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FellApart-22 「自分勝手」

全体公開 FellApart 7932文字
2024-06-18 20:27:17

「何あいつ!Boogie知り合いなの!?」
「知らないっテ!こんなヤバいの、僕知らなイ!」

「先輩」と叫んでいるならこの中の誰かが知り合いなはず、それに、Boogieの方を見つめているのなら一番可能性が高いのはBoogie。

それでも知らないというのなら、このモンスターは一体何なんだ?

もしかして、ハカセの所で改造されてた奴か?」

Kidが一言そう呟くと「そうよ」と奇妙な不協和音が返ってきた。

機械仕掛けのモンスターは大概Papyrusが関わっているのだろう。しかし、考える時間がやけに長い。

「あ!お前『先輩を探してる』って来てた奴!確か、元々飛行機だった!」
「ピンポーン!ふんっ、あなたにしては上出来ね!」

なるほど時間がかかる訳だ。

あの姿に飛行機の面影などほとんど無い。地にキャタピラはつけているし、四本腕まで装備されている。正直顔の輪郭を見てギリギリ納得出来ないレベルだ。

「先輩探すだけでそんな機能つけないわよ!?」
「それよりも何でBoogieが先輩なのか意味分からないんだけど!説明してよ!」

それは頬に手を添え、もじもじしながら答えた。

「だ、だって!そのカッコいいお顔、ムキムキのたくましい腕、無機質な人工物の身体!どう見たって私にピッタリ、運命のモンスターに決まってるじゃないっ!言わせないでよ恥ずかしい!」

キャー!と後ろに付けてしまうその姿はベタベタな乙女だが、勘違いも良いところだ。本当のBoogieは小さくて可愛い造花のモンスター。こんな怖いのに渡したら泣くだけじゃ済まないだろう。

見上げればかちかちと歯を鳴らして震えている。ここまで大量の、狂気に満ちた好意なんて浴びる機会は普通に生きていたらまず無い。ましてや初対面の人から向けられるなんて。

最初のTorielにも似たようなものがあったように思えたが、今、彼女は僕を僕として見てくれている。現に彼女の記憶の中にいる思い出の人と、ここに生きている僕を区別出来ている。微笑むTorielを見ていると素敵な人だって分かる。

あいつはおかしい。

その事を思い切り伝えてやろうと息巻いた刹那、野生じみた雄叫びが聞こえた。

「その条件に当てはまるのは俺だろ!いや腕ってより足だけど!人工物の身体と言ってもサイボーグだけどぉ!!!」

地団駄を踏んで喚くその姿はテレビスターの欠片も無い。撮れ高を取るか、彼が持つカメラの電源を落として面子を保つかで躊躇っていると、冷静な声。

「だってあなたちんちくりんじゃない。」

とどめの一撃だ。動きが止まり、青筋がびきびきと額に浮かび、目は吊り上がっている。外カメラで心底良かったと思うくらいに。

「売られた喧嘩なら買ってやるよ。」
「あら、そんなつもりは無かったの!ごめんなさいね?」

不気味で優しいその声の主の目は、一つも笑っていなかった。

「そういう訳で、先輩以外には消えてもらうから!」

ふふっと笑うと、狙い澄ました弾丸が僕の右腕を掠めた。

え?」
「うーん、私の腕も落ちたみたいね。今ので右腕吹っ飛ばせてたはずなんだけど。」

左腕についた銃をまじまじと見つめてそれはため息を吐く。 獲物を逃したスナイパーのように。

銃の腕がコードのように引っ込むと、また別の腕が出てきた。

「やっぱり、当たりやすい方が良いのかな?」

ジジジ、という音が聞こえる。

瞬間強い光と熱が放たれた。

爆弾だった。

凄まじい爆炸の音が聞こえ、辺り一帯は硝煙に包まれる。

「これならイチコロかな〜♪」

「げほっ、ごほっあれ、僕たち。」
「-危ないナ。僕のワイヤー少し溶けちゃっタ。」

目の前にあったのは配線の入り組んだ腕だった。僕たちが生きているのはBoogieが熱風をシャットアウトしてくれたからのようだ。

「ありがとっ、っ?」
「Gorey?」

何やら僕の腕がいやに痛い。腕まくりしようとしてみると更に擦れて痛い。それでも見てみると、両腕に火傷があった。

どうして-

-そういえば、あの時。

Boogieのタマシイと初めて分離したあの時、その前よりいくらか軽くなったような気がした。人一人分の疲れが取れたみたいに。

もしかすると、タマシイを共有していると感覚はもちろんダメージまで共有してしまうのかもしれない。

体力を確認してみると、14/20になっていた。

「Boogie、君がダメージを受けると僕までダメージ受けるみたい。」
「エ、それじゃこの状況。」

僕ら三人に焦燥感が走る。対して向こうはるんるんになった。

火炎放射器を携えたアイツは尻尾のコードを抜けば良かった。でも、このモンスターにはそれらしい物は見当たらない。あったところであの巨体-。

どうしたら良い、どうしたら-。

-ぷちん。

-撮れ高なんて今は考えるな。

この広い空間にしてはあまりにも響かない音と声が隣から聞こえた。

「おい、Hiphop Boogie。顔の電源落とせるか。」
「え、あ、出来るけド。何も見えなくなル。」

僕もそうだと伝えると、ニコッと笑って「大丈夫だ」って言った。

「俺も喧嘩売られたし、それに、さ。」

そこまで言うと、上手く言葉が出なかったのか黙りこくってしまった。

「痛かったよな、二人とも。ちょっとアイツの脳天かち割ってくるからな。危ないからじっとしといてくれよ。」

ぽすっと頭に手を置かれた感覚がすると、怒気のこもった声を置いて突風が僕たちに吹いた。

赤い光の軌道だけが僕たちには見える。

何が何やらと思っていると、とてつもなく鈍い音が響いた。

そして、重い何かが地面に伏せるような音。

「うっし、もう良いぞ!電気点けなー。」

Boogieが明かりを点けると、ニコニコ笑うKidの後ろでアイツが横たわっていた。

僕たちは顔を見合わせてぽかんとしていた。何も見えない中でこんな事をやってのけるなんて-。

「この子、相当強いわね。」
「あー、そうだ。包帯とか持ってきとけば良かったな。火傷痛いだろ?」
「あ、そこは気にしないで大丈夫だよ。」

* モンスターあめをつかった!
* HPが10かいふくした!

「それで、治るのか?」
「うん!ほら、見てみて!」

恐る恐る腕を見た彼は、綺麗さっぱり治っているのを見て驚いていた。

「お、僕の腕も治ったみたイ。」
「久しぶりにアイテム使ったわねー。」
「あ、まぁ、うん!それとKid、ありがとう!」
うん。」

-ごめんな、良い顔しようとして。

俺はアイツと同じなんだ。

フライパンを見て、自分がしようとしている事を思い知った。

俺は勝手な都合で非力で心優しい君たちを傷つける、どうしようもなく悪いモンスターなんだ。

ハカセがパズルで君のタマシイを奪う時、きっとほっとしてしまう薄情なモンスターだから。

だから、そんな目で見ないで。

大事な弟を放った挙句に、彼によく似た君で罪滅ぼしをしようとする俺を、そんな君たちを傷つけようとする俺を-。

どうしたノ。」
「あ、あぁ!少し疲れただけ、気にすんな!」

表情を曇らせた彼の背後に、あの光があった。

少し深呼吸させてとその光の元へ向かい、触れる。

-案の定あの音が鳴った。

この光自体は大して怖くないが、この音はどこから来てるのだろうか?

「ほーラ、行くヨ。」

ぐい、ぐいと大きな指が僕の服を引っ張る。どうやらまた僕は硬直していたらしい。

「怖がらせてごめんね?」
「なっ、怖がってないシ!声かけても返事しないから心配しただけだシ!」
「もー、照れなくても大丈夫よ?」

Boogieが怒りながら指で僕たちをつんつんしているその姿を、彼は遠巻きに、困ったような笑顔で見ていた。

「あ、ごめん!さっきからずっと待たせてばかりだね。」

駆け寄り、Kidの手を繋ごうと触れる。

その手は一瞬驚き、少し閉じて、力無くだらんと落ちた。

それでも繋ごうとまた手のひらに乗せると、観念したように僕の手を握った。

歩みを進めると、またもや聞き慣れない音が聞こえてくる。

じ、じじっ、

角から顔とカメラを覗かせた時に見えたのはチカチカと目に優しくない、青とオレンジの光の線が走る長い道。

調子が悪いのか点いたり消えたりを短い間に何度も繰り返している。どうやらこれが音の原因だったようだ。

それが見えた瞬間サッとカメラを下げた。Kidは険しい顔をしてむむと苦い声を出した。

「これはまずいな。」
「そんなにこの光線って当たるとまずいのかしら。」

「視聴者がこれを見て体調悪くなったら申し訳が立たない!テレビの前の皆んながげーげー吐いちゃったら食欲減退、お掃除派遣にお薬提供、大変だぞ!」
「わぁ、凄く手厚い補償。」

わあわあと喚くように、でも子どもを諭すようなその話し方は、確かに出来たお兄ちゃんとテレビスターが同居している感じがする。

しかしこれでは僕らも通るのは難しい。さてどうするか、と悩んでいると少し低い声が聞こえてきた。

「僕電気を操れるシ、頑張ってみようカ。」
「え、そんな事も出来るのBoogie。」
「任せてヨ、このHiphop Boogie様に出来ないことはあんまり無いからサ。」

ふふんと自信ありげに単身レーザーの方へ出向いて少しすると、お呼びが掛かった。

見るとレーザー光線の機能が止まっていた。いや、まぁ確かに僕らにとっては好都合だけど-。

そんな気持ちを感じ取ったのか、見てロと言う。

目を凝らすと元の機械にBoogieから配線が伸びている。光線がどうなるかを見ていると、

じじじ、ぱっ。

見ていて気分が悪くならない、でも通るのにドキドキしそうなちょうど良い間隔で起動するようになっていた。

「どーヨ、これくらいなら視聴者も大丈夫じゃなイ?」
「すげー!ありがとな!でも君が目を開けてたら接待プレイになりそうだから、俺たちが通ってる間は目を瞑ってもらえると嬉しいな。」
「それもそっカ、よし、行くヨ。」

カメラを構え、スタートの掛け声で僕らはレーザー光線が走る道に一歩踏み出す。

頭上の機械ばかり気にしていると前に進めない、時には覚悟を決めて前だけを見るのも大事だ。

じじじ、

不意に来た光の点滅。

その時心が焦って距離を稼ごうと足を早めてしまった。

「Gorey、危ない!」

目の前の光景がスローになる。青い光が機械から出てくる瞬間さえ見えた。動いちゃダメって色だけど-。

心臓がバクバクと高鳴る。

その時、首根っこを掴まれて目と鼻の先にレーザーがある所でとどまれた。

「大丈夫か?急がば回れ、焦りは禁物、落ち着くのが大事だぜ。」

Kidがニコリと笑うと、胸のざわめきも少し治った。

その言葉の通り、一歩一歩確実に、光の点滅の色をしっかり認識しながら道の終わりまで足を進めた。

「よし、ゴールだ!Boogieも目開けていいぞ!」
「怪我はさせない程度に調整したけド、大丈夫だっタ?」
「俺は、な。Asgoreがちょっとギリギリだったけど。」

二人が談笑している姿を、Torielは難しい顔をして見ていた。

「Toriel、どうかした?」
「このテレビの目的って、Goreyのタマシイを奪うことなんでしょう?それにしてはずっと。」
ここから先、どうなるんだろうね。」

僕も心配なんだ。この展開の行く末、そこで誰が幸せになるのか。

どの道誰かが悲しむことになるんじゃないかって。

少しだけ右手が震えた。

静かにはぁ、と一息吐いて顔を上げれば如何にも先に何かがありそうなドアが待っていた。

しかし自動ではないらしい。目の前に立っても開かないし、Boogieがこじ開けようとすると「まぁ待て待て」とKidが静止した。

「おっと、右にも左にも通路が続いてるな!」
「おー、とてもわざとらしい言葉づかイ。」
「Asgore、どっちに行こうか?」

こういう時は左が正解って聞いたことがある。左にしよう。

ぴっと左を指差すと、じゃあそっちにしようと皆んな向かった。

行く先には女の人が二人、体育座りで縮こまっていた。僕らを見ると体を跳ねさせた。スケボーを持っている人と、淡い光を放ってる炎の人。

「なぁんだ、Kidか〜。」

テレビスターを前にした反応にしてはやけに薄い反応である。理由を聞くと「ファンサ良すぎて結構そこら辺を出歩いてるから」らしい。

「つまり俺は国民的スターってこと!んで、どうしてこんな所でじっとしてんだ?」
「肝試しに来たらさ〜、聞いてた話と違ったんだよね〜。」
「それって、どういう事?」
「テレビの子〜。あ〜、ここって廃墟じゃん?パズルなんてとっくに壊れてるはずなのにさ〜、滅茶苦茶動いてるんだよね〜。」

なるほど、恐らくPapyrusの仕業だろう。こういったパズルのシステムだけを直したのか。

「ところデ、こんな暗い中どうやってここまデ。」
「あ、私です。」

炎の人が手を挙げた。確かにこの人に着いていけば照らされた道を歩ける。

「世界の終わりの時くらい好きなことしない?ってあの子に言われて、とびきり怖いここに来たんです。でも、先に進めないし、帰ります。」
「賛成〜、パズル面倒だし〜。じゃね〜。」

よっこらせと立ち上がると手をひらひらと振って帰っていった。

そんなに難しいパズルなのか。二人が座っていた近くの部屋に入ると車のようなドット絵が枠外に1、内に複数あるパズルが現れた。レバーとボタンだけがあるシンプルな操作だ。

ボタンを押してみる。すると枠外の車が音を立てて発進、がしゃんとぶつかっておじゃんになった。何とも虚しいが、別のボタンを押すと車は復活した。

適当にレバーを操作していると、枠内の複数の車が動き出す。でも枠外の車は微動だにしない。

「これ、車を通す一本道を作るパズルみたいだヨ。」
「そんな事言われても。」

ゲームなんて今までやった覚えが無い、レバーをがちゃがちゃと動かしてみると、視界の右に、ぽっと何か現れた。

「この状態から、右2、上1、左1の順番でレバーを動かしてみてねッ!」

頭を傾げながらもその指示通りにレバーを動かしてみると、本当に一本道が出来上がった。

発進ボタンを押すと見事にパズルをクリアした。

「やったー!」
「Goreyおめでとうー!」
ハカセらしいな。」

この調子で右のパズルもやろう、通路をとてとて走り抜ける。

「何だか歩くの遅いネ。」
「え?あー、そんな事ないさ。気のせい気のせい!」

右のパズルは先ほどよりも車の台数も少なく、小手調べといった様子であった。こっちを先にしとけば良かったな。

レバーを数回操作すると、すぐクリア出来てしまった。

「ねえ、Gorey。思いついたこと言っていいかしら?」
「いいよ、なぁに?」
「このパズル、まるで-」
「「チュー『トリエル』!」」

くすくすと笑う僕たち、何だか少し懐かしい。

不思議な顔をしたKidが僕の顔を覗き込んできたのは顔を覆いたくなったけれど。

ドアの方は既に明かりがついている。

「何があるんだろう。」

物々しい音を立てて、その扉は開いた。

-一言で言うと、その先は真っ暗闇だった。

Boogieの明かりでさえ心許ないくらいに、あまりに暗い。

「どこをどうやったらこんな部屋に出来るんだヨ。」

-あぁ、やっと来たんだな。

静かにその一言が反響した。

同時にライトが点くと、コック帽と「THE GREAT PAPYRUS」という刺繍の入ったエプロンを着たPapyrusが待ち構えていた。

その背後の棚には調味料と調理器具が仕舞われていた。何をやるかは大抵想像がつく、しかしこれは一体

表情の起伏の薄い顔、それに対して気合の入ったセットと格好がどうにもアンバランスな印象を与える。

「おぉー?こ、これはパズル、なのか?」

カメラを構えたKidもこれには当惑、コメントに困っているみたいだ。

「Kidにしては随分と遅い到着だね。俺様パズルの整備あらかた終わらせちゃったぞ。」
「やっぱハカセやる事テキパキやっちゃうんだなー、凄いな!じゃ、なくて、パズルの内容はどんな感じか皆んなに説明頼むぜ!」

任せてと返事をした彼が言った言葉、それは-。

「これから、ワクワクドキドキのキラーキッチンはーじーめーるよー。」
「え?」
「えー、今回作るのはこちら、Kidブランドから出てるスパゲッティで-。」
「ちょ、ちょっと待ってくれないかな?」

良いところなのにと溢す彼に説明を求めると、「これが貴様のタマシイを奪うパズル・第一関門だ」の一点張り。大真面目なトーンのせいでますます意味が分からない。

「テレビに出演しているというのに気持ちが成っていないぞ、まったくもう。そうだ、これを着れば少しは気持ちが入るかも。」

がさごそと手を動かすと、そこにあったのはエプロンとよだれかけ。エプロンのサイズ感は僕用なんだけれど、彼が持つとやけに小さく錯覚する。

「エプロンは貴様が着るんだ。手作りだからサイズ合ってるか分からないけど。よだれかけは、何か随分でっかくなっちゃったね。」
「僕は良いヨ、赤ちゃんじゃないシ。」
「そうか。」

しげしげとそれを見つめると、それは彼の首元に行き場を確保した。BoogieとTorielは吹き出した。

これでよし、とやはりシリアスに言う彼を見ていると、気持ちが入るどころか寧ろ気が散ってしまう。

着替えながらこれはパズルだ、僕は殺されるんだと自己暗示して何とかカメラの方を向くとKidの方も結構限界らしい、顔を逸らすしか出来ないみたいだ。

着替え終わると、彼は「じゃあ、アシスタントさん」と左方向を指差した。

「あっちの方にトマトソースがあるから取ってきてください。」
「急に敬語。」
「当たり前でしょ、お願いする時はへりくだるものだ。」

相変わらずの微妙な人の良さを感じつつ、やたらと離れた場所にあるトマトソースを取りに向かう。

すると-

ごうんごうんと音を立てて、トマトソースが乗る台座が上に上に伸び始めた。

「えっ!?」
「ここからが本番だぞ、覚悟するんだ侵入者。」

シェフ姿のままジェットを背負ったPapyrusが僕を見下ろす。

「でも、僕空飛べないんだけど。」
「そこは安心して。携帯電話の1ボタンを押してみるんだ。」

携帯電話が何になるのか、疑いの気持ちでぽちりと押す。

がしゃん、がしゃん!

なんとジェットに変形し、僕の背中に自動的にくっついた。

驚きの声を漏らすと、「最近の技術って凄いのね」と彼女もまた目を丸くしていた。

「ハカセすげー!でも、俺にはジェット無いんだよな。」
「じゃあ、僕の手のひらに乗っていこうカ。」
「良いのか?じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな!」

空を飛ぶ高揚感と殺されるかも知れない緊張感の中、料理番組は早々にクライマックスを迎えるようだ。

「撮影準備は良さそうだな。それじゃ、行くぞ。」


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