ピクリエ様の冬のヌーフェスに参加させていただいた、2作目です。
こちらは、Δジョン視点になります。ドラルク隊長を外に出して、ジョンとヒナイチくん、ロナルドくんと、いつもお父さん役をしてくれているΔ隊長への、チョコレートケーキを焼きます。
味見のプロがいても、5歳児が好き勝手やるのであわあわ。でも、それが楽しい。
がんばれ、ジョン。
@kw42431393
*捏造設定になります。
・Δ隊長は、父親のドラウスさんは人間、母親のミラさんが吸血鬼という設定です。ヒナイチくんより一回り年上。ルーマニアで育った帰国子女。なので、独り言や鼻唄に突然ルーマニア語が混じったりする。生まれつき虚弱体質だが、ブーストを使えば短期戦の戦闘参加は可能で、本編よりは体力もある。ロナルドくんがあどないので、言動が父親じみてきた。
・Δジョンは元々ミラさんの使い魔で「体の弱い息子をよろしく頼む」と言われ、Δ隊長を主人として尊敬し、行動を共にしている設定になっています。なので、Δジョンの方がΔ隊長よりちょっと年上です。この世界でも新横浜のアイドル。
・ΔヒナイチくんとΔ隊長の出会いは、彼女が幼い頃に下等吸血鬼に襲われていたところをΔ隊長が助けた、という事になっています。Δ隊長は幼い頃からの憧れの人で、常にキラキラした目で見上げています。元々和菓子党だったが、幼い頃に貰ったクッキーを食べてから、現在はクッキー党。バーの娘なので、他の世界線に比べて料理は上手で、コミュニケーション能力もそこそこ高い。
・Δロナルドくんは、大侵攻で最も退治人・吸対連合を悩ませた、不死身で怪力、変身能力、飛行能力を持ったチート吸血鬼。無邪気なお子様で、吸血鬼らしくないのが悩み。一人にしていて、うっかり署を破壊されたら大変なので、Δ隊長は、備品という立場のΔロナルドくんを、毎日家に連れて帰ってます。みっぴきが揃っている時間が、一番幸せ。
・Δみっぴきの溜まり場は、署の隊長室か隊長のお家です。
「ジョン。じゃあ、いくぞ。」
「ヌー!!」
ロナルドくん、待ってヌ。なんて事をするヌ。
ヌエーン!ヒナイチくーん!
「ジョン…どうし…あー!!」
向こうでメレンゲを泡立てていたヒナイチくんが、慌ててこっちに来てくれたヌ。
ヌー、間に合ったヌ。危ない、危ない。
「チョコレートは、包丁で刻むんだぞ?なんで、素手で握りつぶそうとしたんだ?」
「え~?違うの?」
きょとんとした顔をしたロナルドくんが、手についたチョコレートをベロベロ舐めたヌ。
はっきり言って、泥んこ遊びをする子供みたいヌね。
それにしても…
「うん!うまいな、これ!」
当たり前だヌ。
バレンタインに皆でドラルク様にに渡す、チョコレートケーキに使うんだヌ。
ちょっと、奮発したいいやつだから…
「もうちょっとだけ…。」
「こら!ずるいぞ!私も味見したい!」
ずるいヌ、ヌンも味見するヌ。というより、一番最初に味見するのは、ヌンって決まっているんだヌ!
ヌンがプンスコ怒って見せると、二人がプッと噴出したヌ。
「あー、確かにな~。」
「アハハ、なんだ。ジョンもか!いや、ジョンだからこそ…だな!」
「じゃ、続きをすっか。」
今度こそ、包丁でバキバキ音を立てて、刻んだチョコレート。
ちょっと、仕事が荒いけどドラルク様と比べちゃいけない…ヌン。比べちゃいけないヌね。
でも、こんなに雑なサイズで溶けるかヌ?
つまみ食い用に、『ちょ~っとだけ』置いておいて、ロナルドくんがチョコレートを湯煎にかけ…
「ヌー!」
「わっ!あぶねっ!!ジョン、ありがとな。」
「今度はどうした?騒がしいな。」
ヌン!セーフ、セーフ!
今度は、ボウルをお湯の中にひっくり返しそうになったんだヌ。横にヌンがついててよかったヌね。
「全く、目が離せない奴だ。ほら、押さえていてやるから。」
「おー、あんがとよ。ヒナイチ。」
「まったく、力を入れすぎだぞ。こんな調子でできるかなぁ…。」
わいわいしながら、楽しい準備。ヌン達二人と一匹の、ドラルク様にサプライズ。
いつも忙しくて、残業して帰ってきて、家でも書類と睨めっこ…疲れた顔をした貴方。
それでも、ヌン達の為においしいご飯とお菓子をいつも作ってくれるんだヌ。
『おいしい、おいしい!』
『ヌン!ヌン!』
『ん~!やっぱ、バナナとチョコの相性はサイコーだよな!ドラ公、おかわり!』
『…だと思ったよ。まだまだあるから、いっぱいお食べ。』
『『は~い!』』
『ヌ~!』
だから、この日ぐらいは、ヌン達で貴方においしいケーキを食べて欲しいヌ。
そう内緒で決めたんだヌ。どんな顔をしてくれるか、この日を楽しみにしていたんだヌ。
ヌンが味見してレクチャーするから、間違いないヌ!
そのはずだったヌけど…
「ちょっとずつだぞ、ロナルド。生クリームは、ドバっと入れちゃっ…て。こらっ!」
「おっとっと。セーフ、セーフ。悪い、悪い。」
うん、ケーキにかけるガナッシュでこんな感じだヌ。それでも、少しずつかき混ぜて、かき混ぜて。
少しずつ、ヌン達が渡したいケーキになっていくヌ。
「ん~、こんな感じか?」
「どれどれ…ジョン、仕事だぞ。」
ヌン。ロナルドくんのお守で忙しくって、ヌンの仕事を忘れる所だったヌ。
「…ヌン!」
「お、大丈夫か?」
「よかった。ジョンが言うなら間違いないな。」
ちょっと生クリームが多かったり、湯煎のお湯が入っちゃったり…実は、ヒナイチくんが砂糖と塩を間違ってやり直したり…色々あったヌけど。
やっと、ここまでこれたヌね!
「さてと、オーブンの方はどうだ?」
「うーん、ちゃんと膨らんでるかな?」
大丈夫ヌよ。ちゃんと、今度は分量合ってたヌからね。
二人と一匹でのぞき込むオーブン。いつものヌン達の日常。
いつもなら、貴方が向こうのソファで書類を読んでいるヌけど、
サプライズだから、ちょっとおでかけして貰ったヌよ。
ギルドから、打ち合わせの約束を忘れてるぞって、連絡が来たって、伝えたヌ。スケジュール管理に抜かりのないドラルク様だから、首を傾げてたヌね。スマホやスケジュール帳を確認する貴方を見て、ちょっとヒヤヒヤしたヌよ。
ギルドマスターに、さらに時間稼ぎして貰ってるヌけど…間に合うかヌ?
色々手間取っちゃったから、ドラルク様が帰ってくるまでに出来るかヌ?
チーン!
目の前でオーブンの音が鳴る。手袋をしたヒナイチくんが、スポンジケーキを取り出すと…
「おお~、うまそ~じゃん。」
「こら、摘まむなよ。こっちに小さな味見用もあるんだからな。こっちを食べるんだぞ?」
「わーってるって。さっそく、チョコかけようぜ。」
だめヌったら、ちゃんと冷めてからだヌ。
やっと、ここまできたヌのに…まだまだ、手がかかるヌね。
『ただいま。全く、ダラダラ人を引き留めて。何なんだ、あのエセ昼行燈ときたら…』
玄関から、ドラルク様の声が聞こえてきちゃったヌ。
そんな…もうちょっとなのにヌ。
「ヌヌヌヌヌヌ!ヌヌヌリヌヌイ!」
「たた、隊長!おかえりなさい!」
「ドラルク、どした?ゆっくりすりゃよかったのによ!」
ヌン達が飛び出てきたので、ドラルク様がビックリしてるヌ。
ど、どうしようかヌ。バレちゃうヌよ。
「どうしたのかね?君達、何か…。」
「何もしてね~ったら!」
「…何をしてたのかね?」
もう!ロナルドくんったら、演技どころか色々下手ヌね!
「隊長!私、隊長と映画が見たいな!」
「ん?映画?何の?」
「ほら!この前、やっと手に入ったサメ映画だ!」
「そうだよ、ヒナイチとリビングで見て来いよ。な、な?」
そう言って、ヒナイチくんがドラルク様の手を引いて、ロナルドくんが背中を押して、ぐいぐいリビングに押し出すヌ。
さて、最後のデコレート…
「え~っと、どうやんだ?ここを切って、ぶっかけたらいいのか?」
ヌエーン。折角ここまで来たケーキ、失敗したくないヌ。責任重大だヌ。
本日のヌンのお仕事、5歳のお守はまだまだ終わりそうにないんだヌ。