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おちんちん☆らぷそでぃー

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2015-10-05 22:11:30

はづき様の企画に参加させて頂きました。

はづき様主催の企画に参加しました。大遅刻申し訳ありません。そしてエロもありません…。
詳細についてはURLをご参照ください。
http://nanos.jp/end07love/page/7/


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 駅からそう離れてはいない裏路地。車が一台通り抜けられるくらいの細い道幅なのだが、駅近で隠れ家的なところが受けているのか、この近辺には色々な店が固まっていて、歩くだけでもなかなか楽しめる一角になっている。夜にはバーになるという、その狭いが小洒落たカフェに通うようになったのは、つい最近のことだ。

「はい、お待たせしました」

 裏道とはいえ駅のそばのせいか、そこそこ人が通る。目の前の連れに上の空で返事を返しつつ、ぼんやり窓の外を行き交う人数を数えていると、低めの柔らかい声がして、コトリと木目調のテーブルの上にカップが置かれた。窓から視線を外し、何気なくカップに目を落とした俺は、思わず側にいたウエイターを見上げる。

「どうかしましたか?」

「どうかじゃねぇだろ……」

 エスプレッソの上にはラテアート。そこにはこんな文字が書かれていた。

『LOVE』

「俺の気持ちを的確に言葉として表してみました」

 文句を言いたげな俺の表情に気づいてるのか、ウエイターはにっこり微笑んで俺を見つめ返して来た。

「ヤメテクレ」



 俺の名前は砥綿将吾(とわたしょうご)。この近くの駅ビルにオフィスを構えるデザイン事務所に所属しているデザインプランナーというやつだったりする。そしてこのウエイターは糸瀬啓(いとせけい)。そこそこ名の知れた大学に通う学生だ。

 一見共通項もない俺たちが、何故こんなやりとりをする間柄になったかというと、全ては数週間前に遡る。
 同僚と飲みに行った帰り、たまたま目についた団体の中に女性が一人混じってて、それが狭い路地に流れて行くのを見たら、誰だって危ないって思うよな。後をつけていったら案の定、彼女を囲んでよろしくない事態に発展しかかっている。一瞬、他に助けを求めようかと思ったんだが、こちらを見る怯えた女性の表情と、服の胸元が引きちぎられるのを見て、そんなのはすっとんだ。

 先手必勝とばかりに後ろから蹴りを入れ、相手が呆然としている内に素早くカタをつける。少しの躊躇いは命取り。昔ちょっとヤンチャしてたころの教訓だ。ってか、こいつら弱すぎだった。

 視線で行けと合図すると、女性は慌てて駆け去っていく。ぼーっとしてると警察とかが来て面倒なことになりそうだ。そう判断し、とりあえず立ち上がれそうなやつもいなくなったから、俺も逃げるかと後ろを振り向いたら、そこに突っ立ってるやつがいた。まだ残っていやがったのかと、相手が反応する前に足でそいつを蹴り上げる。が、腹を狙ったつもりが、狙い外れて腹の下。それも男性にとっちゃいささかマズイ場所に当たっちまった。うん、あれだ。金的ってやつ。

 悪いと思ったものの、相手はか弱い女性に不埒なことをしようとしたやつらなんだし、自業自得だよな。そう自分を納得させたんだが、事態はそれじゃすまなかった。

 翌朝、仕事場に現れたんだよ、そいつが。話を聞けば、どうやらチンピラの仲間じゃなく、単に俺と同じで女性が心配でやって来ただけだったというわけ。つまり俺の勘違い。なんてこった。なんでここが判ったんだかというと、乱闘の時に手帳を落としたらしく、それを届けに来てくれたらしい。

 届けに来てくれたはいいけど、俺がやらかしたことから考えて、それだけですむはずないよな。
 バツが悪くて口の中でもごもごと謝罪と礼を言って手帳に手を伸ばした俺から、届かない位置までそれを移動させたやつは、にっこりと人の良い笑顔を向けて言った。

「あなたに一目惚れしました。付き合ってください」

「はぁ?」

 呆けて伸ばしたままになっていた手をぎゅっと握られ、至近距離でキラキラしい笑顔が向けられる。いや、ちょっと待ってくれ。あの流れでどうしてそうなるんだ。
 お前はMなのかと直球で尋ねると、そいつは首を横に振った。

「実は俺、幽霊に取り憑かれやすい性質らしくて」

 たまたま出会ったその日も、通りすがりの霊とかに取り憑かれて困っていたそうだ。

「そしたら将吾さんに出会って、気がついたら居なくなってたんですよね。取り憑いてたやつ」

 これはもう、運命の相手なんじゃないかと、俺のことを探し出し、告白して来たというわけ。



「馬鹿馬鹿しいだろ」

「はぁ……、幽霊ねぇ」

 興味津々で向かいに座って俺たちのやりとりを眺めていた後輩に、ことの顛末を話すと、大きくため息をつかれた。そりゃ、信じろってのが難しいよな、よりによって幽霊とか。
 
「俺と一緒にいたら、取り憑かれなくなったんだとよ」

 全く、ふざけてるよな。幽霊に取り憑かれないからって付き合うとか。ぐるぐると、エスプレッソをかき混ぜると、一気に喉の奥へと流し込む。喉が渇いていたとはいえ、少しばかり一気飲みするには熱かったらしい、舌がひりひりしてきた。

「なるほど、こないだ糸瀬さんがやって来たのはそういうわけだったんですね。でもなんで嫌がってるんですか? 良いじゃないですか、付き合っちゃえば」

 後輩はパスタの真ん中にフォークを突き刺し、ぐるんぐるんかき回すと、おもむろに引き抜いた塊を口の中に運ぶという荒技をやってのけながらそう言った。なかなか豪快な食べ方だが、あっという間になくなりそうだ。

「そう簡単にいくかよ」

 あまりにあっさりとしたもの言いに、呆れて肩の力が抜ける。そんな俺を見て、こいつは何を言ってるんですかとため息をついた。

「だってセンパイ、こないだ彼女に振られて今フリーなんでしょ? だったら別に――あででででっ!」

 振られて悪かったな! 俺に頬を引っ張られて涙目になる後輩を睨みながら、そう毒づいてやる。確かに振られたから現在フリーだけど、いきなり男に走れるかっての。俺はノーマルだ。

「そもそも、あの状況でいきなり一目惚れとかありえねぇだろ」

 せめて俺が可愛いとかならともかく、生憎身長175センチあるし、目つきは悪いし、どう見ても女にゃ見えないよな。苦々しく吐き捨ててやると、後輩はなにやら閃いたようにぽんっと手を叩いた。

「あぁ、そっか。センパイは自分の魅力でなく幽霊に取り憑かれたくないから付き合ってくださいって言われたようなのが嫌だと――いひゃいいひゃいへんぱいゆるひれ」

 じたばたと手を動かす後輩をすがめた目で見ながらさらに手をひねると、う~とかあぅとか懇願するような視線を向けてくる。そりゃ痛くなるようにつねってるからな。こいつはその内この口で失敗するに違いない。

「そもそも、なんで告白されるのに、この店に来てるんですか」

「そりゃぁ……」

 痛そうに頬を撫でる後輩からゆっくりと視線を外す。手帳をネタにやんわりと脅されたとか言えるかよ。

「なるほど、なにやら弱みを――なんて冗談ですっ!」

 三度目にしてようやく理解したらしい。ふるふると首を振る後輩を見て、俺は握りしめた拳を下ろした。

「なんの話をしてるんですか?」

 のしっ、そんな擬音が聞こえそうなくらい頭の上に大きな重石が乗っかってきた。いつの間にか後ろに立った啓が、俺の頭に顎を乗せ、体重を掛けてきているせいだ。ちなみに両手は俺の両腕を拘束するように胸の辺りに回されている。

「おい」

「はい」

「重いんだけど」

「お構いなく」

「構うわっ! 離せ」

 両腕を振り払うように横に引くと、あっさりと手が外れる。後ろを振り向きざま睨んでやると、悪びれもしない笑顔がこちらに向けられた。
 うちの事務所に来た時、うちのデザイナーがぜひモデルにとスカウトしたくらい華のある、整ったイケメン顔だ。こいつはきっと、この笑顔で楽々世の中渡って来やがったに決まってる。けっ。

「どうしたんですか、将吾さん?」

「なんでもねぇよ」

「俺に見とれました?」

「自惚れんじゃねえ、このタラシ」

 別に口説かれたくてここに来てるわけじゃない。そりゃ、ここの店なかなか美味い料理を出すのだが、元々それ目当てってのでもなかったし。

「なんで俺、ここに来てんだろうな」

ため息をつきながらそう言ったところ、そばで執事のように控えていたやつが、ショックを受けたような表情を浮かべた。

「え~、将吾さんが言ったからじゃないですか」

 まぁ、そんなことも言った気がする。確か接点がないから、店に来てくださいとか言われて反論したんだっけ。

「来る度口説いてくれって言うから、俺頑張ってるのに」

「誤解を招く言い方すんじゃねぇ。俺は用もないのに行く気はねぇって言っただけだ」

 そもそも仕事中に客の一人に構うとか良いのかよ。しくしくと泣き真似をする相手を手を振って追い払う。さすがに昼時のカフェ、そこそこ混んでいる。

 帰る前に済むものも済ませておくかと、立ち上がって店の奥へと向かう。狭いカフェはトイレも一旦店の外に出なきゃいけない。なかなか不便だったりするが、辛うじてトタン屋根がついているので、雨には濡れなくてすむ。

 用を済ませて戻ろうとしたら、路地の奥で何やら話し声がする。マズイなぁと思いながら様子を伺うと、女が男の首に手を回して、抱き合っている真っ最中だ。こっちは彼女と別れたばかりだってのに。リア充なんか爆発しやがれと思っていると、男の方に見覚えがあるのに気づいた。その瞬間、俺は真っ直ぐに店の中に入り、まだデザートがとわめく後輩を連れて店を出た。午後のことは余り覚えていない。なんだか良く解らないモヤモヤを抱え、落ち着かない一日を過ごした。



「将吾さん」

 暗い夜道を照らす街灯の下、そいつは俺の姿を認めたのか、もたれていた防護柵から身体を離した。なんとなく気づかれてたんじゃないかと思っていたら案の定だ。しかしなぜ俺のアパートの前にいるんだこいつは。

「つけたりしませんよ。ちょっと将吾さんの後輩にお聞きしました」

 そういってこちらへ向けてくるスマホには、LINEの画面。チーズケーキごちそうさまとか書いてある。あんにゃろ、食い物で大事な先輩の個人情報売りやがったな。

「恋のキューピットになってくれるそうですよ。振られたばかりの先輩を癒してあげてくださいと言われました」

 なぜバラす。心の中で本格的に後輩の抹殺方法を検討していた俺は、気づくと啓に家の鍵を取り上げられ、玄関のドアを閉められていた。いつの間に。
 おまけに俺が家の奥で、こいつがドアの前だから、位置的に逃げたくても逃げれない。啓はゆっくりと俺の方へと歩いてくると、後ずさる俺を壁際に追い詰めた。とんっと、壁に手をつく。あれか、これが壁ドンってやつか。いつかはしてみたいと思ってはいたが、される側になるとは思わなかった。

「言っておきますが、俺、ゲイなんです」

 だから女性に抱き着かれても感じませんからとか言われても、そんなの俺に関係ないし。

「嘘です。あなた俺を意識してる。今だってあの女性と何もないって知ってホッとしたでしょ」

「……どんだけ自意識過剰なんだよ、お前は」

「自信なんかありませんよ、あなたに嫌われるって考えただけで、心臓が止まりそうだ」

 啓はそう言うと、皮肉げに口角を上げて笑い、自分の左胸を押さえた。そのポーズも嫌味な位似合ってて、なんでそれを言われているのが男である俺なんだろうとか、いっそイケメン滅べとか思うんだがどうだろう。

「そろそろ素直になってください」

「俺はいつも素直が取り柄だ!」

「嫌なら逃げてください」

 追いませんから。そう続けて、近づいてくる端麗な顔。壁につけられた手をちらちらと横目で見ていた俺は、吐息を感じるほどになってぎゅっと目を閉じた。

「逃げないんですか?」

 薄目を開けると、鼻先ほんの数センチの距離。なんでそこで聞いてくるんだよバカっ。

「言っておきますけど、幽霊対策のお守り代わりじゃありませんからね。それなら恋人じゃなくて友達で十分ですし」

 相手には困ってませんしねって言われて、やっぱりイケメン爆発しろと思った。
 まぁ、ノンケ相手に告白するより、その方がずっと拒絶されるリスクは低いよな。俺も友人だったら即OKしてたろうし。こいつ強引だけど悪いやつじゃないし。カミングアウトされてどうしろって感じだけど。

「じゃぁ、想像してみてください」

 なにを思ったのか、啓は突然そんなことを言って、人差指を一本立てて笑った。

「俺があなた以外の人に好きだって言って、こんな風にキスをしたらどう思いますか?」

「どうって……んっ」

 答えは口の中に消えた。こいついきなり舌を入れて来やがった。抗議の言葉は吐息に変わり、深くなる口接けにくらくらしそうだ。
 想像してみろとこいつは言った。俺にやってるのと同じこと、他のやつにしてるところをと。こんな風に抱きしめられて、キスしてそして押し付けられた下肢の熱を、お互い鎮め合うのを。
 俺の手が首の後ろに回ったのを知ったのか、啓はうっすらと目を細めた。



「不覚だ」

「別に良いんじゃないですか?」

 ガツガツと、行儀悪くスプーンで皿を叩く俺を、後輩は涙目で睨みつけて来た。俺を売ったペナルティで、今日の昼はこいつの奢りだ。ランチですませてやるなんて、俺はなんて優しい先輩だろう。

「優しい先輩は昼からフルコースなんて食べませんよ! 給料日前でお金がないのに」

 一緒の職場なんだ。金がないのはお互いさまである。俺はしれっとその台詞を流すと、横目でなし崩しに恋人になった男を見た。相変わらず嫌味なくらいイケメンだ。そんなことを考えていたのが伝わったのか、啓がこちらへやって来た。

「今日は俺が奢りますよ」

 恋人記念ですと、しれっとそんなことを言う。歓声を上げる後輩。おい、お前年下に奢ってもらって良いのかよ。って、俺はペナルティだから良いんだよ。

「そいや、お前幽霊はもう大丈夫なのか?」

 そもそもの原因、幽霊に憑かれやすいからだっけ。

「さぁ、どうなんでしょう」

「え?」

「それも口実だったって言っても良いです?」

「ちょ!?」

「嘘です。あれからさっぱり会わなくなりました」

 あなだのお陰ですかねと、にっこり笑われて肩の力が抜ける。やっぱり嫌味なくらいのイケメンの笑みに、俺は持っていたバインダーで頭を叩いてやった。


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