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おに宮の常連と治

全体公開 HQ 609文字
2025-09-11 06:24:05
Posted by @tirichann

 私がお腹の痛みを訴えた時、宮さんはあからさまに狼狽した。

「大丈夫ですか? トイレ行きます? それとも薬買ってきます? ていうか原因わかります?」

 私達はおにぎり宮の店長と常連という仲だ。今日は偶然外出先で一緒になったが、そこまで打ち明けた話をするわけではない。ましてや女性の体調の話だ。トイレ、原因などという言葉を使う人は少ないだろう。私の腹痛の原因は生理痛であったし、普通男の人もそれを気遣って腹痛の原因を聞かないはずだ。

「大丈夫ですから」
「でも」

 それでもなお食い下がる宮さんにとどめの一撃をさす。

「生理痛なんです!」

 男性には返す言葉もないだろう。宮さんは「おお」と言った後前かがみになっていた体を真っ直ぐに伸ばした。

「ほんますんません。常連さんやから、俺のおにぎりで食中毒でも起こしたらあかんと思って」

 どうやら、宮さんが心配していたのは自分のお店のことだったらしい。だから執拗に原因を聞いていたのだろう。そこで、私はある思いに駆られる。

「私のことを心配していたわけじゃなかったんですか?」

 よく考えずに口に出して後悔した。これでは心配してほしいと言っているみたいだ。まるで宮さんに気があるような。宮さんは驚いたように目を瞬いた後、「まあ、してますけど」と言った。二人の分かれ道にさしかかるまで結構な距離がある。これから何を話せばいいのだろうと、私は途方に暮れた。


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