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『いつかわたしを攫ってくれると言った~』あとがき

全体公開 あとがき 3 4369文字
2025-04-01 22:20:49

どうしても長くなっていくあとがき

〇概要
一度は書いてみたいと思っていた王位継承もの。
わたしは基本的には小さい世界を書く方が得意なんだと思ってるんですけど、こういうヒストリカル系?はちょっとスケールが大きくなるので、どうかなと思いつつ書いてみました。
主役の二人はもちろん伴侶なんですけど、主従で師弟でバディみたいな感じになっていたらいいと思います。



・世界観
いわゆるナーロッパ的な近世?異世界。
戴冠式の感じとかは英国式を参考にしつつ、適当にアレンジしています。
魔法はない世界なんですが、代わりに自然科学は進みつつある感じです。

・象徴性と科学
この辺は個人的な好みもあるかと思いますが、理屈を重んじるギルベルトと象徴として輝くエレオノーラが二人で担えたらいいなと。
エレオノーラとギルベルトは互いに補完しながら支え合ってる感じが出せていたらいいなと思います。
わたしはどちらかというと理系なのですけど、ええ感じにそれっぽいのを考えるのには苦労しました。
色の変わるものを考えすぎて禿げるかと思いましたw


〇キャラ
・エレオノーラ Eleonora=Irving
テーマソング:Free Free Free/東京スカパラダイスオーケストラ『遠い思い出 ぼけた光の幸せの水玉模様』
憧憬人魚姫/YASUHIRO『私の計画のフィナーレよ 未来図を書き終えたら、また明日』

本作のヒロイン。こう、可愛げと自立を両立できる子として書けていたらいいなと。
お話の中で成長する子にしたいなと思っていました。
最初は結構甘ったれでなのですが、
踊り子の娘→生贄の姫→黄金の女王
となっていく感じになればいいかなと思っていました。
誰もが選ばれたいし、特別な存在になりたいと願う。
しかしながら、選ばれた側は本当に幸せなのか? そんなことを考えつつ書いたキャラです。
ボケとツッコミでいうと多分ツッコミ。顔は母にそっくり。
エレオノーラというのは「光」という意味らしいです。ギルベルトが最後に言う「あなたは俺の光」というのを元に付けました。

・ギルベルト Gilbert=Aynsley
テーマソング:
Puppy Love/Perfume『絶対的な信頼と対照的な行動』
シークレットシークレット/Perfume『足りないよ君を知りたいよ』
モラトリアム/レミオロメン『心を失ってしまったら 宇宙に意味がないんだ』』

刺されてフラれて泣かれて謝罪して跪く人。なかなかどうして忙しい。
好きな女の兄貴にちょっかいだされて、弟にボコボコにされるちょっと可哀想な人。
一目見たら忘れられない美形。やたらめったらフルネームで呼ばれる人。惚れた女を神様とか言っちゃうタイプのロマンチスト。
わたし好みの、目つきと性格が悪くて頭がいい男です。顔は死んだ母似で、雰囲気は育ての母似。
人の三倍ぐらい考えて、その一割も口に出さない人。おそらくその二割話せば人と分かり合えるけど、それができない。
生まれにこだわってしまうとすれば、彼は自分を「生まれながらの人殺し」と捉えることしかできません。そのため、「自分が何を成すか」ということを殊更意識して自制して生きています。自分がいることで世界が、他人が、不幸になると思い込んでいるのが彼の呪いなわけですが、それとどう向き合うかがギルベルトのテーマ。

「生まれて来たくなかったというこの気持ちすら、生まれてこなければ抱くことが出来なかった」

ということに、彼に気づいて向き合って欲しかった。
一番最後に書いた「女王の番犬」というのが彼らしくて好きです。イメージはドーベルマン。
趣味はお茶の調合。仕事の合間に自分で調合したお茶を飲んでいるんですが、時々得も言われぬ不味さのものが出来上がってしまうことがあります(しかしながら、ギルベルトは顔色を変えずに飲んでいます。不味いなとは思っている)
自分の容姿(というか外見全般)に興味がないのでモテてる自覚はない。人として失礼がない程度にちゃんとした服は着ていますが、文官(宰相)の礼服も全く同じものを十着ぐらい持っていて着回すだけ(ジョ●ズ的な)
ギルベルトというのが、ドイツ語で「輝かしい願い・誓い・契約」という意味らしいです。誓いっていうのが彼らしいなと思って付けました。
エインズレイは英国の食器ブランドの名前で、彼がエレオノーラのために選んだカップをどんなのにしようかなと探している時に見つけました。硬派な感じがすきです。

・フェリクス Felix
ちょっとどうかしてるシスコン。
第一王子で嫁姑戦争に巻き込まれた挙句、母親から愛されなかった人。
軽薄そうに見えて色々考えている。ギルベルトと対極だけれど、似ているところもあるとわたしは思いつつ書いていました。
既婚者。自分を殺そうと派遣されてきた暗殺者を王子妃にしている。刹那主義で享楽主義者。
ギルベルトとエリーを揶揄うのがお気に入り。
フェリクスというのは「幸運」という意味らしいです。

・レオニダス Leonidas
ちょっとどうかしてるシスコン その2。
過干渉な溺愛された可哀想な人。本当の意味では愛されていない。
おそらくそのうちどこかの国に婿入りするんじゃないかなと思っています。
「獅子」を表す「Leo」から武芸に優れてそうだなと思って付けました。


〇細かいもろもろ
・星空の青(アストラブルー)
参考にしたのは、バタフライピーとブルーマロウ。
同じアントシアニン系の青色色素が含まれています。
赤が王家の色なので、それの対になるような青をベースに考えました。
ヴェルデに繋がる夜空のようなきれいな青のお茶にエレオノーラが心を奪われたというのがいいかなと。

・怪盗
ギルベルトが普段表に出せないやさしさや情熱の象徴的な形で、仮面を被る的な要素を入れてみました。
わたしが怪盗〇ッドとタ〇シード仮面が好きなので入れてしまったアレです(ぁ
エレオノーラが、よく知らない人じゃないと話せなかったというのが真実味があって深いかなと。
最後にギルベルトが本心を吐露してネックレスを返すのが、どうしてもやりたかったんですよね!

・告白
ギルベルトは都合3回告白します。
1回目は、ヴェルデとして。
これはある種ギルベルトの本心に一番近いものですが、これをエレオノーラは退けます。なぜなら、彼が彼としてした告白では無いからです。
2回目は、宰相として。
宰相としての地位と日頃の行いを全部懸けて、なおかつ衆人環視で退路を絶ってギルベルトは挑みます。ヴェルデとして断られた彼にはもうこれしか道は無いので本気です。エレオノーラがある種脅迫だと言うのもわかる感じです。
しかしながら、エレオノーラは宰相としての彼は受け入れているのでこれは成功します。
そして最後の告白です。
これは誰のための告白かを考えた時に、ギルベルトは自分のことだけを思うなら、これをする意味はないんですよね。2回目の告白により彼はエレオノーラを手に入れることに成功する。だから、3回目はただエレオノーラのための告白なんです。彼女が女王としてではなく、自分の前ではただのエリーでいられるように、丸ごと彼女を愛せるように。
それは彼としては一番認めたくない現実と向き合うことであり、彼女の師としてのギルベルトは敗北する訳だとわたしは思うのですが。
自分のプライドよりも惚れた女を大切にする、という点でギルベルトの一番かっこいいところかな、とも思います。

・師弟で主従でバディ
ギルベルトは彼自身の浅はかな願い(年下のエレオノーラに尊敬されていたい、かっこいいと思われていたい)を満たす為に彼女に多くのことを教えます。
その結果としてエレオノーラは聡明さを手に入れますが、ギルベルトの安易な誘い(ヴェルデとしての逃避行の誘い)を断ります。
ギルベルトの願望を打ち砕くのが彼自身の行いだというのが、非常に皮肉で美しいとわたしは思って書きました。
また己の思い通りにエレオノーラを育てることができる、というのがそもそもギルベルトの思い上がりであり、そんな自分の愚かさをギルベルトはヴェルデとしてフラれたことでいやというほど思い知り、結果として公開告白に踏み切らざるを得なくなりました。
加えて、ギルベルトがかっこいい自分を見せようとし続けたことで、エレオノーラは彼の前では泣いてくれなくなります。
彼女の弱さも、強さも、すべてを受け入れるためには、自分もまたすべてをさらけ出さなければならない。
その覚悟を決めたとき、彼の最後の告白へとつながります。
こうして見ると、ギルベルトはとことん不器用で、臆病で、かっこつけなのに、それでも最後は「誠実であろう」とするところが、彼の魅力なのかもしれません。

・母親の不在 
重たいのきたな、っ感じですが。
エレオノーラは、実の母に会ったこともない。
ギルベルトは、実の母に死なれて継母の愛を受けとれない。
フェリクスは、母親に見てもらえなかった。
レオニダスは、溺愛という名の飼い殺し。
親に愛されたことがなければ、人を愛せないのか。
それしか縋るものはないのか。
その中でも自分というものを作り上げてくれる子にエレオノーラにはなってほしかったし、ギルベルトはその中でも拗れながらも真っ当に生きようとする人物であってほしいなと書きました。

・ないものねだり
これもまあ、先述の母親の話と通ずるものがありますが。
レオニダスはもちろん、王になれるエレオノーラが羨ましい。
フェリクスは王になれずとも母親に愛されたレオニダスが羨ましい。
エレオノーラは本当は選ばれたくなかった。だから、兄や弟が羨ましい。
この「きょうだい」は誰もが誰もを羨んで堂々巡りです。
それに決着をつけるべく?現れるのが選ばれなかった側のギルベルトで、彼を傍に置いたエレオノーラだけが正しい選択が出来ると言うのがいいかなと。


家族というものがなんなのか、まあ考えても答えは出ないのですが、わたしはフェリクスの言う「そういう名前のついた他人」というのがすきです。
それはそれとして、分かり合う努力は必要かなと。

こんななんでも出来る美形がたった一人惚れた小さな女の子に敗北するってところが、この世で一番美しい瞬間だなと思って、書きました!

あとは無事女王になったエレオノーラの日常とかちょっとイチャイチャする二人みたいな番外編とかも書けたらいいなと思っています。ギルベルトVSフェリクスの戦闘シーンとかね!!!


最後までお読みいただきありがとうございました。


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