2023年秋に開催した二次創作短歌オンリー歌会(折句の部)の参加作品とコメント一覧です(参加申込順・敬称略)。
企画詳細→ https://privatter.net/p/10391147
企画用ハッシュタグ→ #二次創作短歌オンリー歌会
@Dr_gaap
短歌一覧
2≫ 浜の果て長く保たない黎明に「ずっと」を問えば鈍いろの磯 池田いくら
3≫ 追い風が若葉を揺らす常磐木よ お仕着せの名も涙雨も越えて 古月もも
4≫ ありし日の姿やさしくわれを抱く愛おしさすら届かぬ場所で せいら
5≫ 川中に禊ぎ清めの神おわす久遠を生きる白き龍神 水川怜
6≫ 二時間目の日なたは広い「類友」とダベる余白のあるうれしさ 山と森と街
7≫ 王国に瞑座する主が天秤に召すとこしえの愛、羽冠成すみどり ナツ
8≫ たくさんの声と拍手を受けながら掴みとる夢僕らに見せて 石ころ
9≫ 隘路から鍵束を抱き走るのだルール外れの孤影のために 谷澤
10≫ 虚木の檻を出た。空、赤くて……仰いでみたの。「ラグでしかなかった」 おかのきくと
11≫ おれたちは互いの影だ いつまでも取り除けない人斬りの業 月ノ華
12≫ 血を吐くも明日への望み今日も持ち尚も守ろう託されし身を 海月雪夜
13≫ 「ごめんな」と振り切れ、あとは 祈るだけ 繰り返す夢 負けた手はパー 隙間
14≫ 叛逆のlive引っ提げ進むのさ マイク・ステージ・途絶えぬ思い! Dr.ギャップ
浜の果て長く保たない黎明に「ずっと」を問えば鈍いろの磯
池田いくら
【選評コメント】
★折句の5文字は「はなれずに」なのに、最後が「鈍色」なのが不穏で好きです。ずっと一緒にいられることが確定していれば、「はなれずに」なんて祈らないわけですから、何か不安に思う要素があるのでしょうね…。──石ころ
★黎明は実際の明け方に自身の今(黎明期)を重ねているのかなと読みました。歩いて来た浜辺の明け方、その瞬間だけの壮大さとその先の岩場に打ち寄せる灰色の世界というのがキャラクターの黎明期と衰退期の一瞬の間を切り取っているのだろうと思います。砂浜と岩場、黎明と鈍いろの対比が歌をしっかりと立たせていると感じました。「ずっと」と尋ねてもただ波の打ち寄せる海というのが映画のワンシーンのようなイメージです。折り込まれている言葉の縛りがある中でも1首として繊細で詩的ですてきな歌だと思いました。──山と森と街
★申し訳ございません、原作も折句もわからないのですがこのお歌にとても心惹かれました。明るいようですぐに終わってしまう黎明期を作中主体は「浜の果て」に「ずっと」と問うがそれは「鈍いろの磯」できっと答えもない、そんな風に読みました。──水川怜
★折り込まれている言葉と歌意のバランスがいいなと思いました。問いに対する回答の部分である結句がこちらの推量を促してくるのが好きです。──谷澤
★歌を読んで浮かんだ情景がとても素敵だと思い、選ばせていただきました。
「長く保たない」とわかっている黎明に敢えて「ずっと」を問うてしまうことが、この主体自身が本当は「ずっと」なんて存在しないことをわかっていて、それでもなお信じたいと思っている願いのような行為だと取れて、とても引き込まれました。
そして「鈍いろの磯」は当然答えを出してくれるわけではなく、その解答は自身で考えていくしかないのではないか、という余韻を残しており、印象的な歌でした。──古月もも
★黎明を「長く保たない」と言い切りながら、「ずっと」を問うてしまう。その矛盾した行為にひそむ切なさ、永遠への憧れを感じ、かっこいいな……!と思いました。海を「鈍いろ」と表現しているところもとても好きです。なんの(誰の)折句なのかすっごく気になります……!──せいら
★詠み込まれているのは、アニメ『ユーリ!!! on ICE』より楽曲タイトル【離れずにそばにいて(はなれずにそばにいて)】だと推測して読みました。各句の頭の音を拾って読んでいって(もしかして……!)となった後、各句の末尾の音を逆順で拾って(やっぱり!!)となった瞬間の感動をまずはありがとうございます。沓冠を作られたのも、歌の格好良さもすごすぎて……!!
『ユーリ!!! on ICE』は視聴したことがあるのですが記憶がやや薄くなっており、楽曲の使用シーンを具体的に思い出せないのが悔やまれるところです(公式サイトで確認可能な範囲で使用箇所を確認してきました)。ただ、浜辺のシーンの印象のあるアニメだったなとこの歌で思い出しました。
〈黎明〉=夜明けは明るく希望を感じさせるけれど、そう呼べる時間は短くすぐにただの朝になってしまう。そこに〈ずっと〉を問うという構図が切なく胸を打たれました。〈長く保たない黎明〉と知っている=〈ずっと〉を否定されるだろうという予感がありつつ、それでも問わずにはいられない、訊きたいという”私”の心中を思うと胸がぎゅっと掴まれるようですし(加えて〈問えば〉に続くのが〈鈍いろの磯〉であるので、問いに対する答えが明るいものだったとは考えづらい)、長く保たないとしても黎明は確かに“私”にとってとても明るく大きな意味のある光なのだろうとも思うと、明るく切ない気持ちになります。
アニメを見返してからもう一度この歌を読ませていただきたい、という気持ちです……!!──Dr.ギャップ
●「黎明」が差そうとしている……と思いきや、その先には「鈍いろの磯」しかない。絶望感が胸をしめます。「長くもたない」「浜」からも、やるせなさを感じます。私までぽつんと取り残されたような気分になりました。──おかのきくと
【作者コメント】
Yuri on Ice より「離れずにそばにいて」。沓冠(初句から結句の最初の文字で「はなれずに」、今度は逆順に結句から初句の最後の文字で「そばにいて」)に挑戦しました。──池田いくら
追い風が若葉を揺らす常磐木よ お仕着せの名も涙雨も越えて
古月もも
【選評コメント】
★上の句に若葉、常盤木と植物にまつわる言葉が瑞々しさを与え、さらに追い風が希望を感じさせます。
一方で下の句はお仕着せ、涙雨の言葉でこの方の苦労が偲ばれます。
一読した際は奉公人(使用人)やサラリーマンが新たな職場へ旅立つ作品かと思ったのですが、何度も読み返すうちに運動部がスポーツに打ち込むイメージも湧いてきました。もしかして後者でしょうか?
新たな旅立ちへの希望とそこへ至るまでの苦しさが伝わり、双方の対比がとても素敵な歌です。──海月雪夜
★す…すごい…と思いました。及川さんだ……及川さんの在り方が鮮やかに詠まれていて見事です…──谷澤
●「追い風が若葉を揺らす」に、胸がすっとしました。それとは裏腹に、下の句では「涙雨」が降っています。爽やかでもあり、切なくもある。それでも、その切なさを超えていく。上の句の清涼感は五月の陽光のようです。──おかのきくと
●詠み込まれているのは、古舘春一『ハイキュー!!』の登場人物である【及川徹(おいかわとおる)】だと推測して読みました。
及川さんのことを知らなかったとしても〈常磐木〉に対するエールとして読める一方、及川さんを念頭に置くと〈若葉〉や〈常磐木〉という言葉選びがなおさら嬉しく(青葉城西高校のキャプテンである及川さんの名前に〈若葉〉と〈常磐木〉が!)、また〈お仕着せの名〉=大王様という呼ばれ方、〈涙雨〉=牛若や影山と自分を比べて涙を流したこともあるのだろう、というように下の句の景色がぐっとくっきり感じられて、折句の醍醐味を味合わせていただいたように感じています。
爽やかで軽やかな木々のイメージ。青々とした木々の、これからどんどん成長していくんだというイメージもぴったりだと感じました。一首の最後〈越えて〉の言い止しは「越えていけ」、「越えて育て」という言葉が入るだろう、と思っています……!──Dr.ギャップ
【作者コメント】
原作【ハイキュー!!】
推しである「及川徹」の名前を詠み込みました。
ずっと彼のように生きたいと思って何度も読み返している、お守りのような作品です。──古月もも
ありし日の姿やさしくわれを抱く愛おしさすら届かぬ場所で
せいら
【選評コメント】
★遠くなってしまった存在への想いを込めた短歌でしょうか?とても、好きな表現です。
やさしくも何だか切なく感じる夕日のあたたかさのような情景が浮かぶ歌です。
一体、誰が誰へ感じたものなのでしょうか…
また、作者のこの歌へ込めた愛が伝わってきたのも、好きなポイントです。
それからヒプノシスマイクの有栖川帝統では…?となり、ドキドキしながら読みました。皆様の解釈や作者ご本人の説明等も楽しみです!──隙間
●道を違えてしまったのか、もう会えないのか。慈愛、後悔……様々な気持ち。自分から抱くのではなく、「抱かれる」というところに、語り手のエゴが見え隠れしています。複雑な気持ちが短い言葉の中に詰まっている。奥ゆかしく、重厚な歌だと感じます。──おかのきくと
●詠み込まれているのは、音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』の【有栖川帝統(ありすがわだいす)】だと推測して読みました。なお『ヒプノシスマイク』および有栖川帝統氏についてはあまり詳しくなく、友人の推しという距離感です。
一首全体に漂う柔らかい雰囲気と切なさに胸が締め付けられるような心地がします。〈ありし日の〉〈やさしく〉といった温かく柔らかな様子と、〈愛おしさすら届かぬ場所〉という現在地の対比の鮮やかさ。〈やさしく〉という捉え方をしている一方で〈愛おしさすら届かぬ〉と断言する断絶。けれど〈われを抱く〉であるということ。とても丁寧に切なさを積み上げられている心地がします。
〈ありし日の姿〉は特定の誰かの姿というより、思い出の中にしかない優しい風景の総体が擬人法で例えられているのかなと思いました。一方で、たとえばそこに両親や保護者といった庇護者の姿が重ねられているのかもという想像も浮かびます。なお、詳しくないなりに有栖川氏は家庭環境が複雑と聞いた記憶があるので、それでも〈ありし日の姿やさしくわれを抱く〉であるところに良かったなと勝手に思ったりもしました。彼にとって〈ありし日〉は辛いものではないし、〈やさしく〉と思える今であって良かったと、勝手ながら思います。──Dr.ギャップ
【作者コメント】
原作:『ヒプノシスマイク—Division Rap Battle—』有栖川帝統(ありすがわ・だいす)
メイン歌会に出詠した歌と対になるイメージで詠みました。くわしくはネタバレになってしまうので、メイン歌会のコメントで勝手にご紹介しているドラマパートをご参照ください……!──せいら
川中に禊ぎ清めの神おわす久遠を生きる白き龍神
水川怜
【選評コメント】
★「かみかくし」ですね。折句の5文字と内容がぴったりで上手に作られるなあと思いました。──石ころ
★神秘的、幻想的な雰囲気が格好良く、また、折句の言葉にもとても合っていて素敵な歌だと思いました。折句は「かみかくし(神隠し)」でしょうか。「千と千尋の神隠し」を想像しました。
まさにその世界観にぴったりの言葉で表現されていて、特に「川」「久遠を生きる」「白き龍神」から、作中の「ハク(ニギハヤミコハクヌシ)」(川の神であり、白い龍の姿をしている)をイメージさせる、静粛な空気感が一首通して自然に読めて、それもまた素晴らしいな、と感嘆しました。(せんちひ大好きです!)
韻律もkの音が多く使われていて、高潔で清らかな龍神の印象をよりいっそう強めていると感じます。口に出してもうつくしく、折句としても一首としても良い歌でとても好きです。──ナツ
●読んでいるだけで浄化されそうなほど清らかな歌ですね。
「禊ぎ潔め」「神おわす」「久遠」「白き」の言葉から龍神さまの尊さや神々しさがひしひしと伝わってきます。──海月雪夜
●「白き龍神」「禊ぎ」「久遠」という言葉に、人ならざるものの高潔さがあります。「神おわす」という単語から、語り手が「白き龍神」に抱いている尊敬・畏怖が伝わってきます。祝詞を彷彿とさせる歌だと感じました。──おかのきくと
●〈川〉〈禊ぎ清め〉〈神〉〈龍神〉と、言葉のイメージがぴちっと決まっていてとても格好良い一首でした。〈川〉という身近にある場所から〈白き龍神〉という畏敬の対象まで、イメージがひと連なりに運ばれていくのが読めば読むほど気持ちよいです。
また〈おわす〉という尊敬語、〈禊ぎ清め〉の権能や〈久遠を生きる〉という自分とは異なるスケールへのまなざしなど、神を仰ぐ“私”と神の距離感が垣間見えるようで、そこも心地よく感じました。視点の“私”と一緒に読者の私も姿勢を正したくなるような、清冽な空気を感じます。──Dr.ギャップ
●読んだときに伝承や昔話を聞いている感覚になりました。「川中、清め、久遠、龍神」の言葉選びも綺麗で静かなイメージできっちり音数を捉えている所も対象の作品やキャラクターのアウトラインを感じられる気がします。なんとなく千と千尋の神隠しのハクかなと予想しています。(予想していますが、どの言葉で折句になっているのかは不明です)──山と森と街
【作者コメント】
折句は初挑戦でした。もっともわかりやすい折句の短歌だと思います。各句の頭の文字を並べると「かみかくし」になります。「千と千尋の神隠し」です。──水川怜
二時間目の日なたは広い「類友」とダベる余白のあるうれしさ
山と森と街
【選評コメント】
★あたたかさの詰まった素敵な短歌だと思い、選ばせていただきました。
「日なた」「余白」にこの短歌に詠まれたひとたちの関係性がフワッと伝わり、またやさしい映画を見た後のような質量を感じました。──隙間
★授業をサボって、話しているのでしょうか。孤独な語り手と「類友」が、授業では手に入らない「余白」を楽しむ。二時間目(午前10時)くらいの眩しい太陽を思い起こし、自分も「類友」になったような気がしました。──おかのきくと
★歌としても折句としても、またそのキャラクターのイメージにもぴったりとはまった完璧な一首だと驚嘆しました…!折句の不自然な感じも全く感じさせないのもとても素晴らしいなと思います。
「二時間目の日なたは広い」という上の句は、おそらくそのコマを抜けて(サボって)目立たないところにある芝生(あるいは屋上など)で寝そべっている景を思い浮かべました。
この言葉の表現で迷わず・余すことなく伝えているのに、圧縮されすぎた感もなく、かといって説明が過ぎることもなく…とても素敵な表現だと思いました。それが下の句の心情をしっかり補強していて、かつシームレスに繋がっていくのも心地良い。その心地よさは「類友」と「ダベる余白」(二時間目のサボリで得た日なたを「広い」と感じること)でもある。そこに響き合っていて、結句での「うれしさ」にきれいに収束していくのが気持ち良く感じます。
また、「類友」と/ダベる余白の/あるうれしさ」で結句6音・字足らずなのが、まさに「余白」を示しているようで痺れます…(もっと言えば、初二句では「二時間目の」で初句6音字余りなのは二句目の「日なたは広い」の広さ、にかかっているのか…?!という この韻律での対比も意図してのこととしたら超絶技巧でため息が出てしまいます…すごい…素敵です)
サボり、類友、ダベる、といった言葉のチョイスやイメージが、まさに折句の主を明確に表現していて、それも本当に素晴らしく一首としてもとても素敵な雰囲気のある歌になっていると思いました。大好きです!(間違っていたらすみません…伝説の漫画(アニメ)奇面組シリーズの「番組リーダー・似蛭田妖」として読みました。ちなみに彼が作品中で一番好きなキャラ、今でいう推しでもあったため、令和の世に短歌、しかも折句で出逢えた奇跡…となっています…ありがとうございます…)──ナツ
★学校でのワンシーンでしょうか。暖かな陽の光のなかで語らうふたりの姿が思い浮かびます。──月ノ華
★情景が目の前に広がるかのような歌です。
「類友」の部分を単語の強調(鍵括弧付きの類友)と取るか、「類友だ」と言っているセリフと取るかは迷ったのですが、後者で捉えました。
二限目を休んでいるという一個の共通点で生まれた不思議な縁、という印象を受けます。
この「日なた」には、日が高くなり始めているけれど、授業中なので周りに生徒がいないという物理的な「広い」と、時間の拘束から解かれた精神的な「広い」があるんだろうな、と思い、そんな解放感の中で少し悪友のような相手と「類友だね」って言い合っている時間の流れから切り離されたような「余白」がとても心地よい歌だな、と感じました。──古月もも
★申し訳ございません。原作は存じません。上句の「二時間目の日なたは広い」が昼前の明るくなった運動会の広さ、そして下句の友情にそれが繋がって風通しのよい気持ちのいい素晴らしいお歌だと思いました。──水川怜
★柔らかい幸福感があって、読み手も温かくなるような歌だな〜と思いました。二時間目か……自習ならまだかわいいもので、自主休講しちゃってるのかな?と想像しました。
「類友」と括られているのは何かポイントなのでしょうか?──池田いくら
●〈日なたは広い〉〈余白のあるうれしさ〉といった描写から、のんびりした幸福感を受け取りました。この光景と同じように、“私”も屈託のない人柄なのかなぁとも。授業時間にダベっていることへの罪悪感もなさそうです。
〈類友〉がカギカッコで括られているのは発話の内容だからなのか、それともちょっとした含みがあるのか。前者なら似た者同士だと屈託なく伝えられる間柄を、後者ならその含みをそっと目配せして笑い合うような間柄を想像します。どちらだとしても、昼前の日なたが似合う明るい青春の一コマがイメージされて、ああ眩しいなあ!と嬉しくなりました。──Dr.ギャップ
【作者コメント】
奇面組シリーズ 似蛭田妖 新沢基栄(集英社)
奇面組シリーズから番組の似蛭田妖の名前で折句を詠みました。奇面組は学園ギャグ漫画で主人公の一堂零を始め個性的なキャラクターたちがたくさん出てきます。◯◯組というのはそれぞれのキャラクターたちのグループ名のようなものです。ギャグ漫画ということもありキャラクターの名前は【一堂零=一同礼】【雲童塊=運動会】のようにその個性を色濃く表しています。
【似蛭田妖=ニヒルだよぅ】は学校で番を張る不良キャラクター。前髪で隠れた目元とニヒルな笑いが特徴なのですが、今回は似蛭田妖のニヒルな面というよりは漫画を読むにつれてわかってくるお茶目な面を詠もうと思いました。番組の気を許した仲間たちと少し重役出勤した日の景色です。斜に構えて見えても素直に色んな事を楽しむ、案外と学生生活を満喫している彼が好きです。
今回は折句という事で誰を何を詠もうかな〜と考えた時に、すでに作者から与えられた要素が名前に強く出ているキャラクターで詠んだら面白いかな?と折句にしてみました。──山と森と街
王国に瞑座する主が天秤に召すとこしえの愛、羽冠成すみどり
ナツ
【選評コメント】
●「瞑座」に、「主」の静謐さと高貴さを感じます。「とこしえの愛」を与えられる、良い「主」なのでしょう。「羽冠成す」る「みどり」は、瞳や髪の色か、「みどり」ごなのか。想像の余地があって、胸が高鳴りました。──おかのきくと
●何度読んでも原作がわからず、見当外れでしたら恐縮ですが、王の孤独さ、愛情が胸に迫ります。
愛は国とも個人とも取れるところも良かったです。
言葉遣いがとても美しい歌ですね。──海月雪夜
●〈天秤に召す〉という表現と、その対象が〈とこしえの愛〉であるというところを面白く感じました。天秤に対して計測機器というシステマチックなイメージを持っていたので〈召す〉という敬語表現が新鮮だったというのが一つ。そして、〈とこしえ〉という絶対さを感じる形容を背負った〈愛〉をそれでも天秤に乗せて計ろうとしている、けれど〈召す〉というように大切に取り扱っている、そのバランスを面白く感じました。〈主〉がどんな人物造形をしているのかとても気になります。
〈とこしえの愛〉と〈羽冠成すみどり〉が天秤のそれぞれに載せられているとも読めますが、〈とこしえの愛〉が天秤に載せられ、その結果として〈羽冠成すみどり〉が起こったというイメージで読みました。羽冠を形作ってするすると伸びていく植物のイメージが素敵です。──Dr.ギャップ
【作者コメント】
「ローゼンメイデン」よりドール・翠星石
厳密にはドールたちには誕生日が明確に設定されていないのですが、占星術に詳しいどなたかの解釈で、天秤座説を推しているものがあり自分もそれに共感しているため、ちょうど天秤座の期間であったためお祝いしたく「おめでとう」を折句とさせて頂きました。
(名前や作品でなくて大丈夫だったのか、確認せずにいたので、NGでしたら大変申し訳ありません…!)
(また、隠し題として名前に入っている「翠」の字を「羽冠成すみどり」として入れていますが、こちらもルール的に抵触することがありましたら重ねてお詫びし、次回から気をつけたいと思います)
*性格は人見知りでいわゆるツンデレ。ただし、双子の妹・蒼星石への愛情はとても深い。──ナツ
たくさんの声と拍手を受けながら掴みとる夢僕らに見せて
石ころ
【選評コメント】
★初見ではショービジネスの舞台の煌びやかさと応援するファンの様子が思い浮かびました。
声、拍手、掴み取る夢、の言葉が熱を持ち迫ってくるようで圧巻です。
何回か読み返し、心当たりが思い浮かびました。外れていたら恐縮ですが、そちらの作品ですと友の成功を望む「僕ら」の素敵さが一層際立ちます。
一緒にその人の成功を応援したくなる素敵な歌です。──海月雪夜
★語の使い方に無理が全く感じられず、これが折句になっているということに驚嘆します。すごく「普通の短歌」に見えるのですが……!!
夢を叶えたから〈たくさんの声と拍手〉を受けるのではなく、夢を掴みとる過程に〈たくさんの声と拍手〉がある、というのがすごく素敵だなと思いました。アイドルやスポーツ選手のような、夢に向かって進む過程の姿もまた誰かに感動を与えるような、そういう人物をイメージしました。特に〈掴みとる夢僕らに見せて〉の部分が、「掴みとった夢を見せて」とも「掴みとるという夢を見せて」とも読めて、ああ素敵だなと思いました。
“私”はそうした誰かを応援するファンかなと想像するのですが、その”誰か”が〈たくさんの声と拍手〉を受けていることを嬉しく誇らしく思っているような雰囲気や、“誰か”が夢を掴みとることをまっすぐ応援している雰囲気が感じられて、読んでいて明るく嬉しい気持ちになりました。──Dr.ギャップ
●「僕ら」が見ているのは、「たくさんの声と拍手」を浴びる光のような人なのでしょうか。それを見ている「僕ら」の希望や願いが、三十一文字に詰まっています。この歌自体が、彼らを照らすステージライトのようです。──おかのきくと
●うわ〜!誰だろうと思いながら、勝手にハイキューを想像した短歌でした。
おそらくこの短歌の主軸になっている人物はたくさんの声と拍手を外から見ている人であり、もしかしたらその対象になりうる人だったのかもしれない…などと想像しました。
自分はその感覚を味合う事はないけど、「君」「あなた」「お前」には感じて、それを自分たちに見せてくれ…このような感じでしょうか…?──隙間
●キラキラアイドルの歌だ……!と楽しくなりました。どのジャンルか気になります……!──月ノ華
●ファンからアイドルやスポーツ選手などへ向けた短歌でしょうか。真っ直ぐな感情が素直にいいなと思いました。見せてほしい、声の限り応援したい、その背中を追わせてほしい、真摯でちょっぴり一方通行。真っ直ぐ一心なファン心が作品やキャラクター、作中アイテムなどから折句になっていると言うことがとてもぐっときました。──山と森と街
【作者コメント】
「たこうつぼ」=「オクタヴィネル」の折句でした。折句は初挑戦でしたが、難しいですね…。双子がアズールを見守ってるイメージです。──石ころ
隘路から鍵束を抱き走るのだルール外れの孤影のために
谷澤
【選評コメント】
★とてもドラマチックな歌で色々と想像が膨らみました。鍵束はポケットやあるべき場所に仕舞っておくイメージがありますが抱いて走っているので持ち出したのかな?鍵は困難を切り開くための大事なものと読みました。一人ぼっちでその場所でのルールからはみ出しているそんな信念がある人へ渡すために走っているのだと思います。隘路(狭い通路)・鍵束とクローズアップされている所から「孤影のために」と最後に置かれた言葉で自分から相手への道筋を真っ直ぐ見ているように思い関係性がすてきな歌だと感じました。──山と森と街
●「隘路」から抜け出すための「鍵束」を胸に、必死に「ルール」から逃れようとする泥臭さ。「孤影」は、語り手なのか、それとも別の誰かなのか。どちらにせよ、誰かのために駆けられる、語り手の愚直さを感じました。──おかのきくと
●隘路、走るなど疾走感が素敵な歌です。
原作のスタイリッシュさが表現できていてとても好きです。──海月雪夜
●視点人物にとって〈ルール外れの孤影〉がどんな存在なのだろうという部分の想像が広がりました。寄り添いたいのか、彼の目的を叶えてあげたいのか──彼は〈孤影〉ではあるけれど、少なくとも“私”は彼の〈ために〉走っている、今隣にはいなくても確かに“彼”のために動いているという温度感がなんとなく好きで、彼らがどんな関係なのか、互いをそれぞれのなかのどういった位置に置いているのかが気になります。
また〈隘路から〉とあることで、彼のために走ることが“私”の救いや解放につながっているような印象を受けました。──Dr.ギャップ
【作者コメント】
スラムダンクの赤木晴子さんで作りました。孤影というのは桜木花道氏のつもりですが、他者の存在ありきの歌にはしたくなかったなという後悔があり……折句もっとがんばりたいです。──谷澤
虚木の檻を出た。空、赤くて……仰いでみたの。「ラグでしかなかった」
おかのきくと
【選評コメント】
●意味を汲み取りきれてはいないのですが、どこか強く印象に残る歌でした。
一番に目に入る空が青ではなくて赤であること、「ラグでしかなかった」というセリフ、「檻を出た」という自由や解放感を意味しそうな場面なのにどこか漂う不気味さ・不思議な印象と定型から外れた韻律がマッチしていて、引き込まれるような感じを受けました。──古月もも
●カメラ(=視点人物の視界)がパンパンパンとテンポ良く動いていく様子が気持ち良い一首でした。一方で視点人物の心情や思考をなぞりきれている自信がなく、読み解き能力の低さが悔しい一首でもあります……なお冒頭の〈虚木〉が辞書では出てこなかったのですが、「空木(幹の中が朽ちて、空洞になっている木。うつろぎ)」の別表記、そして〈虚木の檻〉は見せかけだけで中身を閉じ込める強度を持たない檻のことかな、と仮定して読みました。
〈ラグでしかなかった〉はカメラ移動の最後、空を仰いだ後に入るモノローグと受け取りました。この〈ラグ〉とは何の、何に対してのラグなのか(カーペットのラグではなくタイムラグのラグで読んでいます)。根拠のない印象で恐縮ですが、「先延ばしにしただけで結末は変わらなかった、変えられなかった」というニュアンスを感じました。虚木の檻が脆いものであるのなら、時間稼ぎのために自ら檻に入っていたのかもしれないと想像します。いつでも出られた脆い檻を出て、赤い空を仰ぐ。赤い空は非常事態を告げている。荒廃した世界の乾いた空気を思います。──Dr.ギャップ
【作者コメント】
(『虚ろを扇ぐ』(「プロジェクトセカイ カラフルステージ」より、青柳冬弥)
『虚ろを扇ぐ』は、彼のイベントの為に書き下ろされた獅子志司(しししし)氏の曲名です。
冬弥は、厳格な父に、無理矢理、音楽を習わされていた少年です。今は父親と和解し、ストリート音楽の世界で、仲間と共に夢を追いかけています。
好きな音楽に打ち込めるようになった冬弥。しかし、義務感ではなく、心の底から音楽に惹かれた仲間との間に、差(ラグ)を感じてしまいます。
「自分は仲間たちに、貢献できるのだろうか」
そんな冬弥くんのイメージです。
五七五七七の頭に折りました。ストーリーが進む度に自由になっていく冬弥くんのように、だんだんと型を崩しています。──おかのきくと
おれたちは互いの影だ いつまでも取り除けない人斬りの業
月ノ華
【選評コメント】
★これ折句なんですか!?自然すぎませんか、すごい!!!と衝撃を受けました。め〜ちゃくちゃ格好いいです。好きです。影って常に目に見える状態であるわけではないけれど、決して振り払えずに足元にあって、明るさの中でこそ意識するものですよね。腐れ縁といえるかもしれない、でももっと翳りがあるような関係で、それをどうこう言わずただ指摘している温度感が好き〜〜!となっています。──池田いくら
●上の句を見たときは、「おれたち」は「相棒」のような関係性なのだと思っていました。しかし下の句で「人斬りの業」を背負う「共犯者」だと判明する点が、ミステリーやサスペンスのようで、どきりとさせられました。──おかのきくと
●「互いの影」という関係性にとても惹かれました。どうにもできない業を背負っているけれど、それでも互いがいるから目を背けられない(背けない)という共犯者、運命共同体のような2人の印象を受け、仄暗い中にも確固たる決意が見えるような歌だな、と思いました。──古月もも
●描写と語調それぞれの淡々としたトーンと内容が相まって、静かに確かに胸中に落ちていくような印象の一首でした。
〈互いの影〉とあるのは、〈おれたち〉が単に対照的な存在であったり、相棒であったりするのではなく、お互いの“悪”とされる部分において対照的な存在や立場なのではないかと想像しました。また一字空けより後の部分については〈おれ〉にかかっているのか、〈おれたち〉にかかっているのか、どちらだろうと思っていたのですが、詠み込まれているのが【岡田以蔵(おかだいぞう)】だろうと推測してからは〈おれ〉にかかっていると読むようになりました。あくまでざっくりの史実を踏まえての印象ですが、岡田以蔵に〈お互いの影だ〉と指される相手は人斬りといったいわゆる汚れ仕事からは遠い場所にいる(少なくとも自分で直接他人を殺したりしない)人物ではないだろうかと思ったためです。人斬りを指示したり、あるいはその結果を受けて政治面で戦ったりというような誰かを想像しました。そしてそうして読んでいるうちに(その方が〈互いの影だ〉の対称性が際立ってときめくな……)とも思い……〈おれ〉が人斬りの業をいつまでも抱え続けるように、相手もまた別の業を同じように抱え続けているんだなと想像するとときめきます。
※岡田以蔵は実在の人物ですが各種キャラクターにもなっているようです。岡田以蔵の史実をざっと見たところ「人斬りから足を洗った」というような説明は見当たらなかったので、この歌の原作は史実ではなく史実ベースの創作(転生などの設定を持つ)ではないかと思っているのですが、具体的な作品は念頭に置いていません。──Dr.ギャップ
【作者コメント】
原作:刀剣乱舞
作中主体は肥前忠広、折り込んだのは彼の元主の名前である「岡田以蔵」です(【お】れたちは たがいの【か】げ【だ】【い】つまでも とりの【ぞ】けない ひときりのご【う】)。
うちの本丸に肥前が顕現してからはや二ヶ月弱(〆切時点)、「肥前くんが以蔵さんにどんな感情持ってんのかよく分かんねぇ!!」から始まり、維伝やら江水散花雪やらを見た結果審神者がたどり着いた今のところの結論がこの短歌です。刀剣男士としての姿を得るにあたって元主の影響をもろに受けた肥前にとっての以蔵は自らのアイデンティティを形作るが故に斬っても切り離せないもの、また自分と同じ「人斬り」の業を背負った影のようなものであり、また以蔵にとっての肥前忠広も自らの暗い部分(人斬りの部分)に溶け込みその暗さを共有するしかなかった影のようなものなんじゃないかな、と思っています。
とりあえずこの一夏で肥前忠広と岡田以蔵にクソデカ感情を抱いてしまった限界審神者は肥前のレベリングをしつついつか来る肥前の極実装を震えて待つことに致します。──月ノ華
血を吐くも明日への望み今日も持ち尚も守ろう託されし身を
海月雪夜
【選評コメント】
●「血を吐い」いても、誰かに「託された」願いや信念を頼りに、明日へと向かっていく。ボロボロに、血だらけになっても、彼は進んでいくのでしょう。熟語が多く使われていることにも、語り手の強い意志を感じました。──おかのきくと
●戦記物(架空戦記含む)のような世界をイメージしました。護衛のような役割を任されているようですが、〈託された〉とあるので、もともとの職責というより戦況のために職分を越えてを任されているのかなと想像します。
〈明日への望み〉について、「私の明日に対する希望」もしくは「この世界の明日に対する希望」という二通りの解釈があると考えます。同時に〈血を吐く〉も、負傷や病気によるものという解釈と、「血を吐くような思いで」という解釈の二つがあると考えました。どちらと言い切る根拠も自分では見つけられなかったのですが、歌のラストに向けて〈尚も守ろう〉と力強く向かっていく印象から、〈明日への望み〉については「この世界の明日に対する希望」かなと思っています。
シチュエーションや各人物(この短歌の視点人物・守る対象・託してきた誰か)の関係がとっても気になる、あわよくば連作で読ませていただきたい……! と思う歌でした。──Dr.ギャップ
【作者コメント】
【ち】をはくも【あ】すへののぞみ【き】ょうももち【なお】もまもろうたくされし【み】を
原作『妖怪アパートの幽雅な日常』(香月日輪・著 講談社) 千晶直巳(ちあきなおみ)
この作品は今年9月にコミカライズ最新巻が出版されていますが、アニメは6年前の作品です。マイナーですみません。
主人公は両親を亡くした高校生・夕士(ゆうし)です。寮に入れない間、世話になるアパートには人間と妖怪が住んでいます。夕士が様々な人と関わる中で成長する物語です。
千晶先生はシリーズ中盤から登場します。破天荒なキャラクターですが生徒を守る熱い気持ちに心打たれ、表現してみました。──海月雪夜
「ごめんな」と振り切れ、あとは 祈るだけ 繰り返す夢 負けた手はパー
隙間
【選評コメント】
●語り手は、「パー」を出したことを悔いているのかもしれません。チョキやグーなら、なにか変わっていたかも。その光景を「繰り返」し「夢」に見て、「ごめんね」と言う痛々しさに、胸がつまるような心地がしました。──おかのきくと
●〈繰り返す夢〉にループものの気配を感じ取ってそわそわしてしまうタイプの読者ですと最初に告白いたします。ループを断ち切ることを〈あとは 祈るだけ〉というクライマックスの一首なのかなと……!
祈って負けたのか、負けた結界祈ることになっているのか、負けた結果の〈繰り返す夢〉なのか、〈繰り返す夢〉に変化をもたらすのが〈負けた手はパー〉なのか……因果関係をどう捉えるか迷いつつ、〈あとは 祈るだけ〉=今まさに祈っている?とあるので、まだループ脱出の成否は決まっていない、〈負けた手はパー〉は〈振り切れ〉より前の出来事ではという風に読みました。読点や一字空けで区切られた言葉たちが、記憶やイメージの断片としてキラキラと瞬く様子が想像されました。──Dr.ギャップ
【作者コメント】
作品: HUNTER×HUNTER
キルアからゴンへ向けた大きな感情について詠んだ歌です。(※大きなネタバレはないですが、注意喚起です)
キルアとゴンはお互いが初めてできた(歳の近い)友人です。
キルアは殺し屋一家に生まれ、幼い頃から殺しを(ほぼ強制的に)学び、育ってきたことで、自分に染み付いている言動が「いつかゴンを傷つけてしまうのではないか」と苦しんでいます。
それ故に、どうにか一緒にいたいと願いながらも、キルアはゴンから離れることを決断します。
「(理由も言わず離れて)ごめんな」とゴンに思いながら、どうにか振り切ろうとする心の中の強い「本当はゴンと旅をしたい」気持ちを持ったまま、これからのゴンの幸せと行く末をキルアは祈っています。
そんなキルアはゴンとの思い出を夢に見ることがあるのではないでしょうか?
ゴンの必殺技のなかに「ジャジャン拳(けん)」というジャンケンをモチーフにした技があるのですが、夢の中でも特訓した日々を思い出し、つい起きた時にジャジャン拳に反応した手を見て、切なく笑うのだろうな…と想像し、詠みました。
キルアからゴンへの気持ちを表すために、短歌自体はキルア目線で、折句は「ごんふりいくす」(ゴン・フリークス)にしました!──隙間
叛逆のlive引っ提げ進むのさ マイク・ステージ・途絶えぬ思い!
Dr.ギャップ
【選評コメント】
★「マイク・ステージ・途絶えぬ思い!」のリズム感が好きです。声に出して読みたいです。
最初の「叛逆のlive」というのが力強く、「引っ提げ」と続くところに勢いを感じます。どのジャンルの短歌なのか気になります。このジャンルについて調べてみたいです。──月ノ華
★アイドルや歌モノなのでしょうか?「叛逆のlive」に音楽イベントとしての「ライブ」と、「命」「暮らし」という意味の「live」が掛かっているのが、とても魅力的です。語り手の思い、生命の強さを感じました。──おかのきくと
★一字空けを用いていながら、このスピード感!「叛逆のlive」を「引っ提げ」るという言葉にも痺れました。とても奔放で、芯のあるキャラクターなのだろうなと想像しています。本当にライブやミュージシャンのコピーライトみたいです。──せいら
●ヒプノシスマイクでは?!になった短歌です(実際はどうかわからないのですが、そんな気がしました)
マイクを握ること、マイクを通して伝えることって、簡単なように見えて、実はとてもいろんな思いを背負うことになるのではないかと思っています。
だからこそ、心に響く素敵な歌だな〜とこちらを見たときに思いました。──隙間
【作者コメント】
詠み込んだのはアストラ芦魔作のマンガのタイトル【ハンサムマストダイ】です。ジャンプ+での連載がで10月29日に完結しました(全20話)。
本作を「アイドル学園モノ」と紹介すると抜け落ちるものがあまりに多すぎるのですが、自分の手持ち語彙の中ではまだこれが適当かなという、百聞は一見に如かずのど真ん中をゆく作品です。ハンサムひしめくアイドル養成学園という舞台に、「この世界ではこうです」という強固な磁場、独特の間合いで繰り出される絶妙な言語センスの光る台詞などをまぶすとこの作品になります。そしてマストダイの精神。
自分の場合、二次創作短歌を作るときは基本的に「その作品世界の誰かになりきって、その誰かが作ったものとして短歌を作る」というスタンスでいるのですが、『ハンサムマストダイ』はそれが非常にやりづらく(誰になりきるのも難しいので)、折句だからこそチャレンジできた原作でした。この歌では“私”として特定のキャラクターを念頭に置いてはいませんが、物語のクライマックスをイメージした内容にはしています。
このコメントが公開される頃にはまだ全話無料で読めると思いますので、ぜひ読んでみてください。
作品公式サイト〈https://shonenjumpplus.com/episode/4856001361184138670〉──Dr.ギャップ