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実弥 動揺

全体公開 鬼滅 587文字
2025-09-10 07:32:54
Posted by @tirichann

 とある任務の日、私は玄弥くんと一緒になった。周りの隊員は玄弥くんが鬼を食べることに驚いていたけれど、私はさして驚かなかった。ずっと前から知っていて、実弥に伝える好機を待っていたからだ。これ以上引きのばしていては他の誰かの口から実弥に伝わってしまう。そう判断した私は、任務に戻ってから実弥に会いに行った。実弥は簡単に風柱邸に私を入れ、まるで夕涼みでもするかのようにスイカを持って来た。何か喋りたそうな実弥を置いて、私は本題を切り出す。

「玄弥くん、鬼を食べてたね」
「は?」

 実弥の手から落ちたスイカが、地面に落ちて潰れた。実弥は予想通りの動揺を顔に広げていた。こんなことを告げたら、実弥は動揺するとわかっていた。そして受け止めきれない事実を前に、誰かを求めるだろうと。私を拒まない一瞬を作るためだけに、私はずっと玄弥くんが鬼を食べたことを言うタイミングを狙ってきた。

「んな……

 震える実弥を抱きしめる。実弥は拒まなかった。そうされることで安心を求めるかのようでもあった。私の目論見など気付かずに。

「ごめんね」

 私は謝る。それでも事実は変わらない。私が実弥を抱擁したことも、玄弥くんが鬼を食べたことも。この既成事実を作るのに、一体何ヶ月待ったのだろう。

 実弥は私の中でまだ震えていた。このまま後ろの布団へなだれ込む展開を、私はずっと狙っていた。


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