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人魚姫が紡ぐ、想い歌

全体公開 人魚姫ドラヒナ 15 7190文字
2024-05-06 17:55:47

ピクピク様の吸血鬼すぐ死ぬ、女子攻めイベント「女子きこそものの攻手なれ」の4作目です。
人魚姫ヒナドラのお話で、ヒナイチ姫が幼い頃拾った小さなメンダコのお話です。
すっかり仲良くなったロナルド王子夫妻とのお茶会、何気なく聞いた「小さい頃、何かを拾った事はあるか?」という話題。
拾ったものの、住む世界が違う為に手放した小さなメンダコ考えなしに子守歌を聞かせてしまった幼い頃の自分。
人魚の歌声には、魅惑の効果がある。だから、そのメンダコは、今もヒナイチ姫に魅惑されているだろう。
人魚の歌声には、魅惑の効果がある今のヒナイチ姫は、それを知っている。それなのに、今宵も『命を賭けて欲しい』想い人のリクエストである、イナ海国の子守歌を歌うその理由は?
いきなり、捏造から入るので1P目の設定を見てOKな方はどうぞ。

拾ったメンダコ『ぷにぷに』のお話はこちら→忘れられないあの思い出  https://privatter.net/p/10490454

これまでに書いた人魚姫ドラヒナのお話は、こちらから読めます。
https://privatter.net/category/59631

Posted by @kw42431393

*捏造設定になります。

 魔女ドラルク 別名、深海の魔女。深海でも強大な力を持つ一族を両親に持つメンダコ。生まれつき不治の病を患っており、自身を治す為に魔女となった。現在、人魚の肉を材料とした薬で、かろうじて生き延びている。体は弱いが、魔術、医術、薬学の知識はトップクラスで、料理は趣味。陸では商人ドラルクとして、シンヨコ王国と交易したり、ロナルド王子の退治仕事に同行して、材料を調達していた。ヒナイチ姫の肉を狙って接触したが、情が移って出来なくなった。現在、カズサ王の陸と海を繋げる計画の中心人物。

ヒナイチ姫 イナ海国の第一王女。自身が領海内をパトロールするほど、武勇に優れている。人魚の王族として濃い血を持ち、その肉は長命種のドラルクをも不老不死に出来る。ドラルクの作るお菓子に魅了され、毎日通う契約を結んでいた。現在は、兄の命令で、ドラルクの護衛、監視員、助手をしている。幼い頃、小さなメンダコに変身したドラルクが、ヨシキリザメに襲われている所を助けた事がある。

シャコガイジョン サンゴ礁を襲った嵐により、深海に流された稚貝が、魔女に拾われたのが今の姿。魔女ルクさんの使い魔で命を共有している。陸では、アルマジロに近い姿で行動している。主人の非人道的な姿や、契約に破れた者達の末路を見てきたので、冷静でドライな一面がある。

ロナルド王子 人外にも開放的なシンヨコ王国の第二王子。武勇に優れ、人間と人外のトラブル解決で名をあげている。嵐の晩に海に投げ出され、ヒナイチ姫に命を救われた。現在、サンズ姫と新婚さん。乱暴だが、お人よしで面倒見がいい。シンヨコ王国は迷惑行為をする人外が多いので、平等な態度で付き合う事ができる。ドラルクとは、腐れ縁の様な間柄。

サンズ姫 シンヨコ王国の隣国、サンガ国(女性の多くが、くノ一を生業としている)の王女。おっちょこちょいだが、自身も優れたくノ一。気絶していたロナルド王子の第一発見者で、後に彼と結ばれた。最近は、ヒナイチ姫に懐かれて困っている。火薬や薬学の見識が高いくノ一で、ドラルクが探している治療薬作成のキーマンの一人。

ぷにぷに 魔女ドラルクが、紫色の小さなメンダコに変身した姿。9年前、魔女ドラルクはジョンの生まれ故郷見たさに、サンゴ礁に向かい、ヨシキリザメに襲われた。ジョンを逃がした後、小さなメンダコに変身して沈没船に隠れていた所を、幼い頃のヒナイチ姫に救われる。彼女に一目惚れされ、お持ち帰りされる所だったが、正体を見破ったカズサ王に牽制されて、その場を撤退している。その際、ヒナイチ姫の歌声を聞いた事が、彼がヒナイチ姫に執着する原因の一つでもある。気恥ずかしくて、その事件については、話していない。

 魔女ルクさんには、契約した者達を実験台にし、人魚達を誑かして肉を食らっていた等、後ろ暗い経歴があります。
 陸に行った元人魚達、人間から人魚になった者達の中には、望郷の念に駆られた者も多い。
 彼らへの救済措置、人外にも友好的なシンヨコ王国との同盟、交流、付随する経済効果も狙って、カズサ王が陸と海を繋げる計画を立てています。
 中心人物には魔女ドラルク。協力者として指名されたのが、ヒナイチ姫とロナルド王子、サンズ姫になります。
 この三人の心臓には、魔法のパスポートが埋め込まれており、自由に陸と海で行動可能です。



 「なぁ。ロナルド王子にサンズ。小さい頃に、何か拾った事はあるか?小さいタ陸だと犬とか、猫かな。」
 「小さい頃?あるぜ。怪我した子亀を拾って、お城で飼ってた。なんか知らねえけど、数年前に吸血鬼化してな、庭の池でのんびり暮らしてるよ。それが、どうした?」
 「サンズちゃんも、ありましたね。下町で小さな子猫を今も、あの子は母国にいますよ。猫又になって、忍猫達の頭として働いています。」

 ヌンは、拾われた側ヌからね。ドラルク様に拾われて、とってもとっても幸せヌ。


 兄が立ち上げた、海と陸を繋げる計画が始まって、しばらく経った頃だった。
 元々、ドラルクが作るお菓子に魅了された私は、『毎日、魔女ドラルクが作ったお菓子を食べに通う』という契約を結んでいたのだけれどまぁ。そこから、色々あってな。
 その計画に彼が指名され、私は魔女の監視員・護衛・助手として、公然とここに通う事となった。
 そして、魔女が陸からの協力者として指名したのが、なんと、二度と会う事はないと思っていた、ロナルド王子夫妻だ。
 嵐の晩に、たまたま私が助けた人間の王子。そして、彼の命の恩人と間違われて、婚姻した隣国の王女。
 縁とは、奇妙なものだよな。
 その二人と私達は、こうして深海の魔女の別宅で、あるいはシンヨコ王国の会議室で『仕事』と『お茶会』をしている。どういう訳だろう。
 彼らとは会えば会う程、初めて会った気がしなくてこんな感じに、何でもない話をしたり出来るんだ。 

 「そっか。ジョンもその子達も、幸せなんだな。」
 拾ったからには、最後まで面倒を見る私もそういうものだと思う。
 私はしてやれなかったから、猶更なんだろう。
 「何だよ、しみじみしちゃってお前は、どうだったんだ?」
 「ヌーン。」
 ロナルド王子が、紅茶を飲みながら首を傾げた。
 「うん、このぐらいの小さなメンダコをな。ヨシキリザメに襲われてた所を、助けたんだ。可愛かったから、『ぷにぷに』って名前をつけてお城で飼おうとしてたんだけど。兄さんに、駄目だって言われてな。」
 「何でだ?ドラ公は可愛くねえけど、メンダコは可愛いだろ?」
 「ヌヌヌヌヌン!」
 「う~ん。魔女が顔も性格も可愛くないのは認めますけど。カズサ王が言うのは仕方ないと、思いますです。」

 子供の頃は意味も分からず、泣いて、ゴネて。飼えないなら、深海に通うなんて、騒いだっけ。
 でも、今でもそれは難しかったと思う。深海の環境は、我々の体に負担があるのだ。
 そして、当時拾った『ぷにぷに』にとっても、サンゴ礁は合わない。
 いや、鍛えている私と違い、あの子はすぐに死んでしまったと思う。
 「『住む世界が違う』って、よく言うじゃねーですか。それに、拾われた側がそれを望んでいたかは、不明です。」

 サンズ姫の言う通りヌね。ヌンはドラルク様に会えてよかったヌけど、ずっと自由でいたい者もいるヌもの。

 そう住む世界が、違ったんだ。
 住む世界が違い過ぎて現に、ロナルド王子達が来るもっと前から、ドラルクの元に来ていた私は

 「ふわぁ。」
 「お、ヒナイチ。眠いのか?」
 「仕方ないですよ。今回、サンズちゃん達は、ここに来るのが遅かったですものね。」
 「ヌン。」
 疲れてきたな、眠くなってきた。慣れてきたとはいえ、深海の環境は、私達には体の負担が大きい。
 「自分で部屋に戻れるか、ヒナイチ?」
 「ん、大丈夫だ。じゃあ、ロナルド王子達もまたな。」



 友人達を置いて、テーブルを離れる。途中で、追加のクッキーを取りに行っていたドラルクと、鉢合わせた。
 「おや、お姫様。また、眠くなってきたのかね?」
 「んちょっとだけ。仮眠してから、帰るぞ。」
 やっぱり将来的に、魔女と契約して、あるいは自分で魔術を覚えてジョンの様に深海で暮らせる体にしようと思う。
 いや、もっとそれは簡単になるかもしれないな。
 私は、胸に手を当てる。ドラルクが試験的に作った、パスポートがここに、そして、ロナルド王子達にも埋め込まれている。
 これが有効な間は、表層に住む私どころか、陸のロナルド王子達さえ、深海でも行動可能だ。
 私達で問題がない事が証明されれば、ドラルクが属している魔女達の協会で、パスポート量産化の目処が立つのだと言っていた。
 『住む世界が違う』という垣根を、私達が参加しているこの計画は、崩そうとしてる。
 それがどんな変化をもたらすかは、分からないが今まで諦めていた事も、予想も出来ない事をも可能にする、という希望を孕んでいると、思っている。

 「ウフフ。少しと言わずに、ゆっくりおやすみ。私の可愛い人魚姫。」
 いつも通りに額に落とされる口づけに、心がホッと満たされていく。
 「ありがとう。そういえば、魔女。お前なら
 さっきロナルド王子達と交わした話題を、彼にも聞いてみる。違う世界から来たシャコガイと契約をして、命を共有した彼ならば、どういう答えを返してくれるのだろう。純粋に気になったんだ。

 「あは言ってたね。ヨシキリザメから助けた、メンダコの話。」
 どうしてかな。魔女にこの子の話をすると、いつも彼は照れ臭そうに笑う。
 彼は、ぷにぷにを知っているのだろうか。あの子は、どこか彼に似ている気がする。何故だろう。
 「そうだね連れて帰っても、すぐ死んでしまったと思う。だから、カズサ王の言う事は、もっともだったのだよ。でもね。」
 そう言って、彼は私をローブの中に招き入れてくれる。嬉しいな。
 だから、胸いっぱいに大好きな匂いを吸い込んでうん、今日もいい夢が見れそうだ。

 「そのメンダコは、貴女のおかげで命を拾ったのだ。そして、おかげでもっと楽しい事に出会えただろうねとても感謝していたはずさそして、今も。」
 「うん。そうだといいな。」
 「そうだとも感謝しているよ。だって、そのメンダコは
 「ん。」
 トクトクと、優しい3つの心音を聞きながら今日も、私の意識は落ちていく。



 『今君達に会えて、最高に幸せな時間を過ごしているのだから。』



 『懲りない奴だな。何度も言うが、あんまり遠い所と深い所には行くなよ。』
 『分かってる!!』

 兄のため息と呆れた顔を尻目に、トライデントだけ持って、私はお城を飛び出した。
 深海まで行きたいけどあの時も、たまたまサンゴ礁の位置を知っているシャコガイに会えたから、帰ってこられたんだ。だから、結局、この頃の私じゃ無理だったんだ。
 今私達がいる、この水深200m岩場さえ、行けるはずがなかったんだ。

 でもいいよな?あの難破船ぐらいまでなら、いいよな?
 
 そう思って、昨日ぷにぷにと出会った、あの場所へ向かう。
 少しずつ水深が深くなっていって、周りが少しずつ暗く、冷たくなる。

 『ヒナイチ姫、ここに来るのは珍しいですね。』
 イトマキエイが、ゆったりと鰭をはばたかせながら声をかけてきた。
 『うん、友達に会いたいんだ。』
 『おや、そうですか。最近、そっちはサメが多いので、お気をつけくださいませ。』
 大丈夫だぞ、私はとっても強いんだから。

 『あら、お姫様。おでかけですか?』
 『うん、友達に会いにいくんだ。』
 岩場の間から、カサゴ達が珍しそうに声をかけてくる。
 『どちらまで?あまり行くと、領海外になりますよ。』
 『この先の、沈没船のある所までな。』
 意外と、遠いんだよな。ご飯までには、帰らないといけないのに。

 『沈没船まで?なら、私の背中に乗りませんか?』
 懐っこいバンドウイルカが、声をかけてきた。そうだな、いつ来るか分からないんだ。早いに越した事はない。
 『頼むぞ!』
 『ウフフ、承りました。』
 それに、本当は知ってる。結局、沈没船で待ったけど、ぷにぷにを見る事はなかった。



 『♪~♬~♩♯~~』

 あの頃、私は何日通ったんだろうな。来たのが私だと分かる様に、沈没船に腰かけて、毎日毎日、あの子に聞かせた子守歌を歌ったんだ。
 それに、人魚の歌には魅惑の効果がある。
 ヨシキリザメから助けた後、私は『ぷにぷに』を掌に乗せて、この歌を歌ってあげたんだ。その時、あの子は目を細めて、読経の様な調子っぱずれな音で返してきた。
 たぶん、気に入ってくれたんだと思う。
 魅惑にかかっているメンダコなら、私の声に引き寄せられるはずそう思って、通い詰めていた。



 諦めが悪いって?うん、人間達にはそう思えるよな。でも、私達人魚も執着心が強くてな深海の者達ほどでなくても、それが我々人ならざる者達だ。

 『おい。いい加減にしろ、ヒナイチ。それは、誰彼構わず聞かせていいものじゃない。』

 ある日、沈没船に着いたら待っていたのは、険しい顔をした兄だった。
 結局、最後まで一番会いたいメンダコに会う事は出来なかったんだ。

 『あのメンダコは、来ない。ここでも、彼は暮らせないんだ。』
 『ぷにぷには、私のだ。私のモノだ!この歌が聞こえたら、来るんだ!私の元に、来るはずなんだ!』
 『諦めろ。これ以上、歌うのはよせ。会う事も出来ないのに、恋焦がれる苦しみをお前は、間違ってここで歌を聞いた者達にも、与える気か?』
 『。』

 そういえば、そうだったな。その日以降、私は歌を歌わなくなったんだ。
 そして、いつしかその記憶も薄れていった。
 魔女のベッドで眠っていて、あの子と出会った時の事を、夢に見るまで。
 あれから、9年も経っていたんだな。

 『魔女!お前の作ったおやつは、いつだっておいしいな!』
 『それは、どういたしまして。』
 『なぁ、お礼っていらないのか?通うだけで、こんな美味しいものを。』
 『お礼ねえじゃあ。』

 「姫?」

 『一曲、歌っておくれ。イナ海国の子守歌をリクエストするよ。』
 『簡単に、歌っていいものじゃないんだぞ?人魚の歌声には
 『知ってるよ。魅惑の力がある大丈夫。私なら、大丈夫。だって、私は

 本気で欲しい者にしか、この歌は聞かせられない。他に聞かせていいのは

 『とっくに、かかっているのだからなんてね。私の美しいお姫様。』

 命を賭けてでも欲しいと決めた、お前だけだ。だから、今夜も私は


 「イチ姫?どうかしたかね?」




 「クッキー!!」

 優しい声と、大好きなクッキーと紅茶の香りで飛び起きる。
 そっか。私は、魔女が用意してくれていた部屋で、仮眠を取っていたんだった。
 「おやおや歌っているのが、聞こえたから。てっきり、起きているものだと思って、持って来たのだよ。寝言だったの。」
 「うん!今、起きたぞ!これを食べたら、帰るからな。」
 ベッドテーブルに並べてくれた、クッキーを口に運ぶ。
 ホロホロと、口の中で溶けていくバターの風味に、控え目な甘さ。
 明日も明後日も何十年後も、永遠に食べたいお前のクッキーだ。
 ずっと、ずっと永遠に、私の為に焼き続けて欲しい。
 「おいしい、おいしい。」
 「そうそう、私のお姫様はそうでなくては。ねえ、折角だもの。帰る前に、一曲聞かせておくれ。」
 「お安くは、ないぞ?覚悟はあるか?」
 イタズラっぽく、笑ってみせると、お前もヴィラン気どりの笑顔で返してくれる。
 「あるとも。命を賭けても惜しくはない。何度も言わせないでおくれ、ね?」

 そうお互い、私達の想いは同じもの。
 だから、本当は帰りたくないでも、今は帰らなきゃ。
 海と陸を繋げるこの計画を成功させるまではこの契約を完遂させるまでは。
 魔女は黙っているけれど、この契約を果たした時、私は深海の魔女の元に嫁入りする、と契約書に書かれている。それまでに、やらなきゃならない事がたくさんあるんだ。

 永遠に、共にいられる未来を手に入れる為にまだ、私はサンゴ礁に帰らなきゃ

 「じゃあ、ヒナイチ姫。気をつけておかえり。また、明日。」
 そう言ってお前は、私の手に口づけをする。
 最近、お前の助手をしているから。深海の魔女の一番弟子になったから知ってるぞ。
 それは、私が明日もここに戻って来る様に、願掛けの魔力を込めたものなのだ。

 『永遠に、私の元に通って欲しい』

 そうなのだろう?
 私達の願いは同じもの。いや、もっと私の願いの方が重いんだ。

 「ああ、魔女ドラルク!また
 だから、そう言って、私はお前の唇に口づけをする。私も、新米だけど魔女の一人になったのだからこの行為にも意味がある。
 私は彼の願掛けの上に、重い呪いを、さらに重ね掛けする。

 『どんな運命が待っていても、私と永遠に一緒にいろ』

 その呪いを込めながら、驚いたお前の咥内に舌を入れる。
 逃げない様に後頭部を押さえてお前も私が逃げない様に触手で絡めて
 「んっ!?あ
 「んくっ

 お互いの口を離した後、困った様に笑うお前も気づいているだろうか。
 今日も私はお前に、お前は私に、呪いをかけたんだ。
 願いを込めた甘露をお互いに啜り合ってお互い呪いをかけ合って忍び寄って来る、残酷な運命をねじ伏せようとする。
 
 想いをかけた以上は、最後まで責任を取るべきだ。
 あの時の私は、無責任に自分が魅惑したメンダコを手放したけれども今度こそ、お前だけは離さない。

 「明日もな!」
 「うん、明日も来ておくれ。」

 だから、今宵も私はお前の前で、あの子に聞かせた歌を歌う。
 私達が繋いだ想いの糸を、もっともっと強固にする為に。
 
 
 



 
















 


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