設定としては ベタ話です!
できれば、先に呼雪とエンドの設定と出会いの物語を読んでいただけると…🙇
★呼雪(こせつ)&エンド https://privatter.net/p/8178722
@ssdrcxx
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呼雪がエンドを使役し行う剣術の一つ…
雪 呼 (よびゆき)
使用すると雪のようなものが降り始める。
と、彼女は認識しているが、
正しくは 過去にエンドが焼き尽くした人の灰であり
呪いの灰であった。
終末の世界で"生存"をかけた戦い、終わらぬ闘争。
皆、血眼で斬りつけあい、
人も大地も空ですらも赤く紅く染まっていた。
狂った世界のなか、それが成したものは
一人の勝者と、死体で作られた山
"生存"とは正反対の成果、人族の滅亡であった。
打ち倒した死体の山に寄り掛かり、勝者は周囲に灼熱の炎を放ち、
自分の胸に短剣を突き立て、自らを墓標とするが如く命を経つ。
勝者は、その者たちと共に燃え尽き、灰となって散った。
何のために生き、一体何を成したのか。
自らをも 焼き尽くした世界の終末者。
其の者、エンドの物語。
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「…お父さん!またこんなに散らかして…もう!おかあさーん?」
「あ、いやこれはだな…」
「なーにー?ちょっと今手が離せないのー!あなたー?」
「あ、いや!なんでもないぞー!
ほらこれ!これずっと欲しかったろ?な?」
「わたしそんなもんじゃ…わぁあ綺麗な短剣!いいのー!?」
「もう持っていてもいい歳だろうしな、あくまで護身用としてだ。
でもお母さんはあんまり賛成してないからな… 内緒だぞ?」
「…あと、街のお菓子」
「なっ…ったく誰に似たんだか…」
「ちょっと、あなた?」
「あ」
変な体制のまま固まる男と
仕方ないんだからと笑う女性。
そして、その様子をニシシと満足そうに笑う少女。
窓からは日が差し、
後ろ手に隠した短剣の青い装飾が
キラリと反射していた。
戦争が絶えぬ大国の王に仕える親衛隊隊長。
彼は国随一の剣士であったが、争い事は好ましくなかった。
その王は戦争が好き……という表現は
相応しくないかもしれない。
王は 国という国に対し、狂ったように戦争をしかけ、
いつしか世界を混乱の渦におとしいれた。
…しかし、それも長く続くことはなかった。
その国を打倒すべく大国同士が結束 … 大連合軍が発足され、敗北。
訪れた世界の混沌は終息へと向かっていた。
狂った王の処刑は見せしめにするべく、連合軍と民衆の前で行われた。
王は抵抗することもなく処され、これで全て終わったかに見えた。
しかし、狂った王は死すると同時に破裂。
血飛沫や肉片が周囲と拡散し、民衆と兵士へ付着する。
予想外の出来事に悲鳴を上がり、各所で騒ぎが起こり始めたが、
いつしかそれは笑い声に変わっていた。
血を浴びたものは、自らの血を撒き散らしながら周囲の者を襲い、
広場はすぐに血みどろの地獄と化した。
その血…王の血の呪いは、狂った王がそうだったように、
すべての要求が争い…闘争と暴力的本能に変わり、
更には痛みが快楽に変換され、それらを"渇望"するようになるものだった。
それは血を少しでも浴びようものなら感染する強力なもので、
その悪質な呪いは、ある程度の快楽を楽しむとそれまでの知性を取り戻し、
次なるの快楽…戦争の計画を立て始める。
その行いとたたずまいは、皮肉にも処刑した王そのものだった。
連合軍は解体。
呪われた渇望者達で埋め尽くされた世界は、争いに溢れた。
混乱に乗じて牢から逃げ出した親衛隊の隊長は、
妻と娘を連れ、なんとか逃げてのびていた。
しかし、安息が続いたのも束の間。
渇望者達の夜襲にあい、妻は真っ先に渇望者の糧となってしまった。
その一瞬の動揺が仇となり、叫びながら走り出す娘を止められず、渇望者の元へ。
冷静さを取り戻し、寸でのところで渇望者たちを斬り伏せ、事なきを得た。
着ていた鎧に返り血を浴びてはいたが、肌には触れていない…大丈夫だ。
娘は、もう起きることのない妻を揺さぶっていた。
やるせない気持ちと憎しみが溢れる…その気持ちをグッと堪え、
声をかけようとした時、ハッとした。
娘につけたはずの手甲が、隅に転がっていた。
ゆっくりと立ち上がる娘の手は、赤い血で、染まっていた。
肩が震えだし、穴という穴から液体を垂れ流し、
…笑っていた。
娘は既に、正気ではなかった。
眼前の光景が理解できず、
異常に喉が乾き、声が出なかった。
笑顔のまま短剣を構え、こちらへと歩いてくる。
護身用であったはずの短剣。
綺麗な青い装飾が特徴的で、月あかりを反射している。
…しっかりと手入れしていたことがわかる。
明るく優しい大事な娘。
私の太陽だった。
震える唇を噛み締めた。
剣を捨て、いつものように両手を広げ、
優しく微笑むと、走り込んできた娘を迎える。
昔の思い出が蘇るなか、
未だ胸の中で はしゃぐ娘を、
父は静かに、ぎゅっと抱きしめた。
狂った王に、狂った世界、もう何もかも…うんざりだ。
世界を終わらせよう…終わらせてしまおう。
誰かが言った。
そんな思想は"狂っている"と。
それ聞いた父は鼻で笑った。
ここではその方が"正気"なのだろう?と。
――どれほど月日が流れたのか。
男は死体の山に力なく寄り掛かっていた。
辺りは豪炎に包まれ、自分の命すらも燃え尽きようとしていた。
世界で一番、狂っていた。
その男には最後に
世界で一番、正気であった。
どうしてもやらなければならない事があった。
一切の血を浴びることなく、
力を振り絞り、
世界のすべて。
懐から布に包まれたものを取り出す。
すべての渇望者を滅ぼした彼は。
青い装飾が特徴的な
世界で一番、
とても大事なもの。
強かった。
「ようやく…お掃除が…終わったよ…
父さん、こう見えて…綺麗好き…なんだ…ぞ…?
すごかったろう…なぁ…こゆき」
空を見上げて呟いた その男は
胸に寄せた娘を ゆっくりと 抱きしめた。
故: 遠藤 修 (えんどう しゅう)
遠藤 雪菜(えんどう ゆきな)
遠藤 呼雪(えんどう こゆき)
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