リクエストありがとうございました!
「前回の御本のわない!+ONEの世界軸でオプメガがいちゃいちゃしてる話」になります!
@fao_scherzo
以前に出した「たぶん素材は綿100% 」のその後の話になります。
おぷさんを拾ったメガトロンとめがさんを拾ったオプティマスがなんやかんやわない達のおかげで仲直りしたというあらすじさえ知っていれば問題ないはず……。
わない!とONEの本はこちらから
https://alice-books.com/item/show/11743-2
※露骨なステマ
たぶん素材は綿100%
~彼らのいる日常~
不思議な生き物を拾って、なんやかんや彼らのおかげでディセプティコンとの休戦協定が結ばれて暫く。定期的な会合を開いているのだが、傍らには彼らの姿もある。別の世界から迷い込んで来たという『おぷさん』と『めがさん』。帰り方がわからない、と今でもこの世界に居ついていた。
「おぷてぃます、あまりはしゃぐなよ。潰すぞ」
「うん? ああ、すまない、ありがとう」
呆れたような言葉とは裏腹に、机を転がるエネルゴンを追って落ちかけるおぷさんを引き留めてやる手付きは優しい。めがさんと並んでエネルゴンを食べながら、机の隅で大人しくしている彼らを眺めてからオプティマスは目前に座るメガトロンに視線を移した。
「……何だ?」
「いや、おぷさんのことは『おぷてぃます』と呼ぶのに私の名は呼んでくれないんだな、と……」
「…………」
言ってから、この場で話す内容ではなかったかと気付くがもう遅い。メガトロンの顔は盛大に顰められて、彼の背後に並ぶ三参謀どころか、自分の後ろに控えているエリータ達からの視線まで冷たい。
「あー、えっと、今日の議題はなんだったかな!?」
話を逸らせばメガトロンはため息を吐きだして、傍らのめがさんまで呆れたように息をついていた。似ている仕草に思わず笑ってしまうと殺気すら飛んできたので慌てて気を引き締める。
妙な空気で終わってしまった会合に、部屋に戻ったオプティマスは項垂れる。折角メガトロンと会える数少ない機会だったと言うのに。これでは次に会う時になんて言われるか。
退出時なんて三参謀から露骨に舌打ちされた。あの様子では暫く公務以外で逢える機会は作れないのだろう。
「今日は中々の失態だったな」
「うぅ……だってディーが……」
めがさんにまで言われてしまって、彼のボディを抱きしめて一人反省会を開いていれば来訪を告げるチャイムが鳴る。こんな時間にプライムの私室を訪ねてくるなんて、一体誰だろうかとモニターを確認し慌てて扉に向かう。
「パックス、今いいか?」
「ディー!? どうしたんだ、こんな時間に」
ディセプティコンの本拠地からアイアコンまではかなり距離がある。会合を開く際は開催地となる陣営側で一泊することも少なくはないが、それでも妙な噂が立たぬようにと公務以外では会わないように徹底していたのに。
「あー……いや、おぷてぃますが、その……今日の、ことで……」
抱えているおぷさんに視線を移せば、彼はにこにこといつもの微笑を浮かべてメガトロンを見上げている。とにかくメガトロンが単身でオプティマスの部屋を訪ねてきたなど、他の誰かに見られると騒ぎになる可能性もある。急いで中に入れてしっかりと扉を閉めた。
「…………広いな」
「ああ。落ち着かないだろ?」
プライムのために用意された部屋を見渡して、メガトロンは思ったことを率直に口に出す。自身の私室とそう変わらない広さではあるが、他者の部屋というのも落ち着かない。
かつて共に居た頃は互いにプライベートなど無かったものだから、あんなにも一緒にいたのに相手の部屋というのが初めてで笑ってしまう。
不思議そうに部屋を見渡すメガトロンをソファに座るように促して、ホットエネルゴンを注いだカップを渡す。おぷさんとめがさんにも同じようにカップを渡せば二人も並んでお茶を飲みはじめた。
「それで、どうしたんだよ?」
「ん。ああ、おぷてぃますが──そんなにこの名前で呼ばれたいのか、お前?」
変な顔になっている、と指摘されて初めておぷさんを睨んでいたことに気が付いた。
「え!? あ、いや……だって、俺のことは『プライム』としか呼ばないのに、なんか、ずるいなって……」
もごもごと言い訳を重ねていれば、メガトロンの排気の音が聞こえる。呆れてしまっただろうか、と恐る恐る顔を上げれば、目の前に真っ赤なオプティックが迫っていた。リップを立てて離れる唇に、視線はずっと彼の口元を追ってしまう。
「……パックス。これじゃだめか?」
「だめじゃない」
気恥ずかしそうに離れるメガトロンに呆然としながら、二人切りの時だけ呼ばれる名前ににやける顔が抑えきれなくなる。そのままメガトロンをソファに優しく押し倒し、今度はこちらから、とキスをしようとしたところで視線を感じて動きを止める。
横を見れば、机の上に並んだおぷさんとめがさんが、あの変わらぬ微笑のままじっとこちらを見つめていた。
「あー……すまない。その、向こうで遊んできてくれないか?」
「わしらのことは気にするな」
「無理言うなよ! ほら、いい子だから……」
「仕方ないな。ほらめがさん。あまり若い子たちをからかうものでもないだろう」
やれやれ、と肩を竦めた二匹は机から飛び降りるとぽてぽてと隣の部屋へ跳ねていく。二匹がいなくなったのを確認し、再びメガトロンに向き直れば彼は可笑しそうに笑っていた。
「今更だろ」
「部屋だと気になるだろ」
外で逢う時は、いつも彼らが離れているときを見計らって触れ合っていたから。こんなにも近くで見られていては気が散ってしまう。
「なら、これでもう余所見しないな?」
「もちろん」
首に腕を回されて、引き寄せられるままにキスをした。
■
備え付けのシャワールームから出てくれば、先に洗浄を済ませていたメガトロンはソファに寝そべり、こちらの部屋に戻ってきていたおぷさんを枕に、抱き上げためがさんの感触を確かめるように捏ね回していた。
わたわたと手足をばたつかせるめがさんが可哀想にみえて、メガトロンから取り上げて机に置いてやる。
「あんまり乱暴するなよ」
「んー」
眠いのか間延びしたような生返事に苦笑し、ソファの端に腰掛けメガトロンのメットを撫でてやる。蕩けていくオプティックに、少し無理をさせてしまったかと反省した。彼も激務が続いているのだろうに、自分の部屋に彼が居る状況にはしゃいでしまった自覚はある。
今にも眠ってしまいそうなメガトロンに、このまま寝かせてやろうかと思ったのだが。ふとこのタイミングなら答えてくれるのでは、と閃いてしまって、好奇心に任せて問いかける。
「それで、結局なんで俺のことオプティマスって呼んでくれないんだよ」
「あー……だって知らなかったし」
「は?」
プライムになった時、改名までしていたなんて知らなかった。と枕にしていたおぷさんを抱え込んだメガトロンが、もっちりとしたその体に顔を埋める。
ソファに寝そべりリラックスしている様子に、すっかり部屋に馴染んだ姿に嬉しくもなるが、今何か聞き捨てならないことを言われた気がする。
「え? ……しらなかったの? 俺の名前?? ……え??」
「お前、名乗ったりしなかっただろ。どこかの戦闘で、崖から落ちるお前のことビーが『オプティマス』って叫んでるの聞いて、それで、ああ、こいつ『オプティマス・プライム』なのかって」
『オライオン・プライム』だとなんか合わないとは思っていた、と続けられてオプティマスは思わず顔を覆ってしまう。それを知った頃には既に何度も『プライム』と呼んでいたのでいきなり変えるのもおかしいし、わざわざ呼び名を変える程でもなかったから、と。
「…………ちょっと待ってな」
ああ、確かに。記憶を漁ってみたが、彼の前でプライマスから授かった名前を名乗った覚えがない。『メガトロン』の名はディセプティコンが呼んでいたからすぐに彼も名を変えたのだと知ったのだが。
メガトロンが言う戦いのことはよく覚えている。隙を突かれて崖上から突き落とされたことがある。あの時、崖の上からこちらを見下ろすメガトロンの目にいつもの殺意とは違った感情が混ざっている気がして、それが妙に印象的だったのでよく覚えていた。確か彼と訣別してから数サイクル後くらいのことだったと思うのだが、まさかその間ずっとオプティマスの名前を知らずにいたのだろうか? 不思議そうな顔をしていると思っていたが、初めてオプティマスの名前を聞いたからだったのかと漸く納得した。
数十サイクル越しにあの時の疑問が解消されて、喜ぶべきなのか呆れるべきなのかが分からない。そう言えば、D-16は妙なところで適当に流すところがあったな、と懐かしくもなる。そんなんだからしっかり者に見えて騙されやすいんだぞ、と苦笑する。
「それに、その……別にお前のことが嫌いになったわけじゃなかったんだ。プライムが嫌いなだけで、だから──」
「ディー……」
もごもごと言い訳を重ねるメガトロンに、オプティマスは笑みを零して彼の頬に手を伸ばす。こちらを見てくれない彼の顔を無理やり覗き込めば、照れているのか視線を逸らされた。
「今は? 俺のこと、好き? ──わっぷ!?」
「…………言わせるなよ、馬鹿」
青くてもっちりしたものを顔面に押し付けられて、視界が塞がれる。感触とその色から恐らくおぷさんを押し付けてきたのだろう。押し付けられたそれを退かせば、顔を赤くしてこちらを見上げるメガトロンにスパークを撃ち抜かれた。
素直じゃない彼からの、精一杯の愛情表現。そんな可愛いことをされてしまっては我慢なんてできるはずがないだろう。
「ディ~!! な、もっかいシよ?」
「うわ、重い! ふざけんな!!」
勢いあまって押し倒せば、反動で落とされたおぷさんが床を転がっていく。申し訳ないが今は助けてやる余裕がない。机の上にいためがさんが追って行ったから、そちらは任せよう。
もう二度と戻らないと思っていたのに、かつてのようにじゃれ合うような触れ合いが嬉しくて嫌がるメガトロンを抱きしめる。嫌だと言いつつ抵抗を見せない恋人に、そんなところが愛おしいとキスを贈ればすぐに大人しくなってしまう。
「ディー、だめ?」
「~~あと一回だけだからな」
床を転がるおぷさんをめがさんが止めてやると、ソファの上で再びイチャつきだした二機を見上げてぬいぐるみに徹してた二匹は顔を見合わせた。
「若いっていいなぁ」
「なんだ、おぷさんもキスがしたいのか?」
もちもちとした身体をくっつけて、戯れのように口をくっつけては離して笑い合う。上から聞こえる声は、いつの間にかじゃれ合いの声から甘く求める嬌声に変わっていた。
翌朝メガトロンがオプティマスの部屋から出てくるところはしっかり見られていたらしく、ゴッシプ誌の一面を飾ったらしい。