X以外のSNSでの投稿にはPrivatter+がおすすめです

消えゆく炎と、灯る希望

全体公開 人魚姫ドラヒナ 7579文字
2024-06-18 17:32:28

続きもので書いている、人魚姫ドラヒナのお話です。
この話から、少し時間が経っています。
次のクリスマスは、きっと →https://privatter.net/p/10935920
契約を完遂し、ヒナイチ姫を迎える為に必死な魔女ですが、人魚の肉で作った薬が残り少なくなり、病状が悪化します。そして、『無邪気で何も知らない』人魚姫は、友人のサンズ姫に、大切な人を助ける為に『契約』ではなく、『約束』を持ちかけようとします。
ヒナイチ姫に石の御鉢を貸した後の、ロナサン夫妻のシーンを追加しました。
2023/01/27に上げました。

Posted by @kw42431393

 「よう、ヒナイチって、あれ?兄貴が一緒なのか?」 
 「うむ、出迎えご苦労。ロナルド王子、サンズ姫。」 

 気圧される貫禄に尊大な雰囲気を纏いながら、ダブルピースしたフランクな態度。
 筋肉質な上半身に、でかでかと書かれた、「イナ海国へいらっしゃい!」とある宣伝シャツを着て、白いマントを羽織っている破天荒な喰わせ者で有名なカズサ王らしい。なんだかな~。
 「諸君らのおかげで、着々と計画も進んでいる。思ったより、早く両国の行き来が実行出来そうだ。そろそろ、ヒヨシ王と最終段階の打ち合わせもしたかったのでな。また、来ちゃった!という訳だ。」
 「すんません。俺、聞いてなかったんで。ちゃんと、ほらちゃんとした馬車とか、なんか色々用意した方がよかったかな~、って。」
 「気にするな。抜き打ちだ!」
 アポ無しかよ!
 「ロナルド王子がダチョウの恰好して、おんぶしてくれても、構わんぞ。」
 「しね~よ、何考えてやがるですか!!ヒナイチ、てめーの兄貴は、いつもこんなですか?」
 「いつもだ、すまん。ロナルド王子、サンズニャン。」
 陸と海を繋げるこの計画で、俺達はヒナイチの兄貴とも、ちょくちょく顔合わせはしている。
 基本的に、カズサ王はうちの兄貴と、法律とか関所とか、持ち込まれた貨物の扱いや、入国してきた者達の宿泊施設の設備とか俺には、よく分かんねえや。
 そういうのを、やってくれてる。
 陸から海へのパスポート発行の窓口には俺、海から陸へはヒナイチが関与する事になる。

 『審査が通らなかった時、暴れる連中もいるだろう。君達の、その暴力が役に立つ。』

 俺もヒナイチも人を見る目とかないし、堅苦しいの苦手だし。不安がっていたら、そんな事を言いやがったんだ。
 人を見る目に関しては、申請内容と本心が嚙み合っていなければ、発行したパスポートが受け付けないので、気にする必要はないらしい。
 魔法だからって言えばそうだが、うまくできてやがると思う。
 まぁ、暴力って言い方が嫌味で、イラっとそんときゃ、頭の耳だかヒレだかを引っ張ってやったっけ。

 「そういえば、ヒナイチ。ドラルクの奴、今日も調子悪いのか?」
 海岸からシンヨコ王国に続く道を、連れ立って歩く。隣を歩いているヒナイチの顔は暗かった。
 いつも嬉しそうに跳ねているアンテナが、下を向いている。
 ジョンも来ていないという事はドラルクの身の回りの世話を、しているんだと思う。
 「うん、まあ。深海なら普通に生活しているけど、環境が変わると辛いらしい。」
 前回も陸に来なかったな、と思い返す。イナ海国の王宮にも、顔を出していないと聞いた。
 それに、最近、顔色元々悪いけど。なんだろうな、どす黒くなってきたっていうか。



 『今まで飲んでいた、薬の材料を切らしてしまってね。カズサ王との契約完遂までもう少しかかるから、ギリギリ節約しているんだよ。』
 『しょうがねえな。じゃあ、また下等吸血鬼や害獣駆除のついでに、採ってきてやろうか?お前がいつも頼んでくるあ~、あれだ。ひ、火とか、あれ。』
 『君、5歳でしょ?もう、ボケたの?』
 前回、あいつが住んでる水深200mの別宅で、そんな会話を記憶がある。
 『火トカゲの血、シンヨコ沖の宝貝、何故かチョンチョンの耳もあったはず違いますか?』

 俺が思い出せなかったのを、サンズ姫が言ってくれたんだよな。あいつに頼まれて渡していた、調剤のサンプルだ。サンズ姫は目録チェックを手伝ってくれていたのと、本人も優秀なくノ一だから、薬学も詳しかったりすんだ。
 頼りになるだろ?うちの嫁さンんッ!何でまだこっぱずかしいのかな。
 そう、うちの嫁さんはさ。
 『それも材料だけど、メインが手に入らなくなってね。』
 『メインそれは、何ですか?』
 『企業秘密それでは、いけないかな?サンズ姫。』
 そういえば、妙な空気だったよな。ここでは話せないと言って、二人は真っ暗な外に泳いでいったんだ。
 サンズ姫は俺にぞっこんだし、ドラルクの好みではない事は知ってる。
 だから、心配してないけど何だったんだろう。



 「ヒナイチ。退屈だから、サンズちゃん達の部屋に来ませんか?」
 城に着いて、兄とヒヨシ王、そして、ロナルド王子が、シャチやイルカ、あるいは馬車を使った定期便の本数の打ち合わせをしている時、サンズが私の肩を叩いて言ったんだ。
 珍しいな、と思う。
 騒がしいけど、基本的にサンズは、ロナルド王子同様、真面目な人柄だ。
 いつも、私が深海での打ち合わせで、お菓子ばかり食べていると『仕事しやがれです!』と怒ってくる。
 それが、自分から抜け出す様な事を言うのだ。
 実際、今回の議題は私達の管轄外だ。抜けても問題ないだろう。
 「いいおはぎが、手に入ったです。あったかいお茶もつけますよ。」
 「頂くぞ!」

 そんな経緯で、今、私はロナルド王子夫婦の私室にいる。
 赤を基調とした部屋には、大きな目が描かれたオブジェが置かれていた。
 「ビッ!?」
 「わ、動いたぞ!?」
 どうやら、昔から、ロナルド王子が愛用している帽子置きらしい。
 「ロナルド王子が大事にするので、自我が宿ったらしいですよ。この国では、よくある事ですね。」
 そう言って、サンズは私に椅子を勧めてきた。ふわりと、ほうじ茶のいい匂いが鼻腔をつく。
 カチャリと音を立てて、目の前に黒いおはぎが並べられた。
 「ドラルクの作ったものほどは、おいしくはないですが。どうぞ。」
 「いただきます!うん、上品な甘さで美味しいぞ!」

  そこからは、他愛もない話が続く。所謂、女子トークと言えばいいのかな。
 長命種である人魚の繁殖能力は低い。周期も数か月どころか、人魚によっては数年、数十年という事もザラだ。
 だから、私の周辺には同じ年頃の人魚が少なかった。
 猶更、新鮮で楽しくて。
 「サンズは、ロナルド王子が本当に好きなんだな。」
 「に゛ゃー、あたり前です!そりゃ、仕事しているロナルド王子は勿論、ご飯を食べている所も、セロリに怯えている所も寝起きに涎垂らして寝ぼけている所も、カッコいい。そして、可愛くて、それに!」
 言いながら、赤面して一人で暴れている彼女を見ると、つくづくよかったと思う。
 ロナルド王子を助けて、出会える切っ掛けが出来て、そして、最終的に、こうして私達もお茶をしているのだ。
 その切っ掛けで、私も魔女と出会えた。
 縁とか運命とか言うのだろう、不思議なものだ。
 「お前は、どうなんですか?ヒナイチ。」
 急に話題を振られて、口ごもる。私の意中の相手前、彼女に言ったら「趣味悪過ぎ!」と言われてしまったな。
 でも、変える気はないんだ。
 今もドラルクは、調剤室にいるのかな。兄が言っていた、『いつも飲んでいるあの薬はとんだ代物』と言っていた。
 延命の効果はあっても、治す事はない、と。
 そして、その正体にたぶん私は気が付いている。
 この計画に参加してから、体の弱い魔女の助手本当は、彼に何かがあった時の引継ぎとして私は、魔女から魔術や薬学を習っている。
 だから、難しかった魔女の机に置いてある本やメモが、読める様になってきた。だから

 『どうかしたかね?お姫様?』
 『何でもないぞ。それより、今日のおやつは?』

 今は、蓋をしておく。魔女は、私に本当の姿を見せたくないらしい。
 私が『無邪気なお菓子が欲しくて通ってくる、何も知らない人魚姫』である方が、安心しているのは知っている。
 今は、まだ今は。
 もしかしたら、最後の手段を取らなくても、魔女自身の手で治療薬を作る可能性だって残ってる。
 まだ、動くのは早い。

 「う~ん、ドラルクか。今は、契約を完遂する事しか頭にないんだ。」
 「完遂する事に、拘るんですね。」
 「魔女というのは、そういうものだ。特に、深海に生きる者は、執着心が強いと言われていてな。」
 「みてーですね。」
 「私も、そうなるのかな?」

 今の私は、『深海の魔女の一番弟子』という立ち位置だ。
 この前、魔女がよく作っている契約書の作り方を実践した。粗削りだけど、うまく出来ているらしい。
 魔女が作る契約書はいつも紫色に光っているが、私が作る契約書はオレンジ色に光っていた。
 『貴女らしい』と頭を撫でてくれた時は、嬉しかったっけ。

 「ならねーですよ。お前があのタコにゾッコンなのは知ってます。だからといって、あいつと同じになる必要は、ないです。なりたければ、知らない間にそうなります。逆に、ヒナイチがどう変わっても、執着心の強いあいつは、『ヒナイチ』を選ぶでしょう見てきた連中には、そういうのが多かったですね。」
 そう言って、お茶を啜るサンズを見て、思わず彼女を見直す気になった。
 考えてみれば、彼女はくノ一の国出身で、王女でありながら、彼女自身、多くの国に派遣されているのである。
 世間ずれした、私の知らない彼女の一面を見た気がして、ため息をつく。
 そして、彼女の堂々とした姿が、私に一つの行動を取らせる気になった。

 サンズなら、分かって貰えるだろうか。
 私が心で決めつつある、更新したい契約について。
 お菓子がそこになくても、仕事でなくても、彼の隣にいたい。
 女性として、先に幸せを構築しつつある彼女なら、分かって貰えるだろうか。
 ロナルド王子の為なら、お前もそうするよな?

 「なぁ。サンズは、薬に詳しかったよな?」
 「なめるんじゃねーです。火薬だって使えますよ。」
 「この計画が終わってからも、個人的に私と会ってくれるか?大事な人の命を助ける為に、手伝って貰うかもしれない。私も、お前の大事な人が危なくなったら、必ず命を助けに行く。ダメか?」

  『誰かと取引する時は、必ず契約書を取りなさいよ。』

 魔女に言われた言葉が、脳裏に浮かぶ。私が考えている事は、一人で実行するのは難しいかもしれない。
 協力者が欲しい、そう思ってはいる。
 だから、契約書を自分で作って、お人よしの彼女を縛る事は可能だろう今の私なら、出来る。

 『あいつと同じになる必要は、ないです。』  

  サンズは、そう言ってくれた友人だ。だったら

 「おい、ヒナイチ。仲良ししてる所悪いが、そろそろ帰るぞ。」

 兄の声がして、我に返る。
 そうだな、まだ彼女とは会うんだ。この話は、今度にしよう。
 「分かった。じゃあ、ご馳走様。サンズニャン。」
 そう言って、立ち上がる。部屋を出ようとすると、何かが飛んできた。
 咄嗟に、それを受け止める。

 「それ、お前にやるです。大事にしないと許さねーですよ。」
 手を開くとそこにあったのは、小さな宝貝。
 「これ?」
 「母国の近海にある蓬莱島の仙人が、里帰りしたサンズちゃんに、婚姻祝いでくれた燕の子安貝です。燕が卵を産んだ瞬間に産み落とす、その瞬間しか採れない貴重なもの。二つあるから、一つやりますよ。」
 掌で転がしてみる。見た目は普通の宝貝と変わらない。それでも、なんだろう。不思議な感じがする。

  「しかたねーですね。男の趣味悪過ぎと思うけど、手伝ってやるです。それは、あいつが治療薬を作る為に探している物の一つ。もう一つ、これを貸してやります。最後の仕上げは、これでやらないと意味がないのです。お前だから、貸してやるのです。」
 そう言って、彼女は金庫の中から取り出した、古そうな箱を開けて、見せてくれた。包まれた和紙の隙間から、キラキラと5色の光が漏れている。

 「これが、サンズちゃんの嫁入り道具。仏様が使ったという石の御鉢です。」



 『魔女ドラルク。サンズちゃんは、自分で言うのも何ですが、優秀なくノ一です。』

 ああ、バレたか。おっちょこちょいだと、高を括ってたのにロナルド王子を守る為に、合間合間で駆け回っていたのだろう。
 特に、女性は急に成長し、強くなるものらしい。
 陸から帰ってきてからのヒナイチ姫を見て、つくづく思う。
 『この計画に参加してから、サンズちゃんはイナ海国と深海を行き来する様になりました。聞けば聞く程、お前は不穏な噂が絶えないので、色々調べさせて貰ったですよ。お前の今までやって来た事と、手に入れようとしている物を、をです。』
 そう、じゃあ私にそれを貸しておくれ。あと、もう少しなのだよ。
 契約さえ完遂すれば、お姫様を娶れるのだ。あの子の隣にいたい、生きていたい。
 その為には、貴女の持っている石の鉢が必要なのだ。
 『お断りします。お前がやらかしてきた事は、理解できません。だから、貸さねーです。』
 そう言って、サンズ姫は身構える。私が、無理矢理でも奪うと思ったのだろうね。でも
 『諦めるんですか?自分の命が、かかってるんですよ?』
 貴女は、ロナルド王子の大事な奥さんだもの。お姫様の友人だもの。
 何故だろうね、ロナルド王子とヒナイチ姫だけは、利用し尽くす気になれなくて。
 『アテは、あるんですか?あれがなければ、作れませんよ?』
 ダメならダメで、最後まで足掻くつもりだとも。
 少なくとも、契約完遂までは生きるつもり僅かな間でも、命をかけてでも欲しい女性の夫でいられたなら、多少の諦めもつくだろう。

 『サンズ姫、ドラルク?まだ、話は終わらないのか?』
 怪訝そうなロナルド王子の後ろには、迎えに来たシャチが旋回していた。もう、そんなに経っていたらしい。
 『にゃ!?すすす、すみません!もう、戻ります!』
 恋する乙女とは、よく言ったものだ。さっきまでの、『優秀なくノ一』は、惚れた男の前で、ただの『ポンコツくノ一』に戻ってしまう。
 『んで何の話をしてたんだ?』
 『おお、怖い怖い。君が邪推する様な、内容ではないよ。』
 『うっ、うるせー!じゃあ、帰るからな。次回は、お前達が陸に来いよ!』
 シャチに跨がったロナルド王子は、サンズ姫に手を貸して、背中に引き上げる。シャチが尾鰭を一振すると、その姿は、あっという間に闇に溶けて見えなくなった。

 次回か人魚の肉を節約して飲む様になって、何日経ったのだろう。
 そろそろ、珊瑚礁に行くのも辛くなってきた。
 これでは、私自身が蓬莱島に行くなんて、夢のまた夢サンズ姫から石の御鉢も借りれない。
 今から、他の方法を



 「ヌヌヌヌヌヌ?」
 「魔女。今、戻ったぞ。苦しいのか?」
 長年連れ添った使い魔と、意中の少女の声に、意識が浮上する。調剤室の椅子に凭れて、夢を見ていたらしい。
 あの時、サンズ姫と話し合った時の夢を。
 「アハハはぁはぁ大丈夫。少し休んでいただけだとも。はぁおかえりなさい、お姫様。今、クッキーを。」
 慣れた胸の痛みは我慢出来るが、見たかった貴女の姿が、霞んでいるのが辛い。
 さすがに、もう限界か。
 引き出しから、残り少ない薬を取り出して飲み下す。ため息をつくと、ヒナイチ姫の持っている物に、視線を戻した。

 あれ?それは

 「魔女、もう少し我慢してくれ。これ、貸してくれたんだ。私の大切な親友が、な。」



 『僅かな間でも、命をかけてでも欲しい女性の夫でいられたなら、多少の諦めもつくだろう。』

 この言葉は、あの魔女の本音なのでしょうか。調べれば調べる程、あの男の周りは、薄暗い噂が付き纏います。それに、サンズちゃんだって、伊達に各国に派遣され、経験を積んできたくノ一ではありませんよ。
 だから、初めて会った時こいつは、真っ当な奴じゃねー、と思ったのです。
 でも、ロナルド王子は、彼を全く警戒する必要はないと言います。

 『なんつーか。あいつとは、腐れ縁って奴なんですがね。拘りだすと、周りが見えねえバカなんで、放っておけねえって感じで。』
 あの人は、お優しい方だからだから、危険な奴だって証拠を集めて、サンズちゃんが守ってあげないと。

 『サンズ。魔女はな、何でも知ってて、一緒にいて楽しいだろ?何より、あいつが作るものは、何でも美味しいんだ。』
 こいつは、もう手遅れですね。ってか、男の趣味悪すぎだろーよ。そうツッコんでも、ヒナイチは困った様に笑うだけです。ただ
 『魔女が、今までやってきた事?まぁ察してない訳じゃないが。』
 自分とジョンには優しい、それで充分だと言いやがります。付ける薬がありません。でも。
 『サンズ!親友っていいよな?大好きだぞ!』
 勝手に懐かれて、親友認定されて迷惑な奴です。でも、あいつが泣く姿は見たくない気がするのです。
 
 「サンズちゃんは、間違ってないはずです。あいつが死んだら、ヒナイチが悲しみます。」
 石の御鉢が入っていた、空っぽの金庫を撫でます。大丈夫なはずです。
 ヒナイチは魔女にゾッコンですが、魔女とは同じにはなりません。むしろ、魔女の方がヒナイチに影響されているじゃねーですか。
 だから、あれを貸してよかったのです。魔女は、ヒナイチの為に足を洗うと言っていたのだから
 
 「サンズ姫?どうかしたんスか?」
 「にゃっ!?」
 急に声をかけられて、飛び上がります。そうです、ロナルド王子にもお知らせしなければ
 『腐れ縁』と言っていますがロナルド王子が魔女に向ける視線は、サンズちゃんが妬いてしまう程、『気の置けない間柄』の相手に向けたものです。
 今まで自分が提供していたサンプルが、悪事に使われていたかもしれないと伝えるのは、忍びなくてでも、両方の世界の者達が行き来すれば、遅かれ早かれ分かるはずです。だから、ここで伝えてしまいましょう。
 
 「ロナルド王子あの。」
 「何スか?」
 それに、大丈夫なはずです。
 ロナルド王子は、ほんとうに、ほんと~に!お優しい方なんです。 
 「なんか、あの面だから、納得しかしねえけど。調べてくれて、ありがとうございます。サンズ姫も忙しかったのに。大変だったでしょ?近々、俺もあのバカと、ちゃんと話をしてみますよ。」

 だって、サンズちゃんが本気で好きになった人ですから。
 その気持ちは、ヒナイチが魔女に向ける想いに負けねー自信だって、ありますから。
  


投稿にいいねする


© 2026 Privatter All Rights Reserved.