ピクリエ様の冬のヌーフェスに参加させて頂きました。
こちらは、本編ジョン視点の主従での会話。ロナルドくんとヒナイチくんは出ませんが、概念みっぴきです。
バレンタインの製菓コーナーで、去年以上に楽しいだろうバレンタインに思いを馳せます。
@kw42431393
「もうそんな季節なのだねぇ。」
「ヌヌ!」
ついこの前まで、緑のツリーにキラキラした飾りに華やかなオーナメントが並んでいたショッピングモール。あっという間に、正月に向けて、注連縄飾りに縁起物や鏡餅へ。
そして、2月に向けて、赤やピンクのリボンで彩られたチョコレートに変わっていくヌ。
人間達の時間は、目まぐるしいヌよね。
退屈しないヌし、楽しいヌけど。
「城に籠っていた頃には、なかったよねぇ。」
「ヌー。」
ほんの少し前まで、ドラルク様の体が弱くて死にやすいヌから、実家に頼めばなんでも送って貰えるヌから、通販でたいていの物は手に入るヌから。
そんな感じの理由で、ヌン達は埼玉のド田舎に籠もっていたヌ。
毎日毎日、同じ風景。
いつも待ってる棺桶の蓋の上。
開くと、ヌンの待ちに待った楽しい一日の始まりヌ。
ドラルク様の肩に乗って、あなたが作る料理の味見をしながら、あなたの楽しそうな顔を堪能するヌよ。
お城のキッチンには、最高級の食材と器具があるヌ。どんなリクエストも聞いて貰えるヌし、お金の心配もないヌ。
ドラルク様と向かい合って、おいしい夕飯を食べて、頬の食べかすをぬぐってくれる、あなたの笑顔を見上げて…でも、一人と一匹の食事はすぐに終わってしまうヌ。
楽しい時間はすぐに終わってしまうヌ。
だから、今度はテレビに向かうヌ。
今日は、どのハードでどのゲームをやろうかな…そんなあなたの気分によって、ヴァリオカートだったり、ヌト2だったり、バラクエだったり、ヌートたけしの挑戦状だったり、ヴォンボイの謎だったりするヌよ。
人によっては虚無と言われる、充実した時間だったヌ。
日によっては、ゲームじゃなくて掃除だったり、かくれんぼだったり、ボードゲームだったり、読書だったり…色々だったヌけど。
窓から日が差し込む頃、ヌン達の楽しい時間は終わってしまうヌ。
毎日毎日、同じ風景。のんびりした、一人と一匹だけのなんという事もない日常だったヌ。
一人と一匹で誕生日会やクリスマス会したり、お正月もバレンタインもホワイトデーもしたり、思付きで色々やったヌね。
「さて、ジョン。今年は何を作ろうかね?」
「ヌー…。」
ドラルク様がカートを押しながら、バレンタイン向けの製菓コーナーに向かうヌ。
ドキドキするのが止められないヌ。
それは、きっとあなたも同じ。だって、お城にいた時以上にニコニコしてるヌ。
「濃厚なチョコレートケーキにしようかな、何枚も重ねたパンケーキにチョコクリームを挟んで、チョコレートもたっぷりかけて…いやいや、ギルドの退治人達や吸対に差し入れをして。それに、お客さんにも配らなきゃ。勿論、クッキーも外せない。とても、一つじゃ絞れないね。」
「ヌヌヌヌ…。」
それなら、全部作っちゃおうヌ。ヌンがバッチリ味見して、全員が喜ぶ味にしてあげるヌよ!
「これこれ、それが目的だろう。この食いしん坊マジロめ。」
そう言って、頬をムニムニ摘まんでくるあなた。
その顔は、とっても嬉しそうに笑ってるヌ。
ヌンには分かってるヌよ。
「ヌフフフフ」
「おやおや、何かね?」
『さあ、皆出来たよ~。』
『ヌヌヌヌヌン!ヌヌイヌヌン!』
ヌン達が呼ぶ声に、事務所から二人が顔を見せるヌ。ヌン達に最も幸せな時間をくれた、昼の子達が。
『おー、出来たのか。これは、また気合を込めたよな。』
『ドラルク、クッキー!ケーキもあるな!なぁ、もう食べていいか?』
製菓用のチョコレートやチョコペン、カラースプレーを吟味しているドラルク様。
柔らかく笑っているあなたの中では、こんな風景が浮かんでいるヌね。
「おいしい、おいしい!」
「ヌンヌン!」
「おい、ドラルク。チョコバナナケーキ、おかわり」
「ファー!おかわりじゃないわ!明日に配る分まで食べるんじゃない!」
「すまん、私も味見分だけじゃ足りないぞ。私もおかわりいいか?」
ちなみに、去年はそう言って、さらに追加で何個も何種類も焼いたヌね。
冷蔵庫の中身がスッカラカンになっちゃって、みっぴきでまた買い出しに行って、帰りは吸血鬼リンボーダンサーに襲われて…大変だったヌよね。
「そうそう、去年のバレンタインは、前日から楽しかったよね。」
ドラルク様は何回もその日も死んじゃったヌけど、その大変さもすっごくすっごく楽しいって考えてるヌ。
「今年のバレンタインは、もっと楽しいといいね。」
勿論だヌ。
昨日より今日。今日より明日。去年より今年。どんなイベントでも行事でも。
ヌン達がいるから、もっともっと楽しいものになるはずヌよね。