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駆け引きはねこじゃらしに似ている

全体公開 未完 65 1327文字
2025-06-21 11:11:44

プロット供養


気づけば類がいつもオレを見ている。
これは恋なのではないか? オレも類が好きだ、よし、告白しよう!!
「類! 好きだ!!」
「ありがとう。でも、僕は司くんをそういうふうに見られないんだ」

何回告白しても玉砕。
「何でだ!? あいつ絶対オレのことが好きだろう!!」
「あー……うん、なんとなく漏れ出てるっていうか……
「類くん、司くんといるとにこにこうきうきふわわわ〜だもんね」
「お前たちから見てもそうだろう、よし、また明日だ!!」
「頑張って、司くん!!」
……同じ方法で行ってもまた玉砕するだけじゃない?」
寧々の推測は正しかった。また玉砕した。

もしかしたら勘違いで脈なしなのかもしれない。少し落ち込んできた。家で落ち込んでいたから咲希にも気づかれた。
あまりに心配されてしまったから、相手は類だということは伏せて話してみた。オレを見る時の嬉しそうな顔や楽しそうに輝く目、でもたまにひどく優しく穏やかな顔でオレを見つめていることもある。ファミレスへ行けば左利きのくせにオレの右側に座る、そのせいで肘がよく当たるのにやけに楽しそうだ。オレがクラスメイトと話していれば混ざりにくる。……あいつオレのことが好きすぎないか? 間違いなく恋だろう、なぜ気づかない。
咲希は目をキラキラさせたり眉間に皺を寄せたりして聞いてくれて、しばらく悩んだ後、ぽんと手を打つ。
「お兄ちゃん、ねこじゃらしだよ!!」
「ねこじゃらし?」
「うんっ!この前猫カフェに行ったんだけど、その時しほちゃんがね……

『うぅ〜、アタシのねこじゃらし、全然猫ちゃんが遊んでくれないよ〜』
『咲希は全力で振りすぎ。こういうのは緩急が大事だから』
『緩急?』
『そう。こうやって……

志歩曰く、勢いをつけて振るばかりでは猫は飛びつかない。
時々動きを止め、猫がジリジリ近づいてくるのを待つ。ねこじゃらしは駆け引きなのだ。
「るいさんも、お兄ちゃんがいきなり告白するのやめたら何でだろう? ってなるんじゃないかな」
「なるほど、押してダメなら引いてみろに通ずるものが……って、なぜ相手が類だと知っているんだ!?」
「だって、お兄ちゃんが好きな相手ってるいさんしか思いつかなかったもん!」
あいつに負けず劣らずオレもダダ漏れということか!? 結構恥ずかしいなそれは!!

告白をやめてみた。効果はてきめんだった。
二人きりになるとやたらそわそわしている。何か言いたそうにこっちを見てくる。ほら、やっぱりオレのことが好きだろう。
散々断った手前自分からは言い出せないのか、オレがまた告白するのを待っているのか。だが、してやらん。まだ焦らす。ねこじゃらしは猫がお尻を振って飛びついてきた時が動かす時だよ! と咲希が言っていた。

そうして焦らし始めてきっかり一週間目。類に捕まって、誰もいない屋上に連れて行かれた。
……司くん、僕のこと、好きだよね?」
――オレは、ねこじゃらしで駆け引きをしているつもりだったが。
もしかしたら、狼の前に差し出した肉を取り上げるようなことをしていたのかもしれん。今にも噛み付いてきそうな必死な表情でオレの腕を掴む類を見ながら、そんなことを考えた。


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