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《目次》
・旅人達、バイトをする…2p
・物怪達、従業員を雇う…3p
・白神家族、写真を撮る…4p
・白神伝承の研究成果…5p
《旅人達、バイトをする》
ーあれから一日後の遊園地
*イオ/ピカラ休憩中…

イオ「ちくしょー!なんで俺達まで運営を手伝う羽目になるんだよーっ!」
ピカラ「おや、善行を積むのはお嫌いですか?」
イオ「別に嫌いじゃないけどさ…」
ピカラ「ならば黙って清掃に励んで下さい」
イオ「クソ…なんで俺が清掃なんか…」
ピカラ「そうですね、あなた外面はいいんでしたっけ?」
イオ「まぁな」
ピカラ「じゃ、次の休憩終わったらあそこのアトラクションの列整理お願いします」
イオ「はいはい、分かったよ」
ピカラ「ふふふ、よく働く人間は大好きですよ。」
イオ「好きって言われたって俺はクラヤ以外受けつけねぇからな?」
ピカラ「そういう意味ではありませんって、誤解です誤解」
イオ「はっはー、さてはお前冗談通じないな?」
ピカラ「…ま、そうかもしれませんねっ」
イオ「誤魔化したなー?ぜったい誤魔化したなー?」
ピカラ「誤魔化してません!」
イオ「ははは、それじゃあ行ってくるよ」
ピカラ「もう少し休憩していっても良いのではないですか?」
イオ「いいんだよ、だってあのアトラクション、クラヤの屋台の近くだろ!?働いてるクラヤが見られるならそれ以上の報酬はないぜーっ!」
ピカラ「…はぁ、無理して体壊さないで下さいね?」
…
*クラヤ/シモべ勤労中…

クラヤ「おいシモベ」
シモベ「はい、なんでしょうクヤラミ様」
クラヤ「どさくさに紛れて調査をするでない」
シモベ「え〜だってぇ〜、村民の皆さんから伝承の事を聞き出せるまたとないチャンスですよ?」
クラヤ「働かぬのであればその服を脱げ」
シモベ「えっ、この場で脱げって…ことですか?いやーんクヤラミ様のえっt」
クラヤ「話を最後まで聞かぬか、その服脱いで城の役人の服を着ろ。学者あたりが良いだろう」
シモベ「ほうほう」
クラヤ「で、城に訪れた者共に直接聞け。であればうまく溶け込めるだろう」
シモベ「はっ、それは良いお考え!早速試すとしようか!」
クラヤ「はしゃぎすぎて転ばぬようにな!」
クラヤ「…全く、奴は本当に熱心な奴だ」
クラヤ「そんな事より、この焼いてるゲソを我の方が食べたいというのに…」
クラヤ「食料を提供する側も大変なのだなぁ…」
クラヤ「……腹が減ったの…」
《物怪達、従業員を雇う》
ー大型ホテル内
マンシュ「と・こ・ろ・で…、パーキーさん?例のアレの準備はできました?」
パーキー「モッチーのロンロンだよー☆」
ルペル「なによ、例のアレって。」
マンシュ「アーっと、ルペルさんには話しておりませんでした!」

マンシュ「当ホテルと遊園地が本当に移動式になるに当たりー、沢山の従業員が必要になると考えました」
パーキー「そこで、従業員さんがいーっぱい集まったら、歓迎パーチーを開こうと思ったんだヨ!」
ルペル「ふーん、歓迎パーティーね…面白いじゃない」
マンシュ「そこで、従業員さん募集のチラシを制作しようと考えているのですが…」
ルペル「そんなもの、必要ないわよ?」
パーキー「エ?なんでー?」
ルペル「今に見てなさい、明日にはいーっぱい連れてくるから」
マンシュ「へ?」
…
ー翌日
ルペル「ふっふっふー、連れてきたわよっ!路頭に迷いし物怪達を!」
マンシュ「なるほど!その手がありましたか!」
パーキー「ルペルちゃんってば天才だねっ☆」
ルペル「だからちゃん付けて呼ばないでってば〜(うれしい)」
ルペル「ねっ?これならホテルの従業員もある程度確保できるし、見た目がこれだから遊園地のキャストも向いてると思うわ」
パーキー「それじゃあ早速きいてみよー!みんなー、協力してくれるかなーぁ?」
マンシュ「勿論、売上から給料も出しますので!」
物怪達「やるぞー!おー!」
パーキー「いいお返事ありがとー!」
マンシュ「それにしても、よく皆様を説得しましたね…?」
ルペル「彼らは本当に路頭に迷っていたのよ。私たちみたいに、これから生きていく目的もないような子達の集まりよ?」
ルペル「それに、あっちの国じゃ物怪なんてほとんどオバケとおんなじ扱いよ?」
ルペル「ここにいたほうが、彼らは輝くと思うわ。」
パーキー「それより、ルペルちゃんは夢を追わなくていいのー?人間達に復讐するとか言ってたケド」
ルペル「勿論、これも復讐の第一歩に過ぎないわ」
マンシュ「確かに、物怪がスタッフをしてるなんて聞いたらー、人間達はきっと泡吹いて倒れちゃいそうですね」
ルペル「そう、そして人間共に意地でも認めさせてやるのよ!私達物怪の存在をね!」
パーキー「つまり、世直しダネー☆」
マンシュ「ナイスアイディア!それじゃあ早速持ち場と担当を決めて、今夜歓迎パーティーを開きましょう!」
パーキー「そうしましょー!」
ルペル(…それにしても本当に、あの白神とやらは優しいのね)
ルペル(普通、あんな事したら力を全て没収されて、私達の存在ごと消し去るような気がするんだけど。)
ルペル(あの二人に奪われた筈の力を返して、夢を叶えるために使え、ですって。)
パーキー「ルペルちゃん!なにをボーっとしてるの〜?」
マンシュ「ほら、あなたも働くんでしょう!?担当決めに参加しないと、希望が通りにくくなっちゃいますよー!?」
ルペル「あっ、はーい!」
《白神家族、写真を撮る》
ー遊園地、城内
シイラ「テル、少しいいか」
テル「はい、なんでしょう」
シイラ「写真機があると噂の建物はここでいいのかな?」
テル「ええ、そうよ!それも新そうなやつがありますのよ!」
シイラ「それはいい!折角だから家族写真を撮ろうよ!」
テル「あら、いいですわね!子供達を呼んできますわ!コハクー!ザクロー!」
…
コハク「来たよー」
ザクロ「お城の屋上…景色綺麗だった…」
シイラ「よし、よく来てくれた。これから家族写真を撮ろう」

ザクロ「家族写真…」
コハク「いいね!おもしろそう!」
テル「じゃあ、どこの写真機で撮る?」
コハク「入口の前がいいよ!大きなお城と一緒に撮るんだ!」
ザクロ「屋上にもあったよ…写真機…」
シイラ「確か、衛兵の甲冑が並ぶ場所にもあったな」
テル「衣装を着て撮影できる場所もありましたわ!」
シイラ「よし、とりあえず全部回ろう!」
ザクロ「正気…?」
シイラ「疲れたらおぶってやるからね」
テル「早速行きますわよ〜!」
コハク「行こう行こう!」
…
ー城の前
テル「最後はここね…タイマーをセットして、っと」
コハク「ほら、早く早く!」
テル「はーい!ってわぁ!」
カシャッ
ザクロ「…お母さん、転んじゃった…」
シイラ「じゃあもう一回だね」
???「あのー」
シモべ「もしよければ撮りましょうか」
シイラ「あ、あなたはあの時の…学者の服装、似合ってますね」
シモべ「ふっふっふ…これも調査のためのカモフラージュ、だぞっ☆」
シイラ「もしや、写真を撮ってもらう代わりに調査をする気…?」
シモべ「いえいえ、そのような事は致しませんよ。調査なら十分に行なっております」
シモべ「それに…当の本人に話を聞いちゃ、面白くないだろう?」
シイラ「…それもそうか」
シモべ「じゃ、並んでください!撮りますよ〜?」
シモべ「はい、ポーズ!」
シモベ「うん、よく撮れてますねぇ」
コハク「うん、ありがとう!」
ザクロ「きれいに撮れてる…」
シモべ「よかったよかった」
テル「そうだシモべさん、私やってみたいことがありますの。協力して下さる?」
シモべ「うん?」
…
テル「あーいいですわね!そう!その表情をキープして下さいまし!」
シイラ「も、もういいだろ…」
テル「折角だからこの写真機であなたの姿いっぱい撮らないと損しますわ!!!」
シイラ「あぁ…こりゃあと10分はポーズ取らされるやつだ……」
シモべ「…まさか、ここでも服を脱がされるとは」
コハク「シモべさん、おつかれさま」
ザクロ「お、おつかれ…」
*その後、テルは写真機を一つ家に持ち帰った…
《白神伝承の研究成果》
シモベのノートより、重要箇所を抜粋する。
*白神の存在
まず、白神は本当に存在した。実体として存在したのだ。以前、闇の神であるクヤラミ神や光の神であるレパス神が我々の生きる現世に存在したことを私自らの経験により証明したので、今回も存在するのではと考えていたが、予想通り本当に存在した。蛇と人が混じったような異形の姿を取り、それこそ蟒頭村の村長宅に保管されていた「白神を描いた資料」のような、伝承で伝えられていた通りの外見を持っていた。また、村民に話を聞く限り、白神は何を司る神というわけではなく、完全に民間伝承の類であるらしい。
*白神の力
白神は自らの力として、主に霧を操る力を有していた。元々蟒頭村の大沼周辺は霧の現れやすい気候であり、時には視界が真っ白になりどこへも進めなくなる事もあるらしい。滞在期間中、蟒頭村側の沼のほとりに毎日足を運んだが、一番濃い時は本当に何も見えなかった。勿論白神の力は借りていない。人間はいつの時代も不可解なものに納得できる理由や訳をつけたがる。そうして作り上げられた神々の奇跡譚は現在も人々を魅了しているのだ。話はそれたが、白神の有する霧の力は、蟒頭村の人々が霧の現象を白神の力と理由づけたことがきっかけであるらしい。その結果、白神自身も霧の力を有したのだと考えられる。
また、白神の扱う霧には幻覚作用があり、霧の濃度を調節することでありもしないものを見せたり、逆に既にあるものを完全に隠すことができたりする。
*その身を食べれば願いは叶うのか
結論を言うと、願いが叶うかどうかは自分次第である。白神の身を食べると白神の力がその身に宿り、非人間的な力を扱えるようになる。これまでに神の力を扱える人間は、神の子孫や神の言葉に耳を傾ける神職、例えば巫女や名もなき教団の“シモべ”のような者が確認されてきた。しかし経口接種で力を得られるとなれば、それは群がる存在も多い。今回の調査で、実際に身を食べ力を得る事ができた者達に出会した。
その者達は人間ではなく、歐北国に伝わる物怪達であった。彼らは自らの悲願を叶える為、白神を襲い頭髪の蛇を食べ、白神に比べれば微弱ではあるものの、幻覚作用のある霧の力を得た。彼らが作り出したのは数年前に解体処分となった遊園地とホテルであった。ホテルには実際に泊まれたし遊園地のアトラクションにも乗れた。どうやら単なる幻覚作用だけでなく、実際に触ったりする事ができるようだ。恐ろしい。
しかし、力を得たからといい願いが叶うかどうかは別問題である。彼らの場合、力を得た後実際に動いたからこそ叶えられたのである。それに加え、得られる力は霧の力なので、ものによっては叶えられない願いもあるだろう。例えば不死とか。
*記述の混同
現地調査の結果、蟒頭村において白神の信仰とクヤラミ神への信仰が混同されていることはなかった。混同した記述が見られていたのはクヤラミ神を崇める名もなき教団の執筆した資料のみである。
混同の原因として、白神とクヤラミ神の伝承的/身体的特徴の類似性があると考えられる。双方は背丈が非常に高く、白くうねる髪を持つ。髪の材質はクヤラミ神が軟体生物の触手なのに対し、白神は白い蛇である。また、目を複数持つ、長い腕を持つ、首周りに装飾品と見受けられるものをつけている、などの共通点もある。まぁ、下半身は明らかに違うが。
*クヤラミ神のスリーサイズ
ところで、私はこの調査の合間に尊大なるクヤラミ神のスリーサイズを知ることに成功した!それも人間に擬態している時ではなく、神としての形態のものをだ!こちらも調査の成果として、ここに書き記しえなんでここにクヤラミ神がいるんですかちょっとやめてくださいノートを取り上げないで下さいって分かりました書きませんからノート取らないで下さいよーーーっ!!!
ー 後日談 終 ー