突発的にONEスタメガ短文
スタメガだよ
@fao_scherzo
『俺は好きだぜ、ディーのオプティック。綺麗で優しい金色だ』
珍しい色と形だと自覚はしていた。
物珍しさからコグ有りに不用意に絡まれることだって少なくは無かったし、一度見れば忘れるはずの無い特長であったものだから、トラブルに巻き込まれたのだって一度や二度ではなかった。
『彼』と出会うまでは、周囲と違って目立つオプティックが嫌いだったものだ。
あかいろ
「珍しいオプティックを持っているかと思いましたが、機能に問題は有りませんね」
「そりゃそうだろうな」
周囲と見た目が違うだけで機能に問題があっては、不良品扱いで昇進などすることはできない。
問題ないと言っているのに、過保護な彼らはメガトロンの機体の隅から隅までもを調べ尽くさなければ気が済まないらしい。ディセプティコンを立ち上げ基地を造り上げると、連日身体検査をされるとは思っても見なかったが。
今日の分の検査を終えてスラブから半身を起こせば、スタースクリームが目を丸くしてこちらを見ていた。
「ああ、もしかして気付いてませんか? 貴方のオプティック、色が変わっているんですよ」
「……それが?」
「俺とやり合った時にも多少色味が変わっていましたが。先天的なものである場合、機能に支障がある場合も多い。どうやらそちらは杞憂だったようですがね」
道理で今日は随分と念入りに検査をされていたのかと合点がいく。コグ無し労働者であった頃も身体検査は義務付けられていたが、あれは使い物になるかどうかの確認の意味合いが強かったためにここまで本格的に調べられるのは初めてだった。思えばあの頃から、良く視力に問題が無いか念入りにテストを受けさせられていた。てっきり物珍しさからのただの嫌がらせかと思っていたのだが。
「色が変わるのがそんなに不思議か?」
「ええ、まあ。感情によって多少色味が変わる奴や、自分から変える奴はいますがね。そこまではっきりと自然に変わるものは初めて見た」
データを確認していくスタースクリームをつまらなそうに見ていたメガトロンは、部屋を見渡す。鏡になりそうなものはなく、この場で自分の目の色を確認する術がない。
「……何色だ?」
興味があったわけではないが。そこまで色味が変わっているのか、と気になって問いかければスタースクリームの手が止まる。こちらをじっと見つめてきたかと思えば、データパッドを傍らに置き、スラブの上へと乗り上げてきた。
主に触れることへの躊躇はなく、まるで己の所有物に触れるかのように手が伸ばされる。スタースクリームの細身でありながら無骨な指先が頬を撫で、顎を掬い顔を上げさせた。怪訝な顔で睨む主とは裏腹に、彼の唇には微笑が浮かび、どこかうっとりと、恍惚と蕩けたオプティックにメガトロンの姿が映し込まれる。
赤いオプティックに映る自身の姿は赤に塗りつぶされ、その中でも真っ直ぐに見据えたオプティックはスタースクリームの色を移したように、滲む赤に揺れて溶けだし混ざり合う。
メガトロンのオプティックにもスタースクリームが映し込まれているのだろう。
奴の目には、一体何色が見えているのだろうか。
親指の先が目元を撫でて笑みが深まり、ゆっくりと口元が動く。
「俺とおんなじ。何もかもが憎くて仕方ない、赤色だ」
言われて漸く、スタースクリームの笑みの意味に気が付いた。
奴の目にも同じ色が映し込まれているのか。
赤に溶けるあかいろは、憎悪を固めて溶けだした熔岩のよう。
目につく全てを、呑み込み燃やして壊し尽くさねば気が済まないと、どろりと澱んで絡みつく。
その色に、かつて『彼』が綺麗だと笑ってくれた金色の影は微塵もない。
「──ああ、悪くないな」
赤いオプティックに映し込まれた自身の顔が、奴と同じ笑みを浮かべていた。
続きっぽいの
おなじいろ