「むかしむかし…」に当たる部分。
@SpaceIsVast16
今は昔、地上はニンゲンとモンスターが支配していた。
モンスターはニンゲンにあまり干渉せず、独自の国を作って平和に暮らしていた。
ニンゲンとは上手く付き合えていると思っていた、いや、間違いなくそのはずだったのである。
その当時、ニンゲンはすこぶる科学力が高く、人工的に生命体を造れるほどであった。
労働力が足りないのであれば造り出せば良かったのだ。
ニンゲンにとって、モンスターは「共存していた」のではなく「そこにいただけだった」という訳だ。
そんな歪な「共同生活」が幾年も続くと、ニンゲン側にとある問題が出た。
人工生命体を造りだした影響、土地の不足である。
ニンゲンの考えは年月を経るごとにこうなっていった。
「足りないなら造る、造れなければ奪う」と。
矛先が向いたのは、モンスター達であった。理由は単純、「いなくても困らなかったから」である。
そうと決めた時のニンゲンの行動は早かった。モンスターの国に奇襲をかけ、蹂躙した。
こういうものは「戦争」と言うのだろうが、その様子はあまりに一方的なものであった。抵抗する者も中にはいたが、多くのモンスターは訳も分からず走り出した、というよりも追い込まれたという方が正しいだろうか。
苦肉の策で、生き延びたモンスターは地下に逃げ込んだ。それを見たニンゲン達は、追い打ちをかけるようにバリアを張ったのだ。
それからまた年月を経て-
20XX年 イビト山
ここに登ったニンゲンは二度と帰ってこれないという伝説が流れた。
そんな最中、ある痩せこけたニンゲンが、そこにある大穴に落とされた。
-地上に残された記録より