食に頼っていたから栄養が偏っていたんだよね。ほら、二人共顔の色艶だって良くないよ?」
 「言われてみればそうかな。」
 「そう、だから。今夜もお食べ。二人共、体が資本でしょ?ちゃんと栄養管理はしてあるから。」
 「いつもすまないな。じゃあ、これからもご馳走してくれ!」
 「承りましたよ、お嬢さん。」
 ヌン、そう言って貰えるのがドラルク様が一番嬉しい事ヌよね。
 「あの若造にもそれを言って土下座して貰いたいねぇ。私がいなければ、今頃ギトギトの揚げ物ばかり食べて、不健康極まりないヨレヨレに。」
 「あぁ、そうかよ!ありがとうよ、っと!!」
 「ブエェ!!どう致しまして!!」
 いつの間にか来ていたロナルドくんに、跳び蹴りをされて、いつも通り貴方は塵にされちゃったヌ。



 「じゃあ、ジョン。一緒におやつを食べような。」
 「ヌン!」
 ヒナイチくんの肩に乗って、おやつ棚から出されたクッキーを覗き込む。
 これもヌン達の楽しみな時間。
 「あっ、ちゃんと分けなさいよ。あと、ジョンは10枚までだからね。」
 
 ドラルク様の言葉にドキッとするヌ。
 ドラルク様がシンヨコに来て、ロナルドくん達は(精神年齢は置いといて)肉体的に健康になって、大人になっていくのに、ヌンは不健康になっていくヌ。
 「ヌッヌ、ヌヌヌヌイヌ。」
 「仕方ないって煽てたって駄目だよ。もう、悪いマジロめ。」

 だって、シンヨコに来てからのドラルク様の料理も、ますます美味しくなっていくのも悪いんだヌ。
 ヌンが太っちゃうのも、仕方ないヌよね?
 
 


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