従業員全員の居住区を兼ねている探偵事務所。
@azisaitsumuri
単身の依頼から事務所に帰ったらリッパーがいた。
「おかえりなさい。」
「ただいま。って、なんでおまえが来てるんだ!?」
この相手に帰還の挨拶をされるの、良いな、とか思っている場合ではない。何故かやたらリラックスした様子の男を前に、一度咳払いをして気を落ち着ける。
「どうしたんだ、依頼か?」
今は入れ替わるように別の依頼に行ったトゥルースが、自分がいない間にこいつから何か依頼を受けたのだろうか。
けれど男は首を傾げて。
「エマが住んで良いって言いました。」
聞いてませんか?と聞かれて聞いてない!と答えた。すると少し寂しそうにされる。
「おまえにここに住むなと言ってるわけじゃない!おれもおまえに住んでほしいと思ってる!」
そう弁明すれば喜劇の仮面が華やぐ。それにしても、トゥルースに先を越されたせいで後出しのような言い分になってしまったことは悔やまれる。
「おまえに一緒に住もう、って。おれが先に、おまえに言いたかったのに……。」
そう伝えれば、悲劇の仮面も笑った。