3.5期。タイトル通り。地下ロビーに飲み物を買いに行く前のお話
@82sousaku
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医務室。いつものAbility訓練。いつもの限界ギリギリ5本を終えたところ。
少しばかりふらついている。倒れるほどではない。なんならあと一本はいけるだろう、と思考する。
「今日の訓練はこんなものかな。気分は?」
「……あと一回くらいいけそうだ」
長い髪を揺らし、こちらの顔を覗いてくるのはアゲハ先輩。
いつも訓練に付き合ってくれている先輩だ。
「そうか。うん、成長してきているね。体力もついてきたみたいだし」
「テルヒ先輩に鍛えてもらっているからな」
ふふん。と自慢げに。
それにつられるように先輩は微笑んだ。
「ああ、テルヒさんに鍛えられてるなら間違いないね」
「それは持ち上げすぎですよ?」
横からテルヒ先輩が口を出す。怪我をしていたようだったので訓練に付き合ってもらったのだ。
勿論、先輩の担当医のクレメンティーナ先輩には許可を取っている。
「ん。でもテルヒさんは強いだろう? レアより強いし」
「それ、バドルさんが聞いたら拗ねますよ~」
「そこも可愛いんじゃないか」
レアさん。たしか先輩のこいびと。
先輩からよく話を聞く。所謂惚気というやつだ。
実際会ったことはないのだが、私の中ではとても可愛い人というイメージになっている。
「あ、レアといえば結婚したんだよ」
「「結婚」」
あまりにも軽く唐突に差し込まれてテルヒ先輩と声が被る。
テルヒ先輩はすぐにはっとして、そして目を輝かせる。
「あらあらあら、ついにですか。おめでとうございます」
「ありがとう!!」
うん、そうか。先輩とこいびとが結婚したのか。めでたいことだ。
祝いの言葉を口にすれば先輩は少し照れ臭そうに笑った。
「それで、はしゃいで菓子を作りすぎてしまったんだけど貰ってくれないかな」
「あらまあ、勿論いただきます」
「先輩の菓子は美味いから好きだ」
そう答えると嬉しそうに出てきたのは大量のマフィン。
ちょっとばかり笑顔が崩れるテルヒ先輩。
「はしゃぎすぎでは?」
「支部内で配った方が早いのでは?」
思わず本音が出る。これは配る方が正しい量だ。
「うん、配りもするけど貰って。ほら、なるべくすきなひとに食べてほしいし」
「すきなひと」
「多すぎたらキャロルのすきなひと。友人とかに分けてもいい。おすそわけ」
長い睫毛に縁取られた目を細めて笑う先輩はとても幸せそうだった。
それでも一人6個は多いと思うぞ先輩。
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