@DangeSSReunioN
キャラクター名
八条虎之介
プロフィール
高校2年の男子生徒
身長175cm、体重60kg程度の華奢な体型で、黒髪眼鏡のごく平凡な容姿。
普段は食堂の喫茶スペースの奥に居座り、学園内の「解決屋」として活動している。
とある少女からの依頼の調査解決のために、彼の知り合い(断じて、友達と呼べる存在ではない。)の能力が必要となった。しかし、協力の対価として知り合いが要求してくるであろうモノが容易に想像でき、且つそれが自分にとって受け入れがたいものであるため、『決闘』システムを使うことにした。
能力も戦闘向きではないし、腕力もないが、持ち前の情報収集力、分析力、折衝力を駆使し戦う。
能力名
地に耳あり
能力内容
小動物や昆虫類に変身できる。
強さや身体能力は変身した小動物の強さや身体能力に準ずる。
主に情報収集に使用している
プロローグ
食堂の奥の喫茶スペース、その最も奥にはゴミ箱や普段使われないテーブルや椅子が乱雑に置かれており、窓からの光もあまり届かず常に薄暗い・・・そんな人が寄りつかない場所にフードを目深に被った男が壊れかけのパイプ椅子に腰掛け、『解決屋』と書かれた分厚い木の板を立て掛けている。
怪しすぎて多くの人は近づかない・・・が、一部の生徒は知っている、彼に解決できなかった事件は無いと。脱走した飼い猫の捕獲や恋愛関係のいざこざ、カンニングの証拠集めといった日常に溢れている小さな事件から、生徒会と番長Gの大抗争の調停といった大事件の解決、超常現象を伴う不可思議な事件までありとあらゆる事件に対し成果を上げてきた実績がある。
自分自身はもちろん、親も友達も教師も警察でも解決できず見放され、絶望に苛まれた希望崎学園の生徒が縋る最後の砦が八条虎之介である。
そんな八条の元に少女が訪れたのはしとしとと雨が降り続いた日であった。
「あの・・・友達に聞いて、、、話を聞いて貰えませんか?」
八条はフードを脱ぎ、顔をおもむろに上げた。
少女は少し後悔した。藁にも縋る思いで辿り着いた噂の解決屋。彼女は映画に出てくるような名探偵を想像してしたのだ。しかし、八条の容姿は利発的とは言えず、細身の体型。ぱっと見有能な男には見えない。うだつが上がらない陰キャやチー牛と呼ばれるタイプに近いと感じた。
「どうも・・・ご依頼ですか?えぇっと、緑川怜奈さんでしたね?」
静かに、そしてゆっくりとした口調。
「え?何で私の名前を?」
「失礼しました。この学園の関係者の顔と名前は全て把握していますので。」
「早速ですが、ご依頼内容を伺っても?」
「あ・・・はい、私の妹が消えてしまったので探して欲しいのです。」
ポツポツと語りはじめる。依頼内容を。彼女には少し歳の離れた妹、雪菜がいる・・いや、いた。今はいない。ある日突然煙のように消えてしまったという。いきなり連絡の付かなくなった妹。
実家を出て希望崎学園で寮暮らしをしていた怜奈は不審に思い、両親に尋ねるも曖昧な返事のみ。
埒が明かないと実家に戻るも、妹の部屋はもぬけの殻。怜奈の部屋は未だに荷物が残されているのに、両親と一緒に実家に住んでいる筈の妹の生活の痕跡が消えていた。彼女が愛用していた食器すらない。一緒に映っていた写真も無くなっている。
「これはどういうことなの?」
両親に問うが、「雪菜のことは忘れて!お願いだから!!」と取り付く島もない。
「・・・色々と手を尽くしたのに、妹さんは見つからないと?」
「はい。急に話が通じなくなった両親は一旦おいて、私は雪菜を捜しました。当然警察にも相談しました。未成年、小学生の行方不明ですから」
しかし、警察に相談するが、何故か本気で相手にしてくれない。
「私自身が病気・・・精神的なナニか・・・・統合失調症や妄想性障害の可能性も考えました。だって、あまりにも雪菜の痕跡がない。学校も、付き合いのある友人や近所の方々も、通っていた塾にも・・・どこにも、誰にも雪菜が残っていないんですから・・・・」
不可思議な話。怜奈が妹の痕跡を追うも見つけられない。当然に調べる中には公的な書類も含む。
「住民票や戸籍にすら雪菜さんは存在しなかったと・・・」
怜奈には、もう何が何やら解らなくなる。
これまでの怜奈の人生は順風満帆のはずだった。妹ともたまには喧嘩したりもするが、基本的にとても仲がよく確かな絆や家族愛があったのだ。
しかし、緑川怜奈の家族の記憶を保証するモノがない。妹である雪菜の存在を証明するモノがない。
恐怖だ。
怜奈は、物理的にも、精神的にも、自分の生い立ちという足場がガラガラと崩れ落ちていくのを幻視した。
「・・・でも! 確かに雪菜は居たんです! 私は確かに病気かも知れません。両親と共に精神科にも行きましたし、カウンセリングも受けました。いっそ胡散臭い霊能力者なり占い師にも見てもらいました! で、でも! 誰もが目で訴えるんです! 『お前は頭がオカシイ』と!」
感情の堰が壊れたかのように必死に訴える。姉。怜奈。
珈琲を軽く啜りながら、解決屋の男の表情は変わることはない。その話の内容に動じることもない。
「それで?ただの病気だというなら、わざわざ俺のところへ来ることもなかったでしょう。つまり、怜奈さんは何らかの違和感を抱いたんでしょう?」
「はい、雪菜は戸籍にも住民票にも小学校にもどこにも痕跡はありません。私の記憶の中だけの存在。でも1つだけ痕跡を見つけたんです!それがコレッ!!」
彼女は鞄から手帳を取り出した。
「これは私が希望崎に入学する前に妹がプレゼントとしてくれたものです。」
そう説明しながら、怜奈は該当のページを示すために手帳をめくる。
「これは・・・『お姉ちゃん。私を忘れないで』・・?うーん、確かに他の文字と筆跡は違いますね。」
「はい、明らかに私の字ではないことは見て分かると思います。これ以外にも私自身が書いた覚えのない、何らかのメッセージが幾つか手帳に残っていました。信じてもらえないかも知れませんが、妹と連絡が取れなくなるまでは、こんなメッセージはなかったんです。」
『私はここにいるから』
『確かに私が居たと覚えておいて』
『無理ならそれでもいい』
『別に困ってはいないよ。助けが欲しいわけじゃない』
『忘れるなら、それはそれで幸せかもね』
『ただ、寂しい』
「ま、内容を見る限り、確かにお姉さんに向けたモノのようには見えますね。そして、これを書いた本人自身が、まるで消えることを見越しているかのようだ。」
「どうですか? 解決屋さん。貴方はこんな私の話を信じますか? 妹を、消えた雪菜を捜してくれますか?」
実のところ、彼女自身は半分以上は諦めている。妹である雪菜の存在を、今では自分自身でも疑問視しているほどだ。自身の病気による妄想だとまで。
ただ、解決屋は答える。気負いなく。
「えぇ。捜してみましょう。俺は必ず緑川雪菜さんを見つけますよ。」
「あ、あ、ありがとうございます。こ、こんな荒唐無稽な話を信じて下さるなんて・・・」
「いえ、決して荒唐無稽ではありませんよ。十分に有り得るコトですから。」
こうして、八条虎之介は調査に取りかかる。依頼人である怜奈の実家や相談した警察署などへの聞き込みなど、雪菜の痕跡を探しに。そして、1つの結論、つまり真実に辿り着く。
悩ませたのはその解決方法だ。八条1人では難しい。適切な能力を持つ協力者が要る。心当たりはある、あるが・・・。
頭を掻き毟り、珍しく八条虎之介は感情的になる。アイツへの協力依頼はマズい、非常にマズいのだ。かと言って他の解決方法も見当たらない。
ふと、緑川怜奈の悲しげな顔が頭の中に浮かぶ。ここで解決しなければ彼女はずっと苦しむことになる。最悪、怜奈も同じように消えてしまうことすらあり得る。苦しんでいる彼女を救えるのは自分しかいないじゃないか・・・と。
アイツのことはよく知っている。パニックになると能力が暴走するタイプ。忘れもしない唯一失敗したあの依頼、あの時はアイツの暴走により大変なことになった。実際アイツは
お願いしてこちらが望むように行動するようなことはないだろう。緑川怜奈の依頼中にパニックになられても困る。そう強制力を効かせる必要があるのだ。
・・・やるか
そう決意した八条虎之介はアイツを『決闘』の場に誘い出した。