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登場人物紹介
《主人公達》
ここでは、主人公達について新たに判明した事を記している。

観光気分の旅人チーム
流離の旅人(画像左)
イオ io
実は高所があまり得意ではない。展望台や観覧車など地面に足がついていれば問題ないのだが、完全に浮遊するとなるとまた別である。なので、クラヤに倣い浮遊の術を習得するのにけっこうな時間がかかっているらしい。また、地面に足がついていても、ジェットコースターのように素早く動くものは苦手なようだ。
寝る時は寝巻きを着る派。
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流浪の旅人(画像右)
クラヤ Kuraya
クヤラミ神の状態では、髪や体の一部が白い触手となる。どうやらその触手は食べられるらしく、食べるとイカとかタコとかの味がするらしい。立ち絵で持っているのはイカのゲソだが、後日談にて遊園地で手伝っていた際、売っていたのは自身の触手を焼いたものである。白神とは違い、クヤラミの一部を食べたからといい願いが叶う訳ではない。
寝る時は服を着ない派。
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神話伝承の研究者チーム
汚染されし光(画像左)
ピカラ Picra
里の人々の前では善き指導者でいるくせに、シモベには容赦がない。互いに気を許したからなのか、毒も吐くし人使いも荒くなっていた。普段は柔らかく接しようと努力しているのもあり、シモベをストレス発散の対象として見ていないか不安になる所である。実際、里の人々の間でも「彼はああ見えて神経質なのではないか」との噂が立っているらしい。
また、彼は聴覚に優れており、騒音のある環境では眠ることができない。彼にとって、虫の音以外は騒音とみなされる。なので彼に子守唄は逆効果である。
寝る時は十分に着込む派。
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御言葉の研究者(画像右)
“シモベ” "Shimobe"
彼は耀炉國の生まれであり、幼い頃から「洋物」と呼ばれるものに理解があった。例えばそれは服であったり機械であったり、礼儀作法であったりなどだ。耀炉國は国同士の貿易で栄えた国であり、様々な国や村の情報が入ってくる。なのでホテルの環境に慣れるのも早いし、写真機の値段も知ってるし、遊園地の事も新聞で知っていた。意外と情報通なのかも。
寝る時は下着だけを着用する派。
《蟒頭村の人々》
主に蟒頭村を活動拠点としている人々を紹介する。

蟒頭村の旅人
シイラ Shira
蟒頭村出身の旅人。本編では旅先である綺爾國から地元に帰って来た所であった(と装っている)。服装はまさに綺爾國にて購入したものであり、本来は違う服装をしている。
全体的に肌が青白く、すべすべしている。身長はイオよりも低い。
彼の正体は孤島にて祀られる白神であり、テルの夫である。
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沼のシーサーペント
サージャ Sajya
蟒頭村の大沼に生息する海蛇の妖怪。後述の物怪とは違い、大型の海蛇が人間を丸呑みにしたことで体が変化し、人魚のようになった。元々の性別はオスだったが、食べた人間が女性であった為、性別もメスに変わってしまった。その結果、獰猛さだけでなく乙女心も手に入れてしまったらしい。
頭髪はワカメ系統のようなものであり若干ぬめりが残る。羽織っているマントのようなものは漁に使われた網をちぎったものである。胸に下げた小瓶は沼の底に落ちていたものを拾った。
本編ではルペルの司令のもと食料を求め主人公達を襲ったが、それ以前に、幻覚作用のある霧の影響により少し混乱していたようだ。
一連の騒動が解決した後は、いつもどおり呑気に沼で暮らしている。
《物怪達》
この世界において物怪とは、モノに人間の思念や情念、怨念などが移り自我が芽生え、その自我が抑えきれなくなると、モノから分離して生まれる存在である。歐北国の伝承で伝えられている存在だが、他の国にも似たような伝承は伝えられており、それらの多くが彼らを「妖怪」だとか「物怪」などと呼んでいる。
物怪は自身の元となるモノがなくても存在できるが、性質はモノから受け継いでいるため、同じ物怪に分類される存在でも、ものにより耐久性や重量は違う。
物怪が発生しやすい情念は大きな悲しみや酷い憎しみだと言われるが、それは全ての物怪に当てはまる訳ではなく、元となったモノそのものが置かれている状況にもよる。一例として、常に苦役の場に置かれた器具が人間の負の情念を吸収し、その自我がこれ以上の吸収を拒んでいる場合、お役御免になった際には強い喜びの感情が芽生え、物怪が発生したというケースも報告されているようだ。
モノ自身が持つ自我は人に見えないが、物怪は人の目にはっきりと見える。

孤島のホテルオーナー
マンシュ Mansh
かつて歐北国に存在した、とある遊園地に併設されていた大型ホテルの物怪。元が一流ホテルだったこともあり、自身の立ち振る舞いやサービス、パフォーマンスに一点のミスも許されないと考えている。完璧主義。
遊園地がある地域の再開発事業に伴い、年季があり来場者数か減少傾向にあった遊園地とホテルは撤去の対象となった。これまで沢山の人々の喜びの情念を吸収してきた彼にとって、自身が壊されるということは耐え難い苦しみであった。彼は倒壊する直前に本体であるモノから分離し物怪となったが、ただ壊されていく建物を眺めることしかできなかった。その後、遊園地の物怪であるパーキーと合流し、人々の笑顔をもう一度見るため、人形の物怪であるルペルの計画に協力した。
ホテルが元となっているので、耐久性は抜群、重量はちょっぴり重い。喜びの情念とスタッフ達のプロ意識を多く吸収しているため、明るく誇らしげな性格となった。
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可愛らしいマスコット
パーキー Parky
かつて歐北国に存在したとある遊園地の物怪。こう見えて結構年季が入っており、もし遊園地が取り壊されていなかったら今頃創業百周年を迎えた頃だっただろう。
遊園地がある地域の再開発事業に伴い、年季があり来場者数か減少傾向にあった遊園地とホテルは撤去の対象となった。これまで沢山の人々の喜びの情念を吸収してきた彼女にとって、自身が壊されるということは耐え難い苦しみであった。クローズ一週間前、とうとう自我が抑えきれなくなり、彼女は遊園地から分離し物怪となった。彼女は遊園地に訪れた人々と触れ合い、お喋りし、そして最後の一人が門を出ていく最後の瞬間まで、彼女は笑顔を絶やさなかった。
その後、併設されていたホテルの物怪であるマンシュと合流し、人々の笑顔をもう一度見るため、人形の物怪であるルペルの計画に協力した。
遊園地が元となっているので、耐久性は抜群、重量はずっしり。でも身軽に動く。喜びの情念と人々の笑顔を多く吸収しているため、底抜けに明るく陽気な性格になった。
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復讐のあべこべ人形
ルペル=ロルド rper=lold
歐北国で製造されていた着せ替え人形の物怪。球体関節により様々なポーズが取れる上にパーツの組み替えも可能な代物で、首も360度回る。ルペルという名前は人形のデフォルトネーム、ロルドという苗字は元々の持ち主の苗字。
彼女の元となった個体はある少女に買われたが、その少女は着せ替えよりもパーツの組み替えを好んでいた。自身の持つ他社製造の人形とパーツを入れ替えたり、バラバラにして遊ぶのが好きだった。少女は成長すると「接着剤」の存在に気づき、パーツの向きをあべこべにしたまま固定してしまった。彼女はもうもとの姿に戻る事はできなくなった。少女はすっかり成長しおもちゃ遊びを卒業すると、雑に遊ばれた人形達は押し入れへと追いやられた。追い詰められた彼女は遂に人形から分離し、今までの腹いせに元々その家庭にいた人のような振る舞いをし続け、持ち主の少女を精神的に脅かした。そしてガレージにあった大鉈を盗み、家を出た。
彼女は街に繰り出した。お金が必要になったら人を殺して奪い、ついでに要らなくなった人をバラバラにして楽しんだ。そうしているうちに街では殺人あべこべ人形の噂が立ち、路地裏での生活を余儀なくされた。しかし、彼女はそこで自分と同じような境遇の物怪達と出会った。中には街の再開発で取り壊しになった建物の物怪もいるらしい。物怪達と共に過ごす過程で、彼女は決意した。彼らの恨みを晴らしてやると。全員バラバラにしてやれば、こんな場所で暮らさなくても良くなるし、喜んでくれる!という身勝手な思い込みであった。しかし、そんな彼女に協力してくれる仲間ができた。彼女は彼らと共に、それぞれの夢を叶えるため白神の力を奪おうと画策する。
人形が元となっているので耐久性はあまりなく、重量は軽め。狂気にも似た悦びの情念を多く吸収しており、また置かれていた状況により形成された悲観的な性格も加わり、愛憎渦巻く殺意高めな性格が形成された。
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協力を誓った物怪達は、力を得る方法を必死に探した。
街中の書館を巡り、この世界で最も大きな力を持つ存在である“神”について手当たり次第に調べたのだ。
そこで、彼女達は見つけた。
蟒頭村に伝わる、心優しき白神の伝承を。
他の神々、特に光と闇の対極二神は自分らの力では敵わないと知った。
言い方は悪いが、一番か弱そうで、情に溢れるこの神であれば、力を奪い取る事ができるのではないかと考えた。
三匹の物怪達はすぐさま蟒頭村へと赴き、孤島を目指した。
神狩りは人形の物怪が一人で行った。
宿屋と遊園地の物怪もそれに加わろうとしたが、人形に止められた。
先に手の内をバラす気か、人形は怒り、二人に岩陰に隠れるよう指示した。
結局神を狩ることはできなかったものの、頭髪の蛇を二匹ほど奪う事ができた。
物怪達は隠れ場を見つけ、そこで蛇を喰らった。
しかし、人形の物怪は蛇を喰らわなかった。
神を直接狩るよりも、良い方法を思いついたのだ。
蛇を喰らった二匹の物怪達は霧の力を会得し、自らの元となった建物を顕現させることができるようになった。
人形は、これをうまく利用しようと言うのだ。
そうして、彼女らは孤島に遊園地とホテルをなんの前触れもなく建てることに成功した。
あとは家族を捕え、生贄として捧げることで神を呼び出そうとしたのだ。
しかし、早々に邪魔が入った。
沼の海蛇が遊園地の存在に気づいてしまったのだ。
人形は彼女を脅し、無理矢理協力させた。
外部から遊園地に入ろうとしている者がいれば、遠慮なく喰らってしまえ、と。
一方宿屋と遊園地の物怪達は、捕える筈の家族が遊園地に入場し、楽しく遊んでいる様子を見ると、大いに喜んだ。
これでもっと人が来れば、自分たちの目的は果たせる、もっと人々の笑顔が見られる!
その夜、人形の物怪に叱責されるまで、彼らは計画のことなど忘れていた。
二匹は反省し、自らの理想を夢見ながらも、計画の通りに動いていた。
しかし、彼女らの計画に再び邪魔が入った。
外部から人間が四人、孤島に来てしまったのだ。
宿屋と遊園地の物怪は外部の人間をどうにかして始末しようとしたが、うまく隙をつかめず、終いには己のサービス精神が勝ってしまい取り逃がしてしまう。
彼女らの計画は、段々と狂い始めた。
《白神一家》
蟒頭村にある大沼の中心には孤島があり、そこには白神を祀った祠と白神一家の家がある。今でこそ白神のご利益を求めて孤島を訪れる人が絶えないが、昔は白神を恐れ誰も近づこうとはしなかったらしい。

白蛇の子供達
コハク/ザクロ Kohaku / Zakuro
白神シイラとその妻テルの間に産まれた子供。ザクロは姉でコハクは弟。白蛇と人間の血が混ざっており、人間形態と蛇形態のどちらにも変化できる。姉のザクロは蛇の形態を好み、余程の事がない限り人間形態にはならない。人前に出るのが苦手なようで、家族やコハク以外の人間とはあまり関わりたくないご様子である。コハクは人間形態を好んでおり、孤島から村に渡っては村の子供と遊んでいる。お気に入りのおもちゃは手に持っている手作りのでんでん太鼓。村の子供達と作ったのだという。
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白蛇の妻
テル Teru
蟒頭村で崇められている白神の妻。元々彼女は蟒頭村の村娘であり、彼女ほどの美人は村中探しても見つからないと評判であった。父は村役場の役員であり、この地で祀られている白神へ信仰を捧げる儀式なんかも取り行っていた。しかし彼女は儀式に参加しながらも、儀式の必要性を理解できずにいた。あんなものは迷信だと考えていたからである。
そんなある日のことである。彼女が一人留守番をしていた時、家の扉が叩かれた。また役人かとおそるおそる扉を開けると、そこには全身をびしょびしょに濡らした麗しい旅人が佇んでいた。そういえば今日は通り雨が降ったらしい。旅人は「今夜だけでもいいので、そちらに泊めて欲しい」と言った。何を思ったか、彼女は旅人を家に上げ、風呂を貸し、夕食を提供し、父の布団を使わせた。父には「誰も家に上げるな」と言われていたが、その旅人はどうも悪い人には見えなかった。
結局、父が帰って来るなり説得し、旅人は三泊ほどして沼の方へと立ち去っていった。
それから三年ほど経った時、村に名もなき教団が襲来し、村役場を拠点として活動を始めてしまった。父が言うには教団はどうも白神の信仰をクヤラミ神への信仰と思い違いをしているらしく、説得はしているが一向に応じてくれなかったらしい。そうこうしているうちに、教団は村人の中から一人を生贄として捧げようと計画していた。教団に対し父が頻繁に口答えをしていたのが災いし、生贄には彼女が選ばれてしまった。目を隠され、手と足に枷をつけられ、生きたまま村の大沼に沈められてしまった。息もできず意識が薄れゆく中、彼女は水面に反射する光を見つめ、静かに目を閉じた。何か、柔らかなものに包まれるような心地を感じながら。
霧のかかる沼のほとりで、彼女は目覚めた。私は死んだのではなかったのか。どうして生きているのか。「ようやく目覚めたか」と、遥か上から声がした。見上げると、蛇のような人のような化け物が佇んでいた。彼女は恐れ、その場を動けなかった。話を聞くと、その化け物は自らを「白神」と名乗り、人々の信仰が自分に姿形を与えたのだと言った。彼女がなぜ自分を助けたのかと問うと、「恩返しをしたまでだ」と答えた。そして化け物は人の形に姿を変えた。あの時家に泊めた、麗しき旅人の姿に。
テル「それでね、その時母さんはこう言ってしまったの。“待って、元の姿に戻って”ってね」
ザクロ「え……なんで…」
テル「なんだかんだ、好みだったのよ。」
ザクロ「母さん、そういう趣味……?」
テル「いやねぇ、そういう訳じゃないのよー…何というか、良さに気づいちゃったみたいな…そんな感じ」
ザクロ「完全に新しい扉開いてる……だから母さんって、父さんにいろんな格好させるの好きなんだ……」
テル「えっ、見ていましたの?」
ザクロ「うん…この前は裸体にエプロン着せてたよね……しかも異形の方で…」
テル「…ばれちゃったなら仕方がありませんわ、とくと見なさい!私の夫コレクション写真集を!」
ザクロ「……なんともいえないわぁ」
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大沼の白神
シイラ Shira
蟒頭村で崇められている神。元々は孤島の沼付近に住み着く白蛇だったが、沼を泳いで村に姿を現した際に「白い蛇が現れた、これは吉兆だ」と騒ぎ立てられ、知らないうちに自身を崇める信仰が生まれていた。そんなものすぐに飽きるだろうと思っていたが、人々の信仰は長らく続き、とうとう白蛇自身が荘厳な姿に変化してしまった。それは人のような蛇のような、まさに“異形”と例えるに相応しい姿であった。
信仰の力は日々増加していき、神はふたつの力を扱えるようになった。一つは人間の姿に変化する力、もう一つは霧を操る力。深い霧は景色をぼやかし、ありもしないものを見せ、判断を鈍らせる。ものを隠すこともできれば、それを利用し人を欺かせることもできる。神はその力を使い、人間の姿になっても隠しきれない素肌のざらつきやぬめりを隠すことに成功した。
ある時、神は旅をしてみようと思い立った。泳いで村へと渡った時のように、別の場所に、地域に行ってみたくなった。神は人の姿になり、各地各国を行脚し、様々な人々と交流を持った。その過程で、様々な人の家や宿に泊めてもらったりもした。経験した事のない、温かな時間が流れていた。
行脚の旅から三年ほど経った頃、どうやら村が騒がしかった。教団が突如として現れ、神への供物…いや、生贄を捧げようとしていた。捧げ物となっていたのは、三年前に宿を貸してくれたあの娘であった。娘が沼に沈められると、神はたちまち沼へと潜り、娘を抱きかかえ孤島へと連れ去った。
コハク「その娘さんが、僕たちの母さんなんだね」
シイラ「そうだよ。テルは私のこの姿を好いてしまったようで、暫く共に過ごし、婚礼の儀式を終えた後、夫婦となったんだ」
コハク「ふーん。ところで父さん、母さんのことはどう思ってるの?」
シイラ「ふーむ…なんと言うか、一生敵わぬ相手だと思っているよ…」
コハク「え?神様だから一応勝てるんじゃないの?」
シイラ「そういう意味じゃなくて…テルが私の側にいてくれる限り、変な格好させられて写真撮られそうなんだもん…恥ずかしいんだよアレ…」
コハク「…へー」
シイラ「それに、あの遊園地で見つけた写真機を勝手に持って行って…画質が良くなってしまってな……」
コハク「母さん、自由奔放だね」
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ある日、異形の父は沼のほとりで魚達の様子を見ていた。
すると、近くで刃物の音がした。
素早く振り向くと、人間と同じくらいの背丈をした、女の人形が自分を狙っていた。
すぐさま追い返そうと、父は攻撃を仕掛けた。
しかし人形は攻撃を避け、反撃し、数時間の死闘の果てに、頭に生える二匹の蛇を奪われてしまった。
人形は蛇を奪うと、颯爽と消えていった。
その行方は分からず終い、父は大怪我をしたと家族に伝え、ひとまず療養することになった。
その後、ほんの一日で頭の蛇は再生し、事なきを得た。
それから三日程経ったある日、四人家族の家の前に大きな遊園地が現れた。
以前は耕作地であったその場所に、なんの前触れもなく現れたのだ。
危ないから入らないでおこうと決めたはずが、弟コハクが我慢できずに飛び出してしまった。
結局四人全員で得体の知れない施設に入ってみることにした。
そこにはスケールの大きい機械仕掛けの遊具と、五階建てくらいの大きな直方体状の建物があった。
暫くは楽しく遊んだが、父シイラが違和感に気づいた。自らの力が悪用されている、と。
自らは霧の力をより人間の姿に近づけることにのみ使っていたが、これこそが本来の使い方である、と父は悟った。
唯一霧の力に耐性がある父は遊園地を抜け出し、村まで小舟を漕いだ。
しかし周囲の霧は景色を偽らせ、村からは遊園地の姿など見えなかった。
これは一大事である。
父はひとまず遊園地に戻り、家族四人でどうにかこの状況を村に伝える方法を考えた。
やはり、霧を晴らすしか方法はない。
父は村から孤島を遮断する為、孤島へと渡る船の停泊所を霧で隠し、大沼周辺を薄い霧で覆った。
母と子供はそれぞれ手分けし、遊園地内で突破口を探した。
子供二人は楽しい遊具で遊びつつ、何か遊具を利用できないかと探っていた。
母は城に入り、何か良い手がかりはないかと城内をくまなく散策した。
しかし、成果は得られなかった。
やはり、犯人に悟られないよう突破するには、家族四人の力では限界がある。
最初から神の力で破壊すれば良かったのは分かっている。
しかし、力を振るってしまっては余計な反感を買い、妻子に直接的な被害が及んでしまうと父は考えた末の決断であった。
家族は、二つ目の計画を実行に移した。
父は村に赴き、この状況を突破する手助けをしてくれそうな、実力のある人間を探した。
そして見つけたのだ。旅行気分の旅人二人と、研究目的で村へ来た、光闇対極二神の力を微量に持つ者達を。
父は彼らを孤島へ導き、様子を見た。
母と子供は相変わらず、突破口を探し続けた。
子供は空を目指し、母は偶然を装った。
家族四人は確信した筈だった。
これなら、霧を晴らす事ができると。