漆×桔梗
休日にえっちなことをする直前の話
@aricosyyim
【ご注意ください】
みなづきいわひら
漆×桔梗の妄想小話です。
シナリオ、セッションのネタバレを含むかもしれません。
----------------------------
【ご注意ください】
朝からえっちなことをする直前の話
イチャイチャif世界線
----------------------------
※この話はファンによる妄想であり、セッションやシナリオと齟齬があるかもしれませんがご容赦ください。
また、配信者様、シナリオとはなんの関係もありません。
.
休日の朝からイチャイチャする話
恋人というものはなんだろうか。
漆に向かう感情の逐一を「恋」と定義するのはきっととても難しい。どちらかというと「愛」の方が近い。というか、まぎれもなく愛に他ならない。うん。愛だ。愛しているのは間違いがない。
けれど、そうは思うのに、私は自らの感情を「恋」なのだときちんと自覚していた。
漆が自分を見て、柔らかく目を細めて、「桔梗」と、昔のように親しく名前を呼んだ時に、鼓動が跳ねて頰に熱が灯ったのを感じた。
今こうして隣りにいることがうれしくて、幸せだと感じる。手を引かれて、腕の中に招かれて、顔を寄せられて、唇が重ねられると胸がいっぱいになってしまう。これが、恋以外だとは思えなかった。
カーテンの向こうが明るくなって、窓ガラス越しにの声が聞こえる。目覚ましが鳴る前に目覚めた桔梗は、ベッドの上で欠伸をひとつこぼして起き上がった。
なにか夢を見ていたのは間違いがないのだが、目が覚めたと同時にすっかりと忘れてしまっていた。たのしい夢だったのか、恐ろしい夢だったのかもわからないが、たのしい夢だったのならば覚えていたかったなと思う。
さて、早い時間ではあるのだが、二度寝をするような気分でもなく。トボトボと洗面台へと向かって顔を洗い身支度を整えることにする。
今日は休日なのだが、だらしない格好をしているわけにもいかないから、結局すこしだけ迷っていつもの服装に落ち着いた。
そして身支度が整った頃合いで、いつものように部屋の戸が三度軽く叩かれる。その音に、今日も漆に会える日常があることをうれしく思った。
戸を開いて招き入れた漆もまた、私と同じようにいつもと変わらない服装をしていた。今日は休日だというのにお互いに考えていることは同じらしい。
自分よりも背の高い姿を見上げて、黒い瞳が朝の日差しで濃いグレーに見えた瞬間、頰に触れたいと思った。
「おはようございます、桔梗様」
「おはようございます、漆」
教祖という立場であっても、人である以上休みは必要で、今日は人の心身を休めるための休日だった。だから、自分のあらゆるものを満たして癒すために、目の前の恋人を甘やかしても問題はないわけだ。
いつも私のことだけを想って、ひとりですべてをこなしてしまう男を、労って甘やかして、恋人同士の時間を好きなだけ過ごしても咎める者はどこにもいない。
朝の挨拶をして微笑むと、そっと腕を引かれた。背に回る腕、そして、ゆっくりと重ねられる唇。
「ん……っ」
鼻から抜けるような声が出てしまって、すこしばかり気恥ずかしくなる。今、自分をなによりも大事だと全身で告げてくれる男の腕の中で、その男と唇を重ねている。ほどなく離れていくそれを追いかけるように自分からキスをする。
「漆、もっと、して欲しい」
「……桔梗様、それは」
「ダメかな」
上目遣いで見上げた漆の纏う気配が変化したのを感じた。ぎゅっと、漆の胸に置いた手を握る。頰に熱がこもる。口にするのはいつも気恥ずかしいのだが、口にしなければ伝わらない。
「朝から恋人が欲しいと思ってしまう私は、やはり、はしたないだろうか」
有り体に言えば、体をつなげたい。朝からいやらしいことをしたいなんて、自分でもはしたないことだとは思うのだが、それを漆に肯定も否定もして欲しかった。
「……では、貴方は、簡単に煽られて、朝から教祖様を抱いてしまいたいと思う男を、はしたないと思いますか?」
じっと見つめてくる瞳を見つめ返す。質問に質問で返すのは感心しないとか、いろいろと言いたいことはあるのに、漆の目があまりにも熱を帯びていたものだから口をつぐむ。なんと返そうか逡巡していれば、触れるばかりのキスが与えられた。
「桔梗様」
キスの後でわずかに小首を傾げる姿を見上げる。回答をねだるような声音に、ぎゅうと心が締め付けられる気がした。かわいい。
「今の質問への答えだけどね。相手が教祖ならそうかもしれないけど、相手が恋人ならそうは思わないよ」
「そうか……、ならもう一度だ」
「ふふ。最初からそれでいいのに」
桔梗、と呼び捨てで名前を呼ぶ唇はこちらから塞いだ。首に腕を回して挨拶ではないキスを交わす。中に入れてくれとねだるように唇の間を舐められて、うっすらと口を開くとぬるりと舌が挿入されて、深い口づけになる。
さっきから、それはもう胸がときめいて仕方がなくて、どんどん心も体も漆に溺れていく感じがする。
自分が救った家族であり、幼馴染でもあり、今は恋人の男がこんなにもずっと愛おしい。そう思うのは漆も同じなのか、思いのほか深くねっとりとしたキスの合間に、感極まったような声で名前を何度か呼ばれた。
「……っ、ンッ……は、ぁ」
「っ、……は、桔梗……力を抜け」
「っぅわ!」
キスが終わって、唐突に屈んだ漆が膝裏に手を添えて、そのまま抱き上げる。突然のことに驚いて首にしがみつくと、小さく微笑む気配だけがした。まるでどこかのお姫様のような抱き上げ方を、恋人はたまにする。私はいつもそれに気恥ずかしくなってしまうのだが、王子様がお姫様にするような扱いはまったく嫌ではないので、心のままにうれしく思っている。
「このままベッドまで連れて行ってくれるのかい?」
「そのつもりだ」
軽いキスをして、ほどなく背中に訪れる柔らかい感触に期待をする。
今日は心身を休めるための休日なので、せっかく整えた身支度を台無しにしたりして、思う存分恋人と甘い時間を過ごしてもいいだろう。
.