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白と青が、似合う人。

全体公開 Δドラヒナ 1 10 7527文字
2024-05-29 20:04:07

ピクスク様のオールジャンルイベント『集まれ!ヤバピーポー』に参加させて頂いた2作目のお話です。
Δドラヒナで、Δ隊長(28歳)×高校生ヒナイチくん(16歳)の時間軸。
10歳の頃、自分を助けてくれた初恋の人が、新横浜警察署吸血鬼対策課へ、ドラルク隊の隊長として赴任してきた。
再会して、ますます想いを募らせるも、「高校生の片思いであって、迷惑をかける」と踏み出せない少女と、自分が助けた子供が大きくなった事への、感慨しか持っていなかったドラルク隊長の、切なめのお話です。
捏造設定をご覧になってから、お進みくださいませ。
他のΔドラヒナのお話は、ここから読めます→https://privatter.net/category/51192

Posted by @kw42431393

*捏造設定になります。

 ・Δ隊長は、父親のドラウスさんは人間、母親のミラさんが吸血鬼という設定です。ヒナイチくんより一回り年上。ルーマニア育ちの日系ハーフ。なので、独り言や鼻唄に突然ルーマニア語が混じったりする。生まれつき虚弱体質だが、ブーストを使えば短期戦の戦闘参加は可能で、本編よりは体力もある。幼い頃から「ダンピールとしての、突出した探知能力で市民を守る」という夢の為に突っ走ってきたので、子供時代の話や、普通の高校生をしているヒナイチくんと喋る時、寂しそうな顔になる癖があります。

 ・Δジョンは元々ミラさんの使い魔で「体の弱い息子をよろしく頼む」と言われ、Δ隊長を主人として尊敬し、行動を共にしている設定になっています。なので、Δジョンの方がΔ隊長よりちょっと年上です。この世界でも新横浜のアイドル。

・ΔヒナイチくんとΔ隊長の出会いは、彼女が幼い頃に下等吸血鬼に襲われていたところをΔ隊長が助けた、という事になっています。Δ隊長は幼い頃からの憧れの人で、常にキラキラした目で見上げています。元々和菓子党だったが、幼い頃に貰ったクッキーを食べてから、現在はクッキー党。バーの娘なので、他の世界線に比べて料理は上手で、コミュニケーション能力もそこそこ高い。

 ・Δカズサは、新横浜退治人ギルドマスターの息子で、ヒナイチくんの兄。赤い帽子とジャケットがトレードマークの、拳銃使い『レッドバレッド・カズサ』と名の売れたシンヨコの退治人です。趣味はソシャゲ、喰えない性格、と公式に準拠。両親が忙しかったので、実質、妹の父親代わり。完全に反対ではないが、妹の恋に関しては微妙に応援しづらいと感じており、冗談交じりに隊長をイジッたり、さりげなく、釘を刺したりしている。




 「お~い、ヒナイチ。帰るぞ。」
 「うん、分かった。」
 「疲れたか?そんな顔すんな。お前さんなら、すぐついて来れっからな。」
 「当たり前だ。ヒナイチは、私の妹の様なものだ。容姿も実力も、すぐにトップに立てようぞ。」

 ここは、下等吸血鬼達の異常発生現場。
 そこに立つのは、レッドバレッド・カズサ、退治人キッス、退治人ケンうちのギルドが誇るトップクラスの精鋭人だ。
 つくづく、さすがだと思う。今、路上は足の踏みたて場もないほどの塵で、覆われていた。

 ここ新横浜は吸血鬼達にとって、住みやすいホットスポットで、下等吸血鬼達だけでなく、畏怖欲を満たすイタズラ目的の高等吸血鬼達の事件も多い。
 さっきまで繰り広げられていた、トップクラスの実力と、人気を誇る退治人達の戦いぶりは、近い将来の私の夢いや、姿なんだ。
 ギルドマスターの娘であっても、高校生の私は、退治人の資格を持っていない。まだ、見習いだ。
 だから、必要な道具の受け渡しや、片付けの手伝い戦闘に関しては、ほとんど見学しか出来ない。
 もどかしいよな。
 
 『元気でね、小さな退治人さん。』

 10歳の頃に出会った、憧れの人を思い出す。
 吸血鬼達の目を引く為にデザインされた、白と青のコートを翻して、刀を振るうあの勇姿を覚えている。
 でも、その後で、血液錠剤を飲んだブーストの反動で、倒れてしまった姿も覚えている。
 無理してないかな、怪我してないかな。

 『ドラルクおじさん、もうあえないの?』
 『アハハ、そんな顔をしないで。大丈夫だとも。君なら、多くの市民を救えると信じているよ。』

 兄が運転する車の中で、振り返る。命の恩人の貴方は、笑っていた。
 上品に手を振る貴方に、窓から身を乗り出して、幼い私は、必死に手を振ったのを覚えている。
 濡れ鴉の様な黒い髪。色白で痩せぎすのシルエットに映える、狭間の者である事を示す金色の瞳。

 あれから、6年経ったんだ。もう、私は16歳。
 当時より、ずっとずっと強くなったつもりだ。
 早く資格を取って、皆と戦いたいな。早く

 「やれやれ妹よ。アンテナが、ハートマークになってるぞ。ガリヒョロの初恋泥棒の事でも、考えてたか?」
 「よいではないか。ヒナイチも、もう16。私ほどではないが、美しくなった。堅物という噂だが、一目見たらどうなるか分からんぞ?」
 「ニヒヒ。妬くな、妬くな、お兄ちゃんよ。『おおきくなったら、ドラルクおじさんとけっこんする~!』って言ってたの、まだ気にしてんのか?」 

 早くあの人の役に立ちたいな。



 「片付けてきたぞ、親父殿。」
 「マスター、戻ったぜ。あれ?今日、吸血鬼対策課の査察あったっけ?」

 新横浜ハイボールシンヨコの吸血鬼退治人ギルドに戻ってくると、ギルドマスターである父と誰かが、カウンターで、話をしていた。
 白と青いコート吸血鬼対策課の人か。肩に、小さな丸い生き物が乗っていて、ココアを啜っていた。
 公務である吸血鬼対策課は、民間の吸血鬼退治人達の監督義務も職務に含まれている。抜き打ちでガサ入れだって、よくある事だ。
 だから、珍しくはないんだけど
 「あっあいつは。」

 フワリと懐かしい香りがした。
 6年前、連続吸血事件があった夏の山で助けて貰って、背負われて嗅いだあの香り。
 『大丈夫。必ず、ご家族の元に連れていくから。ゆっくり、おやすみ。』
 夜中に山を下りるのは危険だからと、野宿をした時に、コートの中で嗅いだあの香りは

 「あぁ。皆、おかえり。紹介しておこう。先日、新横浜警察署吸血鬼対策課ドラルク隊隊長として、赴任して来られたドラルク隊長だ。」
 「ギルドマスターから、紹介に預かりました。今後とも、諸君には世話になると思う。どうぞ、よろしく。」

 一瞬、頭が白くなる。そして、思わず目を擦って、もう一度、あの人を見直した。

 『今、ここで事件が起きているんだ。危ないから、おうちへお帰り。』
 『しってる!ヒナちゃん、たいじにきたんだよ!つよいから、だいじょうぶ。おじさんこそ、あぶないよ?』

 今、目の前にいるあの人も老け顔のガリガリだけど当時は、20そこそこの新米隊員だったのだ。
 それが現場を駆け回り、出世して隊長となり、威厳に溢れて、当時よりガタイもよくなって

 「レッドバレッド・カズサくんは、初めましてではなく、久方ぶりですな。」
 「なんとも奇妙なもんだ。6年の間に、あんたも見違えたじゃないか。おい、ヒナイチ。お前の

 あ〝~~!!やめろ、兄さん!それ以上、言うな!

 『おじさんは、やめてくれないかな。私は、まだ22歳なんだよ?』

 憧れの人になると思わないで、おじさん呼ばわりしてたんだ!
 それに、男の子みたいにヤンチャして、迷惑かけて思い出されたら、恥ずかしいじゃないか!

 「はつこモガッ!?」
 「あぁ、あの。」
 余計な事を言おうとする兄の口を塞ぐ。そして、あの人を見上げた。
 あぁこんな事なら、塵まみれの汚い恰好ではなく、綺麗な服を着るんだった!!
 「ギ、ギルドマスターの娘の、ヒナイチです!初めまして、隊長さん!」
 知らず、大きな声になる。
 ポカンとした隊長さんの顔色を窺っていると、その顔は上品に笑ってくれて
 「フフ元気なお嬢さんだ。これから、私はこちらに顔を出す事も多いと思うよ。よろしくね。可愛い退治人さん。」
 「ま、まだ、見習いです。でも資格を取ったら、必ず!」
 これは、私の本音だ。その為に、ずっと鍛錬してきたんだ。
 「うん、期待しているよ。これは、お近づきの印にジョン、いいかね?」

 クスクス代わりに、帰ったら2倍焼いて貰うヌから、いいヌ。あと、訳も聞かせて貰うヌよ?

 隊長さんが、肩の丸いこの子は、アルマジロだろうか?
 何かを耳打ちしていた。そして
 「あっ!?クッキー!!」
 懐から、姿を現したのはクッキーの袋だ。手作りと分かる、綺麗にラッピングされていて
 「どうぞ、気に入ってくれるといいのだけど。」
 気に入らない訳が、ない。初めて出会った時に、貰って食べてから忘れた事なんてない!
 「あ、ありがとうございます!うん、おいしい。」
 あの時と、同じ味だ!もう一度、食べられる様になるなんて夢じゃ、ないよな?

 「そんなに、喜んで貰えると嬉しいよ。それでは、また今度来る時も焼いてあげよう。」
 「ヌヌヌー、ヌヌヌ。」

 クッキーを食べる手を止めて、店を出ていく、白と青に彩られた細い影とマジロを見送る。
 現実なのかな?夜の闇に消えていく様で追いかけたくなるのを抑えるのに、苦労した。
 「夢じゃない。」
 頬を抓る。痛い、現実だ。
 どこかで会えたらいいなどころじゃない。あの人は、この新横浜に赴任してきたんだ。
 吸血鬼対策課は、退治人ギルドにもよく顔を出す。つまり

 「うん、旨いぞ!これは、いいバターを使っているな!次から、俺達の分もって、おっと!!」
 う〝~、油断も隙もない。脛を狙ったけれども、悪の権化には逃げられてしまう。
 「ダメだ!これは、私が隊長さんに貰ったんだ!あげないからな!」

 再会の余韻に浸る間もなく、私はクッキーを抱えて自分の部屋に駆け戻った。



「♩~♬~♫」

 ヌフフ、ご機嫌ヌね。ドラルク様。

 あれ?思わず、鼻唄が漏れてしまったか。無意識なんだけど。

 ヌンは、いいと思うヌよ。少し前まで、ずっと仕事仕事で疲れた顔をしていたヌから。ヒナイチくんに感謝しないとヌね。これから、会いに行くヌから。

 「これ、誤解を招く言い方はよしておくれ。ギルドには、巨大吸血蚊対策の打ち合わせだよ。それに、嬉しいじゃないか。警察官として。」

 数か月前、ここ新横浜に赴任してきて、挨拶に向かった退治人ギルド。
 新横浜ハイボールのマスターに、開口一番にこう言われたのだ。

 『6年前の埼玉県の伊那架町で起きた、連続吸血鬼事件を覚えておりますか?』
 『覚えております。吸対に配属されて、間がない頃に派遣された事件ですから。』
 『その節は、娘がご迷惑をおかけしました。改めて、お礼申し上げます。』

 懐かしいな。私が新米隊員だった頃、連続吸血鬼事件が起こっていた夏の山で救助した、小さな『ヒナちゃん』の事は。彼女は、マスターの娘さんだというのである。当時10歳だったから、今は16歳になっているはず。
 大きくなっただろうな。私を見たら、何て言うだろう。
 『ドラルクおじさん、お久しぶりです!』
 そう言うかな28歳だから、おじさんは辛いかな。そんな事を考えながら待っていたその時だった。
 先輩の退治人達と共に入ってきた、赤毛の可愛らしい少女が入ってきたのは。
 私が、初めて警察官として救助した、麦わら帽子を被ったヤンチャな子供は

 『ギ、ギルドマスターの娘の、ヒナイチです!初めまして!隊長さん!』

 目を見張る様な、綺麗なお嬢さんになっていた。思わず、感動して泣きそうになったよ。

 「強くなって、市民を守る退治人になりたいって今も、着実に夢に向かっている。私も、情けない姿は見せられないもの。」
 初めましてって、事は私の事を覚えていないのか、それとも、当時の事を言われるのが恥ずかしかったのかいずれにしても、もう彼女の事を『ヒナちゃん』なんて、呼べないね。だから、ヒナイチくんと呼んでいる。
 「今でも、あのアンテナハートマークをしてくれてね。だから、また焼いてしまったよ。」
 懐を探る。初めて会った時も、再会した時も、『おいしい、おいしい』と食べている時の、あの笑顔。
 あの笑顔を見ると、元気が出て来る。何より

 「こんばんは、隊長さん!」

 太陽の様に、キラキラした瞳で私を見上げてくれるのだ。
 年々、休みもなく、残業に次ぐ残業。趣味の料理もゲームもまともに出来ずに、煙草でストレスを解消しながら、ジョンに助けられて、なんとかやり過ごす日々。
 どうして、吸血鬼対策課を選んだんだろうどうして、ここまでやらなきゃならないんだろうヤケッパチになりかけていた矢先に、再会した彼女。
 「隊長さんは、すごいな。今日も、兄さん達から聞いたんだ。私も、早く資格を取って、皆を手伝いたい!」
 忘れていたものを、思い出した気持ちになった。そして、そんな眼差しを裏切りたくなくて、毎晩デスクに向かう。
 帰ってきたら、ジョンとビールを飲んで眠るだけの日々だったけど、時間を作って、料理をする事も増えた。趣味だったお菓子を作っていると、美味しそうに口にする、あの子の顔が浮かぶのだ。

 いい事だヌ。それに、気づいてるヌ?禁煙には、まだまだ遠いヌけど、煙草の本数が減ったヌよね。あと

 眉間の皺が減ったヌよ?と言われるのは、ショックだなぁ。ジョンも酷い事を言うよ。
 「う~ん、疲れた『おじさん』を見せるのは、何だか忍びなくて憧れの『隊長さん』でいたいというかあれ?」
 
 どうしたヌ?あっ、あそこにいるのは、ヒナイチくんだヌ。

 ショーウィンドウの前に、赤毛のセーラー服を着た少女が立っていた。
 本当だ、ヒナイチくんだ。学校の帰りなのだろうか。
 「こんばんは、ヒナイチくん。」
 「ヌンヌンヌ。」
 「わっ!?隊長さんにジョン!こ、こんばんは。」
 後ろから声をかけると、赤いアンテナが、ビックリした様に飛び上がる。脅かせてしまったらしい。
 ごめんねでも、今何を見ていたんだろう。

 「こ、こここれから、パトロールか?」
 「いいや、これからギルドに向かう所だよ。一緒に行こう?」
 妙に動揺した彼女越しに、ショーウィンドウを覗き込む。
 あぁ、そうか。もう6月に入っていたなそんな事をしみじみ思う。
 「き、綺麗だなって単にそれだけだ。」 
 彼女が覗き込んでいたのは、ウェディングドレスだ。16歳のお嬢さんが、憧れるのは当たり前だと思う。

 「確かにその赤毛に、この白いドレスはよく映えるに違いないよ。とてもとても美しいだろうね。」



 「おいしい、おいしい。」
 「ヌイヌー、ヌイヌ。」

 彼女と連れ立って、ギルドに向かう。途中で、懐に入れていたクッキーを渡すと、肩に乗ったジョンと嬉しそうに頬張る姿が可愛いが、渋滞してるね。見ていて、とても癒される。
 「そういえば、あのドレスが一番気に入ったみたいだね。他にも、ピンクや黄色もあったのに。」
 花嫁さんといえば、確かに白はスタンダードだ。あのドレスは、清楚な白をベースとしながら、襟と手袋に淡い青色がアクセントとして使われていて、金糸で縫い取りをされていた。
 ヴェールに使われている花飾りは、青いバラ。『夢が叶う』という花言葉も、彼女によく合っていると思う。
 しかし、ショーウィンドウには、他に、可愛らしいピンクや、上品なグリーン、シックな黒と、様々なタイプが並んでいたのだ。色白で赤毛のヒナイチくんには、どんなドレスも似合うだろう。

 「青色が、好きなのかい?」
 「好きというか隊長さんが、着ているコートに似てるなって思って。」
 「このコート?あぁ、なるほど。」
 そう言われると、何だか嬉しいものだ。
 「好きというより憧れ、かな。白と青は。」
 そう言って、俯いてしまった彼女の頭を撫でる。
 少し馴れ馴れし過ぎたかな。やっぱり、あの小さな『ヒナちゃん』の記憶があるからだろうか。
 守ってあげたい、大事にしたいそう、思う。

 「あのドレス、とてもいいと思うよ。サムシングブルーとも言うし青いアクセサリーは、花嫁さんのラッキーアイテムなのだ。」
 「そうなのか初耳だな。」
 「だから、いつか着た姿を是非見せて。」
 見せて欲しいそう言おうとした言葉を飲み込んだ。

 『結婚式には、是非呼んでくれ給えよ。花嫁さんになったヒナイチくんの、綺麗な姿を見せておくれ。』

 至極、普通の台詞じゃないか。でも、頭をよぎった風景はその隣に立つ男性は
 「隊長さん?」
 「ヌヌヌヌヌヌ?」
 思わず、顔を逸らしてしまう。さっき、浮かんだ映像を読まれてしまいそうで

 「隊長さん。じゃあ、ここで。家の玄関は、店の裏手にあるんだ。」
 「そ、そうかね。じゃあ、おやすみ。」
 「ヌヌヌヌ。」
 いつの間にか、新横浜ハイボールの前だった。
 元々、私とジョンは、ギルドマスターと待機している退治人達と、巨大吸血蚊対策の打ち合わせに来たのだ。だから、ヒナイチくんとは、ここでお別れになる。ホッとした様な、何だか惜しい様な妙な気持が沸き上がってくる。
 「じゃあ、ジョン。おやすみ。」
 「ヌヌヌヌ。」
 彼女から、ジョンを受け取る。平静な顔を装うのに、苦労した。今の顔を、彼女に見られたくない。
 疲れているのかなでも、道を歩く彼女の同級生と思しき、少年達を思い浮かべる。
 彼らに正装させて、彼女の隣にどういう訳だろう。何故だか、そう考えようとすると、なんとなく嫌な気持ちになるのだ。
 「なぁ、隊長さん。」
 「う、うん?どうかしたかね?」
 俯いていた彼女が、顔を上げる。その頬は、うっすらと染まっていて 

 「うんいつか。貴方に見せたいな。でも、その時、と、隣に立ってるのは。」
 さっき、浮かんだ映像が鮮明になる。その考えから、抜けられない自分に動揺する。
 この子とは、一回りも離れている。まだ、高校生じゃないか公務員の私が、そんなそんな、はず。
 「世界で一番、白と青が似合う人がいいな。」
 おやすみなさいと言って、家の中に駆けていく雛鳥を見送る。
 女ったらしの本部長に、女性の扱いも仕込まれたはずだったのにその時の私は、何も返す事が出来ずに立ち尽くす事しか出来なかった。
 
 ドラルク様

 「何でもないよ。ジョン、な、なんでも。」

 そんなはずはない。疲れているんだあの子は、私にとって、い、妹みたいなしょう
 
 『好きというより、憧れ、かな。』
 『世界で一番、白と青が似合う人がいいな。』

 彼女と私の脳内で浮かんだ映像が、同じだなんてそんなはずあるもの、か。
 
 
 



 


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