KP自分(花仲由利) PLあつむ氏(木子三成)ふせ再録+加筆あり
@35kayaku
【感想】
これ、リアル都合で延長してしまったものの、本来は木子くんの誕生日を祝うためのセッションだったんですよ……一か月後になってしまいましたが。それがまさか、こんな結末になるなんて……少なくともシナリオを読んで部屋を作っていた私は夢にも思いませんでしたよ……!!木子君そういう感じだったっけ?!?
【ざっくりしたセッション内容】
花仲さんが木子くんのお誕生日をお祝いする!→ケーキを作りたい!でも技能値的に不安で……(低すぎるDEX6と制作:料理18)だから一緒に作りたいの。お菓子作り、苦手意識も無くなったし……いいかな…?という経緯で始まったケーキ作りであった。
▼導入です
しかし素人二人でケーキを作るというと不安が残るのも事実。しかし昨今の世の中には便利なものがある、それはケーキキットだった。必要な材料も全て用意されており、更に便利な世の中は外に出なくても買い物もできる。そう、ネット通販ならね。
といった感じで、木子くんがネトサしているとあるサイトが目に留まる。大人気ライバーによるタイアップしたケーキキットだった。(抱き合わせして売るのは納得だな…)と経営者目線で合理的だと思ったものの、その商品自体は売り切れのようだ。そんなわけで二人は相談しながら、奇しくも某クイズ大会で奇跡的に意見が合致したケーキといえば「イチゴのショートケーキ」でよさそうなケーキキットを見つけポチりとしたのであった。きっと前日の午後には届くことだろう……
だが当日の昼過ぎになってもケーキキットは届かない。何故だろか。先に自宅にやってきた花仲さんは「本当は自分が率先してやるべきだったのに、お願いしちゃって申し訳ないなって……」「お祝いする立場なのに、私のワガママばっかりに付き合わせてごめんね……」と謝るも、木子くんはそんなことないよと返す。丁度お昼も過ぎてお腹も空いてくる時間帯ということで彼女が手土産に持ってきたサンドウィッチの詰め合わせを渡す。「お店で見てて美味しそうだからちょっと食べてみたかったの」とのこと。
待っていても仕方ない、食べてからにしようかと思った矢先――インターホンが鳴る。待っていたものが届いたのかと思い、木子くんが出ればそこには宅配業者がおり、予想通りにケーキセットの配達であった。荷物のラベルや住所に間違いがないことを確認して受け取る。
ケーキセットもすぐに作らなくてはいけないものでもなく、生物は冷蔵庫に既に入れてあるため、お土産のサンドウィッチを食べてから取り掛かることにした。
さて、木子くんの好きなものが入っているのか……<幸運>を振るも失敗。中身は照り焼きチキン、辛子マヨ入り卵サンド、シーチキン、エビカツ……どうやらラインナップは木子くんの好み、というわけではなく彼女自身が食べたかったものを選んできたようだ。
PL「可愛い」
KP「すごい何でも許されるんだけど」
PL「食べたいもの買ってきたんだなってラインナップ可愛くない?」
KP「そこは何が食べたいとか聞いてこないんだって思わないんだ」
こってり系統の腹持ちが良さそうなバリエーションに、木子くんは「どれがお勧め?」と尋ねれば、花仲さんは「照り焼きチキンも美味しいと思うけど、卵サンドも辛子が入っているけど美味しそうだったよ、お腹が空いてるならエビカツも美味しいと思うけど……」と答える。ここで<聞き耳>を振るも失敗し、特に聞こえなかったがなんとなく彼女が恥ずかしそうにしている気がした。
そして木子くんは彼女に先に好きな具材を取ってくるように伝えて「紅茶でいい?」と飲み物を取りに行く。どうやら彼女はどれにしようか迷っている様子だったため、少し笑いながらついでに包丁も持ってきて半分こにすることを提案する。彼女は特に食べたいものはなく全部美味しそうだったため悩んでいた模様。サンドウィッチを半分に分けて、木子くんが卵サンドを食べている間に花仲さんは大きな口でがぶがぶと照り焼きチキンを食べていた。
PL「かわいい」
KP「感想がかわいいしか出てきてない」
※最初のネット通販でライバーと抱き合わせで売り出しているのを合理的だと捉えているの、さすが経営者だな……と思ってしまった。そらあ経営軌道に乗せていた社長なだけあります。こういうちょこちょこ背景というか職業柄みたいな要素が出てくるところ好きです。
どんどん花仲さんが食いしん坊キャラみたいな感じになってる。でもたぶん運動部所属で大会出ていた選手だったし、それなりに食べていると思う。そしてガッツリお腹に溜まるもの、カロリー?動いているから気にしたことはないと思う。あと食べるときは食べるけど、食べないときは最低限の食事しかしない(自炊しない、食べるのが億劫だと平気で抜くし、水分や塩で済ませてしまう)し。
あと花仲さんは「ハンバーグとか好きみたいだし、きっとこういうのも嫌いじゃないよね、たぶん」「もし好みじゃなかったら急いで買い直そう……でもお肉も種類あるし、揚げ物だけじゃないしどれか一つぐらい食べれるやつあるよね!」と思ってチョイスしてます。
そして完全に中の人は「かわいい」しか言ってなくて「すごいわ、なんでも許されるじゃん」と思ってました。
▼ケーキ作りが始まります
腹ごしらえも終えたところでいよいよケーキ作りが始まる。まずは届いたケーキキットの中身を確認すると、しっかりと梱包されており、そのキットの中にはレシピや小袋や容器といったものが緩衝材に包まれて揃っていることが分かる。
次にレシピを読み、その手順通りに工程をロールしてこなしていく。まずはボウルに薄力粉を振るいながらハチミツを入れてよく混ぜる。注釈としてこのキットだけで作ることができ、追加の材料は要らないと明記されている。
PL「え、ハチミツ?」
KP「はい。レシピに書いてある通りのことを読み上げてます」
PL「秘密があるんですね、きっとこの中に」
キットの中にある薄力粉と書かれた袋とハチミツと書かれた容器をレシピ通りにボウルに入れていく。お菓子か調理系技能で振る必要があるも、一切持っていないため芸術技能初期値5%で振るも出目は悪くないが失敗。このレシピは手順が写真付きで載っていてわかりやすいなあという感想しか出てこない。
次の手順は更にボウルへ砂糖を入れて左回りに9回付属の泡立て器で混ぜる。キットを見れば砂糖と書かれた袋と、新品の泡だて器が入っていた。実際に行う前によく見ることが出来るので、よく見てみるために――泡立て器に<目星>成功すると、柄の部分に小さな石――ほぼ漆黒で赤い線がきらりと入ったものが埋め込まれていることに気が付く。なんだか少し嫌な感じがする。続けて<アイデア>にも成功して、使うには嫌な予感がしたため家にある菜箸やフォークで代用できるのではないかということに気が付く。流石に成人男性一人暮らしの家に泡立て器はないが、シリコン製のゴムベラはあったためそれで代用することに。
次にレシピを確認すれば、特製『特製♡ふしぎな液体♡』をボウルに入れてよく混ぜたら生地の完成となり、キットの中には『特製♡ふしぎな液体♡』と書かれたボトルが入っている。
PL「こわいこわい中身なに」
KP「中身はですね、傾けると液体がドロリと動いて黄色掛かってます」
開けて匂いを確認したいと<聞き耳>を振るも失敗、バターっぽい匂いがする。その仕草を見て花仲さんも近づいて匂いを嗅ぐも<聞き耳>失敗してやはりバターの匂いしかしない。だがしかしラベルの名称から得体が知れなくて追加で何かを調べたいと申し出があったため<アイデア>を振ることに。結果成功したため、一瞬それが嗅ぎ覚えのある血肉の匂いがした気がした。流石に花仲さんも食べるしと思った木子くんはすっと瓶を置いた。それを花仲さんが怪訝そうに見て尋ねると「一瞬変な臭いがしたから。バターっぽいし、バターなら一応買ってあるし」と液体を使用するのを止める。一応ケーキを作る予定ではあったため、材料は多少買ってあった分があり、それらで代用することとなる。
そして次の工程は、生地を方に流してトントンと空気抜きをして、最後に美味しくなるおまじないで顔を近づけて表面に息を吹きかけると記されている。キットには型があり、これを使えばいいらしい。
PL「流し入れ……いやウソウソ、なんか技能振るんですよね」
流し入れる前に<目星>成功し、型の底の部分に何か薄く彫ってあるのが目に入る。文字のように見えるが日本語でも英語でもなさそうだ。お菓子作り技能には失敗したため、そのまま生地を型に入れてレシピ通りに息を吹きかける。
すると生地がどろりどろりと呻き、テケリテケリという声が聞こえる。何故これまで普通に見えていたのだろうか、これがケーキの生地? そんな筈はない。30㎝ほどの赤黒いそれは震え、呼吸をするように膨らんだり縮んだりを繰り返し、裂けている内側には肉色の紐のようなものがぬらりとしている。あれは腸か、目が合ったこれは、関節のように見えるこれは、筋肉のように見えるそれは、先ほどまでケーキの生地だと思っていたものは、それらを伸ばして貴方の方へとぷちゅりと跳ねた。見覚えのある形状をしているも<SANc>は成功し、1の減少に留まる。
▼ケーキ生地?との戦闘です
戦闘開始前に<目星>を振って成功し、先ほどまで参照していたレシピに薄い文字で何か書かれていることに気が付く。『素体が暴走したら合成ピレスロイドを用いることで強制的に排除可能、回収出来ない場合は排除推奨』という文字が見える。
これ以降はDEX順の行動となり、木子くん→ケーキの生地→<超えられない壁<花仲さんの順番となる。
1R:木子くんが『合成ピレスロイド』とは何かを知るために<知識-20>で成功する。そう、この男プラスチック爆弾も成功している。どこか任務の最中に耳へ入っていたのかもしれない。『合成ピレスロイドとは哺乳類又は昆虫類の神経系に左右する神経毒であり、殺虫剤に含まれる成分である』ことを知っていた。もしかしたら何かで戦闘中に小沢博士からインカムで聞いていたのかもしれない。次のRからは殺虫剤を取りに行くことが可能となる。
次いでケーキの生地の行動で、花仲さんに触手を伸ばすも、体がボウルに収まっているせいか伸ばしても届かなかったようだ。そして花仲さんのターン、PLにしてほしい行動があればその通りに移しますがと尋ねると「あれが逃げないように大きい鍋で塞いでもらうと思ったが大きい鍋が無い」とのこと。一人暮らしの男の弊害ですね。
PL「わかる。コイツは用意してあるところに行ってそう」
KP「自分で用意しているイメージがない」
PL「鍋パするメンバーって多分あの面子じゃないですか」
KP「だから他の面子の家に上がり込むイメージだよ。タコパもそうでしょ」
PL「うん。だから朱虎くんか鹿子くんが持っているイメージ」
どうすることも出来ないため、離れてもらうこととなる。そのためデコイダイスを増やして、木子くんへのヘイトが増える処理となる。
いきなり現れたケーキの生地モドキにあわあわしていると、木子くんが彼女に声を上げる。
木子「あ、ごめん花仲さん。ちょっと離れて、そいつ多分なんとかできるから」
花仲「え、どうしたらいいの。何か私手伝えることある?」
木子「あ、いや多分俺が取りに行った方が早いからそれまで触らないで!」
花仲「え、あ、う、うん……」
というわけで、彼女は狼狽えながらもケーキモドキに近づくのを止めて言いつけ通りに様子を見ることに。距離を置いたことで、デコイダイスを増やして木子くんが攻撃対象に選ばれる頻度を増やす処理となる。
2R:木子くんが殺虫剤を取りに行くため<DEX*5>を振るも失敗。普段使わないしキッチンにも置いていないため、どこにあるのかと置いてある場所から探す必要があるようだ。そのため2Rを要することに。一方のケーキモドキは殺虫剤を取りに行く木子くんの背中を追いかけるように触手が伸びる――クリティカルが出たため必中かダメージ2倍をダイスで決めて結果は必中となる。彼の足首に触手が絡まり、そして焼き付くような痛みが走る――3点の喪失。
花仲「え、大丈夫、今……」
木子「痛……うん、大丈夫だから」
花仲「やっぱり私、あの、ボウル抑えてた方がいいんじゃ……」
木子「危ないから触らないで!」
花仲「え……」
花仲さんはそれを聞いてオタオタ慌てているが、触手を実際に受けた彼は結構な痛みだということを体感したため、決して彼女を近寄らせようとはしない。しかしそれを見た彼女は付属品の泡だて器を逆手に持って構える。
PL「可愛いね、可愛いと思います」
KP「何でも可愛いねっていうじゃん」
PL「絵面可愛いだろ、純粋に」
PL的には特に彼女にしてほしい行動はないものの、構えたそれを止めることは出来ない、何故なら木子くんは殺虫剤を取りに行っているからである。しかし彼女は<投擲>を振るも失敗。方向がずれてゴロンゴロンと床を転がっていく。ガッシャーンと派手に音を立ててどっかにぶつかったことにしたら、それはファンブルの描写だろという異議申し立てがあったため、このような描写へ変更となった。
3R:木子くんは殺虫剤を取りに行っているため行動が出来ないターン。一方のケーキモドキは彼に標的を定めて触手を伸ばすも届かず。そして花仲さんは今度はハチミツが入っていた瓶を見つけて振りかぶるも<投擲>は失敗する。
4R:ようやく殺虫剤を取ってきた木子くんがケーキモドキに向けて吹きかける。殺虫剤は企業努力によって素早い虫にも的確に噴射できるように作られているため必中である。ダメージ1d10+5で8点のダメージを与えるもケーキは蠢いている。
次いでケーキモドキが<触手>に成功して、木子くんはそれを<回避>失敗して避けることが出来ず。触手を伸ばして木子くんの足元に再び絡みつく。3点失い、現在HPは5点。ショックロールは無かったものの、そろそろ気絶や死の文字がちらつく。
その様子を見て見るに見かねた彼女が<応急手当>を行おうとするも失敗。キッチンにはそのような場所はなく、おろおろと時間ばかりが過ぎていく。
5R:再び木子くんが殺虫剤を振りかける、12点のダメージを出すものの、触手はあらぬ方向へビクビクと体を震わせているがまだ生きているようだ。
KP「こう、死にかけのGを連想して頂けるとありがたいです」
PL「急に飛んでくるじゃん」
KP「触手が飛び出してきてるから実質一緒でしょう」
しにかけのケーキモドキは攻撃してきた木子くんへ<触手>を向けて成功する。<回避>を振るも失敗して4点のダメージを食らい、彼は自動気絶となる。
キッチンで触手に体を焼かれながらも対峙していた彼は遂に体力も底を尽きて、床に崩れるように倒れてしまう。花仲さんはそれを見て、床を転がっていく殺虫剤を手に取ってそのままケーキモドキへと駆け込み、零距離で噴射する。その一撃がトドメとなって、ケーキモドキは小さくなってドロリドロリと融け落ちて液体と化した。
なんとか処理は出来たものの、重体の木子くんがいて未だ窮地は脱していない。彼女は救急車を呼ぼうとしたが、明らかに人知を超えたものによる現象だと理解している彼女は組織に救援を要請した方がいいと判断する。そしてそのまま組織へ連絡をし、駆け付けた彼らによって木子くんは医療施設へと搬送されることとなった……戦闘終了である。
※冷静に考えると「薄力粉に蜂蜜ぶっぱとは?」「不思議な液体」「9回泡立て器でかき回すとおk」という料理工程って……?となるけども、不思議とこれがセッション内であるとそういうもんか…と納得してしまう。
これがセッション内最大の問題かつ関門、ケーキとの生死を掛けた戦いである。でもSAN値チェックは成功してるのはまあせやなという。ここで木子くんが合成ピレスロイドを知っていたの、本当に知識というか教養というか様々な分野に関して幅広く知っているんだろうなと伺わせる。実際EDU高いし、そこからインスピレーションを得てデザインの構想を練っていたのだろうか。あとは木子くん学んだことを吸収するのは得意なのかなと。一回どこかで聞いたこと、知ったことを頭の片隅に置いて別の場面で思い出すというアウトプットも上手いのかあ。
珍しくKPの出目が強かった。その出目の強さ、別の局面、もっと他の場面で出していいんじゃないの。KPは本当に焦ってたし「ロスト」の文字が頭によぎった。それは花仲さんも同じだったと思う。目の前で傷ついて、痛みを堪えながらも懸命に動いているのをただ見ていることしかできないんだよお……それでも何かって<投擲>や<応急手当>を振ったけど失敗してるから、何も出来なくて……無力感に打ちひしがれていた。このときの絶望と、辛うじて息があったのが分かってそこだけはホッと安堵があったと思うの。
▼倒れたその後――
彼のキッチンは現場として保存され、ケーキキットは証拠物として押収されて組織の分析班へと回されることとなった。一方で運ばれた木子くんの容体は的確な処置の結果一命は取り留めたものの、怪我の程度が大きかったこともあって完治までには1ヶ月を要することとなった。
PL「これは納得だわ」
KP「誰が一緒にケーキ作りたいなでこんな大惨事になったと思いましたか。再びトラウマで二度と菓子作り出来ないですよこれ」
医療施設による入院ともあって、1週間につき2d3の回復。結果としてx4 2d3によって14点回復して全快となる。治療中はとある博士がくどくどと鍛錬の足りなさや慢心を指摘したかもしれませんし、彼女の友人は心配そうな様子でお見舞いに来たかもしれない。
そして組織の顔馴染みからはその後のあらましについて教えてもらうこととなる――
どうやら盛大に広告を打って販売されていたケーキキットは、そもそも宣伝をした配信者自体が関係者だったようだ。原生物を各家庭に送り込み、購入者を取り込んで成長させて大きな個体として育て上げることを目的に行われようとした。しかし、そのケーキキットを梱包配達する段階でどうやらミスがあったらしく、全く関係のないケーキキットと間違えられて全く関係のない場所へ配送されたようだ……
更に今回の一件で組織に存在が認知されたことで、対策へと動いた結果。事件の関係者及び拠点の幾つかのうちの一つは確保に成功したとのこと。事件はいずれは収束へと向かうだろう……
自分がベッドで寝かされた間に事態がほぼ解決していた事を聞かされた木子くんはため息を吐いた。
更に顔馴染みは、一番この事態を深刻に受け止めた花仲さんが率先してケーキキットの回収及び壊滅活動へ勤しんでいたとのこと。それも聞いた木子くんは「そうだろうな……」と落ち込んでいる。
そんな彼を見て「まさか普通に買った筈のケーキキットがこんな誰もが予想しないものだとは思わないだろう」と慰めるも、彼は「ベルトがないとこんなもんなんだな……」と言葉を漏らす。
それから一か月が経過し、怪我も完治したため木子くんはようやく自宅へと帰れることになる。自宅の玄関まで来た彼は<聞き耳>を振るも失敗、どうやらよほど落ち込んで堪えているらしい。とぼとぼ肩を落としながらドアを開けると、そこには玄関のすぐ傍の廊下で正座をして座り込む花仲さんの姿であった。
PL「え、すごいな。クソデカため息吐きながらガチャと開けたらいるんでしょ」
KP「沈痛な面持ちで綺麗に背筋伸ばして正座してるよ」
木子「え、花仲さん……?」
花仲「えっとおかえりなさい……あの、今日退院って教えてもらったから。あの、勝手に入っちゃってるけど、その折角退院して戻ってくると思ったら、顔が見たいなあと思って……」
木子「ああ……」
花仲「ああ、ゴメンね、疲れてるよね、全然気が付かなくて、」
木子「あ、いや別に体は疲れてないんだけど……」
花仲「えと、まず最初に直接謝りたくて……」
木子「まって、中入ってもいい?」
花仲「え、あ、ごめんね……玄関先で話す事じゃなかったよね」
木子「あ、いや。一回、座ってゆっくり話そう」
そうして木子くんは彼女を玄関からリビングへと通す。その間の雰囲気はお通夜である。というかこのセリフだけ聞いたら別れ話を切り出す二人の会話っぽく聞こえるなと思ってしまった。
今回の件は証拠が残っているのもあって特定もしやすく、また人目につく恐れもさほど無かったため思う存分彼女は暴れてきたようだ。ひとまず彼女に怪我がなかったことに木子くんは安堵した。
そして彼女は改めて、事の発端は自分が一緒にケーキを作りたいと我が儘をいったせいで木子くんが意識を失うほどの大怪我を負ってしまったこと、危ない場面から自分を守ってくれたことの謝罪と感謝を伝える。それに対して、危ないところをかえって助けてくれたことと、博士に鍛え直して貰うことを誓う木子くん。花仲さんは自分一人でも大変な時に対処できるように一緒に鍛えてもらおうかと話す。
そして花仲さんは、よかったらしばらく家を空けていたせいでモノがないだろうということで。迷惑でなければご飯作りや手伝いを自分がしたいと提案をする。どうやらそのために食材も買って持ち込んだらしい。聞けば焼くだけでOKの鮭の切り身と使い切りの味噌汁とレンチンご飯を用意してあるようだ。
※この展開は組織に属しているからこそ……だったなあと。ちゃんとショゴスもどきという未知の物体からによる怪我でも対応出来る場所だからある意味良かった……いやこんな大怪我負う時点でよくないが。
正直今まで割と最善とはいわないが、良い結果に終わることが多かったからここまで大怪我を負うのも珍しい。気絶しかけたことはあっても気絶したことはなかったはず。だからこそ、慢心がなかったとは言えないのかも……?珍しくしおらしい木子くんがみれたのはある意味見れなかった一面がみれたことに対して喜びはあったけども。自分が見てたのって、割と余裕のあるように振舞って立ち回っていた木子くんだからねえ。それ以外の、というか他のキャラの違う一面があるなら見たいじゃん……そういうやつじゃん…
▼一応仕切り直しのケーキ作りのターンもあるらしいです
ちなみに当時一緒に買い込んだデコレーション用の食材は、お見舞い客で来ていたうちの一人である彼女が子供と一緒に作ったデザートの材料に使われていました。
彼女が四苦八苦しながらも用意した夕飯を一緒に食べながら、木子くんが「せっかくだから今度は材料も自分たちで買いに行って作ってみない?」「ケーキでもいいし、クッキーとか。三上さんが入院中にお子さんと一緒に作ってくれたみたいで、作り方とか聞いてみたらどうかな」と提案する。それを聞いて花仲さんも同意し「今度はちゃんと作れるように勉強するね」と仕切り直しの計画が立った。
まずは後日。
自分たちで作れそうなレシピが見つかったか<図書館>に成功する。出目が戻ってきている。簡単かつ分かりやすいレシピが見つかり、これなら自分たちでも作れそうだ。それを踏まえて今度は材料の買い出しになる。一緒に行くことになり、彼が車を出してくれることに。
花仲「無理しなくてもいいんだよ……?」
木子「運転嫌いじゃないし。疲れたりしないから大丈夫。それに車有った方が買い物とか楽だろう」
花仲「確かにその、色々必要なものがあるから。あった方が便利だけど」
必要なものはメモも取ってあり、型も今時なら100均でも買えるためおおよそ必要な材料は手に入る。これでいよいよ仕切り直しのケーキ作りとなる。
▼ケーキ作りをやり直そう
最初にボウルに卵を割り入れてグランニュー糖とハチミツを入れて泡立てる。家にハンドミキサーはないので、泡だて器を使って人力で泡立てる必要がある。
PL「DEX一応10あるのか」
KP「持久力が求められるのでCONです」
PL「ダメじゃん、はいはいだめだめ、作れません」
>木子くんのCONは6<
PLは期待してなかったが、CON*5に成功して多少の疲労感はあるものの負けている場合じゃないと気合を入れてしっかりと泡立てることが出来た。
花仲「おお…すごい」
木子「こんなもんでいいのかな」
花仲「たぶんいいんじゃないかな、ほら白っぽくなるまで丁寧に泡立てることって書いてあるし。多分この通りでいいんじゃないかな」
今度は薄力粉を何回かに分けて振るいながらボウルに入れて、ゴムベラで掬うように優しく混ぜていく。優しく繊細に混ぜることが出来たか<DEX*5>を振るも失敗。横から花仲さんも覗いているが<制作:料理>ではうまくいかず、ダマになってしまった。しかし生地を押し出すようにすればなんとかリカバリーは効くだろう。
花仲「混ぜるのって、難しいね」
木子「意外とダマになる」
花仲「混ぜ方にもコツがいるのかな」
木子「切るように、かな」
花仲「でもちょっとずつダマは減ってきたかも」
混ぜ終わったところで<目星>を振って成功。
KP「おお、いいね」
PL「この出目だったら成功してたのに、どうしてその出目が出なかった」
KP「やめてあげて」
レシピに『無塩バターとバニラオイルを加えるのを忘れずに』と書いてあるのを見つける。どうやら見落としていたようだ。それらをボウルに加えていけば、全体に馴染むように混ぜることが出来た。
花仲「あ、なんかお菓子って感じのいい匂いがするね」
木子「ね、バニラオイルの香りだったのかな」
花仲「なのかな、焼きあがった時も美味しそうな匂いするよね。あれと違うのかな」
木子「どうかな」
花仲「ここから続けてったらそれも分かるのかな」
次に出来た生地を低いところから型に流し入れて事前に予熱したオーブンで焼き上げていく。うまく型に入れられたか<DEX*5>で判定し、成功。綺麗に流し入れることが出来る。そしてあとはオーブンに入れて焼きあがるのを待つばかりである。スポンジ部分はこれにて終了である。
今度はクリームを作る工程となる。生クリームに粉砂糖を入れて泡立てる作業が再び待っている。そして木子くんの自宅にはハンドミキサーはないため、疲れないで的確に混ぜることが出来たか<CON*5>の判定――失敗、なんならファンブル寸前の値であった。
花仲「疲れてるみたいだから変わろうか?」
木子「結構力いるかも、お願いしていい?」
花仲「うん、えっと力加減分からないけどやってみるね」
といいながら、木子くんより的確かつ迅速にざくざくざく泡立てていく。あまりやりすぎると今度は固くなってしまうため、ほどほどに切り上げる。その頃には生地が焼きあがったため、粗熱を冷ましてその後綺麗に切り分けられたか<DEX*5>の判定――
PL「これゴネなんですけど」
KP「はい」
PL「えっと服作りしてるじゃないですか」
KP「そうですね」
PL「あの結構目分量で切ったりとか立体裁断とか」
KP「うんうん」
PL「ある程度刃物を使えるので<芸術:服飾>-20とかで振らせて貰えませんか」
KP「まあだいたい目分量でどのくらい切れるかってので認めていいでしょう」
>致命的失敗:ファンブル<
というわけで、目分量で切っていくが切る際に力を入れすぎてスポンジの端が潰れてしまうし、更に半分に切ったつもりが明らかに配分をミスって偏りがみえる。
PL「しょんぼり」
KP「しょんぼりしないで」
木子「どうだろう……うん、結構バラバラかも、大きさ」
花仲「でも、その、こっちの大きい方を下の土台の部分にしたらどうかな。そしたらしっかりその支えられると思うし……えっと、柔らかいとなかなか切りにくいよね」
木子「難しいね、意外と」
花仲「うん力入れると凹んじゃいそうだもんね。かといって入れないと切れないもんね」
スポンジを切るのは上手くいかなかったが、気を取り直して今度はスポンジの間にイチゴをふんだんに挟んで更に泡立てたクリームを塗っていく。そしてその上から再びクリームを塗って、上の部分を盛り付けていく。見栄え良く綺麗にデザイン出来たか<APP*5>で判定し、成功。ここは意地がでたか。
等間隔にイチゴは配置され、クリームは均等に塗られている。更に言えば飾りつけられたイチゴは綺麗に形作られ、見た目も華やかだ。手造りにしてはイチゴの赤とクリームの白が映える綺麗なイチゴのショートケーキが出来上がった。
木子「こんな感じでどうかな」
花仲「すごい、すごいよ……!えっと、綺麗にお店で売られてるケーキって感じ」
木子「そう、そうかな」
花仲「やっぱりこういう見た目を綺麗に整えるの上手だよね、流石」
出来上がったケーキを見て興奮している花仲さん。しかしあまりに綺麗に出来上がったケーキを見て、切ってしまうのがもったいないと言い出す。
木子「ああ、記念に写真でも撮っておく?」
花仲「そうだね、それに折角なら皆にも見て貰いたいし」
こうして出来上がったケーキを写真に収めて、色々なことがあったものの無事に手作りながらもお店に出しても見劣りしない見栄えのケーキが完成した。それを見てニコニコと嬉しそうに笑っている花仲さんは包丁を取り出した。
さて、ケーキを切っていこうと包丁を片手にしたところでオロオロと彼女が困惑をみせる。どうやらうまく等分に切れるかどうかを心配しているらしい。それを見た木子くんがアプリを起動して、真上からカメラを通せばどのように切れば当分できるか点線で教えてくれる。しかしアプリの通りに切った筈なのに若干ナナメってしまう。折角綺麗に出来たのに、変な形に切れてしまったことや綺麗に上手に出来たからこそ食べるのが勿体ないと気にする花仲さんに、手作りっぽくっていいんじゃない、次はもっとうまく出来るかもとフォローする木子くん。そんな彼の言葉に次までに出来るようにもっと頑張るからと決意表明する彼女に、楽しみにしてるねと返し、作ったケーキを一緒に食べるのであった。
ケーキを口にしてふわっと美味しいなと思った木子くんは少年のような笑みで「美味しいね」と笑いかけ、それを見た花仲さんが思い浮かぶものがあって一瞬嬉しそうにした後にちょっと恥ずかしそうに視線を横に逸らして「おいしいね」と返す。気にせずに食べ進める彼を、嬉しいような懐かしむような視線で彼女は見ていたのであった。
▼シナリオエンドーなんとか生還
SAN値が1d3で1回復、そして<制作:お菓子作り>が1d10で4成長する。その他には成長として<回避>が+9となり<聞き耳>が+5成長する。
※すごい……!ちゃんとほのぼの雑談しながらちゃんとケーキ作りを二人でやっている……!!いや本当はこれがすぐ入ってきたはずなんです、このシーン。まさか一ヶ月掛けるとは思いもよらず……個人的に出だしの<CON>判定を成功させてるのは流石木子くんだなと思ったけど、張り切り最初は良かったものの中盤の辺りは失敗してファンブルしてる辺り、なかなかままならないんだなあと。彼もまた人の子……決して何でも出来るわけではないんだなあと、親近感が湧いてよき。
最後の木子くんが笑った表情はたぶんあのときのお茶会の彼の様子を思い出したんじゃないかな。そのときのお姉さんぶっていた記憶も思い出して(なにしてんだろ…)と気恥ずかしさが出て視線を逸らしてしまったけども、あのときと変わらない笑顔に嬉しさはあったと思う。だから嬉しくもそのときを懐かしむ心境だったかなと。奇しくも『お菓子作り』で嫌な出来事があった直後の事だったから、猶更重なったのかなあと。
生還報酬について、SAN値回復最低値だったのは納得。彼にとっては不甲斐ないというか失態みたいな出来事だったのでは……結構ショッキングだったかなあと。<お菓子作り>がちょこっと成長したのは今まで取り組んだことがあまりない分野かつ馴染みのない作業内容だったから経験として上達するまではなかなか難しかったからでは。成人男性一人暮らし、趣味や職業でもない限りはお菓子作りは馴染みないよねえ。ただ<回避>ほぼ最大値引いたのは手痛い経験から必要に迫られて身に着けた感じがして、らしいなあと。<聞き耳>もそこそこ成長したのはあった方がいいと意識した結果……?インク音を聞き取れる索敵的なのが少し上達したのかもしれない。
【どうしてこうなった】
どうして誕生日を祝いたいシナリオだったのにこんな大惨事になってしまったのだろうか。ちょっとしたクトゥルフ的ハプニングもありながらも楽しくクッキングする話を想像していたのに、なんで命を落としかねない大怪我を負って入院してしまったのだろうか。個人的に木子くんはスマートに今までそつなくこなしていたので、まさかこんな大変なことになるなんて夢にも思っていなかったのである。
というかKPとしてはこんなシナリオで木子くんをロストさせてしまった日にはしんでもしにきれない。責任を感じる。クトゥルフ自分がKPで回すことはもうしないと思う。あと出目がしんでいることに定評がありすぎて、一度もダメージを与えられないまま終えたボス戦、最終形態を残したまま(黒幕が)散ったラスボス戦を何度も擦られるKPだったんですけど。過去一で冴え渡った出目だったかもしれない、いらんわそんなとこで。
というか、木子くん。花仲さんに対して甘くないか??なんでお土産といいながら自分で好き勝手にチョイスして持ってきたことを咎めないの??怒らないの??もうちょいそこは突っ込んでもいいと思うんだけど。それからケーキに応戦しようとした際に泡立て器構えたら可愛いと言われたけど、何でも許されるじゃん、可愛いと言われるヤツじゃん、めっさ評価甘くない???
あと花仲さんに対して過保護が過ぎる。もうちょい協力を仰ごうよ。というか一人で何でも背負い込んでやろうとしないで。それで大怪我負って倒れているところ見ているだけだったんだが。自分を守って命を落としたとかやるせない気持ちになるでしょうが。だからその後の事態解決まで、彼女はずっと動いていたし、割と自分の身を顧みず処理してたわけなんですけども。
退院して帰宅した木子くんを出迎えたときの花仲さん。なんか離縁を申し出る三秒前みたいな佇まいで笑ってしまった。
【ちなみにEDで流した曲は……】
自分がお気に入りのアーティストの一つでもある、 RainyBlueBellさんの『Magic Hour』です。この曲自体はメリクリ曲ですが、冬の恋模様というか心躍る人々を軽快なリリックと共に綴られる雰囲気があってると思って。
個人的には――トップハムハット狂氏のパートで始まる冒頭の「every one, say wa! what a wonderful!!!それぞれのプランは?/// 素敵 tasty.」というのがシナリオ全体の楽しい雰囲気と合っていて。ill.bell氏の「見逃すその淡いおねだり もう一度君に 会いたいと願い やっとこの日だ どっちか選ぼう Party night or Silent night?」が、退院直後に彼の家に訪れた彼女の心境で。雨天決行氏のパートの「この日ばかりは皆がSmile 微かな粉雪逃すまい Milk,卵,砂糖に薄力粉 買出し綺麗に吐く息凍る」が仕切り直しのケーキ作りを彷彿とさせるフレーズでお気に入りです。
【改めて】
セッションありがとうございました!シナリオ自体が、わちゃわちゃハプニング込みで振り回されながらもクトゥルフだった……を体感しながらひと時を楽しむ感じでとても良かったですし。一緒に付き合ってくれてありがとうございました。