@niki__kr
四季送り
前回までのあらすじ.1
(未使用)
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はあ、随分と丸焦げになってしまいましたね。
暴力団なんておしまいにして、あなたがたの足もきれいに洗ってさしあげようと思っていたんですが。
6/1 今日の対象は、嵐山で暴力団南雲組の幹部3人の殺害。
夏草くんと二人でのシゴト。だったんですけど。
夏草くんと組むといつもこうです。
彼はいつも対象を口説きながら、焼き殺してしまうのですから。
・・・はあ。気持ち悪い。気持ち悪い。
まあ、すぎたことですから仕方ありません。
まずは洗って、切って、
炭化して黒いそれが、6本。
保存用の処置をしたら、瓶につめて、保存液で満たす。ラベルに名前、誕生日、採取日を記入する。
きっと黒い流木のようにも見えなくない。
...洗ったくらいで落ちるヨゴレではないということでしょうか。
そう考えると、ふむ、なんとあなたたちに似合いの標本でしょう。
家に帰ったらさっそく作業に取り掛かりましょう。
標本まで完成して初めて、私の仕事は終わるのです。
残りは使いませんから、祝君に運んでもらいましょう。
今回の依頼は、「どういう形であれ遺体を指定した場所へ運ぶこと」だそうですので。
安心してください。
貴方は標本という作品になって生きた証を残すのです。美しいですね。
ああ、申し遅れました。
私の名前は ヨナガ アキト。
ええ。アキト、と呼ばれています。
他の四季についてもお話しておきましょう。
みなさんそれぞれこだわりを持ってお仕事をされています
春。アサクラ スズハ
花の毒と大きな刃物を使って殺す
青と、紫。美しい瞳が印象的な、かわいらしい女の子です。
今日も、お元気そう、でしたね。
夏。夏草 なぎさ
仕事の際はみぎわと名乗っていますが。
先ほどもお話した通り、炎刀を使って対象を焼き殺しています。
彼については・・・まあ、いいでしょう。
冬。バントウ ジコン。
対象の熱を奪い、殺す。
冷たそうに見えて、言葉の端にはすこし、優しさも感じられるようで。
彼は一番よくわからない人です。
その指先は触れると冷たいのでしょうか。
私たちは普段は甘味処あび、でお茶屋さんをしながら働いています。
ふふ、こんな殺し屋たちが、ですよ。
吐き気がするほどあまったるい、おままごとのような日々。
この間も、四季のみんなで買い出しに行きました。
途中で寄り道なんかもして。安井金比羅宮?
縁結び・縁切りでも有名な神社です。
六月の終わりにはここで身の汚れを落とす「夏越の祓」があるそうです。
晩冬さんはすごい勢いで縁切りに向かっていましたね。
なにか切りたい縁があるみたいですね。
本当は閻魔さんと仲が悪いんでしょうか。
夏草くんも、縁結びと見せかけて縁切りに。
あんなに燃える恋だのなんだの、キザに言っているくせに
切りたい縁があるなんて、不思議ですねえ。
スズハさんは、縁結び。
幸せに過ごせますように、なんて。
ああ。ほんとうに。
私の願いは何でしょうか。
自分の願いを叶えるために
他人の不幸を願うのは罰当たりなことでしょうか。
いいえ、いいえ。
願いなんて、そもそも。
拾われた犬の分際で、私にはこれ以上を望むことなど、分不相応なことだと思いました。
私の人生など、これ以上よくなりようもないのですから。
ですからせめて、どうぞこのまま。
罰があたらぬよう、このまま。
何を言っているかわかりませんか。
・・・気にしないでください。
ああ、そういえば
最近晩冬さんがだれかに見られているといっていましたね。
ふくよかな、若い、男性。いったい何が目的でしょうか。
かんなぎさんが調べてくれているようです。
・・・おおごとにならなければいいのですが。
とにかく、
私はそんなみなさんと仕事をこなしながら
日々を過ごしています。
、、、そろそろ、向こうも終わった頃でしょうか。
はやく帰って祝君とごはんがたべたいな。
それでは、今日も。明日も。
この日々が続く限り。
あなたに死期をおくりにまいりました。