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【ォョ】思っていること

全体公開 ォョ関連 19 1463文字
2025-08-19 16:30:29

なんもないォョ
平和そのもの

Posted by @kurato0o




顔がいい。
ことが終わって、こちらを向いた状態で眠っているウォロを見詰めながら、ショウはほうと溜息を吐いた。
ウォロの持つ美の要素。高い鼻はすうっとしていて、涼し気な印象さえ与える。薄い唇はほんのり桜色に色付いている。長い睫毛は彼が瞬きする度に風を起こしそうでもある。なにより、いつも何を考えているのかよくわからない白磁の瞳。あれに見詰められると、ショウは何も言えなくなる。村の若い女の子はみんなウォロが好きなんじゃないかと思う。よく囲まれているのを見るし、なにかにつけウォロが呼ばれることも多い。けれどそれに嫉妬心を抱いたことはそうないような気がする。なんといってもこの男、美しいだけではないのだ。
そんなことを考えていると眠くなってくる。ふあっと欠伸をして、ごそごそとウォロの胸に擦り寄る。日頃冷たいくたいの体温は、眠っている間少し高くなる。ほんのりと温かい胸の中で、ショウは微睡みに身を任せた。



小さい。
本当に小さい。
ウォロは目の前を歩くショウの後頭部を見詰めた。白いほっかむりの結んだ先がぴょこぴょこと、彼女が歩く度に跳ねているのが可愛……いやそんなことはない。邪魔そうだ。
ショウは小さい。それは自分の身長も横幅も大きいことに起因するのだろうが、それにしても小さいと思うのは、彼女の行っていた功績によるものだろうか。そういえば他の女性がどれくらいの大きさなのか、ウォロはよく知らなかった。こう見えて(こう見えてだ)女性経験はなかった。必要性は感じなかったし、そもそも人と慣れ合うこと自体が好きじゃない。ウォロの人生は己の身ひとつで切り拓いてきたものだ。そこに女という種族はたいして重要ではなかった。なので、ショウが小さいと思っても比較対象がない。多分小さい。一番近しい人物であるコギトもここまで小さくはない。ショウが小さいのだ。
ぼすっと手を乗せてみると、これがまた小さい。片手で握りつぶせそうなほど小さい。
大丈夫なのだろうか。そりゃショウよりも小さいポケモンなんてごまんといるが、生命として正しい大きさをしているのだろうか。内臓はしっかり詰まっているのだろうか。不都合はないのだろうか。こんなに小さくて。
ひとり疑問に思っていると、ウォロより困惑した顔でショウが振り返った。丸い目がウォロを不安そうに見上げている。
――ちいさい…………
「ウォロさん?突然どうしたんですか?」
ショウは突然奇行に走った人間を見る目でこちらを見上げている。
なんだその目は。こっちは心配してやっているというのに。
ウォロは無意識に寄る眉間の皺に気付きながら、そのままぶっきらぼうに吐き捨てた。
「別に。そんなに小さくて何が出来るんだと心配してやっていたんですよ」
ほら、ワタクシの慈悲に感謝するといい。
それくらいの気持ちで言ってやったのに、ショウはますます困った顔をしてみせた。
「ウォロさんが大きすぎるんだと思いますよ?」
まるでこちらが間違ったかのような物言いに、ウォロは思わず舌打ちした。
生意気だ。ショウの分際で。
完全に気分を害したウォロに、ショウはやはり困ったという様子でしばらくまごまごしていたが、はたと思い付いたという表情を浮かべて、えいとウォロの腹部(小さいから)に抱き着いてみせた。
「オヤブンサイズだ」
楽しそうに腹部で笑う少女に、頭に乗せていた手は宙ぶらりんになる。
――ちいさ。
ウォロは無言で放り出された手でショウを抱いて、明後日の方角を見ながらそう愚痴を零したのだった。



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