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ソー&ロキ:アースガルズ物語

全体公開 クロスオーバー 1 4647文字
2025-06-25 18:09:16

MARVEL ✕ Assassin's Creed Valhalla勝手にクロスオーバー二次創作。
ソーとロキ(アベ1直後)がアサクリのアースガルズに転移しちゃう感じの話。ゴッドロキが玉座に着いた後なのでTVAは選定しに来ない。Valhallaの神話編開始の時間軸。アサクリ神話編に関しては本来ならばもっとメカメカしい見た目の都市であるはずだけども、あの夢のヴィジュアルが奇麗で好きなのと調整面倒くさいので、エイヴォルが夢で見たアースガルズの見た目とハイテク技術だけミックスで行きます。魔法の言葉:マルチバースだから何でも有り!!

Posted by @acbh_dmc4

「あれを見ろ!周りを見てみろ!お前はこの地獄を治められるのか?!」

スタークタワーの最上階で神々の兄弟が激しく剣技を結び、時には泥臭く殴り合い死闘を繰り広げていた。
後には引けずに気まずさをその顔に宿して、それでも一歩も引かない弟のロキを、雷神・ソーは必死に説得していた。

長年一緒に暮らしてきた弟の望むものを己が一番知っていると思ってきた。
だが、今目の前にいる弟は憎悪を燃やし、されどどこか泣きそうなほど悲痛な顔でソーを睨みつけている。
そんな弟の思いを、ソーは測りかねていた。

ロキは兄の言葉に激しく損傷した街並みをチラと見て、それでも兄への抵抗を続ける。
膠着状態が続く中、スタークタワーの天辺に設置された転移装置が異音を発し、次の瞬間、爆発的な閃光が塔を包んだ。
世界が白に塗りつぶされ、目を灼くような痛みに兄弟は思わず手で顔を覆った。


暫く、町を焼く轟音や銃撃、ニューヨークを護るために集まったヒーローたちの抵抗の音が一切しなくなった。
きつく閉じた瞼を開け、目を眇めて周囲を確認するも、まだ眩んだ目は周りの状況を映すことはなかった。
それでもロキはジッと目を凝らすと、ぼんやり目の前に影をとらえた。
掌にナイフを生成し、影の中腹めがけて深々とナイフを差し入れる。
苦し気な苦悶の唸り声が聞こえてロキは凶悪な笑みを浮かべた。

瞬間落雷が体を貫き、弾き飛ばされた。
ビリビリと少しの時間マヒする体に鞭打って、崩れた体制を必死に立て直そうとする。
しかし首をへし折られそうな強さで捕まれ、再度地に縫い付けられた。

雷神であるソーは、自ら操る雷光によって光に強く、即座に先ほどの暴力的な閃光から立ち直っていたようだ。
ソーよりも長く視界を奪われてしまったロキは、苦々しくしかし諦めた様にソーの拘束に身を委ねた。

「ロキ、観念するんだ。そして、アスガルドに戻れ」
「それで?そのあとは?王位簒奪を企てた私は死刑か?」
……そんなことはさせない」

厳しい顔の中に僅かに心配を滲ませてのたまう兄を見て、思わず侮蔑の笑みを浮かべる。
ああ、いつもこうだ。
ただただ甘い顔をして、まるで愛玩動物がちょっとオイタをしただけのような、こちらの心情など知りもしない言い種だ。
いつもの事ながらどうしようもない遣る瀬無さと憤りを感じて、ロキはもう一度兄のわき腹を刺そうとナイフを生成した。

だが、相手もそこまで馬鹿ではないらしく、その反抗的な腕は捻りあげられてしまった。

……痛い」
「刺された俺の方が痛い」
「死ぬわけでもあるまいし」
「死ぬほど痛いんだぞ!とにかく、お前はアズガルドに連れ帰るからな!」

問答無用に立たされ、両腕を兄の無駄にデカい手で一纏めに拘束される。
その時になってようやく周囲に目を向ければ、目の前の風景が一変していた。

今まで神の兄弟が戦っていたのはニューヨークのど真ん中、高いビルが聳え立つ街の一番主張の激しいスタークタワーの最上階のはずだった。
しかし先ほどまで縫い留められていた地は鉄筋コンクリートの地面ではなく、整備はされているようだが土がむき出しの小道の上だ。
眼下に広がるのはオーロラのようにぼんやりと光りを放つ、ビフレストに似た大橋。
そして奥にはエルフの里も格やと言わんばかりの荘厳な美しい城と緑豊かな城下町が広がっていた。
また空を見上げれば天を貫くような太く巨大な木の根のようなものが縦横に張り巡らされている。

「な、なんだ?ここは……

呆然とつぶやくソーに、ロキも周囲をぐるりと見渡す。
見たこともないその景色はミズガルズではないどころか、自分が知るどの惑星でもないことくらいしかわからない。

「先ほどの光は……ヘイムダルのホーフンドの光だったか?」
「いや、それならば目を潰す程の閃光はない筈。どちらかと言えば、私がテッセラクトで開けたポータルの光のようだった」

そんな会話を交わすうちに、ビフレストのような橋の向こうから黒い軍勢がこちらへ迫ってくるのが見えた。
地響きが伝わってくるところを見ると、かなりの勢いで走っているらしい。
鋭い視力を利かせて目を細めれば、どこかの軍隊がこちらに進軍してくるのがわかった。

「兄上、どうやら我々を歓迎するパレードが開かれるようだぞ」
「面倒だ。雷で蹴散らそう」

迫りくる軍勢に向けてムジョルニアが振り下ろされると、雷雲が渦を巻き、激しい雷が敵を吹き飛ばした。
敵も不思議な力を帯びた槍や剣、盾を構えてはいたが、その威力は乏しく、二人の神に近づくことすらできなかった。

ロキは両腕を拘束されたまま、雷をまとって立つソーに迷惑げな表情で身をのけぞらせた。
たいした威力ではないとはいえ、肌を刺すような痺れに思わず顔をしかめる。

あまりの力量差を悟ったのか、目の前の軍勢は恐怖に身をすくませているようだった。
しかし、後方から喧騒が徐々に前へ前へと伝播し、暫くすると軍勢のトップと思われる一人の初老の男が前に出てきた。

「********?***********?」

男は何事かを叫び問うているようだが、ソーとロキが知る言語ではなかった。
ソーはロキを怪訝な顔で見やり、ロキはソーに対して肩を竦めて自分も知らない言語だと示した。

「見たところ、交渉をしようとしているようだが」
「だが、我らが知る言語ではないな」
「いくつかの言語で話しかけて互いに知っているものを探るしかないだろうな。もっと簡単な方法もあるが……この腕を放してくれないとできない」

おどけた風に提案するロキをきつく睨みつけて、ソーは謎の男にいくつかの言語で語り掛けた。
相手も言語を試しているものだと理解したらしく、黙ってソーの言葉を聞く。
幾つか話しているうちに、ミズガルズの言語にようやく反応を見せた。

「お前****?何**********?」
「ミズガルズの言語に似ているが、何もわからん」
「なら私に任せるべきでは?このままではらちが明かない。そうだろう?」

半笑いで言い放つ弟に、ソーは苦々しく顔をゆがめた。
解放すべきか否か――裏切りのリスクを前に、答えは出ず、思わず歯を食いしばる。
相手の軍勢も殺気立ち、空気は張り詰めていた。
ロキはそんな状況を楽しむかのように、ソーの集中をそぐ言葉を次々と投げかける。

「ヘイムダル!」

突如ソーは雷鳴のような声でビフレストを護る神の名を呼ばわった。
ソーに腕を拘束され、耳をふさげないロキはもろにその馬鹿でかい遠吠えを聞く羽目になった。
単なる人間だったらそのとんでもない音量で鼓膜が破れるどころか、頭がつぶれかねないほどの声量だ。
目の前の軍勢もそれなりに二人の神に近かったため、攻撃のような叫びに耳を抑え、地に転がる者も出た。

いつもであればその名を呼べば即座に放たれるビフレストの光は一向に降り注がない。
何重にも反響する声が消えたころ、目の前の初老の男が武器を構え、その後から3人の戦士が躍り出た。

臨戦態勢の4人にソーはため息をつき、ついにロキを抑えていた腕を振り解き、鋭く睨みつけるとムジョルニアで敵を示しながら念を押した。


「ロキ、この期に及んで裏切るなよ。どの道今は敵地だ」
「わかってるさ兄上。ついでに、この地を征服するのも面白そうだ」
「そんなことはしないっ!」

ソーの叱責を合図に3人の戦士が飛び掛かる。
その中でも一人の髭もじゃの男がソーのムジョルニアに似た電気をまとうハンマーを掲げて雷撃を飛ばしてきた。

「フン、何だその生ぬるい静電気は?雷撃とはこう飛ばすのだ!」

比較にもならない太い雷光が髭もじゃの男に向かって飛んで行く。あまりにも強力なそれは、男が避ける余裕もないほど鋭く貫き、男を軍勢のはるか後方まで吹き飛ばした。
ロキには長身長髪の男と、美しい女の二人が飛び掛かっていた。
しかし動きは普通の人間よりは確かに鋭く力強いかもしれないが、ロキにとってはまるで脅威でなく、ロキは羽虫でも払うようにエナジーブラストを二人に当てて吹き飛ばした。

残るは老年の男ただ一人だ。他の者とは違う気迫を感じるが脅威は感じない。
仲間がやられるのを苦々しい表情で見ていたが、手にした槍を構えると、油断なくソーとロキに対峙した。
対して余裕のある神の兄弟は軽い調子でこの後の対応を話し合った。

「兄上、ここは私に任せてもらいたい」
「何を考えている?」
「やはり言葉が交わせないのは不便だ。やつの記憶を探ってくる。おそらくそれで言語の問題は解決するはずだ」
「お前が分かっても俺は奴らの言語が分からないだろう」
「もし一時休戦出来たならば兄上は自力で学べばいい。今兄上が話をする必要はない。口を開けばトラブルになりかねないしな」

ムッとするソーをいたずらな笑みで一瞥したロキは、ふっと姿を消した。
初老の男が驚いて辺りを見回すと、背後に気配を感じたのか振り向こうとする。
その瞬間、ロキが男の背後に現れ、背にそっと手を当てた。
途端に、男の脳裏に過去の記憶が奔流のように押し寄せる。
我に返った男は反射的に振り向き、拳を突き出すが、まるで岩を殴ったかのようにびくともしない。
ロキはにやりと笑い、男の拳を掴むと、万力のような力でそれを封じ込めた。

『お前たちの事がいろいろ分かったぞ。貴様がこの国の王か……問い詰めたい事も多いが、今は交渉をするとしよう』
……我らの言語を話せたのか』
『お前の記憶から学習した。ああ、あっちの朴念仁は相変わらずお前たちの言葉は理解していない。まぁ、話せなくとも特に問題はないがな』

背後を取られた男は、得体の知れぬ闖入者に殺気を向けながらも、己の不利を悟り、ロキの動きを見極めようとしていた。
すると、急激に男の背後の状況が動いた。
ギンッと鋭い金属音があたりに響くと、影のように素早くロキの背後から襲い掛かる者が居た。
その男は側頭部を剃り落とし、頭頂だけに残した髪を無造作に左へ流した変わった風貌をしており、完璧に奇襲をしたにもかかわらず容易く止められてしまった事に動揺していた。
初老の男からその奇襲者に意識をやっているロキに、初老の男は手に持つ槍を短く変形させ、その槍先をロキに向かって突き立てようとした。
だがロキに槍が届く前にその腕が見えない壁に止められてしまった。

『やれやれ。それで攻撃しているつもりか?』

あきれた様にロキが言葉を紡ぐと同時に、奇襲者は正面から飛んできたムジョルニアの直撃を受けて後方に吹っ飛ばされた。

『ロキ!』

初老の男は飛ばされた奇襲者に向かってその名を叫ぶ。
叫ばれた己と同じ名に不快そうに鼻を鳴らしてからロキは初老の男の首に手をかけてから凄んだ。

『貴様らの無力さはこれでよくわかっただろう。ここで我らに降伏するか―――……それともヴァルハラへの道を選ぶか?』

ロキはたた静かに相手の反応を待った。


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