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永遠の愛は、皆で分けよう。

全体公開 ジョンのお話 2364文字
2024-08-02 17:38:49

ジョンの日に参加させて頂いた、ホワイトデーのお話です。3月14日と言えば、日本ではホワイトデーですが、アメリカでは3.14=πの日、とかけてアップルパイを食べるそうです。
アップルパイには、『永遠の愛』という意味合いがあるそうでして、ドラルクさんがジョンを置いていく直前に、作ろうとしていたのと関係しているのかなぁと思って書きました。
さらに15年後のホワイトデーに、ドラヒナ、ロナサン夫妻との間の子供達とのやり取りを追加しました。
二人の子供達の捏造設定は以下の通り

リカルド:ロナルドくんとサンズちゃんの間に生まれた息子。ミナとは、数か月遅れて生まれた。事務所で、二人姉弟同然に育ったので仲良し。見た目は、ピンクがかった銀髪に、母親譲りのキラキラお目目と口元。両親の身体能力を受け継いで、体育が得意。
ミナ:ドラルクさんとヒナイチくんとの間に生まれた娘。見た目が曾祖母に瓜二つな為、ご真祖様が「おかえり、ミナ。」と呼びかけた事から決まった。父親譲りの虚弱体質だった為、ダンピールでは長生きしない可能性を示唆され、すぐに転化させた。父親と揃ってよく死んでいるが、すぐ復活する。母親譲りのお転婆で、父親譲りの頭脳の良さを持つ。
2024/03/14に上げました。

Posted by @kw42431393

 「あれ?ジョン、これがいいのかい?」
 「ヌン!!」
 「明日は何を食べてもカロリー0にしてあげるから、もっと凝ったものでもいいのだよ?」 

  ううん、これがいいヌ。

  そう言って、ヌンは、ドラルク様にリンゴを指差したヌ。
  駕籠の中に、いっぱいいっぱい、詰め込むヌ。
 「これこれどれだけ、アップルパイが食べたいの?」
  他にも作ってあげるのにそう言う貴方に、頬を膨らませてみせるヌよ。

 覚えてるヌ?
 ドラルク様が、ヌンを置いて行ってしまう直前に、作ってくれる予定だったのは、アップルパイ。
 そして、長いなが~い旅の果て、ルーマニアのお城に辿り着いた時に焼いてくれたのも、アップルパイ。
 ヌン、この前テレビ特集で見たヌよ。アップルパイって、『永遠の愛』って、意味があるヌって。
 だから、明日のホワイトデー特別クソデカアップルパイを、焼いて欲しいヌ。
 そして、皆で分けて食べたいヌ。
 今まで、ドラルク様とヌンは『永遠』ヌからヌンも独占欲が、強いつもりヌけど。
 ドラウス様やミラ様に羨ましがられるぐらい、ず~っと、ドラルク様の一番を独り占めしてきたヌからね。

 ヌンが独り占めしてきたものを、分けてあげてもいいって思うぐらい大事な二人と、お腹いっぱい食べたいヌ。

 「ウフフ、分かったよ。じゃあ、ギルドに行って、オーブンを貸して貰おう。うちのオーブンでは、小さいもの。やはり、若造に言って、新しいのを買って貰わなければ。いつもお世話してあげているのは、誰だと思っているのやら。」

 ヌー。そういう事言うと、また、殺されちゃうヌよ。仕方ないヌねぇ。

 ヌンが呆れてそういうと、悪戯っぽく笑いながら、貴方は懐からスマホを取り出すヌ。

 「もしもし、ロナルドくん。ちょっと、スーパーまで来てくれるかね?ヒナイチくんもいる?じゃあ、二人共、荷物を運んで貰おう。明日の君達に振る舞うアップルパイになるのだから、荷物持ちぐらい、手伝ってくれ給え。」

 『藪から棒にったくよ~。何で、俺が。』
 「ジョンのリクエストなのだよ。じゃあ、よろしく。」
 『くっそ、ジョンが頼んでるのか。仕方ねえな。だとよ、ヒナイチ。行くか?』
 『ちん!私は、いいぞ!ドラルクの作るアップルパイ、私も食べたい!!』



 電話の向こうのロナルドくん達の顔が、目に浮かぶようヌね。
 だから、リンゴにバターに小麦粉に卵に、砂糖。勿論、忘れちゃいけない牛乳もてんこ盛りにカートに積んで、ヌン達は清算を済ませるヌ。

 「さてと、前日から楽しみだねえ。ジョン。」
 「ヌン!あっ、ドラルク様!」
 「おやおや、早かったね。待ちきれないのは、仕方がないかな。我ながら、自分の人望が恐ろしい。」

 一人と一匹で、スーパーの前で待っていると

 180年以上、ヌンが独り占めしてきた『クソデカな永遠の愛』を分けてもいいと思うぐらい、大切な大切な昼の子達が、こっちに向かってきていたんだヌ。

 『お~い、来てやったぞ。すごいな。どんだけ、クソデカなの焼く気だよ。』
 『こんなにいっぱい!なぁ。リンゴの皮を剥くぐらいなら、私でも手伝えるぞ。楽しみだな!』



 「いやあ、マスター。今年も、オーブンを借りてすみませんでしたね。」
 「ヌリヌヌー。」
 「いえいえ、このぐらい。ついでに、店も手伝って頂いたのでお互い様です。」

 今年も、楽しみなホワイトデーがやってきたヌ。
 あれから、15年近くが経ったんだヌ。人の子の世界で暮らしていると、早いヌね。
 あとは、このクソデカアップルパイを、事務所まで持ち帰るだけヌ。
 「う~ん、腕の人がいないのはまずかった。一つ多めに焼いたから、それをお駄賃にするつもりだったのに。」
 サテツさんも、変わらないヌね。あの人も、マリアさんと結婚して、そろそろ父親になろうというのにヌ。
 ロナルドくんは、オータムのカンヅメに捕まってるヌし、ヒナイチくんは隊長としての事務仕事が残ってるヌ。もう少し、終わるまでかかるヌからね。ヌン達じゃ、少し大変ヌよ。

 「ドラルクおじさん、アップルパイもうやけた~?」
 「と~さま!わたしたちも、てつだいにきたぞ!」
 
 困っていると、玄関から元気な声が聞こえてきたヌ。
 ドラルク様とロナルドくんの子供達の声今日も双子の姉弟みたいで、微笑ましいヌね。

 『おおきくなったら、おれ、ミナちゃんとけっこんするんだ!』
 『わかった、やくそくだぞ!』

 微笑ましいけど、二人がそう約束している事について、ドラルク様もロナルドくんも心中複雑って、言ってたヌよ。
 相棒と、義理の兄弟になっちゃうヌって。
 ヌンは、それでもいいヌけどね。
 だって、永遠の愛を分け合える相手が、もっともっと増えて、ずっとずっと一緒にいられるヌから。

 「ドラルクおじさん、これか?」
 「そうだけど、重いよって!?」

 そう言って、ひょいっと、リカルドくんは、アップルパイを一つ持ち上げたヌ。
 すごいヌね。リカルドくん、さすがだヌ。10歳だけど、ロナルドくんとサンズさんの息子ヌものね。
 あとの一つなら、ヌン達2人と1匹ならなんとか。

 「さあ!かえろう!とうさんたちも、いまからかえるって、RINEきてたんだ!おれ、もうまてないよ!」
 「そうだな。じゃあ、かえるぞ!とうさま。」

 やる気満々の子供達の後を、ヌン達も追いかけるヌ。
 ヌンが独り占めしてきた愛情を、今年も大事な人達と、もっともっと分け合う為に。
 
 
 
 
 

 

 

 


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