@PdeT_TL
・新大陸
きっかけは、浜辺に流れついた一通のボトルメールである。
それは海の向こうに誰も見たことがない未知の大陸があることを示し、その場所はあらゆる幻想生物のいる妖精郷と形容されていた。
誰かの悪戯かはたまた錯乱した遭難者の戯言か。
手紙の内容を確かめるため国は何度か船を送り、ついにその実在を確かめて戻ってきた。
しかし在るということがはっきりしただけで、そこは未だ未知の領域である。
・候補生
今までは国が兵士や研究者を指名して派遣団を編成し、新大陸に送り込んでいた。
今回は、適性があれば身分や国籍を問わず、参加することができる。
映えある第一回候補生はトゥアザ島に集められる。
新大陸への興味も相待って、その噂は国内外で耳にすることができるだろう。
申し込みをすれば誰でも参加できるが、簡単な荷物検査と面接、身体検査がある。
健康状態や危険人物でないことなどが確認される。
トゥアザ島では、一ヶ月を掛けて派遣団になるために必要な知識や技術を身につけることになる。
共同生活を通して適正ありと判断されたものが、派遣団の一員となる。
そのままトゥアザ島で半年程、本格的な体力づくりと訓練ののち、出航する。
・トゥアザ島
元々、無人島だった場所。
新大陸発見以降、港として整備され、派遣団が帰還したあと関連施設が整備された。
手付かずの自然はサバイバル訓練にそのまま利用され、所々に緊急避難用の山小屋が設置されている。
施設の大半は、外洋側に面しているため本土からはいくつかの監視砦しか見えない。
・ミースの街
本土とトゥアザ島を繋ぐ港がある街。
元々、辺境の保養地でしかなかったが、新大陸発見以降急速に開発された。
海岸線は浜辺が続くため、大型船が停泊できず小型の船でトゥアザ島の港まで移動することになる。
温かく乾燥した海沿いの街で、魚介類が美味しい他、街並みが美しい。
・宿舎
トゥアザ島の候補生が一ヶ月を過ごす場所。
二人部屋と四人部屋がある。
設備を破壊しない範囲でアレンジは自由。寝具は船を想定してハンモックのみ。
座学のために机と椅子、紙とペンに加えてランプは用意されている。
ルームメイトは必須ではありません。
こちらの設定は任意の交流フックとしてご利用ください。
NPC紹介
コウ・ワクナイ 得意分野:体力
指導官の一人で、主に野外活動訓練を担当している。
初の候補生受け入れの責任者でもあり使命感に燃えている。
融通が効かないとも真面目とも言える。
意外と、怖くない。
スゴック・シャッキンガール 得意分野:体力
候補生の一人で、経験豊富な冒険者。
余生を平穏に過ごすより、心躍る大冒険に身を投じていたい。
無鉄砲とも勇敢とも言える。
すごく、借金があるらしい。
タイジョー・ジョバンニ 得意分野:調査
候補生の一人で、野心家の新聞記者。
噂の真偽を確かめ、ついでに億万長者になりたい。
ずる賢いとも機転が利くとも言える。
モノ・ワスレオイ 得意分野:医術
候補生の一人で、物憂げな薬草医。
ぼんやりしているが腕は確かで、調薬を失敗したことは一度もない。
鈍感とも安定しているとも言える。
物忘れが多い。
街で聞こえる噂話
⚫︎壮年の冒険者/憧憬
新大陸は妖精郷と呼ばれている。
あらゆる幻想生物がいる。
調査は国が主導である。
「よう、あんた。あんただよ。残念だったな、他に空いてる席はないぜ。諦めてここに座りな。ご同輩かと思ったんだが、勘が外れたか? どちらでもいいけどな、一杯奢っちゃくれないか。最近金回りが悪くてね」
「金回りが悪いのに、どうしてこんな僻地にいるのかって? おいおい嘘だろ、本当に妖精郷のことを知らずにきたのか」
「新大陸のことだよ。そこにはあらゆる幻想生物がいる。不死の妙薬すらあるってな。ついた渾名が妖精郷だ。馬鹿らしいと思うか? だが少なくとも国の連中は本気だぜ」
「次の派遣団はようやく民間人も加わることができる。前の連中の帰還から三年、ようやく妖精郷の霧が剥がれるってわけだ」
「この世で最後の未踏の地。この世で最後の大冒険だ! 胸が躍るじゃねぇか」
⚫︎野心家の記者/名声
新大陸に関するものはトゥアザ島に集約されている。
情報でも物でも、かなり高値で取引される。
魔法のような新薬がある。
「あんた新大陸について何か知らないか? チッ使えねぇ。隠してるんじゃないだろうな」
「俺がおとぎ話に胸を躍らせるタイプに見えるか? 記事にするんだよ。何年経っても流れてくる情報は眉唾の噂ばかりだ。妖精郷の真実をすっぱ抜けば、メディア界に名を残す英雄だ。そうでなくても妖精郷の珍しい品が一つあるだけで、一生遊んでお釣りが来るだけの金になるぜ。幻想生物なんていかにも金持ちが好みそうだろ」
「やはり現地に行くしかないのか。命懸けだがそれをするだけの価値アリだ」
「いや、新大陸に行けなくてもトゥアザの研究施設にある資料だけでもかなり……、せめて魔法みたいな新薬ってやつ情報だけでも持って帰ることができれば……」
⚫︎若き研究者/探究
知識階級は妖精郷に懐疑的。
ボトルメールには妖精のミイラが入っていた。
新大陸に関することは秘匿されている。
「じゃじゃ〜ん!! 見てくれ、なんと私も新大陸の調査に加われるらしい。どうだ羨ましいだろ」
「え? いや、まぁ確かに、私だって信じちゃいないよ。妖精郷なんて、流石に夢を見すぎた。大方新天地に興奮してドラマチックな表現を使っただけか、飢えて錯乱状態にあったか、見覚えのない生物に驚いただけだったんだろう」
「でも新しい大陸だよ! 未知の環境に育まれた新種の生物! 新しい植生! 全ての学名に私の名前がつくのを、そこで指を加えて見ていたまえ!」
「それに、特別に見せてもらったんだ。ボトルメールに入っていた妖精のミイラってやつ。脆くなっているから瓶から取り出せないとかで、触らせてはもらえなかったんだけどね。あ、絶対に情報は漏らすなって言われてるから、私が話したことは秘密ね」
「仮に嘘でもその思惑は面白いだろ? 学者の出番だよ。真偽の程は自分の目で確かめてくるさ」
⚫︎生真面目な兵士/義務
新大陸は戦の火種となりうる。
国は情報統制を行なっている。
海岸線とトゥアザ島は監視下にある。
「ご安心ください。今回の任務の重要性は理解しております」
「新大陸の存在は、戦さの火種となりうる。放置して他の国に取られるわけにはいかないが、領土拡大を他国が黙って見ているわけもない。地政学的にもトゥアザ島の重要性は、大きく上がっている」
「既に海岸線の守りと監視は強化しております。新大陸の存在と価値が曖昧なうちに確かな情報を得て、統治の基盤と政治的根回しをしなければなりません。情報統制も必要でしょう」
「全てお任せください。人々の平穏と繁栄のため、必ず新大陸への足掛かりを作って参ります」
⚫︎朗らかな料理人/歓迎
トゥアザ島内部は自給自足できる環境
本土とは二週間に一度しか往復できない。
「こんにちは! あー! 助かります。急な依頼でごめんなさい。間に合って良かったぁ」
「そうなんです、すごい量でしょう? なんでも候補生の受け入れというのをするみたいなんです。基本は自給自足で事足りるんですけど、流石に足りなくて。なんせ、二週間に一回しか本土に戻れないでしょう? 直前になったら、候補生の人たちが船を使うから、今から用意しないと間に合わなくて」
「宿舎の厨房はなんと僕に任せてもらえることになったんです。すごいでしょう。大出世です」
「給料? いや、そっちは据え置きなんですけど、全部を僕のレシピで作っていいんですよ。いやぁ腕がなるなぁ」
⚫︎口うるさい薬草医/使命
航海環境は劣悪。
命の危険がある。
生還しても戻ってこない……?
「今まで世話になったな。もし私物が見つかっても適当に処分しておいてくれ」
「……何? 言ったろう、戻ってこないと。冗談だと思っていたのか。引き継ぎは大丈夫なのか本当に」
「派遣団の結果をみたらわかるだろう。新大陸なんて実在するかも疑わしい。そもそも船旅に危険が多いんだ。病や火事、ストレスからくる喧嘩。当初の日程から三倍近い日数海を彷徨って、飢えと渇きに苦しんだ例もある」
「死を覚悟していくべき旅だ。だから私もそうするというだけのこと」
「それを少しでもマシにするために、私がいくのだがな。人命を救うのは医者の務めだ」
「それに生きて戻っても、報告書だの研究だがある。二度と帰らない旅であることに、変わりはないぞ」