超短い
@tirichann
時折、魔法舎の夜に緊張感が漂う。オズの部屋から、甘い空気が流れ込むのだ。決して嬌声が聞こえるわけではないが、魔法に長けた者達は性行為をしているのだとすぐに察しがつく。
そもそも、オズほどの魔法使いならば完全防御することも可能なはずだ。それをわざと緩め、賢者と致していることを他の魔法使い達に知らしめているのである。これは牽制だ、と思う。普通に考えたら喘ぎ声が聞こえる方がわかりやすいだろうに、賢者の嬌声は聞かせたくないらしい。
「オズ、若い子達が怖がってるよ」
翌朝、フィガロがオズに苦情のように言った。賢者はまだ朝食をとりにこない。賢者の部屋ではなく、オズの部屋にいるのは言うまでもない。
「それが目的だ」
オズは平然と告げて朝食をとる。自分の独占欲を満たすためならば、若い魔法使い達が怯えようとどうでもいいらしい。「この怖い空気は何で起こっているのですか」と聞かれるこちらの身にもなってほしいとフィガロは思った。