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『冷酷王の妃になりまして』あとがき

全体公開 あとがき 3718文字
2025-07-07 23:45:49

いつも通りやたら長いあとがき

〇背景
いつか魔法をガンガンに使う系のお話を書いてみたいと思っていて、元々考えていたのは魔法学校みたいな話でした。
それで、首席の男の子(氷属性、眼鏡)と次席の女の子(炎属性、ツンデレ)が揉めたり戦ったりする……みたいなの思いついたのが元ネタです。
結局もうちょい貴族っぽいお話にはなったのですが、異なるものが惹かれ合うのいいな、って思った最初の感じは変わっていないかなと思います。
戦闘シーンはあんまり得意ではないのですが、久しぶりに魔法バトル的なものが書けたのが個人的には楽しかったです。

〇キャラ
・フレイア Freia
イメージソング ambiguous/GARNiDELiA『それそれの願い絡み合ったその先に今新しい夜明けが来る』
        インフィニティ/シェリル=ノーム『消えることのない希望がこの手にあるから』

本作のヒロイン。地味で大人しいけどやる時はやる、みたいな感じで考えました。
髪の毛の色が変わる設定は最初から決めていました。
『クロエの後釜であり、ルミリア(母)の代替にされる彼女が、最終的に自分としてどう生きたいかを決める』というのがこの話の根幹にあるので、最後の覚醒のシーンとかを頑張って書きました。
名前は生と死を司る北欧神話の女神「フレイヤ」から。

・ヴァルター  Walter
イメージソング フォニイ/ツミキ『さよならまたねと呟いた』
        いらないもの/『寂しくなるのは君のせいだ』

本作のヒーロー。冷酷王とは名ばかりの寝取られヘタレクソ野郎の方。
冬の雪の朝のような匂いがする人。
顔立ちは割と少年みがある。割と童顔なのを気にしている(それもあって髭を伸ばしていたところも)
冷たい風に見えて本当はやさしい人。そのやさしさの伝え方が非常に下手くそなのでこんなことになっている。
末っ子長男姉三人。空気が読めるのはそのせい。
名前は「水(water)」のイメージでそれっぽく付けました。
余談ですが、お姉様方には「ヴァル」と呼ばれています。

・サマン Saman
イメージソング ねっこ/King Gnu『ただ君が泣くなら僕も泣くから』

本作のもふもふ。自称大精霊の方。年は大体二千歳ぐらい。
ヒロインはビビりで喋らないし、ヒーローは度を越えた格好付けでちっとも喋ってくれないので話が進まないなと導入しました。
フレイアが生まれてすぐの頃のルミリアに出会って、その時からずっと彼女のことがすき。でも恋愛かと言われるとちょっと違うような気も。
マスコットであり、フレイアの父的なところもあり、ヴァルターの相棒的でもあります。
サタン(悪魔)とサラマンダー(炎の精霊/トカゲ)のイメージから名付けました。
本名の「サマン・イフリール・アル・マルコシアス」は
イフリール:イフリート(炎の精霊)から
マルコシアス:悪魔のひとつ グリフォンの翼と蛇の尾を持ち口からは炎を吹く狼
です。

・ガイゼル Geisel
イメージソング ドラマツルギー/Eve『ずっと僕は何者にもなれないで』

本作の悪役。柔和なイケメンに見えて、初恋思い込みDTクソ野郎の方。
特に書かなかったけど、夏の曇りの夜みたいな匂いがする人。寝苦しそうだな、おい。
小さい頃に出会ったルミリアに心酔しています(なおルミリアからしたらただ声を掛けただけ。随分美化されている)
昔はヴァルターとエラストと三人でズッ〇ケ三人組みたいにしていた頃もあります。
あんなことを言っていますが、心の底からヴァルターのことが嫌いだったわけではないと思うんですよね。
どうしようもなく劣等感があったというか、羨ましくてしょうがないところがあったんだとは思います。
これから先彼が魔力というものから解き放たれて生きていければいいなとは思っています。
わたしが大好きな金光瑤(魔道祖師)とAFO(ヒロアカ)とフェイスレス(からくりサーカス)を足して濃縮還元したような当て馬を目指したんですけど、じっとりしていたらいいな、の気持ち。
名前はドイツ語の「人質」から付けました。


〇展開とか
・王妃(クロエ)の真相
ボツ案:帝国側のスパイ
実は帝国側のスパイとしてヴァルターに近づいたけれど、良心の呵責に耐えられなくなって……という。
真相が明らかになれば前王妃が王国を裏切っていたことがバレてしまうので、ヴァルターはそれを隠していると設定でした。
ただ、帝国側の設定とかを考えるのが結構難しかったので、ボツになりました。

・黒死蝶殺人事件(金田一少年の事件簿)・「紫の女」殺人事件(浅見光彦シリーズ)
採用した「俺の子じゃなかった」の元ネタ。
よく血液型とかで不倫が明らかになるとか現代ものだとあるじゃないですか。それを何か魔力で表現できれば全体としてまとまりがよくなるかなと思いました。

・「お前がモテない理由を教えてやろうか」
どうしてもこれがやりたかった(何
ヒーローと悪役が違う主張を持って戦うシーンがあるといいかなと思って書いてみました。
以前感想で言われてやっと気づいたんですが、わたし一騎打ちが好きなんですよね。
今回もゴリゴリにヴァルターに頑張ってもらいました。


〇モチーフとか
・青い蝶
フレイアが赤で炎で、ヴァルターが途中で魔法でガンガンにお花作って求愛しはじめたので、対比する感じで蝶にしました。
他のお話でも出したのですが、蝶は生と死や復活の象徴なのでルミリアの復活を夢見るガイゼルの使い魔的な感じでいいかなと。人の魂が宿るみたいな話もあるようです。
名前の「アズラエル」は死を司る天使から取りました。また「Azure」が英語で青の意味です。

・白百合
ガイゼルが贈る白百合は、分かりやすく純潔の象徴として使いました。「魔力の匂いがしない」と言って、処女を示す花を贈るこの変態性こそがガイゼルの本性ですね、どうかしている。
また百合が死を表すところもあるそうで、フレイアをルミリアに寄せたいみたいな欲求も出せるかなと。
ヴァルターが贈るのが薔薇なのでその対比も出したいなと思いました。

・魔力属性図

後書きにもちらっと載せたんですが、ちょっと補足を。
反属性
氷と火:氷は火を消す 火は氷を溶かす
土と風:大地は風を抑え込む 風は土を削る
雷と木:雷は木を裂く 木は雷を吸い寄せる
助属性
土から氷(水)が生まれる、氷(水)は雷を通す、雷は風を起こす、風は火を大きくする、火は灰を産み木を育てる、木は土を豊かにする

またいつか思いついたらこの世界観で、他の属性のCPの話とかも書いてみたいですね。


〇総括
この物語は、喪失から始まり、代替を経て、「唯一の存在」として誰かを愛し直す話でもあります。
ヴァルターもエラストもサマンもガイゼルも、全員に共通するのは、「大事な人を一度亡くしている」ということです。
ヴァルターとエラストはクロエを、サマンとガイゼルはルミリアを。
その愛し方や、慕い方はそれぞれ異なりますが、皆一様に「喪失」と「執着」を抱えています。
そしてフレイアは、彼らにとってその失われた存在の“代替”として現れます。
その時、フレイアをどういう風に見るのかが最後の違いになるように考えました。
エラストはフレイアをクロエの後釜としか見ず、復讐に走った。けれど、フレイアは彼を許しエラストはフレイアを守るという仕事を(ヴァルターから)与えられます。
サマンはフレイアをルミリアの子としか最初見なかったけれど、最終的には見守るという方向に至る。
ガイゼルは最初から最後まで、フレイアをルミリアの容れ物としか見ません。なので、彼は救われない。
ヴァルターだけが、ルミリアの血を継ぐクロエの後釜であるフレイアを、彼女個人として見つめ、守ろうとします。
なので、彼だけが真に愛を手に入れることが叶うのです。

こう、愛とか恋とかってすごく素晴らしいもののように語られますし、恋愛小説は特にそういう面が強いのですけれども。
でも、恋愛っていいことばかりじゃないよねなとど思ってしまうめんどくさい性格でして(ぁ
多分「好きにならなければよかった」「出会わなければよかった」っていう地平もたくさんある。
それはきっと、クロエやフレイア、ガイゼルも見た地獄です。
それでも、人は人を愛するしそれが確かに自分を支えて高めてくれるところもある。
それがフレイアのいうところの「人が人を愛することは罪じゃないと信じたい」として描けていればいいなと思います。


今後としては、ちょっとばかしヴァルターのお姉様方が出てくるお話とかヴァルターとフレイアが一緒にお風呂に入ろうとして(!?)お湯が沸騰したり凍ったりするようなお話とかを、落ち着いた頃に番外編で書ければなと思っています。
あと、エラストがちょっと不憫すぎたかなという気もするので彼の嫁取りもできれば書いてみたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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